インフィニティダンガンロンパ6 ようこそぼくらのコロシアイ強化合宿   作:M.T.

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お久しぶりです!
捜査編書き終わりました!





非日常編①(捜査編)

「的凪…!?お前、何で……」

 

俺は、理解が追いつかなかった。

六道に続けて、何で、的凪まで…

 

「ぅ……」

 

「おい!こいつ生きてんぞ!」

 

「本当か!?」

 

打田が叫んだので、俺も急いで的凪の容態を確認した。

…良かった、まだ息はある。

的凪は確かに最低な奴だけど、だからって死んでいいわけじゃない。

だけど今の俺達じゃ、六道と的凪を助けられそうにない。

薬師寺がいれば助けられたかもしれないけど、もういない奴の事を考えたって仕方ない。

こうなったら…!

 

「おい、モノクマ!」

 

『はい何でしょ』

 

「的凪と六道が危険な状態だ!!早く助けてくれ!!」

 

『えー、そんなのオマエラで何とかしなよ。ボクはしーらない』

 

モノクマは、そう言い残して去ろうとする。

すると打田が、キッとモノクマを睨みながら口を開く。

 

「…そんな言って、いいの?」

 

『はにゃ?』

 

「さっき、死体発見アナウンスが流れたよね。でも、クソ凪も六道も生きてる。つまりさっきのアナウンスは、別の奴が死体を発見してアナウンスが放送されたって事になる。クロの判定は早い者勝ちなんでしょ?じゃあこのまま二人が死んだら、その死はあたしらにとって無意味なものになる。裁判には関係ない無駄な犠牲を見過ごすって事はさ、捜査と裁判に参加する人数を意図的に減らそうとも取れるんだけど?公平を謳うあんたらが、公平性を歪めるような事、していいの?」

 

『ぐぬぬ…、そこまで言われちゃうとぐうの音も出ませんな。わかったよ、それじゃ、二人はボク達が助けとくので、オマエラは捜査と裁判に集中しやがって下さい!』

 

「言ったな?絶対助けろよ」

 

『わかってるって。ボクもそこまでイジワルなクマじゃないクマ!』

 

そう言ってモノクマがパチンと指を鳴らした、その直後だった。

何やら音がしたのでモーテルの外を覗くと、救急車がモーテルの方へやってきていた。

きゅ、救急車!?

 

『あとは、殺人ドクターの異名を持つボクに任せて!至急!この患者2名をモノクマ救命センター24時に搬送します!そんじゃあまたねー!』

 

殺人ドクターって…殺しちゃってるじゃないか。

まあ…今は、あいつらに任せるしかないか。

 

「ありがとう、打田」

 

「勘違いしないで。利用できる駒は減らしたくないだけ。さて、事件が起こったみたいだし、まず誰が死んだのか確認しないと」

 

誰が死んだのか確認って…

仲間が死んだのに、何でそんな平気でいられるんだよ…?

 

「打田…お前、よくそんなに冷静でいられるな」

 

「あんたこそ、ぼさっとしてると死ぬよ」

 

そう言って打田は、モーテルを出ようとする。

するとその時だった。

 

「東野様!打田様!」

 

「皆!」

 

モーテルの外を調べていた梶野達が戻ってくる。

戻ってきたのは、安室、梶野、樺戸、神無月、酒蔵、氷川の6人だけだ。

 

「そっちは?誰が死んだの?」

 

「……リーゼロッテ様と、消灯寺様です」

 

そんな…リーゼと消灯寺が…

あんなに仲良しだった二人が、どうして…

 

「そ。ちなみにこっちはクソ凪と六道が瀕死だった。死んじゃいないけど」

 

「そんな…六道ちゃんが…」

 

打田が言うと、みんながショックを受ける。

今的凪と六道は治療中だから、これで8人か…

 

 

 

『キャハハ!一気に4人も脱落者が出るなんて、アンタ達やるぅ〜!あ、2人はまだ脱落してなかったか』

 

突然、どこからかモノルナが現れた。

俺達は、こんなコロシアイをさせたモノルナを睨みつけた。

 

「モノルナ…!」

 

『今回もモノクマファイルを差し上げますので、捜査に有効活用しやがって下さい!じゃあね〜!』

 

そう言ってモノルナは、どこかへと去っていく。

今回も、新たなアプリが追加されていた。

 

「で、今回は誰が検視やるわけ?」

 

「私がやります。一応、少し知識を齧っているので」

 

「………」

 

今回検視に名乗り出たのは梶野、見張りに名乗り出たのは安室だ。

見張りは一人か…

少し心許ないけど、人数が減ってしまったから仕方ない。

すると、神無月が梶野を指差して抗議する。

 

「ちょっと待って!運命ちゃん、まさかリーゼちゃんに変な事する気じゃないよね!?」

 

「ご心配なく。私、ネクロフィリアの気はございませんので。それとも、あなた方女性陣に代わりに検視をしていただけるのでしょうか?」

 

「うぐ…」

 

…うん、仕方ない。

二人の検視は梶野に任せるしかない。

今回は誰と捜査するか…

 

「打田、今回は俺と捜査しないか?」

 

「何であたし?…ま、別にいいけど」

 

「あの「言っとくけど!あたし犯人じゃないから」

 

そう言って打田は、先に行ってしまった。

今回は、俺と打田、氷川と神無月、酒蔵と樺戸のペアで捜査する事になった。

今回は、リーゼと消灯寺、二人が死んだ。

六道と的凪だって、あと少し発見が遅れれば死んでいたかもしれない。

四人の為にも、絶対に犯人を見つけ出してやる…!

