インフィニティダンガンロンパ6 ようこそぼくらのコロシアイ強化合宿   作:M.T.

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非日常編④(学級裁判後編)

《学級裁判 再開!》

 

六道「記憶喪失のフリをして、こいつらを騙して、お前は一体何がしたいんだ」

 

的凪「………」

 

的凪、お前…やっぱり嘘ついてたのか。

的凪は、俺達を騙してまで一体何がしたかったんだ…? 

 

 

 

的凪「…………ぷっ!」

 

東野「……は?」

 

的凪「アハハハハハ!!そうだよね、やっぱり千春ちゃんは騙せないよねぇ!いやぁ流石千春ちゃんだよ!ボクの嘘を見透かしちゃうなんてさ!やっぱり最後には愛が勝つんだね!」

 

六道「…やっぱりそうだったか。こいつまじで気持ち悪い」

 

的凪「アハハいいよ千春ちゃん、ボクを軽蔑するその目!あーこれだから嘘つくのってやめらんねーわ!」

 

東野「的凪…お前、記憶喪失のフリしてたのって、まさか…」

 

的凪「ん?そうだよ?それもこれも全部、千春ちゃんに見破ってもらうための嘘だよ?大変だったよ。千春ちゃんにしか見破れないギリギリを攻めるの!」

 

樺戸「テメェ…!!オレ達を騙してやがったのか!!ふざけやがって!!」

 

打田「何言ってんのこいつ…怖」

 

的凪「これだけは、胸を張って言えるよ。今この瞬間が、人生で一番幸せ」

 

六道「こいつもう記憶から消したい」

 

的凪「あぁ〜萌えるわその目。ボクは千春ちゃんの為なら喜んで死ねるし、他の皆が死のうがどうでもいいんだけどさ。性格クソドブスな犯人よりは、千春ちゃんの方が百那由他倍生かす価値があるからさ。千春ちゃんの為にも、みんな頑張って犯人を見つけようね」

 

酒蔵「てめぇが俺達に指図してんじゃ…」

 

氷川「ぎぃいいいいいいいいっ!!!」

 

酒蔵「ひ、氷川ちゃん…?」

 

梶野「氷川様、落ち着いて下さい。このままでは、議論ができません」

 

神無月「みるくちゃん、いちいち反応しなくていいから!話し合いになんないじゃん!」

 

的凪「あれれ?どうしたの氷川さん?ボクはただ、犯人の性格が醜いって話をしてるだけだよ?君が犯人じゃないなら、自分の事を言われてるわけじゃないから聞き流せるはずでしょ?そんなに過剰反応したら、犯人だって疑われちゃうよ?」

 

氷川「ふ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」

 

的凪がわざとらしく言うと、氷川は発作を起こして泣き声を上げながら証言台を何度も叩いた。

的凪、お前まさか…

 

的凪「ま、余興はこの辺にするとして…もう犯人丸わかりだよねぇ?」

 

東野「的凪…お前、いい加減にしろ…!」

 

的凪「え?何が?ボク、何か悪い事したっけ?」

 

東野「お前…っ!!」

 

的凪が平然と言うと、俺は目の前が真っ赤になって、拳を握った。

わかってるんだ。

俺にはもう、犯人がわかってる。

だけどこんなやり方、絶対に正しくない。

こんな方法で生き残るくらいなら、俺は……

 

 

 

六道「東野、代われ。ここからは、ボクが引導を渡す」

 

東野「六道…?」

 

六道「お前は今、冷静な判断ができてない。このままだと、皆を巻き込んで全滅するだけだ。お前がやれないなら、ボクがやる」

 

東野「………」

 

六道…お前は、どうしてそんなに冷静でいられるんだ?

皆の命を背負う重圧を、犯人から向けられる怨恨を、一身に受ける事になるんだぞ…?

俺より二つも歳下なのに。

自分を犠牲にする生き方なんか、してこなかったくせに。

どっちに転んでも皆から恨まれるような役目を、どうしてそんな簡単に買って出られるんだよ…

 

東野「…待ってくれ」

 

六道「あ?」

 

東野「お前だけに、全部背負わせるわけにはいかない。俺がやる」

 

六道「いや、背負うとかじゃなくて、早く犯人見つけないと死ぬんだけど…じゃあいいよ、せーので指差そう。どうせボクもお前も犯人だと思ってる奴同じだろうし」

 

俺と六道は、目を合わせて頷いた。

正直、こいつが犯人だなんて俺も信じたくなかった。

大体、こいつにそんな度胸があるなんて考えた事もなかった。

どうしてお前が…?

