仮面ライダーナスカ I come to米花町   作:ボルメテウスさん

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過去の恐怖

ターゲットは既に始末した。

 

既に、私自身の指令は終わり、あとは事件とは無関係を装うだけだった。

 

しかし、偶然なのか、人混みの中で見えた少女。

 

少女の人影に覚えがあった私はすぐに組織のデータから、画像を確認する。

 

シェリー。

 

組織の裏切り者であり、薬の開発に携わっている。

 

まさか、偶然とはいえ、ここにいるとは思わなかった。

 

先程まで、こちらを監視していたカメラの存在も気になるが、今は少女の確保が優先だ。

 

それと共に、人混みを利用し、そのまま彼女に近づく。

 

決定的な隙。

 

それと共にハンカチに手を伸ばそうとした時だった。

 

「っ」

 

鋭い痛みが襲う。

 

見れば、ハンカチを持っていた手は、何かに噛まれていた。

 

それは、シェリーの近くにいた青年の腕に巻いている時計であり、蛇のように変形していた。

 

「まさかっ」

 

時計が、機械の蛇に変わった。

 

それには覚えがあった。

 

「お前か」

 

同時に私を睨む青年。

 

それは、私の中にある恐怖を呼び起こす。

 

すぐにその場から離れた。

 

この場にいるのは危険だ。

 

それと共に、私は酒蔵に逃げ込む。

 

「まさか、ここで奴に」

 

そこに隠していた物を取り出す。

 

私の中にある恐怖。

 

それは、かつて組織を壊滅まで追い込んだある男の存在。

 

何年か前の出来事だった。

 

組織が、ミュージアムからメモリを貰う為に訪れた際に、その男が現れた。

 

骸骨男。

 

風都では噂程度で聞いており、ドーパントを殺す存在として、有名だった。

 

骸骨男が出てきた時、当時の最高戦力であるメンバーと共に戦った。

 

しかし、骸骨男は圧倒的だった。

 

銃弾が当たったとしても、まるで効かなかった。

 

取引相手であるミュージアムの幹部に対しても圧倒していた。

 

たった一人で、組織を壊滅させる可能性があった。

 

骸骨男は、手に持った銃で、全てを破壊する姿を見たメンバー。

 

それを見て、骸骨男が組織を壊滅させる存在「シルバーバレット」の一人とされるようになった。

 

最も、骸骨男は、風都に手を出さなければ、襲わない。

 

だからこそ、組織にとって、風都は危険地帯とされている。

 

そんな記憶と共に、私は、ゆっくりとその手に持ったガイアメモリを震えながら持つ。

 

「まったく、それを持っている所を見ると、どちらにしても放っておけないな」

「っ」

 

聞こえた声。

 

それと共に振り返れば、そこには奴がいた。

 

骸骨男とは違う青い姿。

 

それは、組織から既に聞いていたが、仮面ライダーナスカと呼ばれる存在。

 

だが、その姿は、特に、腰に巻いているベルトの形は、あの骸骨男を連想させる。

 

「貴様っ、骸骨男の仲間かっ」

「骸骨男、あぁ、先代の事か。

まさか、先代の事を知っているとはな」

「先代っ」

 

その言葉から、既に奴が関係者だという事は分かる。

 

「ならば、ここでお前を始末するだけっ」『ジャッジ』

 

鳴り響く音声と共に、私は、自分の身体にメモリを突き刺す。

 

それと共に、まさしく超人的な力を、その身に宿す。

 

「『一つ、一瞬動揺したせいで、一つの命を晒した』」

「っ!?」

 

超人的な力を得たはずだ。

 

情報でも既に私が有利なはずだった。

 

しかし、身体が自然に恐怖した。

 

目の前にいる小僧が言葉を紡ぐと共に、あの時の骸骨男が重なって見えた。

 

「『二つ、俺は守るべき存在に危険を晒した』」

 

ゆっくりと歩く度に、まるでそこにはいないはずの骸骨男と一緒にいるように小僧が近づく。

 

「『三つ、そのせいで、彼女に恐怖させてしまった』」

「何を言っているっ」

 

小僧の戯れ言のはず。

 

そう思うのに、私は正常な判断ができない。

 

「『俺は自分の罪を数えたぞ。さぁ、お前の罪を数えろ』」

 

同時に骸骨男と小僧が一つになった。

 

幻覚だ。幻聴だ。

 

私自身の恐怖が、過去が、そんな迷いを作りだしているだけだ。

 

「うおおおおぉぉぉ!!」

 

だから、そのような忌々しい過去、ここで払拭させる。

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