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

《捜査開始!》

 

 

 

まずはモノクマファイルを確認しておこう。

 

モノクマファイル④  

被害者は【超高校級の心霊学者】消灯寺霊庵。

死因は失血死。

死体発見場所は、スポーツセンター2Fプール前のアクアリウム。

腹部と背中に刃物で刺されたような傷がある他、内臓が破裂しており、脇腹に打撲痕が見られる。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【モノクマファイル④】

 

 

 

モノクマファイル⑤

被害者は【超高校級のオルガニスト】リーゼロッテ・ベルゲングリューン。

死因は失血死。

死体発見場所は、スポーツセンター2Fプール前のアクアリウム。

喉と腹部に刃物で刺されたような傷があり、首の後ろに火傷の跡がある。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【モノクマファイル⑤】

 

 

 

「なあ、打田は事件当時何してたんだ?」

 

「は?事件当時?死亡時刻もわかんないのに答えられるかよ」

 

「大体でいいんだ。事件が発覚するまで、皆が何をしていたのかを一応頭に入れておきたくてさ」

 

「はぁ…昨日は、六道が自分の部屋に行ってからあたしもすぐ部屋に行った。大体9時過ぎくらい?で、今日は5時半に起きてモーテルのダイニングで本読んでた。今日の朝飯当番も見てたはずだから…少なくとも、5時半から今まではアリバイがあるんじゃない?そう言うあんたは?」

 

「えっと…昨日は、9時半に部屋に戻ったよ。で、今日は4時半くらいに目が覚めて、氷川とちょっとだけ雑談して…で、そのあとは暇潰しにマリンブルー・シンドロームのダイジェストを二章まで見てたよ」

 

「何だ、あんたも似たようなもんじゃん。つーか、あんたの方がアリバイ無いじゃん」

 

うぐ…確かに…

 

「アリバイはいいからさ、事件があったっていうプールの方行こうぜ」

 

「そ、そうだな…」

 

俺と打田は、早速プールへ移動した。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

《プール》

 

俺がプールに行くと、梶野と安室が検視をしていた。

アクアリウムに入っていたというリーゼと消灯寺の遺体は、ブルーシートの上に並べて置かれていた。

 

「おや、お二人とも」

 

「梶野…それに安室。…その、リーゼと消灯寺は…」

 

「…モノクマに引っ張り出してもらったんだ。アクアリウムの中にいたままじゃ、捜査できないからな」

 

安室は、検視をしている梶野を見張っていた。

ふとブルーシートに目を向けると、そこには…

 

「わっ!?」

 

ら、裸体…!?

じゃなかった、リーゼの遺体が、服を脱がされてショーツ一枚の姿でシートの上に置かれていた。

いくら遺体だからって、酒蔵じゃあるまいし凝視は良くない。

お、俺は何も見てないからな!

 

俺が咄嗟に顔を覆い隠すと、隣にいた打田がジト目を向けてくる。

 

「…何赤くなってんの。あんたさては童貞?」

 

「な!?」

 

い、いきなり何聞いてきてんだこいつ!?

普通人前で聞くかそんな事!?

 

「だ、だったら何だよ!?」

 

「別に。ただ、足は引っ張らないでよね」

 

相変わらず言い方キツいな…

しかし、何だこの状況は。

まさか梶野が脱がしたわけじゃないだろうし、元々この状態だったって事だよな…?

でも何で…?

 

俺が考えていると、打田がぼそっと呟く。

 

「これ、アレにそっくりだね」

 

「アレ…?」

 

「マリンブルー・シンドローム。あんたもダイジェスト見たんじゃないの?」

 

「え…?いや、俺は二章までしか見てないけど…三章はどんな内容だったんだ?」

 

「D子がE男を色仕掛けでペンションの外に連れ出して、崖の上で包丁でE男の腹に包丁ブッ刺して、自分も腹に包丁ブッ刺して抱き合ったまま海に飛び込んで心中…ってオチ」

 

そんな内容だったのか…

水場で、腹に刃物を刺して、抱き合って心中…

まさに今回の事件を予知したような内容だな。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【マリンブルー・シンドローム】

モノクマが寄越したゲーム。

全部クリアすると、報酬とダイジェスト映像がプレゼントされる。

ゲームの舞台は、窓から群青色の海が見える常夏のペンションで、12人の男女が引き起こす殺人事件をテーマにしており、実在の人物をモデルにした推理アクションゲーム。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【打田の証言】

マリンブルー・シンドロームの三章は、D子がE男を色仕掛けで外に連れ出し、D子がE男と自分の腹に刃物を刺して抱き合ったまま海に飛び込んで心中した、という内容だったらしい。

 

 

 

「じゃあ何?マリンブルー・シンドロームの内容を素直に考えれば、今回の事件はリーゼが消灯寺と心中したってのがオチって事?」

 

打田が言うと、検視をしていた梶野が口を開く。

 

「いえ。そんな単純な話じゃないと思いますよ」

 

「は?」

 

「消灯寺様とリーゼロッテ様の刺し傷の入射角は、全てお二人がご自分で刺す事が不可能な角度でした。つまり二人のどちらかが心中を図った、という線は消えるわけです」

 

「じゃあ、こいつらを殺した犯人は別にいるって事か。…ま、そんな事だろうとは思ってたけど」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【刺し傷の入射角】

リーゼと消灯寺の刺し傷の入射角は、全て自分で刺す事が不可能な角度だった。

 

 

 

「で、死亡推定時刻は?」

 

「…申し訳ございません。そこまでは特定できませんでした。何しろ、水に浸かっている状態でしたので…ですが、ひとつ気になる点がありました。消灯寺様の脇腹の傷なのですが…」

 

そう言って梶野が消灯寺の服を捲ると、消灯寺の腹にはL字型の傷がついていて、傷の周りが内出血で痣になっていた。

 

「何だこれ。まるで角に強く打ちつけたような…」

 

「ええ。おそらく、犯人と揉み合いになって突き飛ばされた際にできた傷でしょうね」

 

犯人と揉み合いになって、か…

 

 

 

コトダマゲット!