 

 

 

ーーー 怪しい人物を指名しろ ーーー

 

 

 

ヒガシノ ジュン

 

ヤマワキ ユカ

 

アンノ キラ

 

ジュンマエ シノコ

 

カミカゼ ヤマト

 

ヤクシジ リョウカ

 

カジノ サダメ

 

リーゼロッテ

 

ショウトウジ レイアン

 

アムロ アスナ

 

サカグラ ヒロキ

 

カンナヅキ モミジ

 

カバド ラムジ

 

ヒカワ ミルク

 

ナイトウ リキヤ

 

ウチダ キヨミ

 

マトナギ コズエ

 

ロクドウ チハル

 

アルターエゴ・Ω

 

 

 

➡︎ヒカワ ミルク

 

東野「お前しかいない…!」

 

六道「おまえしか、いない……ぐごぉ」

 

 

 

東野「…氷川。お前が犯人だったんだな」

 

氷川「ぎぃいいいいっ!!!どうしてっ!!?どうしてそんなひどい事言うんですかっっ!!?東野くんも、六道さんも、わたしの事不細工だと思ってるから犯人だって疑ってるんでしょ!!!?わたしなんか、死んじゃえばいいと思ってるんでしょ!!!?」

 

東野「違う!別に、そういうつもりじゃ…」

 

六道「………」

 

酒蔵「ひ、氷川ちゃん…一旦落ち着こ?な?」

 

神無月「そうだよみるくちゃん!このままじゃ議論にならないじゃん!」

 

安室「………」

 

氷川が泣き喚くと、皆が氷川を宥める。

六道は耳を塞いでいて、安室は黙ったまま俯いていた。

すると、パァン、と火薬が弾けるような音が響く。

振り向くと、打田が拳銃を天井に向けて構えていて、銃口からは煙が上がっていた。

 

打田「うっさい黙れ」

 

的凪「氷川さん。キミ、いい加減にしろよ。そうやって猿みたいにギャーギャー騒いでれば裁判を撹乱できるって魂胆なのかもしれないけどさ。そんな事したって、みんなキミに投票するだけだよ?キミが犯人であろうとなかろうと、このままだとキミの処刑は確定しちゃうんだよ?生き残りたかったら、まずはそれやめてよ。千春ちゃんがうるさがってるだろ」

 

氷川「う゛ぅ゛…う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛…!!」

 

的凪…元はといえばお前のせいだろ。

 

六道「氷川。お前を犯人だと思う根拠はちゃんとあるんだよ。おい東野、思い出せ。こいつは、裁判の最初の方で不自然な発言をしてたはずだぞ」

 

東野「………」

 

 

 

ーーー ノンストップ議論開始! ーーー

 

 

 

氷川「不自然な点って何ですか!?そんな事言って、どうせ《わたしが不細工だから犯人だと思ってる》んでしょ!?」

 

六道「もう話し合いにならないからさ、それやめろ」

 

安室「不自然な点?的凪が《犯人の話をした途端に氷川が豹変した》事ではないのか?」

 

六道「それもあるけど、マリンブルー・シンドロームの話をした時、氷川は《不自然な発言をしてた》はずだぞ」

 

打田「不自然な発言?」

 

六道「あいつは、《ゲームを知らない奴なら絶対に出てこない発言》をしてたんだよ」

 

氷川「そんなのしてるはずないです!わたし、本当に《ゲームの内容なんか知らなかった》んです!!」

 

不自然な発言…もしかして、アレの事か?

