インフィニティダンガンロンパ6 ようこそぼくらのコロシアイ強化合宿 作:M.T.
「うっ……うぅっ、大和……!」
薬師寺は、神風の遺体の前で泣いていた。
神風が、俺達の目の前で死んだ。
どんなに医療技術に長けた薬師寺でも、神風の命を救う事はできなかった。
嘘だろ…?
何で…
何でまたコロシアイが起こるんだよ…!?
「うわぁああああああん!!」
「ひっ、ひぃっ…!!あっ、あああ…っ!!」
「ヤマト…!?なあ、嘘だろ!?嘘だって言えよ!!」
「クッソ…何でこうなっちまうんだよぉ…!!」
「神風様…」
「とうとう神風にもカタストロフィが訪れたか…」
パニックを起こして泣き叫ぶ神無月。
顔を真っ青にして今にも卒倒しそうになる氷川。
泣き叫びながら神風の身体を揺する樺戸。
悔しそうに近くにあったテーブルを殴る酒蔵。
珍しくポーカーフェイスを崩し、動揺した様子を見せる梶野。
顔を青くしながら鎖を握りしめる安室。
皆、目の前の状況に混乱したり、悔しがったりしていた。
俺だって悔しかった。
内闘や山脇の時とは違う。
神風は、俺達の目の前で死んだ。
あの時何かしていれば助かったかもしれないのに、助けられなかった。
それがどうしようもなくやるせなくて、無力な自分を呪った。
「…なに?今度は神風が死んだの?」
「神風くんの魂が……」
アナウンスを聞きつけたのか、見張り役の打田と消灯寺がパーティー会場に入ってくる。
打田は冷淡に言い放ち、消灯寺は持ち前の霊能力で神風の霊を探していた。
するとその時だった。
「皆さん、先程のアナウンスは…ッ、キャアアアアアアッ!!」
舞台裏のピアノを調べに行っていたリーゼが、神風の遺体を見て悲鳴を上げる。
するとそこへ、ブレーカーを上げに行っていた六道が戻ってきた。
「うぃす…今戻った。……なに、かみかぜ…死んだの?」
「……ええ。防げなかった」
「…ふーん」
六道が尋ねると、薬師寺が涙を流しながら答え、六道は淡々と返事をする。
よく見ると、六道は眉間に皺を寄せていた。
六道も、どうやらこのコロシアイに対して嫌悪感を抱いているようだ。
「あれ?思ったより早かったね。キミ達はコロシアイをしないんじゃなかったっけ?」
突然、背後から声が聞こえた。
モノクマでもモノルナでもない。
この状況で不謹慎な事を言うそいつは…内闘の部屋に監禁されていたはずの的凪だった。
「な……!的凪…!?」
嘘だろ、いつから背後にいた!?
全然気付かなかったんだが……
…というか、あまりにも存在感がないもんだから、完全に的凪の事忘れてた。
「何でおまえがここにいる」
「あはっ、久々に本物の千春ちゃんの声が聞けて嬉しいなぁ。いやぁ、実はね。コロシアイが起こったからモノクマが解放してくれたんだよ。どうやらモノクマは、ボクにも捜査に参加する権利があるって判断してくれたようだね」
そう言って的凪は、余裕そうに笑った。
人が死んだってのに何でこいつはこんなにヘラヘラ笑ってられるんだ…?