 

【消灯寺の脇腹の傷】

脇腹にL字型の傷と内出血の痕がある。

おそらく犯人と揉み合いになって突き飛ばされて、脇腹を角に強く打ち付けてできた傷。

 

 

 

「それから、リーゼロッテ様の首に火傷痕がありました。小さな点のような火傷痕が二つついていますね」

 

ほんとだ。

…あれ?

この火傷痕、どこかで見た事ある気が…

 

 

 

コトダマゲット!

 

【火傷痕】

リーゼの首についていた。

小さな点が二つ連なったような火傷痕。

 

 

 

「私からの報告は以上になります」

 

そう言って梶野は、リーゼの身体にブルーシートを被せた。

 

「わかった、ありがとう。ところで…その、検視って、リーゼの身体を調べたのか?」

 

「…?何を仰っているんです?きちんと調べないと、検視にならないでしょう?」

 

いや、たしかにそうなんだけどさ。

よくそんな平然としていられるな…

 

「ああ、ご心配なさらず。私、別にご遺体に劣情を抱くような異常性癖は持ち合わせておりませんので」

 

異常性癖って…別にそういう事を言ってるんじゃないんだが…

 

「安室は何か見つけたか?」

 

「…これ」

 

そう言って安室が見せてくれたのは、濡れた包丁だ。

 

「リーゼロッテと消灯寺が入っていたアクアリウムに落ちていた包丁だ」

 

「そうか、ありがとう」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【包丁】

アクアリウムに落ちていた。

 

 

 

「えっと…二人の遺体を最初に見つけたのは誰だ?」

 

「…俺様だ」

 

そっか、安室が…

もしかしたら、安室は今回の事件の重要参考人になるかもしれない。

 

「その時の状況を詳しく教えてくれないか?」

 

「…早朝に、リーゼロッテとプールのバックヤードの入り口で会う約束をしていたのだ。だが約束の時間になってもリーゼロッテが来ないから、アクアリウムの近くのベンチで待っているうちにいつの間にか眠ってしまって…目が覚めたら、あんな事に…!」

 

安室は、拳を握りしめながら当時の状況を話した。

…友達を亡くして、きっとショックなんだろうな。

 

「安室は大体どのくらいベンチで眠ってたんだ?」

 

「えっと、5時に待ち合わせしていて、30分後くらいに眠ったから…大体2時間くらいかな…」

 

「一応確認だけど、最初にアクアリウムを見た時には遺体は無かったんだよな?」

 

「当たり前だ!もしあったら貴様らを呼んでいる!…暗かったのと魚が泳いでいたせいで、よく見えなかったが…少なくとも、死体など入っていなかった!本当だ!ほら、ちゃんと待ち合わせの約束の紙もあるぞ!」

 

そう言って安室は、持っていた紙切れを見せた。

そこには、『安室さんにどうしても話したい事があります。午前5時にバックヤードの入り口で待ってます』とワープロで書かれた文面と、プールの間取り図が書かれていた。

うーん…

これがリーゼ本人が書いたものとはにわかに信じ難いな。

そんなに大事な話なら、直接約束をしておけばよくないか?

 

「待ち合わせの紙、か…ちなみにこれは、リーゼが直接手渡してきたのか?」

 

「いいや…夜寝る前に、ドアの隙間から差し込まれて…」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【安室の証言】

今日の午前5時にリーゼとバックヤードの入り口で待ち合わせをしていた。

約束の時間になってもリーゼが来なかったから、ベンチで待っているうちに寝落ちしてしまい、午前7時半に目が覚め、その時に死体を発見した。

最初に見た時は、暗かったせいでよく見えなかったが、少なくとも死体は無かった。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【待ち合わせの手紙】

安室がリーゼから受け取ったという手紙。

『安室さんにどうしても話したい事があります。午前5時にバックヤードの入り口で待ってます』と書かれたワープロの文字と、プールの間取り図が描かれている。

夜寝る前にドアの隙間から差し込まれていたらしい。

 

 

 

「ちなみに、梶野は今朝は何をしてたんだ?」

 

「4時半から7時までは、酒蔵様と氷川様と一緒に朝食を作っていましたよ。…あ、氷川様は数分遅刻でしたが」

 

「そう、だよな…」

 

梶野と酒蔵と氷川は、朝食を作ってたんだよな。

って事は、この三人は犯人じゃないって事か…?

 

「ここで手に入れられる情報はこれくらいか…」

 

「次はあっち調べよう」

 

「あ、ああ」

 

俺と打田は、樺戸と酒蔵が捜査をしている更衣室に向かった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

《ジョシコウイシツ》

 

俺と打田は、まずは女子更衣室から調べる事にした。

正直、罪悪感がないわけじゃないけど…

しのごの言ってる場合じゃない。

…よし、入るぞ。

 

「樺戸クン、見ろよ…!パンツがあるぜ」

 

「ま、真面目に捜査しろよヒロキ!!」

 

…………。

 

何してんだこいつら。

 

「…あんた達何してんの」

 

打田が話しかけると、樺戸と酒蔵がビクッと肩を跳ね上がらせる。

よく見ると、酒蔵は女物の下着を手に握っていた。

 

「う、打田ちゃん!?ち、違うんだこれは!おじさんは、落ちてたものをたまたま拾っただけで…」

 

「何言ってんだヒロキ!さっきこっそり持って行こうとしてただろうが!」

 

…え?

