インフィニティダンガンロンパ6 ようこそぼくらのコロシアイ強化合宿 作:M.T.
女子は執筆中です。
しばしお待ちを。
side KM
《ダンシトウ 1F》
中央棟組や女子棟組と解散した俺達は、早速男子棟に向かった。
入り口には男子マークが描かれていて、扉を開けると四方を薄青い壁で囲まれたホールが目の前に広がっていた。
向かって右手にはエレベーターと階段が、左手には廊下が見える。
それにしても、あの問題児共…
役割分担を決める前に勝手に行動しやがって。
各々の能力から誰がどこを探索するのが最適か判断してから、探索場所を決める予定だったのに…
全くもって合理的じゃない。
人というのは、思う通りに動かないものだな。
俺がこれからどうしようかと考えていると、酒蔵が話しかけてくる。
「なあなあ、神風クンよ。何もそこまでカリカリする事ないんじゃないのかい?そもそも、あんな個性的なメンバーをひとつにまとめようっていうのが無理な話なんだよ。何かあったらあいつらの自己責任でいいんじゃねえのか?」
「そういうわけにはいかん。ここに閉じ込められた以上、奴等も俺の仲間だ。見捨てれば俺の恥になる」
「ふぅん、そうかい。あんちゃんはクソ真面目だねぇ。おじさんもちったぁあやかりたいよ」
クソ真面目、か。
俺はそんな風に思われていたのか。
今まで同年代の人間にそんな事を言われた事はなかったから、意外な発見だな。
そんな事を考えていると、チャットが来た。
梶野と樺戸からだ。
「梶野は消灯寺と一緒に二階を、樺戸は内闘と一緒に三階を探索しているそうだ」
「じゃあおじさん達は一階か」
「ああ。一階の設備は、大浴場、ランドリー、リネン室、トイレだそうだ。まずは大浴場から調べるぞ」
「へーい…ぐっへっへ、覗きスポットを確認しておかねえとな」
…おい。
今何て言った?
こいつ、何か企んでるんじゃないだろうな。
念の為目を光らせておくか。
《ダイヨクジョウ》
俺達は、マップ上で『ダイヨクジョウ』と書かれた場所に向かった。
向かった場所には紺色の暖簾がかけられていて、暖簾を潜ると目の前に靴箱が見えた。
どうやら大浴場に隣接している脱衣所のようだ。
靴を脱いで上がると、板敷きの床に鍵付きの木製のロッカー、ラタンで編まれた籠が置いてあったりと、昔ながらの銭湯を思わせる空間となっていた。
正直あまり風呂場には期待していなかったが、思ったより悪くないな。
疲れを洗い流せる風呂場があるというのは、日本人としてはありがたい限りだ。
さて、と。
次は風呂場を調べなければな。
「へぇ〜、思ったより悪くねえじゃねえか。これで風呂上がりの牛乳とかあれば、まさしく日本の銭湯だったんだがなぁ。…って、あれ?ちょいちょい神風クン!ダメじゃないの服着たまま風呂場入っちゃあ!」
後ろで酒蔵が何かを言っているが、少し調べるだけだ。
俺は、風呂場の扉を開けて中に入った。
風呂場はタイル敷きになっていて、洗い場と広い浴槽がある。
まさしく昔ながらの銭湯といったところか。
風呂場の中心にある不愉快なモノクマの像さえ目に入らなければ、快適な空間だったのに。
洗い場が仕切りになっているが…これはどこかと繋がっているのか?