「それにしてもキミ達本当に酷いよね。キミ達がボクを閉じ込めてくれたおかげで、ボクは3日もお風呂に入れなかったんだからさぁ。キミ達には思いやりってものを持ってほしいよ全く……」
「いやお前が言うな!!」
「酒蔵様、やめましょう。これ以上は不毛です」
的凪がわざとらしく不満を漏らすと、酒蔵が怒鳴りながらツッコミを入れ、梶野が酒蔵を止めた。
すると、その時だった。
『おやおや?何だか修羅場になっているようですなぁ』
突然、どこからかモノクマとモノルナが現れた。
「モノクマ…!」
『キャハハハ、アンタ達ってホントに喧嘩が好きよね!くだらない喧嘩でエネルギー消費して裁判で消耗するような事にはならないでよね?そんな事になったら面白くないし!』
モノクマに続けて、モノルナも不気味な笑みを浮かべる。
すると安室は、鎖の先端についた小さな剣をモノクマとモノルナに突きつけながら睨みつける。
「貴様ら…遺言はそれだけか」
『はいはーい、今回もモノクマファイルを差し上げますので、捜査に有効活用して下さい!それでは、ばいば〜い!』
そう言ってモノクマが去っていくと、モノクマファイルのアプリに新たなファイルが追加されていた。
俺は、神風の遺体の前で立ち尽くしている皆に尋ねた。
「……どうする?」
「…皆。検視は私にやらせて。お願い」
俺が尋ねると、薬師寺が力無く口を開く。
すると酒蔵が、薬師寺の隣に寄り添って口を開く。
「……ああ、そうだな。じゃあ、見張はおじさんがやるよ。おい的凪。お前も見張りだ」
「え?どうしてキミがボクの役割を勝手に決めるの?ボクはこれから千春ちゃんと捜査をする予定があるんだけど?」
「チッ、そんな予定無えよ」
「まあいいよ、どうせボクは今回の捜査で役に立てないだろうしね」
そう言って的凪は、検視役を引き受けた。
…何だこいつ、今回はやけにあっさり引き受けたな。
……まさかとは思うが、何か知ってるわけじゃないだろうな。
「なあ、六道。今回は一緒に捜査をしないか?」
「ことわる」
俺が六道に声をかけると、六道は勝手にどこかに行ってしまった。
…何なんだろう、あいつ。
「うぅっ、ひぐっ…」
俺の目に留まったのは、肩を震わせて泣きじゃくっている神無月だった。
いくら普段は憎まれ口を叩いている奴とはいえ、この状況で泣いてる奴は放って置けないよな……。
「なあ、神無月。今回は俺と一緒に捜査をしないか?」
「ひぐっ、ぐすっ…」
俺が声をかけると、神無月は泣きじゃくりながらも頷いた。
結局、薬師寺が検視、酒蔵と的凪が見張り。
俺と神無月、梶野と樺戸、リーゼと消灯寺、安室と打田、氷川と六道のペアで捜査をする事になった。
神風の為にも…絶対に真相を解き明かしてやる!
ーーー
《捜査開始!》
まずはモノクマファイルを確認しておこう。
モノクマファイル③
被害者は【超高校級の司令官】神風大和。
死亡推定時刻は、17時33分頃。
死因はアナフィラキシーショック。
死体発見場所はホテル2Fのパーティー会場。
脚に針で刺された痕がある以外に外傷はない。
コトダマゲット!
【モノクマファイル③】
さて…と。
次は神風の死の詳しい状況を深掘りしていこう。
確か、停電になってから神風が急に苦しみ出したんだよな。
だったら、停電が起こる前に神風の近くの席にいた奴が怪しいって事になるけど…
「えっと…神無月。停電が起こる前、神風の席の近くには誰がいたか覚えてるか?」
「うぅっ、ひぐっ…覚えてるよ。椛と、運命ちゃんと、あとみるくちゃんがいたはずだよ」
「その後誰かが移動した様子はあったか?」
「うるさいな、そんなのわかんないよ!…でも、多分、無い…と思う」
コトダマゲット!
【神無月の証言】
停電が起こる前、神風の近くには、梶野、神無月、氷川がいた。
神無月曰く、停電中に誰かが神風に近寄った様子はなかったようだ。
「……あれっ?」
何だろう、この違和感。
俺は、テーブルを見てふととある違和感を覚えた。
血のついたテーブル、おそらくここが神風の立っていた場所だろう。
そのテーブルの上にはグラスが転がっていて、テーブルクロスにはうっすらと緑色のシミがついていた。
おかしい。
俺が最後に見た時、神風のグラスに入っていたお茶はこんなに多くなかったはずだ。
「お茶が増えてる…?」
あの後あいつがお茶をお代わりしに行った様子も無かったし、お茶が勝手に増えるなんて事はないはずなんだがな。
…ん?
何だこのお茶、ちょっとだけ桃の香りがするぞ。
コトダマゲット!
【こぼれたお茶】
神風の席があった場所には、ちょうど倒れたグラスとこぼれたお茶があった。
だが、見るからに神風が飲んでいたお茶の量よりこぼれたお茶の量の方が多い。
ほのかに桃の香りがする。
「…あれ?」
何だこれ、テーブルに何か撒いてある。
これは…塩か?