マジか?

ここに置いてあった女物の下着を?

こっそりネコババしようとしていたと?

……うわ、マジでないわこいつ。

 

俺がドン引きしていると、打田が殺気を放ちながら銃を上に向けて発砲した。

火薬が破裂するような轟音が、更衣室内に響く。

 

「穢らわしい」

 

打田が地を這うような声で言うと、樺戸と酒蔵が身を寄せ合って黙り込む。

打田は、ゆっくりと酒蔵の方へ手を差し出しながら言い放つ。

 

「それ、こっちに寄越せ。大事な証拠品をあんたに持たせたくない」

 

「………ハイ」

 

「チッ」

 

酒蔵が顔を真っ青にしてガタガタ震えながら手に持っていた下着を差し出すと、打田は大きめの舌打ちをしながらそれをひったくった。

流石の酒蔵も、本職の殺気に満ちた脅しは怖くて仕方ないらしい。

まあ、10:0で酒蔵が悪いけど。

 

「あ、あと、証拠になるかわかんねーけど、着替えとバッグが置いてあったぜ」

 

そう言って樺戸が指を差した先には、折り畳まれた着替えと、メッシュのバッグが置いてあった。

バッグの中身は、タオルや化粧品、石鹸類だった。

調べるまでもなく、リーゼの私物だ。

でも、どうしてこんなものがこんな所に?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【女子更衣室の着替え】

女子更衣室に着替え一式とバッグが置き去りにされていた。

リーゼのものと思われる。

何で女子更衣室に?

 

 

 

「けど、何で着替えがこんなところに置いてあんの?ポイ捨ては校則違反のはずでしょ?」

 

「それなんだけどさ、ポイ捨ての定義って何なんだろうな」

 

『うぷぷ、ズバリお答えしましょう!』

 

打田と俺が話していると、モノクマが俺達の間に割り込む形で現れた。

急に出てくんなよ、もう慣れたけどさ。

 

「うわあ!?」

 

「てめぇ、いきなり出てくるんじゃねえ!!」

 

『えー、オマエラがボクを仲間にしたそうな顔でこっち見てたから出てきてあげたのにさ!それに、女子の下着をネコババしてコソコソシコシコしようとしてたオマエに言われたくないやーい!』

 

「そ、それは今関係ないだろうが!」

 

いや、関係あるとかないとかじゃなくて、普通にやってる事が犯罪行為なんだよ。

打田は、腕を組んだまま壁にもたれかかって尋ねる。

 

「で、何をしたらポイ捨てになるわけ?」

 

『ズバリ『ポイ捨て』は、皆で使う場所に故意に私物を置き去りにしたままその場を長時間離れる事全般を指します!『ポイ捨て』は、その場を離れてから6時間経過した時点で成立します!ちなみにポイ捨ての時間のカウントは、操作時間中も止まらないのでご注意下さい!』

 

なるほどな。

じゃあ、リーゼの私物がここにあるのにポイ捨てと判定されなかったのは、まだ6時間経ってないか、ここに荷物を置き去りにしたのが故意じゃなかったからって事か。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【ポイ捨て】

『私物』を『共同で使う場所』に『6時間以上』置き去りにしておくとポイ捨てが成立する。

捜査時間中も、ポイ捨てのカウントは止まらない。

 

 

 

「で、あんた達は他に何か見つけたものは無かったの?」

 

「ああ、それなんだけどよ。女子更衣室のゴミ箱に、ミネラルウォーターのペットボトルが大量に捨ててあったぜ」

 

そう言って樺戸が指差したゴミ箱には、確かにペットボトルが大量に捨てられていた。

何でペットボトルがこんなに捨ててあるんだ…?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【大量のペットボトル】

女子更衣室のゴミ箱に捨てられていた。

何でこんなところに…?

 

 

 

「しっかし、リーゼちゃんと消灯寺クンが…クソッ、あの時おじさんがリーゼちゃんを見たのが最後になっちまうとはなぁ…」

 

「最後?それはいつの話だ?」

 

「昨日の夜8時半くらいだったかな。リーゼちゃんが、女子のシャワールームのシャワーが壊れてて困ってたからおじさんが声をかけに行こうとしたら、先に的凪のクソが『プールのシャワーを使ったらどうか』って提案してさ。あいつの事だからリーゼちゃんを危険な目に遭わせるつもりなんじゃないかと思って、おじさんは止めたんだよ。でもリーゼちゃんは、『シャワーを浴びてくるだけだから』っつってそのままプールに行っちまったんだよな。あの時もっと強く止めてりゃあよかったのかね」

 

的凪がリーゼにプールのシャワーを使うよう提案したのか。

…あれ?

何かデジャヴだな。

…いやいや、今回は的凪も殺されかけてるし。

的凪がリーゼを殺したって事は…ないよな?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【酒蔵の証言】

リーゼは、的凪の提案で、8時半ごろにプールのシャワーを浴びに行った。

酒蔵がリーゼを見たのはそれが最後。

 

 

 

「ちなみに、男子更衣室も先に調べたけど何も無かったぜ」

 

「そっか。ありがとう。ちなみに酒蔵と樺戸は、今朝何してたんだ?」

 

「俺か?俺はずっと部屋で寝てたぜ!6時過ぎにダイニングに顔出したけどな!」

 

「それはおじさんも確認してるよ。ちなみにおじさんは、梶野クンや氷川ちゃんと朝飯作ってたよ。…あ、そういや、今朝は珍しく氷川ちゃんが遅刻してきたんだよな。何かあったんじゃないかと思って直接呼びに行ったから、よく覚えてるよ」