…いや、どこに繋がっているかは深く考えなくてもわかる事だな。
それより気になるのは……
「ん〜?どうしたよ、神風クン。そんな真剣そうな表情で考え込んじゃって」
「…いや、やはりここには監視カメラが無いんだと思ってな」
「あっ、そういやそうだな。他はどこ行っても監視カメラばっかだったってのに…何で風呂場にだけカメラが無えんだ?」
「おそらく、風呂の湯気で映像が映らないからだろうな」
流石にモノクマも、風呂場にまではカメラをつけられなかったか。
他の場所にはくまなくカメラが取り付けられているのだとすれば、ここが唯一の奴等の弱点という事になる。
だが、それは同時に俺達の中で殺人を企てている者のつけ入る隙になり得るという事でもある。
考えたくはないが、風呂場で殺人が起こったら…
「っし、じゃあ何かカメラの前じゃ話せねえような大事な話がある時ゃ、ここで話しゃいいんだな?すげぇ大発見じゃねえの」
「言っておくが他の奴等に安易にこの事を教えるなよ。監視カメラが無いのをいい事に殺人を企む奴がいないとも言い切れん」
「わぁってるよ。他の奴等に教えちゃいけねえような事をおじさんには教えてくれるって事は、おじさんの事はちったぁ信用してくれてるんだろ?あんちゃん、何だかんだでいい男だな。なるほど、薬師寺ちゃんが惚れるわけだ」
「…いつから気付いていた?」
「最初からだよ。おじさん、そういうのは鋭いからね」
…ここまで見抜かれていたとはな。
療香は当然として、俺だってできる事なら仲間を信じたい。
だが、疑う事をしなければ信じる事もできないんだ。
疑う事をしない『信じる』など、信頼ではなくただの妄信なのだから。
皆が他の誰かを信用できないというなら俺だけは信用してやらなければならないし、誰かを疑いたくないというなら俺だけは常に疑っていなければならないんだ。
「さぁーて、監視カメラが無いってことは覗きし放題って事か。ぐっへっへ、あの仕切りの向こうにはきっと桃源郷が…」
…特に、こいつに関しては監視の目を光らせなければならなさそうだな。
全く、隙あらばだな。
仕切りと睨めっこしながらニチャニチャと…気持ち悪い奴だ。
こいつと組んでおいて正解だった。
「いつまで壁際でニチャニチャしているつもりだ。気色悪いぞ」
「辛辣だなぁオイ!クセになっちまったらどうしてくれるんだ!?」
「まだあとランドリーとリネン室、トイレが残っている。段取りよく行くぞ」
「放置プレイかよ!へっへ、悪くないじゃない」
…このプラス思考は見習った方がいいかもな。
見習いたくないが。
さて、と。
次はランドリーに行くとするか。
《ランドリー》
俺達は、大浴場に隣接したランドリーに足を運んだ。
『ランドリー』と書かれた扉を開けると、ドラム式の洗濯機が並んだ空間が目に飛び込んでくる。
上下に重なった洗濯機が4つずつ…合計8つの洗濯機が置かれている。
コインを入れる場所が無いから、恐らく無料で使えるタイプだろう。
こちらの棚には…洗剤類が入っているな。
洗濯物を干す為の物干し竿なんかもあるし、とりあえず洗濯はここですれば事足りそうだ。
風呂場もそうだが、衛生を保てないのはストレスになるから、洗濯ができる場所が確保されているのは一安心だ。
「んー、ここには洗剤と物干し竿くらいしかねえな。そろそろトイレとかリネン室とか調べてみた方がいいんじゃねーの?」
「それもそうだな…」
『はーいここでモノクマ参上!』
俺達が他の場所を調べに行こうとすると、邪魔者が現れた。
気分最悪だ、俺の大嫌いなものが視界に入った。
こいつには合理性の欠片も感じられない。
大体、熊のくせに全く可愛げが無い。
「貴様、何の用だ。用件だけを端的に纏めて伝えたら消えろ」
『うっわぁ神風クンってばものすごいコロッケ…じゃなかった、殺気!スーパードライだね!クリアな喉越しだね!』
「黙れ。貴様には耳がついていないのか?用件だけを纏めて消えろと言ったはずだ」
『ふぅ、しょうがないなぁ。夜時間中は大浴場とランドリーが使えません!以上』
「そうか。わかった。じゃあ消えろ」
『ちぇー、せっかく教えてあげたのに』
俺が追い払うと、モノクマはぶつくさ言いながら去っていった。
…ふぅ、やっと邪魔者が消えた。
さてと、これで残りの場所の探索に集中できる。
「神風クン…その蔑むような視線…おじさんクセになっちゃいそうだよぉ」
…こいつ、この状況でよくそんな事が考えられるな。
男もいけるとか言ってたが、本当に誰でもいいのか。
「くだらない事言ってないで、さっさと行くぞ」
「わかってるって」
…本当にわかってるのか?