 

 

 

《ゲームの内容なんか知らなかった》⬅︎【打田の証言】

 

  論

 

「それは違うぞ!」

 

      破

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「氷川、お前はゲームのダイジェストを最後まで見てなかったんだよな?」

 

氷川「そうだって言ってるじゃないですか!!」

 

東野「だとすると、おかしいんだよ。梶野は、『D子がE男と自分の腹に刃物を刺して抱き合ったまま海に飛び込んで心中した』、としか言ってなかった。なのに何でお前は、D子とE男が『全裸で抱き合ってる』と思ったんだ?」

 

氷川「それのどこがおかしいんですか!?『色仕掛けで外に連れ出した』って聞いたら、普通『全裸で飛び込んだ』って思うじゃないですか!!」

 

東野「本当にそうか?」

 

氷川「っ…え!?」

 

東野「それだけでゲームのキャラクターの格好を推測する事はできなくないか?俺は二章までしかダイジェストを見てないけど、梶野が反応するまで二人が全裸で心中した事なんて知らなかったぞ。ダイジェストを見てないお前が、どうして二人の状態をまるで見ていたかのように語る事ができたんだ?」

 

氷川「っ……!」

 

梶野「おそらく、マリンブルー・シンドロームの内容と実際の事件の関連性に気付いていないフリをする為にわざと言ったんでしょうけど、逆に墓穴を掘りましたね」

 

安室「暗野や薬師寺の時は自分に投票して思考を放棄していた貴様が、やけに俺様を疑ってくると思ったら…やはり貴様が犯人だったのか!?」

 

氷川「う…ぐぅうぅぅぅ…!!」

 

酒蔵「やめろよ皆!まだ氷川ちゃんが犯人だと決まったわけじゃないだろ!?あんなに優しい氷川ちゃんが、リーゼちゃん達を殺す事なんかできるわけねえじゃねえか!!」

 

樺戸「そうだぜ!毎日皆の為にメシを作ってくれてたみるくを疑うなんて、見損なったぞオマエら!!」

 

的凪「だから?」

 

酒蔵「え…?」

 

的凪「氷川さんがいい人かどうかなんて、今はどうだっていいよ。氷川さんに容疑がかかっている以上、ボク達は彼女の口から真相を聞き出さなきゃならないんだからさ」

 

酒蔵「そりゃあ…わかってるけどよ…!天使みたいに優しい氷川ちゃんを疑うのかよ…!?」

 

六道「じゃあお前らは、このまま犯人を逃がして殺されてもいいんだ?」

 

酒蔵「っ……!?」

 

六道「リーゼと消灯寺を殺した犯人を見つけたいとは思わないの?どうして二人が殺されたのか、知りたいと思わないんだ?疑うって事を乗り越えない限り、信じる事なんて出来やしないんだよ」

 

樺戸「………」

 

的凪「というわけだからさ、氷川さん。千春ちゃんの為にもさっさと罪を認めて死んでよ」

 

氷川「ぎぃいいいっ!!!どうして…っ、どうしてわたしばっかり疑われなくちゃいけないんですかぁあああっ!!!」

 

 

 

ーーー ノンストップ議論開始! ーーー

 

 

 

氷川「ひぎいいいいいい!!!どうしてわたしばっかりぃぃぃ!!!」

 

的凪「いやいや、あんな反応したんだから犯人に決まってるよね?さっきだって、ゲームのダイジェストを見たくせに、《見てないって嘘ついた》もんね?」

 

氷川「嘘じゃないです!!わたしには《アリバイがある》んです!!リーゼさんと消灯寺くんをアクアリウムに放り込めたわけがないじゃないですかぁっ!!!」

 

安室「東野と六道がトリックを証明した事で、貴様のアリバイは崩れた。《貴様にも犯行は可能》なんだよ」

 

梶野「むしろ、誰にもアリバイがない以上、現時点では失言をした氷川様が一番怪しいという事になりますが…」

 

氷川「だからわたしじゃないって言ってるじゃないですかぁぁ!!リーゼさんと消灯寺くんをアクアリウムに放り込む事なんて、《誰にでもできた》じゃないですかぁぁっ!!!」

 

誰にでもできた…?

いや、そんなはずはない!

 

 

 

《誰にでもできた》⬅︎【神無月の証言】

 

  論

 

「それは違うぞ!」

 

      破

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「二人をアクアリウムに放り込む事ができたのは、バックヤードの探索をしたメンバーだけだ。現に安室は、電源の場所すら知らなかったわけだしな」

 

酒蔵「えっと…バックヤードを探索してたのは…」

 

梶野「神無月様、氷川様、リーゼロッテ様の三人ですね」

 

打田「神無月。モノクマかモノルナからバックヤードの説明は受けたの?」

 

神無月「うん。受けたよ。最初に来た人には説明してくれるんだって」

 

六道「聞いただろ?事件前にバックヤードの構造を知る事ができたのは、この三人だけだ」

 

