・ゴン=フリークス(主人公&目線)
・キルア=ゾルディック
・クラピカ
・レオリオ
・リナキ=レスナンド(オリジナル)
・ライト(オリジナル)
・ビスケット=クルーガー
・ウェルトーゼ=イルシルム(オリジナル)
・エリリ(オリジナル)
詳しいキャラクター詳細は「HUNTER×HUNTER」の漫画などを読んでください。
オリジナルキャラの説明は小説内でしていきます。
もっとキャラクター出てきます。重要なキャラは出次第載せていきます。
1
「荒れますよ。」
───俺達は息を飲んだ。
……けど俺は意味がよくわからなかった。
「り、リナキ……さん。ど、どういうこと?」
俺は恐る恐る聞いてみるがどうやら分からなかったのは俺だけではなかったようだ。三人も頷きながらリナキの方を見る。
「今回はハンターのイベントとしてここに集まりましたよね?ハンターリクスジョンで。そのハンターリクスジョンを開催したハンター協会と縁のある会社の社長がやっ……行なっています。その社長に問題があってね、ですね……。」
彼女はややカミカミの敬語を使いながら話しているので、
「リナキさん、無理しないで……。普通に話していいよ!」
と緊張を解してもらおうと言ってみたが、逆効果だったのかリナキはぶるっと方を震わせて退いてしまった。
あ、あれ……?俺悪いこと言ったかな……?
「うっ……。」
「何奴だ!!」
リナキが俺達の後ろを指差すと同時にいち早くクラピカが振り返り戦う姿勢を見せた。
「?!」
慌てて俺達も振り返る。
どうして気づけなかったんだ……。
「オイてめえら……彼女になにしてんだ……。」
先程のスーツの男達の四人がそこにいた。
その中のボスであろう真ん中の男が近づいてきた。
「違えだろ!!お前らが何かしようとしてんじゃねえのか?!」
堪らずレオリオがナイフを構えながら言った。
「彼女を大人しく引き渡せばお前らに気概は加えない。金もやる。早くどけ。」
「やーだね。だってコイツ怯えてんじゃん?」
キルアは両手にヨーヨーを構えた。
「てっ……めえら!!」
男が動き出した!
キルアの挑発に乗ったのか、一番のボスはキルアの方へと真っ直ぐ進んでいく。
「貴様の相手は私だ!」
「おらてめえ!こっち来やがれ!」
クラピカとレオリオも敵を引き連れて戦闘を開始する。
もう一人は……!
「こっちだ!!」
俺が叫ぶと、もう一人の男は俺の方を一度見るが真っ直ぐ……
「リナキ!!退がって!!」
「え?!」
俺はリナキの方に向かう奴に向かって……
「最初は……グー!!」
手に力を込めると、念の力が急激に手に集中していく。
オレンジ色のエネルギーを……
「じゃんけん……チョキ!!」
俺は奴に向かって飛び上がり、両手を鋭利な刃で切るように斜めに手を動かした。
「うっ……うわっ!!」
だいぶ手加減したので男はその場に崩れこむ。
素早く上に乗って手を押さえ込んだ。
「リナキ大丈夫?当たってないよね?」
「あっ!!」
リナキが突然俺の後ろを指差した。
「ゴン!!」
奴等の狙いはリナキだということを忘れていた。
レオリオが作った一瞬の隙、敵の男はその隙を見計らいリナキを狙ったのだ。
「大人しくしやがれ!!」
「え!!」
奴はゴンの元、否リナキの元に走りながら、戦闘で使っていたナイフを振り下ろした。
「危ない!!」
「ゴン!!」
俺の叫びとキルアの叫びは同時だった。
背中に熱いものを感じた。
咄嗟に動いた身体。
目の前には庇ったリナキの姿が居た。
背中を走る鋭い感覚。
服の裂ける音。
「えっ……嘘!!」
「っか……はっ……。」
口から血が飛び出す。
「……殺す。」
キルアの殺気立った低い声が微かに聞こえた気がした。
その瞬間真後ろで悲痛な叫びと血飛沫の上がる音が聞こえたのを最後に俺は意識を手放した。
2
ウェルトーゼはデスクから立ち上がり、ポケットから煙草を取り出した。