まあいい、次に行こう。
《リネンシツ》
次は、『リネンシツ』と書かれた扉を開けた。
リネン室には、枕カバーやシーツなどのリネン類が置いてある。
床に直接置いてある段ボールも、中身は全て布類だ。
ここは想像の範疇を出ないな。
ざっと在庫のリストと照らし合わせてみても特に気になるところは無いし、ここはこの辺でいいか。
「ここの探索はこの辺でいいだろう。行くぞ」
あとはトイレだけだったな。
早めに食堂に行ってミーティングの準備をしておかなければならないし、早く行こう。
《1F ダンシトイレ》
俺と酒蔵は、最後に残った男子マークが書かれた扉を開けた。
水色の壁に囲まれた空間に、青いドアの個室と小便器が4つずつ対になる形で設置されていて、入り口側の壁には洗面台が二つ並んでいる。
トイレも特には変わったところは無さそうだな。
思ったより早く終わったし、そろそろ食堂に向かうか。
俺がトイレを去ろうとすると、酒蔵が天井から吊るされたカメラを見上げながらポツリと呟く。
「トイレにも監視カメラがあんのかよ…」
「仕方ないだろう。我慢しろ」
監視カメラの破壊はルールで禁止されている。
こればかりはどうにもできない。
とはいえ、確かに用を足す時まで監視されているというのは些か不愉快だな。
先程から場にそぐわない発言ばかりするものだからつい冷たく突き放してしまったが、少し冷たく言い過ぎたかもな。
「誰かもわからねえ奴に見られながらハッテン場でハッスル…ぐへへへ、こりゃあR18カテゴリ入り必至だぜぇ」
「………」
割と真剣に心配した俺が馬鹿だった。
こいつの頭の中には常にこういう事しか浮かんでいないのか。
「おやおやあ?まるで汚物を見るような目をしているね。あんちゃんはどうやらBLに理解が無い人のようだね。まあいいさ、おじさんはバイもノンケも平等に愛せるタイプだからね」
「………」
酒蔵が何やら勝手に話を進めているな。
俺にはそういう性的嗜好がある事自体は理解できるが、俺自身にその手の興味が無い。
というか、俺には療香がいる事を知っての発言なのか。
だとしたら見過ごすわけにはいかないな。
「気色の悪い事を言ってないで、さっさと戻るぞ」
「あーあ、つれねぇな」
俺は、気持ち悪い笑みを浮かべる酒蔵を連れて行く形で男子トイレを後にし、中央棟に戻った。
◆◆◆
side KJ
《ダンシトウ 2F》
私は、先に行ってしまわれた消灯寺様を追いかける形で男子棟にやって参りました。
ようやく2階で消灯寺様を見つけたのですが…
「………」
「消灯寺様」
「……なに?」
消灯寺様は、先程から階段前のラウンジのベンチに座り込んで数珠を握りしめたままなのです。
神風様からは二人以上で行動するよう言われているのですが…困りましたね、これでは探索ができません。
仕方ありません、消灯寺様を説得するしかありませんね。
「あの、よろしければ一緒に館内を探索しませんか?」
「僕、一人が好きなんだけど…」
「お一人だと、何かあった時に駆けつけられないではありませんか。せめて探索の時だけは、一緒に行動しませんか?消灯寺様の足を引っ張るような事は致しませんので」
「……わかった。そうするよ。君は話が分かりそうな人だから」
おや、思いの外素直に応じてただけるものなのですね。
この方は案外、話せばわかる人なのかもしれませんね。
さて、と。
消灯寺様も一緒に探索をする気になってくれたようですし、まずはこのラウンジから探索をしましょうかね。
ああ、そうだ。
その前に、神風様に報告をしておかなければなりませんね。
私は、今は消灯寺様と一緒に二階にいる事をお伝えしました。
内闘様達はいらっしゃらないようですが…一階にもいらっしゃらなかったので、三階でしょうか?
《ラウンジ》
私と消灯寺様が今いるラウンジは、水色の壁にオリエンタルなソファとテーブルが置かれていて、中央棟のラウンジと似た造りになっています。
強いて違いを挙げるなら、中央棟のラウンジにはあったテレビやボードゲーム、本などがここには無い事、あとはこのテーブルに置かれている花瓶くらいでしょうか?
ラタンのパーテーションがより東洋らしさを感じさせますね。
ペンションの名前もモンゴルの上都を意味する『ザナドゥ』ですし、ここはアジアンリゾートをテーマにしたペンションなのでしょうか?