 

氷川が遅刻…か。

その時は、確か俺が氷川とちょっとだけ雑談したんだよな。

…あ、もしかして、氷川が朝食作りに遅刻したのって…

 

「…ごめん。もしかして、氷川が遅刻したのって、俺のせい?」

 

「ん?何の事だい?」

 

「いや、実はさ。今朝氷川に会ったんだけど、何か髪が濡れてたから『シャワー浴びてきたのか?』ってな話から入って、ちょっとだけ雑談したんだよ。そっか、朝食作りに向かう途中だったのか。声かけるタイミング悪かったな」

 

そりゃあ、これから用事があるって時に雑談されたら、イラっともするしさっさと話切り上げたくもなるわな。

今思えば、申し訳ない事したかもな。

 

「東野クン。女の子を口説くのは良いけど、相手の事も考えてあげなきゃ嫌われるぜ?」

 

「女子の下着をネコババしようとしたお前に言われたくない」

 

俺が正論を言うと酒蔵が『グハッ』とか言ったけど、知った事か。

俺のはまだ笑い話で済むけど、そっちはガチ窃盗だから。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【今朝の氷川の様子】

4時半に俺と会った時に少し髪が濡れていた。

その後、酒蔵に呼ばれて朝食作りに参加したらしい。

 

 

 

「とりあえず、今調べられるのはこれくらいかな」

 

「そうだね、じゃあ次行こうか」

 

俺と打田は、まだ調べていない場所を調べる事にした。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

俺と打田は、バックヤードの奥へと足を進めた。

するとその時、モノルナがガックリと肩を落としているのを見つけた。

 

『とほほ…』

 

「そこ居られると邪魔なんだけど」

 

モノルナが項垂れていると、打田がピシャリと言い放つ。

打田は相変わらずだな…

…いや、待てよ?

こういうところにこそ、事件解決のヒントがあるかもしれないな。

 

「いや、ちょっと待て。どうしたんだ?」

 

『潤クン!聞いてください!昨日の夜、アクアリウムの掃除をしようと思ったのに、諸事情があって掃除ができなかったのです!この事がバレたら、お兄ちゃんに怒られちゃう!』

 

いや、知るか。

というか、このアクアリウムはこいつらが掃除してたのか。

道理で毎日綺麗だと思った。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【モノルナの証言】

アクアリウムの清掃は毎日夜中に行われるが、昨日は何故かアクアリウムの清掃ができなかった。

 

 

 

モノルナの話はこの辺にして、次はバックヤードの奥を調べるか。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

《バックヤード》

 

バックヤードでは、神無月と氷川が捜査をしていた。

 

「うぅっ…消灯寺くん…リーゼさん…どうしてこんな事にぃぃ…!」

 

「うっさい!!いつまでも泣いてたってしょうがないでしょ!?」

 

その場で蹲って泣いている氷川を、神無月が責めていた。

俺は、神無月を宥めてから、二人に捜査情報を尋ねる。

 

「落ち着け神無月。二人とも。そっちは何かわかったか?」

 

「見ての通り、これだよ」

 

そう言って神無月が指差したのは、床の血痕だ。

血痕はちょうど二人分ある。

 

「ここからバックヤードの外に動かされた形跡はなかったよ。多分、二人はバックヤードで殺されたと見て間違い無いと思う」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【血痕】

床に二人分の血痕がついている。

バックヤードから移動させた形跡は無い。

 

 

 

「………」

 

「打田、何してんだ?」

 

「見てわかんない?血の乾き具合から死亡時刻を推定してんだけど」

 

「…で、お前から見てどうなんだ?」

 

「さあね…ただ、乾き方からして8〜9時間は経ってると思う。確実とは言い切れないけど」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【血の乾き具合】

打田の見立てによると、大体8〜9時間は経っている。

 

 

 

「それと、これ見て」

 

神無月が指を差した場所には、細いレールのような血痕がついていた。

 

「何かさ、タイヤ痕みたいじゃない?」

 

「確かに…」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【タイヤ痕】

血のついたタイヤ痕がある。

何故ここに?

 

 

 

「ええっと…あと、関係あるかどうかはわからないんですけど…そこにこんなものが落ちてました…」

 

そう言って氷川が見せたのは、消灯寺が履いていたと思われる下駄だった。

下駄の転がっている場所の直線上には、ちょうどあいつの脇腹くらいの高さの角があった。

 

「…ひょっとして、ここにぶつけた時に脱げたのか?」

 

「そうかもね。見て」

 

そう言って打田は、下駄を拾い上げて見せた。

 

「靴底にはベッタリ血がついてる。でも、靴底以外には血がついてない」

 

「本当だ」

 

…何だ、この違和感は?

この事件はマリンブルー・シンドロームをなぞるように起こった。

だとすると、何かが噛み合わない。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【下駄】

バックヤードに落ちていた。

おそらく消灯寺が履いていたもの。

角にぶつけた時に脱げたと思われる。

底が血で真っ赤に染まっている以外は、特に目立った血痕などはついていない。

 

 

 

「これは?」

 

打田は、バックヤードにあった水槽を指差した。

 

「ああ、予備水槽だよ」

 

「予備水槽?」

 

「夜中にさ、そこに魚を移してアクアリウムを掃除するんだって。モノルナちゃんが言ってたよ」

 

なるほどな…

…ん?