安室「なるほどな。では、神無月と氷川以外に犯行は不可能という事だな」

 

 

 

          反

 

氷川「いい加減にしてください!!」

 

      論

 

 

 

氷川「どうしてわたしばっかり疑われなくちゃいけないんですかぁぁっ!!?」

 

東野「ひ、氷川…?」

 

氷川「わたしは犯人じゃありません!!そうやって証拠もないのに疑うのはやめてください!!」

 

 

 

ーーー 反論ショーダウン 開始 ーーー

 

 

 

氷川「さっきからわたしばっかり疑ってますけど、皆さんひとつ忘れてますよね!?」

 

東野「忘れてる…?」

 

氷川「神無月さんです!!神無月さんだって、バックヤードの説明を受けたじゃないですか!!神無月さんにだって犯行は可能だったはずです!!」

 

東野「いや…体格的に無理だろ。大体、神無月はマリンブルー・シンドロームの事を知らなかったんだぞ?」

 

氷川「そんなの、嘘をついてるだけかもしれないじゃないですか!!それに体格差だって、何かのトリックを使えばどうとでもなったんじゃないんですか!?わたしを疑うなら、《神無月さんも疑うべき》です!!」

 

ちょっと待て、本当にそうなのか?

 

 

 

《神無月さんも疑うべき》⬅︎【アクアリウムの入り口】

 

   論

 

「その言葉、ぶった斬る!」

 

        破

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「いや、神無月には犯行は不可能だ」

 

氷川「どうしてですか!?」

 

東野「アクアリウムは、電子ロックを解除しないと開閉できないんだったよな?機械音痴の神無月が、電子ロックを解除できたわけがないんだ」

 

安室「確かに…電子生徒手帳の操作すら人に頼っていたからな。電子ロックを解除できたとは…俄かに信じがたいな」

 

六道「そんなに機械音痴なら、バックヤードのクレーンも動かせないしね」

 

氷川「そ、それだって嘘をついてたって可能性も…!」

 

神無月「みるくちゃん。あんたさ、椛と何年付き合ってるって思ってんの?椛が機械はサッパリなの、あんただって知ってるはずでしょ!?」

 

氷川「うっ……!」

 

安室「バックヤードの構造を知っていて、アクアリウムに細工する事ができたのは貴様だけだ」

 

打田「もう決まりだね。じゃあ氷川が犯人って事で…」

 

氷川「いいわけないじゃないですかあああああっ!!!!」

 

 

 

ーーー ノンストップ議論開始! ーーー

 

 

 

氷川「いい加減にしてください!!!《わたしは犯人じゃないんです》!!!」

 

安室「貴様がいい加減にしろ!!貴様以外に《犯行は不可能》なんだよ!!」

 

氷川「わたしに犯行は不可能です!!酒蔵くんと梶野くんもわかってるはずでしょ!?」

 

梶野「はい?」

 

氷川「わたしは、今朝の朝食作りに参加したんです!!リーゼさんと消灯寺くんを殺したんだとしたら、身体に血がつくはずです!!でも、《わたしの身体には血はついていませんでした》よね!?だからわたしは犯人じゃないんです!!」

 

確かに、あの時氷川に血はついていなかった。

…でも、本当に血を浴びなかったと言い切れるのか?

 

 

 

《わたしの身体には血はついていませんでした》⬅︎【今朝の氷川の様子】

 

  論

 

「それは違うぞ!」

 

      破

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「氷川。お前、今朝俺と会った時、『シャワーを浴びてきた』って言ってたよな」

 

氷川「っ!?」

 

東野「お前は、俺や酒蔵達と会う前に返り血を洗い流したんじゃないのか?だから髪が濡れていた…違うか?」

 

氷川「ご、誤解です!!わたしは本当にシャワーを浴びていただけなんです!!それに、仮に返り血を浴びていたとしても、皆さんと会う前に洗い流すなんて不可能です!!」

 

樺戸「えっ、そうなのか?」

 

梶野「確かに…氷川様の言う事も一理ありますね。東野様、先程氷川様と会ったとおっしゃっていましたが、それはいつの事ですか?」

 

東野「えっと…4時半くらいだったかな」

 

梶野「という事は、シャワーが解禁になる4時ちょうどから30分程しか経っていないという事になりますね。たった30分でしっかり返り血を落として、着替えてプールからモーテルに戻る事は不可能です」