「あの、ところで消灯寺様は先程からここで何をなさっていたのですか?」
「別に…霊気を感じる場所を探してただけだよ」
霊気を感じる場所、ですか。
そういえば消灯寺様は、心霊学者であると同時にシャーマンのご家系の末裔でもありましたね。
私も仕事柄、決してイカサマなどに頼らず、確率を無視して何度も勝負に勝ち続ける強運を持つお客様を見た事がありますが…この世には我々の常識を超えた現象などいくらでもあるという事なのでしょうね。
さて、と。
ラウンジには特に手掛かりになりそうなものは落ちていたりしませんでしたね。
まあ、そんな簡単に見つかったら誰も苦労しないのですけど。
「消灯寺様、そろそろ次の場所の探索をしませんか?」
「…ん、そうだね」
ええと、あとは個室とトイレでしたよね?
早速調べてみましょう。
マップによると、豪華な客室が1部屋、普通の客室が3部屋、粗末な客室が4部屋あるようですね。
豪華な客室は防音性や密閉性に優れ、普通の客室は防音性はイマイチではあるもののそこそこの環境が整っていて、粗末な客室は隙間風が何とも厳しい造りとなっているわけですか。
…おや?
私達男子は9人ですが、部屋は8部屋…
足りませんね。
一人は部屋で寝られないという事になるわけですが…どうしたら良いのでしょうか?
「…梶野君。何してんの。早く行くよ」
「ああ、はい。すみません」
私とした事が、考え事をしていたせいで消灯寺様のお声を無視してしまっていたようです。
これは申し訳ない事をしてしまいましたね。
ええと、まずは豪華な客室から調べてみましょうかね。
《ゴウカナキャクシツ》
私達は、マップ上に『ゴウカナキャクシツ』と書かれている高級感のある扉から開けて調べてみる事にしました。
おお…これは、凄いですね。
天蓋付きのキングサイズのベッド、フカフカとしたベルベットのカーペット、アンティーク調のデスク、天井から吊るされたシャンデリア、どれも一眼見ただけでわかるほどの高級品です。
壁に直接取り付けられた大きなテレビとクローゼットが目に留まりましたが、どれも学生一人で使うには勿体無いクオリティですね。
まるでお城の一室です。
前にジャンケン大会を開いた時の豪華客船を思い出しますね。
おや、バスルームとトイレ、ミニキッチンまで付いているのですか。
トイレはウォシュレットで、バスルームの浴槽はジャグジー付き…『夜時間中は水が出ません』と書かれた紙が貼られていますね。
ミニキッチンにはIHと流し台、それから冷蔵庫が設置されているようですね。
ここならストレスを感じるどころか、快適な思いで過ごせるのは間違いありません。
「僕、ここ嫌だなぁ……」
「消灯寺様、どうかなさいましたか?」
「ここ、物がゴチャついてて嫌い。装飾がうるさくて目がチカチカする。こんなところで寝るくらいなら、床で寝た方がまだマシかな…」
あらら、消灯寺様には不評でしたか。
価値観は人それぞれ、という事なのでしょうかね。
「こんなところ、一秒も早く出て行きたいな。早く行こうよ」
ううん…思った以上にお気に召さなかったようですね。
消灯寺様もこう仰っている事ですし、次は普通の客室を調べてみましょうかね。
《フツウノキャクシツ》
私達は、マップ上に『フツウノキャクシツ』と書かれている普通の扉のうちの一つを開けて入ってみました。
ううん、何と申し上げれば良いのでしょう。
本当に普通ですね。
普通のシングルサイズのベッドにフローリングの床、何の変哲もない普通のデスク、天井に直接取り付けられた素朴な照明器具…どれを取っても平凡です。
先程豪華な客室を見てしまったせいか、何だかもの寂しく感じますね。
テレビ台の上に置かれた32インチのテレビ、せいぜい服が何着か入るくらいのサイズのクローゼット、例えるなら安価なビジネスホテルの一室、といったところでしょうか。
どうやらこちらの客室には、最低限の広さのシャワールームとトイレ、それからミニ冷蔵庫が付いているようです。
シャワールームとトイレも調べてみたところ、ビジネスホテルを思わせる造りになっていました。
ミニ冷蔵庫も、お菓子と水が入っているくらいで特にこれといって変わったところはありませんね。
部屋は隅々まで調べましたが、特に大きな収穫は見つかりませんでした。
「ううむ…この部屋には、特にこれといって変わった様子はございませんでしたね」
「そうだね。じゃあさ、もう次の部屋行こうよ」
これ以上探しても何も見つかりそうにありませんし、次の客室を調べてみましょうかね。
《ソマツナキャクシツ》
私達は、マップ上に『フツウノキャクシツ』と書かれたボロボロの木製の扉のうちの一つを開けて入ってみました。
お、おお…これは…
何と申し上げたら良いのでしょうか…
ええと、一言で言ってしまえば酷いですね。
ツギハギの布団にボロボロの畳、ちゃぶ台と箪笥、どれも年季が入っていて少し触れただけでギシギシと軋み、埃臭…独特な香りがします。
台の上に置いてあるテレビは、ブラウン管テレビときましたか…
これ、ちゃんと映るのでしょうか?