ちょうど神風と神無月の間を繋ぐように塩の道ができていて、指でなぞったような跡があるな。
コトダマゲット!
【塩】
神風がいたテーブルに撒かれていた。
ちょうど神風と神無月の席の間を橋渡しするように撒かれていて、指でなぞったような跡がある。
「薬師寺、何かわかった事はあったか?」
「…ええ。大和の死因は、アレルギーよ」
「あ…そういえば、桃アレルギーって言ってたな」
「そうよ。それも、一口でも齧れば瀕死の重体に陥る程重度のね。今回の死因も、恐らく桃アレルギーで間違いないわ」
コトダマゲット!
【薬師寺の検視結果】
神風の死因はおそらく桃アレルギー。
「薬師寺は、神風にエピペンを打ったんだよな。それでもどうにかならなかったのか?」
「ええ。そもそも、エピペンはアレルギーの万能治療薬じゃないのよ。手は尽くしたけど、駄目だったわ」
「よくエピペン持ってたな…」
「大和がアレルギー持ちだから…何かあっても対応できるように、常に持ち歩いてたのよ。でも、こんな事になるなんて…」
「あれ?薬師寺は、神風のボディーチェック受けなかったのか?」
「受けたわよ。受けたけど、救急セットだけは会場内に持ち込むのを許されたのよ。何かがあった後じゃ遅いからね」
コトダマゲット!
【薬師寺の証言①】
薬師寺は、人命救助の観点から救急セットの所持だけは認められていた。
「なあ、酒蔵。何か見つけたりしたか?」
「…ああ。実は、こんなもんが神風クンの近くに落ちてたんだ」
そう言って酒蔵は、血のついた証拠品を見せてきた。
これは…花札、だよな?
血で汚れてよく見えないが…描かれているのは鹿か?
コトダマゲット!
【血のついた花札】
神風の近くに落ちていた。
鹿の絵が描かれている。
「なあ、的凪」
「なぁんだ、千春ちゃんかと思ったのに」
「うっせえ黙れ!!この気狂い!!人殺し!!」
「だから、ボクは誰も殺してなかったって言ってるじゃん。もうその話はどうでも良くない?今は神風くんを殺した犯人を探さないといけないんだからさ。で、何の用かな東野くん」
こいつ…あくまで自分は悪くないって言い張るつもりか。
だがこいつの言う通り、今は神風を殺した犯人を探す事に集中しないと。
「最後にお前の部屋に神風が来たのがいつかを教えてくれないか?」
「その質問は、ボクを犯人だと疑ってるって事でいいんだよね?誰がボクをあんな狭い部屋に閉じ込めたのか、忘れちゃったのかな?」
「それは……」
「冗談さ。神風くんが最後にボクの部屋に来たのは、大体27時間前だったと思うよ」
「そうか。もう見張りに戻っていいぞ」
27時間前…か。
じゃあ的凪は今回は何も関係ないって事なのか…?
コトダマゲット!
【的凪の証言】
神風が最後に的凪の部屋に来たのは27時間前。
それ以降神風と的凪の接触は一切無い。
でも万が一って事はあるかも知れない。
…念の為、薬師寺にも聞いておこう。
「なあ、薬師寺」
「何?」
「服用してから27時間以降に効果が出る致死性の毒に心当たりは?」
「無いわね。どこから27時間って数字が出てきたのかはわからないけど、そんなに効くのに時間がかかる毒薬はここには無かったわ」
「そうか、ありがとう」
コトダマゲット!
【薬師寺の証言②】
ここには、27時間以降に効果が現れる致死性の毒は存在しない。
ここでの捜査情報はこれくらいかな…
次はリーゼ達に話を聞いてみるか。
◇◇◇
《パーティーカイジョウ ブタイウラ》
「あら、東野さんに神無月さん。ご機嫌よう」
「リーゼ、消灯寺。そっちは何かわかった事はあったか?」
「ええと…そうですわね、おそらく事件と関係のある事だとは思うのですが…」
「何だ?」
「ええとですね、舞台裏のピアノの自動演奏がオンになっていましたの。時間は17時30分に設定されていましたわ」
17時半か…
ちょうど停電が起こった時間だな。
ん?ちょっと待てよ?