「何処へ行かれるんですか?」
「挨拶に行ってくるよ。エリリ。奴にな。」
「「レオキ」ですか?」
「ああ。明日から仕事だからな。にしてもあいつは馬鹿だな。妹を庇って自分が捕虜になるとは。妹の方が使えないから妹の方が捕まっても問題なかったのにな。自分が爆弾だとも知らずに。」
「本当ですね。世界的に見ればレオキが捕獲された方が打撃だというのに。」
「まあどちらにしろ構わない。行くぞ。」
ウェルトーゼは社長室のクローゼットを横にスライドさせ、奥に潜む扉に手をかけた。
指紋検証にカードなどの厳重ロックを越えて中へと入る。
「よおレオキ。元気か?」
奥には檻に篭り手足を鎖で繋がれたレオキという青年がいた。
茶色く巻いた髪が妹によく似ている。
鋭い目付きで俺を驚愕させる。
「まあそう怒るな。妹を救えたヒーロー気取りのレオキよ。」
「……目的は何だ。」
「わかっているだろう。「時の歯車」使いの念能力者、アサギの息子よ。」
「母さんの名前を出すな。てめえらが殺したのは知ってる。」
「嫌だなあ誤解しちゃあ。今回の作戦でお前らが暴れなければアサギに協力してもらおうと思っていたんだ。君はアサギの代わりだよ。」
「目的はなんだと聞いている。」
ウェルトーゼは煙草に火をつけた。
「決まっているだろう。時の歯車の利用と実験のハンターご……」
3
「時の歯車。」
俺が目を開けるとそんな言葉が投げかけられた。
「っていう、あの……時が操れるなんていうあり得ないものが存在するんです。それの実験を行う為にハンターを集めて……。
「そうか……だとすると目的がわからないと……ゴン!」
レオリオが俺が起き上がったのをいち早く気がついたようだ。
「ここは何処?」
「っゴン!!」
「目覚めたか!」
キルアとクラピカも俺の寝ていたベッドに駆け寄って来た。
すると恐る恐るリナキも近づいてくる。
「良かったー……気絶した時死んだかと思った……心配したんだぞ。馬鹿野郎!」
キルアは温かい目で俺を見た。するとレオリオが俺の問いに返答してくれた。
「ここは病院だ。カルセーロの唯一の病院。因みに今いるのは個室だ。」
確かに全体的に白い印象で病院らしさが感じられる。匂いを嗅ぐと薄く薬のような匂いがした。
「なんで俺はここに?」
「……ご、ごめんなさい。私のせいです。」
漸くリナキが口を開いたかと思うとそんな言葉を口にした。
それで俺が気絶するまでの全貌を思い出す。
「全然気にしてないよ!あ……逃げ切れたの?」
「一人殺しちまったけど……。」
キルアが俯いた。
「他は気絶させて隙を見て逃げて来た。」
クラピカが補うように呟く。
「そっか……。」
俺は複雑な気持ちで傷口を触ってみた。
「ああ安心しろ。傷は浅かった。どうやらナイフは掠っただけだったみてえだからな。」
確かにもう殆ど痛くない。
気絶したのはオーラを使って防御が甘かったのかもしれない。
「皆心配かけてごめんね?もう大丈夫!」
俺は立ち上がってくるっと回って見せた。
「で、ハンターリクスジョンはいつからなの?」
「そのハンターリクスジョンなんだけど……。」
リナキが呟くと、
「ゴンさーん。」
扉のノック音が聞こえると、看護婦さんが入ってきた。
「調子はどうかしら?」
「あ、もう大丈夫です!」
「じゃあ念の為今日いっぱいは入院……」
「いえ、今すぐ退院します!」
俺はハンターリクスジョンが楽しみだったので、看護婦さんの言ったことを無視して言ってみた。
「え?」
「まあそういうことなんで。コイツ本当にピンピンしてるからもう行くぜ?」
キルアがそう言うと、看護婦さんは困った様子でたじろいだ。
「え?だ……駄目です!」
突然誰かに担がれる感じがした。
「行くぞゴン!!」
「え?!」
「リナキはどうする?」
「俺が担いでやろうか!なんちって。」
「大丈夫!私タフだから!」
え?え?え?