ドアとは反対側の障子は所々破れていて、隙間風が何とも厳しいですね…
雪国でこれは……せめて暖房器具などがあれば良いのですが…
どうやらこちらの客室には、古びた和式のトイレしか無いようです。
水洗なのがせめてもの救いでしょうかね。
まあ入浴と排泄に関しては、一階に大浴場がありますし、トイレも部屋を出てすぐのところにあるので問題はないのですが。
「わぁぁぁ…!畳だぁ…!」
「………」
「僕、ウチが日本家屋だからフローリングじゃ落ち着かなくてさ。しかもこの部屋、トイレが和式だよ!やったあ!」
…本当に、価値観というものは人それぞれなのですね。
消灯寺様のこんなに嬉しそうな表情、初めて見ました。
ええと…これで二階のお部屋は全て調べ終わった事ですし、そろそろ食堂に向かいましょうかね。
「消灯寺様、そろそろ中央棟に向かいませんか?時間も丁度良い事ですし」
「そうだね」
二階の探索を終えた私達は、食堂に向かう事にしました。
他の方々も、時間通りに来て下さると良いのですが…
◆◆◆
side KB
《ダンシトウ 3F》
オレは、先に行っちまったリキヤを追って男子棟に来たわけだが…
やあっとリキヤ見つけたぁ!!
一階にも二階にもいなくて、もしかしてって思って三階行ったら、階段上ってすぐのとこで一人でウロウロしてたわけよ。
ヤマト達に相談もせずに勝手に三階まで行くなよな〜!
「おーいーどこ行くんだよ!勝手に一人で行くなよー、なあリキヤー!」
「うるせンだよクソチビ。後ろウロチョロすんじゃねえよ」
「リキヤが先に一人で行っちまうからだろー!?オレ、ヤマトに一緒に行動しろって言われてんだよ!」
「チッ…あの軍服野郎、余計な事しやがって…」
リキヤは、何かイライラした様子でボソッと呟くと、早足でスタスタ歩き始めた。
コイツ、言ったそばからオレの事を撒く気だな!?
オレを除け者にしようったってそうはいかねーぞ!
カバディで鍛えたオレのスピードとスタミナを舐めんなよ!
どんなに速く走ろうが、絶対食らいついてやる!
「…オイ。てめぇいい加減にしろや。いつまでそうやってついてくる気だよ」
「リキヤが諦めるまでずっとついてく!」
「ふざけんなクソガキ…!離れろや」
「やだ!」
リキヤは一人になりてえみたいだけど、オレはリキヤと一緒に探索したいからな!
いくら引き剥がされたって負けないぞ!
オレは、リキヤがオレを引き剥がそうとする度に何度も食らいついて行った。
そしたらとうとう、リキヤの方が先に折れた。
「あ゛ーっ!!このガキ、もう勝手にしろ!」
「やったーリキヤに勝った!」
へっへ、どうだ見たか!
オレはやればできる子なんだよ!
いっつもやる気全開だけどな!
っし、リキヤも一緒に探索する気になってくれたみたいだし、早速探索してくか!
んーっと、三階にあんのは、屋内公園とトイレ、あと…何だこれ、『ファイナルデッドルーム』?
つーかペンションに屋内公園があるって、どんだけ金かけてんだよ!
まあいいや、とりあえず屋内公園から先に見てくか!
あ、そうだ。
その前に、一応ヤマトにチャットで報告しとかないとな。
アイツもリキヤの事心配してたみたいだし、三階で一緒に探索してるって教えとけばアイツも探索に集中できんだろ!