「ちょっと待て、そのピアノ、自動演奏機能があるのか?」
「ええ。あらかじめ時間を設定しておくと、その時間に演奏が始まるんです。まさかここのピアノにその機能があるとは思いませんでしたが」
自動演奏か…
誰が何の為にオンにしたんだろう。
コトダマゲット!
【ピアノの自動演奏】
舞台裏のピアノの自動演奏機能がオンになっていた。
演奏開始時間は、17時に設定されていた。
「あと…舞台裏に置いてあった空気清浄機がいつの間にかオンになってたよ」
「空気清浄機?」
「うん。何か、僕はよくわかんないけど、空気清浄機の…何だっけ」
「タイマー機能がオンになっていたんですの。ちょうど停電が起こった時間の直前にセットされていたんですのよね」
「そう、それ」
「そういえば、ピアノの音以外に何やら変な音がすると思っていたのですが…あれは空気清浄機の音でしたのね」
え、そんな音したか…?
流石【超高校級のオルガニスト】、細かい音も聞き逃さないんだな。
コトダマゲット!
【空気清浄機】
いつの間にかタイマー機能がオンになっていた。
タイマーの時刻は、ちょうど停電が起こる時間の直前に設定されていた。
「あと、舞台裏にあった機械の全部電源がオンになっていましたわね。電気を無駄遣いするのは宜しくありませんので、もう電源は全て落としましたが」
ん…?
ちょっと待て、今重要な事言わなかったか?
コトダマゲット!
【リーゼの証言】
舞台裏に置いてあった装置の電源が全てオンになっていた。
「ここで調べられるのはこれくらいかな…」
次は安室達に話を聞いてみるか。
◇◇◇
《パーティーカイジョウ》
俺は、一旦パーティー会場に戻って、捜査をしていた安室達に声をかけた。
「安室、打田。ちょっといいか」
「ふむ。陽の昇りし大地の名を冠す者と、玄英を宿した月の真名を持ちし者よ、何用だ?」
「あんた人の名前くらい普通に言えないわけ…?」
あ、今もしかして俺ら名前呼ばれた?
ごめん、一瞬わかんなかったわ。
「事件について、何か知ってる事があれば教えて欲しいなって思ったんだけど…」
「フッ…いいだろう。実は、俺様が魔眼を光らせていた場所に、こんな物が落ちていたのだよ」
そう言って安室が差し出したのは、壊れたメガネのようなものだった。
レンズの部分が割れてるし、もう使い物にはならなさそうだ。
「これは…?」
「どうやら、それは漆黒を見通す千里眼を授けし魔具のようだ。あの薄汚い食肉類が授けたものを誰かが見つけたらしいな……」
えっと…アレか。
モノクマがプレゼントするって言ってた暗視スカウターか。
でも何でこんなところに…?
コトダマゲット!
【暗視スカウター】
パーティー会場内に落ちていた。
赤外線を感知し、暗闇の中でもものを視認できるようになる。
「それと、もう一つ。一応宵闇が過ぎ去った後、俺様の魔眼に映った光景も教えておこう」
「…?ああ、教えてくれ」
「あの時、武神の咆哮の真名を持ちし者がもがき苦しんでいたのだが、癒しを与えし城の名を持つ者が駆け寄り癒しの儀式を施したのだよ。その他の者は、カタストロフィの恐怖で身体が石化してしまったようだがな」
「はい!?何て!?」
えっと……神風がもがき苦しんでた時、薬師寺だけが駆け寄って介抱したって言いたいのかな。
他の奴等は、恐怖で身体が動かず立ち尽くしていた、と。
…というか、得意げに語ってるけど、安室。
お前も動けなかったその他の奴等の一人だったんじゃないのか?
コトダマゲット!
【安室の証言】
停電が終わった後、薬師寺が血相を変えて神風に駆け寄り治療を施そうとした。
それ以外は、皆立ち尽くしていたらしい。
「なあ、打田。お前見張りだったよな。開宴時刻の後に会場に誰かが入ってきたのを見たりしたか?」
「いや、見てないけど。強いて言うなら、梶野が飲み物を持ってきたのと、停電が起こった時六道が出ていっただけ」
コトダマゲット!