 

氷川「ほら!!だからわたしには犯行は不可能なんです!!」

 

安室「……いや。まだ方法が無いわけではないぞ」

 

氷川「方法!?何だって言うんですか!?というか安室さん…さっきまで静かだったのに、わたしが疑われた途端に元気になってますよね!?そんなに自分が生き残りたいんですか!!?」

 

安室が冷静に言うと、氷川が発狂する。

すると先程まで冷静だった安室は、ピキッと額に青筋を浮かせる。

そして、氷川を指差して言い放つ。

 

安室「…別に、自分が生き残りたいわけじゃない。でも、もし…あんたが本当にリーゼを殺した犯人なんだとしたら…!私はただ、あんたが死ねばそれでいい!!」

 

安室は、涙を流しながら氷川を非難した。

 

安室「どうしてリーゼを殺したんだよ!?何で、あいつが殺されなきゃならなかった!?死んであいつに土下座しろよ!!」

 

氷川「ふ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!!!ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」

 

安室が氷川を責めると、氷川は頭を掻きむしって泣き喚いた。

…もう、見ていられなかった。

誰かを恨んだり、恨まれたり…そんなのはもう、嫌だ。

 

東野「…やめろ、安室。……やめてくれ」

 

安室「どうしてよ!?こいつは、私の友達を殺したんだよ!?だったら…!」

 

東野「………頼む」

 

俺は、頭を下げて安室に頼み込んだ。

すると安室は、肩で息をして、唇を噛み締めながら怒りを抑えた。

 

六道「…でもまあ確かに、氷川が返り血を落とす方法がまだあるっていうのは賛成。おい東野。一回整理するぞ。氷川はいつ、どこで、どうやって血を洗い流したんだと思う?」

 

東野「………」

 

…考えろ。

あいつがどうやって血を洗い流したのか。

 

 

 

ーーー シンキングライド 開始 ーーー

 

       3

   

       2

 

       1

 

ーーー RIDE START!! ーーー

 

 

 

QUESTION.1 氷川はどこで血を洗い流した?

 

1.プールのシャワールーム

2.モーテルのシャワールーム

 

➡︎1.プールのシャワールーム

 

 

 

QUESTION.2 氷川が血を洗い流したのはいつ?

 

1.夜時間中

2.朝時間中

 

➡︎1.夜時間中

 

 

 

QUESTION.3 どうやって洗い流した?

 

1.シャワー

2.シャワー以外

 

➡︎2.シャワー以外

 

 

 

東野「謎は全部解けた…!」

 

ーーー COMPLETE! ーーー

 

 

 

東野「そうか…!夜時間中でも、水が出ないだけでシャワールームが使えないわけじゃない。シャワー以外のものを使えば、血を洗い流せるんじゃないか!?」

 

六道「モーテルの方のシャワーを使ったら、誰かに見られる可能性が高いから…まあ、使ったのはプールの方のシャワールームだろうね」

 

氷川「シャワー以外のもの…?何だっていうんですか!?夜時間中は水道が全部使えないんですよ!?」

 

東野「いや、アレを使えば可能なはずなんだ」

 

 

 

コトダマ提出

 

【大量のペットボトル】

 

「これで証明できる…!」

 

 

 

東野「ペットボトル。ペットボトルの水を使えば、血を洗い流せるんじゃないか!?」

 

氷川「うぐ…!ま、まだです!!」

 

的凪「まだ認めない気?しつこいよ」

 

氷川「だって皆さん、まだ肝心な事を忘れてるじゃないですか!!その方法で血を洗い流せたとしても、服についた血は!?着替えでもしない限り、どうにもできないじゃないですか!!わたし、血がついた服なんて、持ってませんでしたよね!?」

 

酒蔵「た、確かに…」

 

樺戸「じゃあ着替えはどこかに置いてったんじゃないか!?」

 

梶野「いえ、それはあり得ません。その場合、ポイ捨てのルールが適用されて、氷川様はルール違反で処刑されてしまいますから」

 

樺戸「あ、そっか」

 

東野「ポイ捨て…そうか!」

 

 

 

コトダマ提出

 

【ポイ捨て】

 

「これで証明できる…!」

 

 

 