この水槽、何で濡れてるんだ?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【予備水槽】

バックヤードにある水槽。

アクアリウムの清掃の際に魚を一時的に移動させておくためのものらしい。

何故か水槽が濡れている。

 

 

 

「あれ?これは何だ?」

 

バックヤードには、巨大なクレーンが設置されていた。

こんなの、何に使うんだろう。

 

『キャハハ!それは、予備水槽を移動させる為のクレーンだよ!』

 

うわ…モノルナ。

いつの間に。

 

『お魚さんが入った水槽ってものすごく重たいでしょ?だからそこにあるクレーンで移動させてから掃除するのよ!』

 

なるほどな…

 

 

 

コトダマゲット!

 

【クレーン】

予備水槽を移動させるために設置されている。

 

 

 

「…あれ?何だこれ」

 

俺は、床にある金属の蓋のようなものを見つけた。

よく見ると、血がついている。

 

「それはアクアリウムの入り口です」

 

「アクアリウムの?」

 

「ええ。そこから、直接アクアリウムに移動できるんです。ダイビングが楽しめるとモノルナさんが言ってました。その扉を開閉するには、こっちの機械で電子ロックを解除する必要があるんです」

 

「そんな事言ってたっけ?あたい、機械とか嫌いだから全部忘れちゃった!」

 

「なるほどな…」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【アクアリウムの入り口】

バックヤードにあるアクアリウムへの入り口。

電子ロックを解除しないと開閉できない。

 

 

 

「ねえ、東野」

 

不意に後ろから打田に声をかけられる。

何か見つけたのか…?

 

「どうした?打田」

 

「見るからに怪しいもの見つけたんだけど」

 

そう言って打田が持ってきたのは、血のついた台車だ。

うげ…そんなのどこにあったんだよ。

とりあえず、それが事件に関わるヒントになりそうだって事は間違いなさそうだな。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【台車】

バックヤードに置かれていた。

よく見ると血がついている。

 

 

 

「そういや、お前らはプールの探索係だったよな。他にバックヤードの事を知ってる奴はいるか?」

 

「うーん…多分あたいとみるくちゃんとリーゼちゃんだけだと思うよ。ここの事知ってるの。あたいは、ここでモノルナちゃんから説明受けたから知ってるけど」

 

じゃあ、初日の探索係以外は、バックヤードの事は知らないって事で良さそうだな。

もしかしたら、犯人を見つける上で重要なヒントになるかもしれないから覚えておこう。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【神無月の証言】

バックヤードの探索に来たのは、神無月、氷川、リーゼの三人。

それ以外のメンバーは、バックヤードの構造についてほとんど知らない。

 

 

 

「ここで調べられるのは、これくらいかな」

 

「だね」

 

よし。

次は……

 

 

 

ピーンポーンパーンポーン

 

『えー、もう待ちくたびれたので捜査時間を打ち切らせていただきます!オマエラ、ホテル1階のロビーの前まで集合して下さい!あ、もちろん全員参加だからね?15分以内に来ないとオシオキしますよー!』

 

え、もう終わり?

まだ調べたい事あったんだが…

でも、ここで迷っている場合じゃない。

行かなきゃ。

俺は、覚悟を決めてホテルのロビーの前に向かった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

side R

 

「う……」

 

ボクは、知らない部屋で目を覚ました。

なんだここ。

病院…?

 

ボクは…確か昨日、あいつと話してて、それで、首を刺されて…

…だめだ、記憶が曖昧で思い出せない。

つーかねみいだりい。

 

…あ、そうだ。

パソコンは…

 

「…よかった、無事か」

 

ボクがリュックを漁ると、ちゃんとノーパソがリュックに入っていた。

良かった、盗まれたわけじゃなかった。

つーかこれ、今どういう状況?

何でボクは治療を受けてるわけ?

 

『うぷぷぷ、お目覚め?』

 

「…ものくま。これ、どういう状況?」

 

『今は捜査時間中だよ!殺人事件が起こったので、皆で捜査をしているのです!』

 

「事件…」

 

やっぱりボクが意識を失ってる間に事件が起こってたのか。

で、ボクは捜査と裁判に参加する為にわざわざモノクマに治療されたと。

だいたい理解した。

 

『か、勘違いしないでよね!今が捜査時間中じゃなかったら、オマエラなんか治療しなかったんだから!』

 

オマエ『ラ』?

なに、ボク以外にも治療受けてる奴いんの?

うわ、世紀末かよ。

 

ふと横を見ると、カーテンで仕切られたベッドがもう一台設置されていた。

ボクは、そっとカーテンを捲って横に寝てる奴の姿を確認する。

 

「…うげ」

 

よりによって、何でくそ凪が一緒なの…

こいつ、絶対いらん事するし…どうしよう?

…よし、今のうちに死なない程度に殺しとくか。

 

やはり暴力…!

暴力は全てを解決する…!!

 

「いたた……あれ?ここは、一体…?ボクは…何をして………あれ?あなた…どちら様ですか?」

 

「……は?」

 

なにいってんのこいつ…?

 

「ご、ごめんなさい…ボク、気がついたらここで寝てて…今まで何をしていたのかも、どうしてこんな所にいるのかも、何でこんな怪我してるのかも、何も思い出せなくて…あの、これ、どういう状況なんでしょうか…?」

 

こいつ…まさか、怪我のショックで記憶全部消し飛んだのか?