【打田の証言】
開宴時刻の後でパーティー会場の中に入った人間はいないらしい。
強いて言うなら、梶野が見張り役の打田の飲み物を持ってきたのと、停電が起こった後に六道がブレーカーを上げに会場を出て行っただけ。
「じゃあ、誰かが何か怪しいものを持ち込んだって事は…?」
「多分無い。神風あいつ、コロシアイを防ぐためとか言ってボディーチェックした上で、あいつが怪しいと判断したものは全部ジュラルミンケースに入れてたから。あたしの銃まで没収されたのマジでムカつくんだけど」
ジュラルミンケースか…
打田の言っている事が本当なら、不審物を持ち込めた奴はこの会場にはいないって事になるな。
コトダマゲット!
【ジュラルミンケース】
全員の持ち物は、神風がチェックした後、怪しいと判断されたものはジュラルミンケースにしまわれている。
ジュラルミンケースを開けられるのは神風だけ。
「なるほどな。ありがとう」
俺は、安室と打田に声をかけて、パーティー会場を後にした。
次はレストランを調べている梶野と樺戸に話を聞いてみるか。
◇◇◇
《レストラン》
レストランに行くと、梶野と樺戸が捜査をしていた。
俺は、まず梶野に声をかけた。
「なあ梶野、パーティーの食事で何か変わったところはなかったか?」
「そうですね、食事で神風様が亡くなられたという可能性は薄いと思うのですが…私達は、薬師寺様から神風様のアレルギーの話をお聞きし、神風様のお食事は別に用意しておりましたので」
「ちなみに、事件前からそれを知ってたのは誰だ?」
「まず貴方と私、薬師寺様、あとは酒蔵様と氷川様ですね。…あ、私がお食事を作っている時に顔を出していらっしゃった樺戸様と神無月様ももしかしたら知っていらっしゃるかも知れません」
「え〜、なになに何の話?」
なるほどな…
コトダマゲット!
【梶野の証言①】
神風の桃アレルギーの事を確実に知っているのは、俺、梶野、酒蔵、氷川、薬師寺の5人。
もしかしたら樺戸と神無月も知っていたかもしれないとの事。
「それと、一応パーティーの役割も覚えている限りでお教えしましょうか」
「ああ、頼む」
「畏まりました。まず、酒蔵様、東野様、氷川様、薬師寺様、そして私が調理係。安室様、樺戸様、神無月様、リーゼロッテ様、六道様が装飾と余興担当、神風様が今回の催しの監督兼開宴前の見張り、打田様と消灯寺様が見張り担当でしたね。調理係は準備時間中全員厨房にいて、それ以外の方は、樺戸様と神無月様以外はパーティー会場にいたかと。打田様と消灯寺様は、開宴後も会場の外で見張りをしていらしたので、私が飲み物をお持ちしました」
コトダマゲット!
【準備の役割分担】
俺、薬師寺、梶野、酒蔵、氷川が調理担当。
安室、樺戸、神無月、リーゼ、六道が装飾・余興担当。
神風が企画の監督と会場の見張り。
調理担当は厨房に、余興担当はパーティー会場にいた。
打田と消灯寺が見張り担当で、パーティー中も会場の外で見張りをしていた。
「あ、そういえば、事件と関係のある事なのかはわからないのですが…」
「ん、どうした?」
梶野は、何か思い当たる事があるのか、俺にコソッと耳打ちをしてきた。
「停電が起こる前、神無月様が神風様にご自身のお茶を押し付けようとしていらっしゃいましたね。『変な香りがするから要らない』と仰っていたかと…」
神無月が…?
一応、頭の隅に置いておく価値はありそうだな。
コトダマゲット!
【梶野の証言②】
停電が起こる前、神無月が自分のお茶を神風に押し付けようとしていたらしい。
「ちなみに、誰が何の飲み物を選んでたかって覚えてるか?」
「それなら、樺戸様に聞いた方がよろしいかと」
「おう!任せとけ!オレは全部覚えてるぜ!食いもんの事ならなんでも覚えてるからな!」
すげえ記憶力…
食い物の事になると賢くなるのか?
