フクフラSS集   作:ゴロドッグ

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トリ達が無理やりメイド服を着させられる話です。
前2話よりもIQ低め


メイドと紅鳥

「なんだったんだ、あの魔獣は…」

 

 帰りの輸送機の中、カラスは額を抑え呻いた。そんな彼女の服装はミニスカートのメイド服で、これまた同じ服装のハクチョウが、彼女の方をちらちらと見て窘められていた。彼女達だけでなく、一緒にいるトリ達も同様に同じメイド服を着ている。

 もちろん、任務にメイド服なんて着ていく筈もなく、今回の討伐対象である魔獣の仕業だ。見た目はよくいる花型の魔獣だったのだが、ビームに当たると、何故か服がメイド服に変えられるのだ。ただ、それ以外に害はなく、簡単に討伐は出来た。迎えに来た職員は大層困惑する事になったが。

 エナガは可愛らしいメイド服にはしゃぎ、スズメは顔を真っ赤にして俯いている。一方のツルとハチドリは特に取り乱す事もなく、通常運転だ。そんな中、フクロウはというと、

 

「うぅ、落ち着かない…」

 

 いつものフードを取り上げられ、フラミンゴの影に隠れる様にベッタリと引っ付いていた。

 

「う、うん。チョットオチツカナイネー」

 

 フラミンゴはフラミンゴで、普段は滅多にないフクロウからの密着に、平静を保つのに精一杯だ。

 

(可愛すぎるよフクロウ!)

 

 普段はフラミンゴが頼んだって着てくれない様な、可愛らしい服を着込んだフクロウは、非常に愛らしく、そんな彼女がすがりついてくるのだ。フラミンゴにはあまりにも刺激が強すぎる。

 

「フクロウは親友…フクロウは親友…」

 

 密着したフクロウですら聞こえないほどの小声で、自分に言い聞かせ続ける。フラミンゴは今、フクロウが時々言う『尊い』が、どういう感情か、完全に理解させられていた。

 

(もう無理!限界!)

 

 我慢も限界に達し、ほんの少し、フクロウから体を離そうとしたその時、ぐい、と腕を引かれ、

 

「フ、フラミンゴ、あまり離れないで」

 

 耳元で囁かれ、フラミンゴの頭の中は真っ白になった。

 

 

 気が付けば、フラミンゴはCAGEに戻って来ていた。報告を済ませ、着替えもして、フクロウと一緒に自室にいるのだが、その間の記憶はフラミンゴには無かった。ただ、フクロウをはじめ、他のトリ達に不審がられていなかったので、その間に問題は無かったようだ。

 

「ごめんね。あんなに引っ付いちゃって…嫌だったよね…結構強めに引っ張っちゃったし」

「そんなことないよ!メイド服のフクロウ、スッゴく可愛かったし!むしろ、嫌じゃないからこそ危なかったというか…」

 

 後半は聞こえない様に口の中でもごもごと呟く。幸い、フクロウには気づかれることなく、フクロウは申し訳無さそうに言葉を続けた。

 

「その、あんまりお詫びにならないかもしれないけど、私、フラミンゴのお願い、何でも聞くよ!出来る限り、になるけど…」

「…!」

 

 普段なら「そんなに気にしなくていいのに」とすぐに言えたフラミンゴだが、今この瞬間に限っては激しい葛藤が生まれていた。

 

(つまり、フクロウに好きな服を着て貰える!?でもフクロウが嫌がる様なことは、そもそもホントに嫌じゃなかったし、むしろ感謝したいくらいで)

 

 高速で思考が回っていく。ただ、そこはフラミンゴ。長年フクロウへの恋心を秘め続けた我慢強い少女である。今回ももちろん、

 

「じゃあ、その今日みたいな可愛い服を着て貰ったり、とか」

 

 無理だった。フラミンゴも恋する少女である。好きな人の新たな一面を見たい、という欲求には抗いがたい。

 

「え、それって、あの、メイド服みたいな服ってこと?」

「…うん」

 

 考え込むフクロウを見て、急激に罪悪感が湧くフラミンゴ。だが、

 

「い、いいよ」

「え?」

 

 フラミンゴが撤回するより早く、フクロウが頷いた。

 

「その格好でお出かけしたりは無理だけど、フラミンゴの部屋とか、二人きりになれるとこならいいよ」

 

 そこで、いったん言葉を区切ると、フクロウは照れくさそうに頬を掻く。

 

「フラミンゴに可愛いって言われるのは、嬉しいし…」

 

 その言葉は、フラミンゴの心を弾ませるのに、十分すぎて。フラミンゴは思わずフクロウに抱きついた。

 

「ワタシ、頑張ってフクロウに似合う服を選ぶね!」

「う、うん。その、よろしくお願いします…?」

 

 お願いを聞いてくれた事も嬉しいけれど、今はそれよりも自分の言葉に喜んでくれる事が何よりも嬉しくて、フクロウと、波瑠とずっと一緒にいたいと、改めて強く願うのだった。

 なおこの後、ギフトのせいで色がわからないため、結局フクロウと二人で通販で服を選ぶ事になったり、写真を撮っていいかで一悶着もあったりしたのだが、それはまた別のお話。

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