俺はぐるっと視界が回って前が見えなかったが、窓から飛び降りたのはわかった。
「うわっ?!」
担がれたことで体位が安定せず、不思議な浮遊感に襲われた。
地面に着地する衝撃に耐えると、後から三人の着地する音が耳に入った。
「キルア……無茶しすぎ。俺大丈夫だよ。」
起き上がって上を見ると、四階の窓から看護婦さんが顔を出していた。
「こらー!!」
四階……。
「逃げるぜ!!」
「「「「おー!!」」」」
俺達は病院から抜け出して道路を駆け抜ける。
「時間がないんだ。無茶して悪いな!」
「看護婦さんに申し訳ないことしちゃったかなあ。」
俺は苦笑した。
「取り敢えずホテルに場所を移そう!レオリオ!」
クラピカの声に、ああ。とレオリオがマップを取り出した。
「走りながらでブレるな……。その角曲がって直ぐだ!急げ!」
俺達は言われた通り角を曲がって直ぐに顔を出した「ホテルカルセーロウェイ」に突入した。
息を切らした俺達に従業員さんはやや引いていた気もするけど取り敢えず部屋を一つ取ることが出来た。
☆
「今日の夜八時からカルセーロホールにて開催式。ドーム周辺は歩行者天国で一般人も入れるショーとか屋台が並ぶみてえだな。その奥にはハンター限定の屋台とか。そしてドームの中は明日の午前十時から始まる闘技大会……と。闘技大会の申し込みは今日のうちに済ませないといけないらしい。わかったか?」
レオリオは必死にパンフレットを目で追いながら話した。
「大丈夫!わかったよ!」
俺はなんとなく理解出来たのでそういった。
「っで、時の歯車ってのはどうなってんだ?」
キルアは椅子の上で足を組みながらリナキに疑問を投げ掛ける。
「あ、そうだ。俺も聞いてないや。病院で話してたのなんだったの?」
俺も気になっていたので聞いてみることにした。
「私も、本当に詳しくはわからないんだけど……お母さんが、特別な操作系能力者の遺伝の持ち主だったの。でも、死んだんだ。奴らに殺されたの。」
「奴等?とは一体……?」
クラピカがすかさず聞く。
「ハンターリクスジョン主催者のウェルトーゼっていう男。」
「ほう。それで?」
「死んだお母さんしかそれを使える人が存在しないと思っていたから奴等は一時的に活動を休止してたの。でも最近私と、兄の、存在がバレてね……お兄ちゃんが捕まっちゃって……。」
「それで、その時の歯車とはなんなんだ?」
すっかりクラピカが質問係となっている。俺はそろそろ頭が着いていけなくなってきていた。
「その名の通り、時を操る歯車が存在しててね、なんであるのかはわからないけど。で……あ、あんまり口外出来ないなあ。」
彼女は申し訳なさそうに俯く。
「心配しないで。大丈夫!俺達この問題が解決するまで協力するから!誰かに言うような真似は絶対にしないし、味方だよ!」
俺はリナキに言ってみせた。
「確かに、ここまで踏み込んで引くのも気が引けるっつーか……。顔も見られてるしもう俺達は奴等に追われる身かもしれない。」
キルアも笑って同意してくれた。
「私も協力したいと思っている。ハンターに危害が加えられる心配があるようだしな。」
「俺もだ!その兄さんとやらを救って見せるからな!」
「皆さん、ありがとうございます……。私も私だけじゃ解決出来ないし、ハンターが四人も付いてくれて心強いなあ。」
リナキは四人の言葉を聞いてホッとしたように胸を撫で下ろした。
「あれ?俺達ハンターって言ったっけ?」
「あ……いや!そうだと思っただけ!それより名前聞かせてください!」
「そう?えっとね、俺はゴン=フリークス!宜しくね!」
「キルア=ゾルディック。元殺し屋だけど今はただのハンターかな。」
「クラピカだ。今は休業中だがボディーガードの仕事を努めている。」
「俺はレオリオだ。医者目指して日々勉強中!」
「宜しく。私はリナキ=レスナンドっていいます。好きな事はシャボン玉です。」
俺達は改めて挨拶を交わし合った。
「取り敢えずハンターリクスジョンを楽しもうぜ!」
レオリオの案に俺達は頷いたが、
「大丈夫だとは思うんだけど……今回のハンターリクスジョンで何か実験をするらしくて。大丈夫かな?それに私バレたらヤバイから……。」
「そうだ!リナキ!変装でもしようぜ!ある程度分からなくなるもんだ!」
レオリオがそんな案を叩き出した。
「いいね!じゃあ皆で出掛けようよ!」
俺が立ち上がって提案すると、皆も吊られて立ち上がった。
───この時の俺達はこの実験の恐ろしさをまだ知らなかった。
ーシンジツ×ノ×キョウイENDー
あとがきと予告
こんにちは。初めましてまたはお久しぶりりです。神崎吹雪です。
二話目を案外早く書き上げてしまった。
かなり不定期投稿になるかと思います。是非次回も読んで頂ければなあ思います。
では次回の予告。
次回は遂にハンターリクスジョン開催ですね。そこで実験の恐しさがゴンたちを襲います。さて、本当の意味とはなんなのか…。
次回も宜しければ、少しでも興味を持っていただけた方は是非読んでください。
誤字脱字、コメントなどなんでも受け付けてます。どんどんお願いします。
ではまたお会いしましょう。
(HUNTER×HUNTER〜時の歯車編〜pixivで並行投稿しています。)http://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=4120876