「えっとな、まず、オレンジジュースがオレとリーゼだろ、ブドウジュースがアスナとヒロキだろ、リンゴジュースがキヨミとみるく、モモジュースがチハル、ニホンチャがヤマトとモミジとレイアン、あと、ウロン?ウロォン?」
「烏龍茶?」
「そうそれ!それが、リョーカとサダメ、あとジュンだったぜ!あっ、でもモミジはニホンチャの前にモモジュース飲んでたな!」
なるほどな。
一応、覚えておこう。
コトダマゲット!
【樺戸の証言】
パーティーの時の飲み物は、
樺戸とリーゼはオレンジジュース。
安室と酒蔵はブドウジュース。
打田と氷川がリンゴジュース。
六道がモモジュース。
神風、神無月、消灯寺が緑茶。
梶野、俺、薬師寺が烏龍茶。
ただし、神無月は緑茶の前にモモジュースを飲んでいた。
よし。
次は……
ピーンポーンパーンポーン
『えー、もう待ちくたびれたので捜査時間を打ち切らせていただきます!オマエラ、ホテル1階のロビーの前まで集合して下さい!あ、もちろん全員参加だからね?15分以内に来ないとオシオキしますよー!』
え、もう終わり?
まだ調べたい事あったんだが…
でも、ここで迷っている場合じゃない。
行かなきゃ。
俺は、覚悟を決めてホテルのロビーの前に向かった。
◆◆◆
side R
だるい。
本当にだるい。
さっきまでゲームしてたのに、おかげで中断したじゃんよ。
でも寝ちゃったら死ぬし…しょうがないな。
「よし。今から本気出す」
ちはる、始動。
「まずはこのテーブルから調べるか」
ボクは、神風がいた席の周りについた血を調べる事にした。
でもその前に…
「おい、氷川。おまえはどっか向いてろ。今回も気絶されたらあしでまとい」
「ひ、ひぃ…!すみません…!」
流石に血を見る度に気絶されたんじゃ、迷惑だからな。
あしでまといよりは、役に立たない方がまだマシ。
ボクは、まだ乾いていない血をよく観察してみる。
…ん?
何だこれ。
この血、何か変。
吐血したにしては色が鮮やかだし、胃の内容物も混ざってない。
喀血にしては血の飛び散り方が不自然だし…なんだこれ。
コトダマゲット!
【会場についた血】
吐血にしては血の色が鮮やかで、胃の内容物も混ざっていない。
喀血にしては血の飛び散り方が不自然。
ボクが別の場所を捜査しようとしたその時、奴が声をかけてきた。
「やあ、千春ちゃん」
「うわきもっ」
ボクは、思わず反射的に口を開いた。
だってこいつ本当にキモいんだもん…
「あの…六道さん…っ、言い方……」
「本日も大変おキモうございますわね。お消えになって下さいまし」
「そ、そういう事じゃないと思うんですけど……」
なんだ、違ったのか。
というか、こいつに気を遣う必要ありゅ?
「あはは、千春ちゃんの声聞いたら何だか元気が出てきたよ。実はね、さっき神風くんの身体を調べてたら、面白いものを見つけたんだよ。千春ちゃんにあげる」
「おい、氷川。ゴム手袋と消毒液」
「えっ、あっ、はいぃ…!」
こいつが渡してきたものを素手で触るとか、正気の沙汰じゃないからな。
ボクは、三重にゴム手袋をはめてクソ凪が渡してきた証拠品を受け取った。
なんだこのゴミ。
プラスチックの、耳みたいな形のフレーム…?
なんか藤色の糸みたいなのが絡まってるけど…
これ、もしかして神風の髪の毛か?
コトダマゲット!
【プラスチックのフレーム】
耳みたいな形をしたフレーム。
神風の髪の毛が絡まってる。
神風の身体を調べた時に的凪が見つけたものらしい。
「あの…っ、六道さんは、停電が起こってから、その…神風くんが亡くなるまでの間、何をしていらしたんですか?」
「ブレーカー上げに行ってたけど。マ●クラやってる途中で薬師寺にパシられてさ。そんで、ゲームの明かりを頼りにパーティー会場の外に出てブレーカー上げに行って、戻ってきたら神風が南〜無〜してました…と」
「え゛っ、停電中にゲームしてたんですか!?」
「そうだよ…わるいかよ。…あっ」
「あ、あの…六道さん?」
「そういえば…あの時の薬師寺、やけに焦ってたな。あれ、なんだったんだろ」
コトダマゲット!