東野「氷川は、俺と酒蔵に呼び止められたせいで自室に戻る事ができなかった。返り血のついた服を、どこかに放置する事はできない。ポイ捨てのルールがあるからな。かといって、服をゴミ箱に捨てたら、捜査の時に血のついた服が見つかっちまう。ゴミ箱のゴミの処分は、三日に一度しかされないからな」

 

六道「…となると、考えられる可能性はひとつだね」

 

東野「氷川。お前はまだ、返り血を浴びた服を着てるんじゃないのか!?」

 

氷川「はああ!!?そ、そんなわけないじゃないですか!!!」

 

 

 

ーーー 理論武装開始! ーーー

 

 

 

氷川「ぎぇえええええええっ!!!」

 

氷川「違う違う違う違あああああう!!!」

 

氷川「わたしは犯人じゃありません!!」

 

      発展!

 

氷川「どうして皆してわたしをいじめるんですか!?」

 

氷川「証拠がないじゃないですか!!」

 

氷川「わたしにリーゼさんと消灯寺くんを殺せるはずがない!!」

 

      発展!

 

氷川「わたしは血のついた服なんか着てない!!」

 

氷川「そんなの着てたら、一目でわかるでしょ!?」

 

氷川「わたしは、返り血なんか浴びてない!!」

 

氷川「お願いだから…」

 

 

 

氷川「もうわたしをいじめないでよぉおおおおおっ!!!!」

 

 

 

    更衣室

  の     水

     着

 

【更衣室】【の】【水】【着】

 

 

 

東野「これで終わりだ!」

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

東野「氷川、まだしらばっくれるようだから教えてやる。お前がリーゼと消灯寺を殺す時に着ていた服…それは、更衣室にあった水着だ!」

 

氷川「っ!?」

 

神無月「水着ぃ!?た、確かにプールの更衣室にサイズがぴったりの水着が置いてあって気持ち悪いなーって思ったけどさ!えっ、アレ着て二人を殺したの!?」

 

六道「水着なら、血が付着する面積を極力減らせるし、血がついてもその上から服を着ればバレない。…まあ、合理的な判断だよね」

 

氷川「そ、そんな証拠がどこに…!?」

 

的凪「あれ?氷川さん、下着に血がついてるよ?どうしたのそれ?」

 

氷川「えっ、嘘…!?」

 

的凪がわざとらしく言うと、氷川は動揺してスカートの裾を引っ張った。

すると、それを見た的凪がクスクスと笑う。

 

的凪「うん、嘘だよ。バカだねー、キミは。でもこれでハッキリした。やっぱり氷川さんは、服の下に血のついた水着を着てるみたいだね」

 

氷川「ひぎいいいいいいいいいっ!!!!」

 

的凪が笑うと、氷川は頭を掻きむしって発狂した。

…もう、終わりにしよう。

 

六道「東野。そろそろ、事件振り返ろう」

 

東野「…ああ」

 

 

 

ーーー クライマックス推理開始! ーーー

 

 

 

Act.1

事の発端は、モノクマが作ったゲーム、『マリンブルー・シンドローム』が動機として配られた事だ。

六道が昨晩ゲームをクリアした後、マリンブルー・シンドロームのダイジェストを見た犯人は、今回の犯行計画を実行する事に決めた。

まず犯人は、プールのバックヤードから予備水槽を盗み出し、湖の氷を使って何時間もかけて水槽の形の氷の棺を作った。

あとは氷の棺を台車に乗せた状態で、直接雪が降り積もらないように上から予備水槽を被せて見つからない場所に放置しておくだけだ。

その後、下準備を終えた犯人は、ある事をする為にモーテルに戻ったんだ。

 

Act.2

モーテルに戻った犯人は、キッチンからフォークとアイスピックを盗み出して、六道と的凪に奇襲を仕掛けた。

マリンブルー・シンドロームの内容を再現する為にな。

六道の首を刺し、的凪を空瓶で殴ってフォークで全身を刺し、的凪から護身用のスタンガンを奪った。

二人をモーテルの家事室に閉じ込めた後、犯人はすぐに次の準備に取り掛かったんだ。

 