…うわ、マジか、めんどくさ。

とりあえず、時間無いしサクッと30文字で説明するか。

ボクは、起こった事をくそ凪にありのまま話した。

 

「なるほど…それで、ボク達は、仲間の誰かを殺した犯人を探す裁判に参加して、その裁判に勝たないといけない…と、いうわけですね。何というか…すごい残酷なゲームですね。こんな、人の心を弄ぶような悪どいやり方…許せないです」

 

ど の 口 が い う か。

何こいつ、急にしおらしくなりやがって、くっそきもい。

 

「あの…六道さん。ボクはこれからどうすればいいのかな」

 

正直、こいつここに置いて行きたい。

でも前回の裁判も、こいつの勘の良さが無ければ解明できなかったとこあるし…

記憶が無いみたいだし、今までの鬱憤晴らしにパシリとしてこき使ってやるか。

 

「…おまえ、動けんの?」

 

「えっと…一応」

 

「じゃあ、ものっっっっすごく不本意だけど、ボクと一緒に捜査するぞ。ものくま…捜査時間ってあとどれくらい残ってんの?」

 

『んー、大体3時間くらい?』

 

少なっ。

じゃあ、ちゃっちゃと捜査しないとな。

 

「動けんなら、ぼさっとしてないでさっさと行くぞ」

 

ボクがベッドから起き上がって布団をゔぁさぁってやると、くそ凪…的凪がぽかんとした表情でこっちを見てくる。

 

「……天使のような人だ…」

 

「はへ…?」

 

何言ってんだこいつ…?

意味がわかんないんだけど。

ガチで頭打っておかしくなったか?

 

「ま、せいぜいお荷物にはなるなよな…」

 

「あっ、そうだ!荷物!」

 

「は…?」

 

「六道さんの話が本当なら、クロがボク達を襲ったって可能性もあるわけだよね。もしかしたら、ボク達の持ち物に犯人の手掛かりがあったりしないかなって思ったんだけど…どうかな…?」

 

…確かに、一理ない事もないな。

一応私物は確認しておくか。

ボクがリュックと自分の服を確認していると、的凪が声を上げる。

 

「あれ?何だろう、これ…」

 

的凪は、黒い袋をボクに見せてきた。

これは…

スタンガンのケース…?

 

「スタンガンのケース?何でおまえがそんなもん持ってんの…」

 

「わ、わかんない…」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【スタンガン】

スタンガンのケースが的凪の服の内ポケットに入っていた。

元々スタンガンを的凪が持っていた…?

 

 

 

「…あれ?まだ何か入ってる」

 

まじ…?

こいつの服、四次元ポケットかよ。

 

的凪が次に取り出したのは、ガラスの破片だ。

何か、注ぎ口みたいなのがあるけど…

 

「なにそれ」

 

「わかんない…」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【ガラスの破片】

的凪のジャケットのポケットに入っていた。

注ぎ口みたいなものがある。

 

 

 

「的凪。ちょっと頭の傷見せて」

 

「えっ…いいけど」

 

ボクは、的凪の頭の傷を調べた。

んー…

何か筒状のもので殴られたみたいな痕だな。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【的凪の頭の傷】

まるで筒状のもので殴られたような痕になっている。

 

 

 

「その包帯、どうしたの?」

 

「ああこれ…?僕もよくわかんない…」

 

「…ちょっと診るよ」

 

「わ、ちょっ、六道さん!?」

 

ボクは、的凪の腕の包帯を解いて傷を調べた。

的凪の腕には、まるでフォークでブッ刺されたみたいな傷が無数に刻まれていた。

…こいつ、もしかして頭殴られた上にフォークでブッ刺されたわけ?

ぐっろ。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【的凪の腕の傷】

フォークでブッ刺されたような傷が無数にある。

 

 

 

「次はおまえがボクを診る番」

 

「えっ、でもボク、そんな知識無い…」

 

「あほか、首の後ろブッ刺されたから自分じゃ診れないんだよ」

 

ボクが髪を軽くまとめながら言うと、的凪は戸惑った様子でボクの首を見た。

ちっ…時間が無いから早くしてほしいんだけど。

 

「えっと…細い棒状のもので刺されたみたいな傷があります…」

 

棒状、か…

アイスピックか何かかな。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【首の後ろの傷】

首の後ろをアイスピックか何かで刺されたような傷がある。

 

 

 

「でも、どうしよう六道さん…もう捜査してる時間無いよ」

 

「ちはる様を舐めるな人間風情が。ボクが何の為にΩを作ったと思っている?ボクは、砂漠の中から闇雲に一粒のダイヤモンドを探し出す馬鹿な猿とは違う。Ωに事件の内容を学習させて、事件と関連性の高い場所を割り出す。やるからには、徹底的に、効率的に、合理的に、だ」

 

ボクは、ノーパソを開くと、Ωに今回の事件のファイルの内容を学習させた。

するとΩは、数十分かけて事件と関連性が高いと予測される場所をいくつか割り出してくれた。

 

「ビンゴ」

 

関連性が高い場所の一つ目は、モーテルだ。

 

「よし、まずモーテル探すぞ」

 

「えっ…?死体の発見場所を探すんじゃ…?」

 

「どあほ。そんなわかりきったところ、みんな既に捜査してんだよ。ボク達が捜査しなきゃいけないのは、誰も探さないような場所…違う?」

 

「た、確かに…」

 

ボクと的凪は、早速モーテルを探しに向かった。

ボク達が向かったのは、モーテルのダイニングだ。

ボクは、早速ダイニングの厨房の引き出しを探した。

 

「…やっぱり」

 

やっぱり、フォークとアイスピックが一本ずつ減ってる。

じゃあ犯人は、ここから持ち出したフォークとアイスピックでボク達を殺そうとしたって事…?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【フォーク】

モーテルの厨房から一本減っていた。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【アイスピック】

モーテルの厨房から一本減っていた。

 

 

 

「…よし、次は外探すぞ」

 

「えっ、外…?」

 

「いいからついてこい」

 

「ま、待ってよ六道さん…!」

 

ボクは、的凪を連れて外を探した。

プールの近辺を探していると、あるものを見つけた。

 