【ブレーカー】
ちはるがゲームの明かりを頼りにブレーカーを上げに行った。
薬師寺が切羽詰まった様子でちはるをパシッてきた。
「そういえばさ…ボクが会場に戻ってきた時、演奏止まってたけど、アレはリーゼが止めたんだよね?」
「ええと…はい、そうですね。明かりが点いた直後に演奏が止まりました」
「確かリーゼをパシッたのも薬師寺だったよね」
「す、すみません…わたしは、その辺はあまり覚えてないです…」
んー…
何か点と点が繋がりそうで繋がらんな。
後でゆっくり考えてみるか。
コトダマゲット!
【停電中のリーゼの行動】
リーゼも薬師寺にパシられてピアノの演奏を止めに行った。
演奏が止まったのは、ちはるがブレーカーを上げた後だったらしい。
「………あ」
そういえば、ボクが薬師寺にパシられてブレーカーを上げに行った時、神風の席のあたりから何か『ガシャン』って音が聴こえた気がしたけど、アレは何だったんだろう。
もしかして、この部品と関係あったりすりゅ?
「おい、氷川」
「は、はひっ…!?何ですか!?」
「おまえ…何かが落ちるような音を聞いたりしたか?」
「い、いえ…ごめんなさい、パニックになっちゃってて…」
…ふぅん。
まあ、こいつはすぐにパニックになるから証言がアテになるとは最初から思ってなかったけどさ。
コトダマゲット!
【何かが落ちたような音】
薬師寺にパシられてブレーカーを上げに行った時、神風の席のあたりから『ガシャン!』って何かが落ちる音が聴こえたような気がした。
「ボクさ、ブレーカー上げに行ってたから事件の詳しい状況とか知らないんだけど、それって聞けたりする?」
「ええっと…お、覚えてる範囲なら…確か、六道さんがパーティー会場を出た直後、神風くんが急に苦しみ出して…それで…っ、ひっ、すっ、すみません…それ以上は…!」
「いや、いい。今の話で聞きたい事は聞けたから」
コトダマゲット!
【氷川の証言①】
ちはるがブレーカーを上げに行った直後、神風が突然苦しみ出した。
「あのさ、氷川は?」
「へ?わ、わたし?」
「事件に関してさ…何か気になった事とかないかって聞いてんの。最後まで言わせんなよ、眠いんだから」
「ええと…そう言われても……あっ」
「なに?」
「そういえば、パーティーの前に神風くんが舞台裏の機材の確認をしていました。何をしているのか聞いたところ、『パーティーで使うかもしれない照明や音響の動作確認をしている』との事でして…」
「……ふぅん」
照明や音響の動作確認、ねぇ。
コトダマゲット!
【氷川の証言②】
パーティーの準備の前、神風がパーティー会場の舞台裏で機材の確認をしていた。
「そういえばさ、パーティーの役割分担考えたのって誰?」
「ええと…神風くんですけど…企画を考えたのも神風くんです。それがどうかしたんですか?」
「いや、ちょっと思うところがあるだけ」
コトダマゲット!
【氷川の証言③】
氷川曰く、パーティーの役割や企画を考えたのは神風らしい。
ここで調べられるのはこれくらいかな…。
次行くか、次。
◇◇◇
《レストラン》
次にボクが来たのは、レストランだった。
もし本当に神風の死因がアレルギーなら、一番怪しいのは食い物だからな…
ボクは、手分けして氷川と一緒に厨房を調べた。
鍵付きの冷蔵庫に入ってる食品もあったから、鍵は氷川に開けてもらった。
…あれ?
何だこれ。
『ジャバウォックピーチ』…?
一本だけジュース瓶の蓋が開いてるし、量も心なしか少し減ってる。
『ピーチ』って書いてあるくらいだから桃のジュースなんだろうけど、これ、パーティーのやつとちがくね?
「おい氷川。何だこれは」
「あっ…そ、それは、ジャバウォックピーチといって、ジャバウォック島にだけ存在する桃らしいんですけど、その桃のジュースみたいです。何でも、普通の桃の成分が10倍に濃縮された希少な桃らしくて…」
10倍ってマ?