Act.3

その頃リーゼは、的凪の提案でプールのシャワーを浴びていた。

これが、悲劇の原因となる事も知らずにな。

犯人は、リーゼがシャワーを浴びている間に電子生徒手帳を盗んで安室に嘘のメッセージを送ろうとした。

だけどここで、犯人にとって思わぬ誤算が生じる事になる。

リーゼの電子生徒手帳はドイツ語がデフォルトになっていて、犯人は安室になりすましのメッセージを送る事ができなかったんだ。

そこで犯人は、慌てて自分の手帳を使って紙の手紙を印刷して、急いでバックヤードに戻って安室の部屋に置きに行った。

 

Act.4

犯人がプールに戻ってきた頃、リーゼはちょうどシャワーを浴び終えて着替えをしている最中だった。

背後から忍び寄った犯人は、リーゼの首にスタンガンを当てて気絶させ、そのままバックヤードに運び込んだ。

マリンブルー・シンドロームの再現をするためにな。

リーゼをバックヤードに運び込んだ犯人は、返り血を浴びても平気なように水着姿になってから、持っていた刃物をリーゼの首と腹部に突き立てて殺害した。

 

Act.5

だがここで、予想外の来客が来る事になる。

何と、たまたまプールに足を運んだ消灯寺が、バックヤードで犯行を目撃してしまったんだ。

犯人は、口封じの為に消灯寺を包丁で刺して殺そうとした。

消灯寺は、当然殺されまいと抵抗したけど、犯人との圧倒的な体格差に負けて吹き飛ばされてしまった。

そして吹き飛ばされた先に置いてあった機材に脇腹をぶつけ、その衝撃で腹部に重大なダメージを負ってしまったんだ。

犯人は卑劣にも、腹部を怪我して動けなくなった消灯寺の身体に、何度も刃物を突き立てて殺した。

 

Act.6

やがて消灯寺が動かなくなると、犯人はある事を思いつく。

『この死体は、マリンブルー・シンドロームの見立てに使えるんじゃないか』ってな。

犯人は、マリンブルー・シンドロームの再現をする為に、消灯寺もリーゼと一緒に水に突き落とす事にしたんだ。

ゲームの見立て殺人を思いついた犯人は、ゲレンデに向かい、台車に乗せたまま放置しておいた氷の棺を回収。

そのままプールに戻り、水槽から中の氷を取り出した。

これが、犯人が見立て殺人をする為に用意した氷の棺だ。

 

Act.7

氷の棺をバックヤードに運び込んだ犯人は、リーゼと消灯寺を棺に入れて、頑丈に蓋をした。

あとはこの棺を、アクアリウムに落とすだけだ。

犯人は、アクアリウムの入り口の電子ロックを解除して、バックヤードのクレーンを使ってアクアリウムに氷の棺を落とした。

これで事件のトリックはほとんど完成だ。

あとはバックヤードに生け贄の安室が来れば、光の全反射によって隠された死体が、時間の経過で氷の棺が溶けた事によってある瞬間突然姿を現し、安室はその光景を目の当たりにする事になる、と言う算段だ。

 

Act.8

その後犯人は、自分の身体についた血の後始末をする為にプールのシャワールームへ行き、備え付けのペットボトルの水を使って全身の血を洗い流した。

血を綺麗さっぱり洗い流した後は、元々着ていた服を上に着て、そのままモーテルに戻ったんだ。

そしてちょうどその時目が覚めた俺とバッタリ鉢合わせた犯人は、洗い流した水で髪が濡れているのを誤魔化す為にこう言ったんだ。

『ちょうどシャワーを浴びてきたばかりだ』ってな。

正直、このトリックは、普通の人間になら実行は不可能だった。

だけど、メンバー一の怪力で、氷を扱う才能を持っていた犯人だからこそ実行できたトリックだったんだ。

 

 

 

東野「これが事件の真相だ!そうなんだろう?【超高校級のグラシエール】氷川みるく!!」

 

ーーー BREAK!!! ーーー

 

 

 

氷川「ふ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!!!ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」

 

酒蔵「そんな…嘘だと言ってくれよ!なあ、氷川ちゃん!!」

 

的凪「あーあ、もうお得意の発作をするしかないみたいだね。これ以上議論するのも時間の無駄なんじゃない?」

 

モノルナ『キャハハ、もう結論は出たみたいだね?じゃあそろそろアレいっちゃっていいよね?』

 

氷川「っ!?ま、待って!!わ、わたしは、あの女に嵌められただけなの!!」

 

打田「あ?今更何言ってんのあんた」

 