「…なんだこれ」

 

ボクが見つけたのは、何かのタイヤ痕だ。

タイヤ痕を辿ってみると、ゲレンデに辿り着いた。

 

「何でプールとゲレンデの間にこんなものがあるの…」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【外のタイヤ痕】

プールの近くにあった。

辿ってみると、ゲレンデに繋がっていた。

 

 

 

ピーンポーンパーンポーン

 

『えー、もう待ちくたびれたので捜査時間を打ち切らせていただきます!オマエラ、ホテル1階のロビーの前まで集合して下さい!あ、もちろん全員参加だからね?15分以内に来ないとオシオキしますよー!』

 

ちっ…もう時間切れか。

でも調べる事は大体調べ終わったし、行くか。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

side HG

 

《ホテル ロビー》

 

俺達は全員、ホテル1階のロビーに集まった。

そこには、的凪と六道の姿もあった。

 

「お前ら…何でここにいるんだ?治療を受けてたんじゃなかったのか?」

 

「なんか治ったからボク達も裁判に参加する」

 

「ほ、本当にこれから命懸けの裁判をやるんですね…」

 

本当にって…今更何を言ってるんだこいつ?

 

「なあ六道。何か的凪おかしくないか?」

 

「何か知らんけど、頭ぶつけたショックで記憶なくしたっぽい。知らんけど」

 

いや、『知らんけど』って…

 

「は?何それ。シャレにならないんだけど」

 

「えっ、本当に何も覚えてないわけ?」

 

「う、うん…」

 

「マジかよ…いや、瀕死だったっつってたのにもう治ったのもビックリだけどさ。じゃあアレか?俺達は、記憶喪失の的凪のフォローをしながら犯人探ししなきゃいけないって事か?」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

的凪の奴、本当に記憶喪失になっちまったのか?

だとしたら、山脇や内闘、暗野を殺した事も覚えてないっていうんじゃ…

…いや、今はそんな事考えてる場合じゃない。

今は、この裁判でどうやって真犯人を探し出すかを考えないと。

そんな事を考えていると、モノクマが俺達の前に現れる。

 

『うぷぷ、全員集まったね?それじゃあ、裁判場にレッツゴー!』

 

『はぁい、いくよ〜!皆〜!』

 

モノルナは、ステッキを取り出して振り回した。

するとそれに合わせてゴゴゴゴ…と地響きのような音が響き、ロビーのカウンターが右にスライドする。

そこからは、エレベーターが現れた。

 

俺は、覚悟を決めてエレベーターに乗り込む。

すると扉が閉まり、エレベーターが下に動き始めた。

 

リーゼは、分け隔てなく皆に優しい奴だった。

消灯寺は、最後まで考えが読めない奴だったけど、俺にとっては大切な仲間だった。

二人とも、殺されていい理由なんてどこにもなかったんだ。

 

二人を殺した犯人は、俺が絶対に突き止めてみせる…!

 

 

 

 

 


 

 

 

ーーー 生存メンバー ーーー

 

【超高校級の小説家】東野(ヒガシノ)(ジュン)

 

【超高校級の原型師】安室(アムロ)明日奈(アスナ)

 

【超高校級のディーラー】梶野(カジノ)運命(サダメ)

 

【超高校級のカルタ師】神無月(カンナヅキ)(モミジ)

 

【超高校級のグラシエール】氷川(ヒカワ)みるく

 

【超高校級のソムリエ】酒蔵(サカグラ)飛露喜(ヒロキ)

 

【超高校級のカバディ選手】樺戸(カバド)ラムジ

 

【超高校級の狙撃手】打田(ウチダ)清美(キヨミ)

 

【超高校級の幸運】的凪(マトナギ)(コズエ)

 

【超高校級のゲームプログラマー】六道(ロクドウ)千春(チハル)

 

【サポートAI】アルターエゴ・Ω

 

ノコリ11人

 

 

 

ーーー 死亡メンバー ーーー

 

【超高校級のギャル】殉前(ジュンマエ)詩乃子(シノコ) Prologue 見せしめ

 

【超高校級のプロレスラー】内闘(ナイトウ)力也(リキヤ) Chapter.1 シロ

 

【超高校級の絵本作家】山脇(ヤマワキ)ゆか Chapter.1 シロ

 

【超高校級のヒットマン】暗野(アンノ)斬良(キラ) Chapter.1 クロ

 

【超高校級の司令官】神風(カミカゼ)大和(ヤマト) Chapter.2 シロ

 

【超高校級の軍医】薬師寺(ヤクシジ)療香(リョウカ) Chapter.2 クロ

 

【超高校級のオルガニスト】リーゼロッテ・ベルゲングリューン Chapter.3 シロ

 

【超高校級の心霊学者】消灯寺(ショウトウジ)霊庵(レイアン) Chapter.3 シロ

 

以上8人

 

 

 

 

 

推しがいたら教えてくんなまし

  • 東野潤_小説家
  • 暗野斬良_???
  • 殉前詩乃子_ギャル
  • 神風大和_司令官
  • 薬師寺療香_軍医
  • リーゼロッテ_オルガニスト
  • 安室明日奈_原型師
  • 消灯寺霊庵_心霊学者
  • 山脇ゆか_絵本作家
  • 梶野運命_ディーラー
  • 神無月椛_カルタ師
  • 氷川みるく_グラシエール
  • 酒蔵飛露喜_ソムリエ
  • 樺戸ラムジ_カバディ選手
  • 内闘力也_プロレスラー
  • 打田清美_狙撃手
  • 的凪梢_幸運
  • 六道千春_ゲームプログラマー
  • モノルナ_引率教師
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