それ、口の水分全部持ってかれるやつじゃん。
「そういえばさ…死因はアレルギーって書いてたけど、神風ってアレルギー持ちなの?」
「えっと…はい。確か、桃アレルギーだと仰っていましたね」
「ふぅん」
じゃあ、単純に考えれば、普通の桃ジュースの10分の1の量でアレルギーが起こるって事になるのかな。
知らんけど。
コトダマゲット!
【ジャバウォックピーチ】
普通の桃の10倍の成分が含まれた桃。
何故かジュース瓶の蓋が開いていて、一本だけ中身が少し減っていた。
ちなみにジュースは鍵付きの冷蔵庫の中に入っていた。
「よし、次行くか」
調べ物を終えたボクは、次に気になっていた場所に向かった。
◇◇◇
《シンリョウジョ》
さて…と。
ボクの考えが正しければ、ここにあるはずのものが減ってるはずだ。
あったあった。
…ん、やっぱり半分くらい減ってる。
輸血パックが一つだけ、中に入ってる血が減ってた。
多分、神風の血液型に対応したやつだと思う。
「……ふんふん、やっぱりね」
コトダマゲット!
【輸血パック】
神風の血液型に対応した輸血パックの血が半分減ってた。
ピーンポーンパーンポーン
『えー、もう待ちくたびれたので捜査時間を打ち切らせていただきます!オマエラ、ホテル1階のロビーの前まで集合して下さい!あ、もちろん全員参加だからね?15分以内に来ないとオシオキしますよー!』
ちっ、もう終わりか。
でも調べる事は大体調べ終わったし、行くか。
◆◆◆
side HG
《ホテル ロビー》
俺達は全員、ホテル1階のロビーに集まった。
すると、モノクマが俺達の前に現れる。
『うぷぷ、全員集まったね?それじゃあ、裁判場にレッツゴー!』
『はぁい、いくよ〜!皆〜!』
モノルナは、ステッキを取り出して振り回した。
するとそれに合わせてゴゴゴゴ…と地響きのような音が響き、ロビーのカウンターが右にスライドする。
そこからは、エレベーターが現れた。
俺は、覚悟を決めてエレベーターに乗り込む。
すると扉が閉まり、エレベーターが下に動き始めた。
神風…
あいつは、俺達のリーダーだった。
あいつだけは、揺らいじゃいけなかったんだ。
多分、ここにいる誰よりも、生き残るべき奴だった。
なのに、俺達の前で呆気なく死んでしまった。
もしあいつを殺した奴がこの中にいるのだとしたら、俺達が見つけなきゃいけない。
待ってろ、神風。
俺が、絶対に真実を解き明かしてみせる!
ーーー 生存メンバー ーーー
【超高校級の小説家】
【超高校級の軍医】
【超高校級のオルガニスト】リーゼロッテ・ベルゲングリューン
【超高校級の原型師】
【超高校級の心霊学者】
【超高校級のディーラー】
【超高校級のカルタ師】
【超高校級のグラシエール】
【超高校級のソムリエ】
【超高校級のカバディ選手】
【超高校級の狙撃手】
【超高校級の幸運】
【超高校級のゲームプログラマー】
ノコリ13人
ーーー 死亡メンバー ーーー
【超高校級のギャル】
【超高校級のプロレスラー】
【超高校級の絵本作家】
【超高校級のヒットマン】
【超高校級の司令官】
以上5人
推しがいたら教えてくんなまし
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東野潤_小説家
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暗野斬良_???
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殉前詩乃子_ギャル
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神風大和_司令官
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薬師寺療香_軍医
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リーゼロッテ_オルガニスト
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安室明日奈_原型師
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消灯寺霊庵_心霊学者
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山脇ゆか_絵本作家
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梶野運命_ディーラー
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神無月椛_カルタ師
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氷川みるく_グラシエール
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酒蔵飛露喜_ソムリエ
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樺戸ラムジ_カバディ選手
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内闘力也_プロレスラー
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打田清美_狙撃手
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的凪梢_幸運
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六道千春_ゲームプログラマー
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モノルナ_引率教師