えーっと、チャットアプリは…あったこれだ。
…よし、送信したぞ!
「んじゃ行こーぜリキヤ!!」
「騒ぐなクソガキ。クソうぜえ」
「んな事言うなよー、友達だろ?」
「勝手に友達にすんじゃねえ」
ったく、リキヤの奴、素直じゃねえな。
これがツンデレってやつか!
《オクナイコウエン》
オレはまず、マップ上で『オクナイコウエン』って書かれた場所に向かった。
屋内公園には、その名前の通り遊具が色々置いてある。
滑り台、ブランコ、あとどうやって遊ぶのかよくわからんやつ!
何か、こうやって遊具を見てるとこう…
無性に遊びたくなってきたな!
っし、早速目の前にある滑り台で遊んでみるか!
「いやっほーーーーい!!」
いやぁ、楽しいなぁ!
こうやって公園で思いっきり遊んだのっていつぶりだっけか。
滑り台滑ってたら、何か昔の事色々思い出してきたぞ!
「チッ、うるせぇなぁ…これだからガキは嫌いなんだよ」
オレが滑り台で遊んでると、リキヤは壁際で何かをしながら舌打ちをした。
…何やってんだ?アイツ。
「なあーリキヤ!オメー何してんだ?」
「見てわかんねえのかよ。出口がどっかにねえか探してんだよ。オレはてめぇらと違って暇じゃねえからな。とっとと出口見つけて、こんなところソッコーで抜け出してやる」
「でもここ、窓もねえしドアは『ファイナルデッドルーム』?に繋がってるドアしかねえぞ!」
「そう見えるだけだろ。オレらをここに閉じ込める事ができたっつー事は、どっかに出口があるはずだ。出口じゃなくても、隠し通路とかあるかもしんねーだろ」
なるほどなぁ。
だからさっきからそうやって念入りに壁を調べてたのか。
映画とかでも、小さな隙間をこじ開けてそっから外に出れたりするって展開あるもんな!
でもリキヤの奴、出口云々の前に肝心な事忘れてねーか?
「なあリキヤー。もしそこら辺に出口があったとしても、外が猛吹雪でここがどこかもわかんねーんだから、外に出られても意味ねえんじゃねえのか?」
「……………」
「……………」
あ、リキヤが黙っちまった。
何か顔真っ赤でプルプルしてるし…怒ってねえかコレ?
オレ、何かマズい事言ったかな?
「う、うるせえんだよクソが!!んなもんオレだってわかっとるわ!!」
リキヤは、顔を真っ赤にしてすげー必死に反論してきた。
いや、わかってなかったよな?
絶対外に出た後の事考えずに出口探してただろ。
リキヤってもしかして、結構バ…
「ああ!?今バカにしたような目ぇしたろ!?ヘラヘラ笑ってんじゃねえよクソガキ!!ぶっ潰されてえか!?だァークソ!!笑うなてめえ!!」
やべっ、リキヤのリアクションが面白えからつい笑っちまった。
いやー、しっかし、リキヤがこんなに顔真っ赤にしてムキになるところが見られるとはな。
リキヤって面白え奴だな!
《ファイナルデッドルーム》
いやー面白かった。
オレはひとしきり笑った後、『ファイナルデッドルーム』って書かれた扉の前に行ってみた。
他の部屋は部屋の名前を見れば大体察しがつくけど、この部屋だけは何なのか全然わかんねえな。
『ファイナルデッドルーム』って名前が既に不吉だし、なーんかこの部屋は嫌な予感がすんだよなぁ。
さっきからオレん中の危険信号が、全力で『入るな』っつってるしな!
『うぷぷ、この部屋が気になる?気になっちゃうよねぇそりゃあね!』
「うわあ!?」
オレがファイナルデッドルームの前で考え込んでいると、下からモノクマがニョキっと生えてきた。
ビックリした…
コイツ、ホントに神出鬼没だな!
「へっ、わざわざご本人様がのこのこと現れてくれるたぁな!おかげで探す手間が省けたぜ!覚悟はできてんだろうな!?」
『探す手間?覚悟?ま、まさか内闘クン、ボクに乱暴する気?エロ同人みたいに!』
「うるせぇ!!今すぐそんな舐めた口聞けなくしてらぁ!!死ねぇ!!!」
『キャー!!学園長への暴力はルール違反だよ?』
リキヤは、モノクマを見つけた瞬間にモノクマに殴り掛かろうとした。
まじいぞこれ…!