氷川「全部あの女が悪いの!!あの女が、消灯寺くんを巻き込んで自殺した!!これが紛れもない真実なのっ!!」

 

安室「黙れ貴様!!それ以上言ったら八つ裂きにするぞ!!」

 

神無月「みるくちゃん…」

 

氷川「だから…だから…!!」

 

モノクマ『ではでは投票ターーーイム!必ずクロだと思う人物に投票をして下さい!投票は、オマエラの多数決によって決まります!あ、ちなみに無投票はおしおきですからね!』

 

氷川「わたしに投票しないでよぉおおおおおおっ!!!!」

 

投票の時間が始まった。

俺は結局、最後まで迷っていた。

でも、投票しなければ死ぬ。

俺は迷った挙句、氷川に投票した。

 

 

 

モノルナ『投票の結果、クロとなるのは誰なのか!?その結果は、正解か不正解なのか!?』

 

モノクマ『ワクワクでドキドキの投票ターイム!!』

 

投票が終わった。

投票結果が集計され、モニターにスロットが表示される。

ドラムロールと共にリールの回転速度が落ちていき、やがて……

 

 

 

   氷 氷 氷

 

   川 川 川

 

 

 

氷川の顔のドット絵が3つ揃った所でリールが止まった。

その直後、正解を褒め称えるかのように、はたまた俺達の醜い蹴落とし合いを嘲笑うかのように、ファンファーレと共に大量のメダルが吐き出された。

事実上の死刑宣告を言い渡された氷川は、膝をついて大声で泣き喚いた。

 

氷川「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!!!」

 

 

 

《学級裁判 閉廷!》

 

 

 

 

 


 

 

 

ーーー 生存メンバー ーーー

 

【超高校級の小説家】東野(ヒガシノ)(ジュン)

 

【超高校級の原型師】安室(アムロ)明日奈(アスナ)

 

【超高校級のディーラー】梶野(カジノ)運命(サダメ)

 

【超高校級のカルタ師】神無月(カンナヅキ)(モミジ)

 

【超高校級のグラシエール】氷川(ヒカワ)みるく

 

【超高校級のソムリエ】酒蔵(サカグラ)飛露喜(ヒロキ)

 

【超高校級のカバディ選手】樺戸(カバド)ラムジ

 

【超高校級の狙撃手】打田(ウチダ)清美(キヨミ)

 

【超高校級の幸運】的凪(マトナギ)(コズエ)

 

【超高校級のゲームプログラマー】六道(ロクドウ)千春(チハル)

 

【サポートAI】アルターエゴ・Ω

 

ノコリ11人

 

 

 

ーーー 死亡メンバー ーーー

 

【超高校級のギャル】殉前(ジュンマエ)詩乃子(シノコ) Prologue 見せしめ

 

【超高校級のプロレスラー】内闘(ナイトウ)力也(リキヤ) Chapter.1 シロ

 

【超高校級の絵本作家】山脇(ヤマワキ)ゆか Chapter.1 シロ

 

【超高校級のヒットマン】暗野(アンノ)斬良(キラ) Chapter.1 クロ

 

【超高校級の司令官】神風(カミカゼ)大和(ヤマト) Chapter.2 シロ

 

【超高校級の軍医】薬師寺(ヤクシジ)療香(リョウカ) Chapter.2 クロ

 

【超高校級のオルガニスト】リーゼロッテ・ベルゲングリューン Chapter.3 シロ

 

【超高校級の心霊学者】消灯寺(ショウトウジ)霊庵(レイアン) Chapter.3 シロ

 

以上8人

 

 

 

 

 

推しがいたら教えてくんなまし

  • 東野潤_小説家
  • 暗野斬良_???
  • 殉前詩乃子_ギャル
  • 神風大和_司令官
  • 薬師寺療香_軍医
  • リーゼロッテ_オルガニスト
  • 安室明日奈_原型師
  • 消灯寺霊庵_心霊学者
  • 山脇ゆか_絵本作家
  • 梶野運命_ディーラー
  • 神無月椛_カルタ師
  • 氷川みるく_グラシエール
  • 酒蔵飛露喜_ソムリエ
  • 樺戸ラムジ_カバディ選手
  • 内闘力也_プロレスラー
  • 打田清美_狙撃手
  • 的凪梢_幸運
  • 六道千春_ゲームプログラマー
  • モノルナ_引率教師
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