このままじゃ、リキヤがシノコみてえになっちまう…!
「おい、やめろってリキヤ!」
オレは、咄嗟にリキヤの身体にしがみついた。
こうでもしなきゃ、リキヤは止まってくれねえ気がした。
「チッ、邪魔すんなクソチビ!!」
「やだ!!よくわかんねえけど、ソイツを殴っちまったらリキヤもシノコみてえに殺されちまうんだろ!?オレ、もう嫌なんだよ!皆がシノコみてぇになっちまうとこなんか、見たくねえんだよ!」
オレは、リキヤがキレるのもお構いなしに叫んだ。
もう、誰かが死ぬとこなんて見たくない。
オレが叫ぶと、やっと頭が冷えたのか、リキヤは拳を下ろしてため息をついた。
『ふぅ…やれやれ、困った戦闘民族だなぁ!せっかくファイナルデッドルームの説明をしてあげようと思ったのにさ!』
「ファイナルデッドルームの説明…?」
『えー、簡単に言うと、ファイナルデッドルームの中では命懸けのゲームをプレイする事ができます!そりゃあもう瀬戸際スレっスレの際どいヤツをね!どんなゲームかは、入ってみてのお楽しみ!クリアした暁にはささやかな景品をご用意しておりますので、気が向いたら気軽にプレイしてみてね』
命懸けのゲーム…
何か嫌な予感がするな。
今無理して行くような場所じゃねえだろうし、入るのはやめとくか。
「そっか、でも今は用がねえから入るのやめとくわ」
『ちぇー…せっかく用意したのに』
オレが言うと、モノクマはぶつくさ言いながらどっかに行った。
モノクマがどっかに行くと、リキヤは肩でふぅふぅと息をしつつも少しずつ落ち着きを取り戻した。
「なぁー、大丈夫かリキヤ」
「クソッ、あのクソクマ……」
オレが声をかけると、リキヤは苛立った様子でボソッと呟く。
よっぽどモノクマにイラついてたんだな。
…さて、どうすっかな。
もう探索終わっちまったし、そろそろ食堂に向かってもいい時間なんだよな。
「リキヤ、そろそろ食堂行かねえか?探索終わったら食堂来いってヤマトが」
「……チッ、行きゃあいいんだろ行きゃあ」
「お、やけに素直だな」
「どうせ嫌だっつったらてめぇしつこくしてくんだろが。オラ、行くぞ」
そう言ってリキヤは、先に食堂に向かって歩き始めた。
やっぱりリキヤはツンデレだな!
…そういや今、リキヤがチラッとファイナルデッドルームの方見たような気がしたけど…
……気のせいだよな?
ーーー 生存メンバー ーーー
【超高校級の小説家】
【超高校級の???】
【超高校級の司令官】
【超高校級の軍医】
【超高校級のオルガニスト】リーゼロッテ・ベルゲングリューン
【超高校級の原型師】
【超高校級の心霊学者】
【超高校級の絵本作家】
【超高校級のディーラー】
【超高校級のカルタ師】
【超高校級のグラシエール】
【超高校級のソムリエ】
【超高校級のカバディ選手】
【超高校級のプロレスラー】
【超高校級の狙撃手】
【超高校級の幸運】
【超高校級のゲームプログラマー】
ノコリ17人
ーーー 死亡メンバー ーーー
【超高校級のギャル】
以上1人
推しがいたら教えてくんなまし
-
東野潤_小説家
-
暗野斬良_???
-
殉前詩乃子_ギャル
-
神風大和_司令官
-
薬師寺療香_軍医
-
リーゼロッテ_オルガニスト
-
安室明日奈_原型師
-
消灯寺霊庵_心霊学者
-
山脇ゆか_絵本作家
-
梶野運命_ディーラー
-
神無月椛_カルタ師
-
氷川みるく_グラシエール
-
酒蔵飛露喜_ソムリエ
-
樺戸ラムジ_カバディ選手
-
内闘力也_プロレスラー
-
打田清美_狙撃手
-
的凪梢_幸運
-
六道千春_ゲームプログラマー
-
モノルナ_引率教師