仮面ライダーナスカ I come to米花町 作:ボルメテウスさん
屋敷の外へと出れば、そこは雪景色。
周りは木々で覆われており、俺はそこ駆け巡っている。
同時に、そんな木々を潰していく音もまた聞こえてくる。
そして、そんな俺の眼前には、多くのマスカレイド・ドーパントが待ち構えており、俺の行く手を阻もうとしていた。
「本当に厄介な奴らだ」
俺はそう言いながら、その手に持つナスカブレードで、眼前にいるマスカレイド・ドーパントを斬り裂く。
それにタイミングを合わせるように、俺に向かって、ブラキオ・ドーパントの脚が降り注ごうとする。
間一髪、俺は眼前にいる木を踏み台にして、避けると共に、ブラキオ・ドーパントの脚にワイヤーを巻き付けて、そのまま駆け上がる。
「はあぁぁぁ!!」
これまで、幾度もビルや建物を壁走りをした経験を生かし、ブラキオ・ドーパントの身体を駆け上がる。
その狙いは、ブラキオ・ドーパントの首にあると思われるドライバー。
だが、奴もそれは既に察していた。
俺の存在を察知すると共にその巨大な身体を大きく揺らす。
「ぐっ!」
なんとか俺は身体の体勢を整えながら、思考を巡らせる。
この戦いが始まって、既に数分。
その間にも、俺と奴の間では、既に戦いがどのように決着が突くのか分かっている。
俺の今のナスカでは、とてもではないがブラキオ・ドーパントを倒す為に必要な火力がない。
だからこそ、俺が勝つ為に必要なのは、奴が変身に使用しているドライバーを破壊する事。
それしか、俺には勝利の道はない。
「だとしても、さすがにこれは不利過ぎるだろ」
そんな俺に対して、向こうのブラキオ・ドーパントの勝利条件は、俺を踏み潰すか、部下であるマスカレイド・ドーパントを捕らえさせて、そのままふむ潰すだけ。
だが、そんな俺の考えを余所に、向こうは話しかける。
「それにしても、本当にむかつく」
「なに?」
それは、ブラキオ・ドーパントからの言葉だろうか。
それに対して、答える余裕はない。
「君に対しては、本当にむかつく。心底むかつきます」
「一体、何の話だ」
「何、ただの一方的な嫉妬ですよ、あなたが気にする必要は、ありません!」
「うわぁっ」
そんな俺の言葉に対して、奴はそのまま踏み潰す。
訳の分からない事を言っているが、俺と奴はどこかで知り合ったのか?
そんな疑問を思っている時だった。
「そう言えば、あなたは確か、今は子供達を護っていたんですね」
「なんで、いきなりそんな話を」
「ここからならば、よく見えるのでね」
その言葉は最悪な形で当たってしまう。
奴は、その特徴的な首を伸ばし、近くにある木を咥える。
みきりという音が鳴ると共に、木はあっさりと取れてしまう。
「まさかっ」
最悪な予感は当たってしまう。
奴はそのまま思いっきり投げる。
その狙いは他でもない、リボルギャリーだった。
「てめぇ!」
俺はすぐに他の木を踏み台に、投げられた木を蹴り上げる。
それによって、木の軌道を変える事はできた。
だが、それは同時に完全な無防備な姿を見せる事になる。
「ぐっ」
そのまま、木よりも遙かに巨大なブラキオ・ドーパントの首が俺に襲い掛かる。
その衝撃は、かなり大きく、俺はまるで野球のバットで打たれたボールのように吹き飛ばされる。
襲い掛かる痛みをなんとか耐えながら、着地をする。
「はぁはぁ」
吹き飛ばされた衝撃と共に身体はボロボロだ。
変身していなければ、とても耐えられなかった。
しかし、それは同時に息を整えるのだけでも必死だった。
そうしている間にも、俺の元に既にブラキオ・ドーパントが迫っていた。
「やはり、その身体、実に気に入らない。だからこそ、ここで!」
そう、ブラキオ・ドーパントが俺に向かって、脚を振り下ろそうとする。
すぐに回復する事ができない。
やばいと思った次の瞬間だった。
ブラキオ・ドーパントに襲い掛かるのは電撃。
「なにっ!?」
それによって、ブラキオ・ドーパントは、脚を振り下ろす場所を間違える。
そのままこけてしまう。
「今のは」
「まったく、影はいつも無茶をするんだから」
同時に見つめた場所。
そこには、俺にとっては久し振りの相棒の姿がいた。
「ヒサメ、どうして、ここに」
「リボルギャリーで一緒にここに来たからに決まっているでしょ。
影達は、すぐに戦いを始めて、リボルギャリーが出発したんだから、ここまで来るの、苦労したんだから」
「それは、悪かった」
「だったら、今度、そっちの米花町の案内してよ、まぁ、今は」
「あぁ」
その言葉と共に俺達は同時に立ち上がる。
それと共にヒサメの横に並ぶ。
そして、ヒサメの腰にはドライバーが巻かれ、その手にはズーメモリが現れる。
『ズー』
「影、久し振りだからって、忘れていないよね」
「当たり前だ、行くぜ」
それと共に俺のドライバーは、翔太郎さん達と同じWドライバーのような形状となる。
それと共に差し込まれたのはズーメモリ。
そして
「「変身!」」『ナスカ!ズー!』
鳴り響く音声と共に俺達の姿が変わる。
その姿は、先程のナスカと比べたら、荒々しくも野生を思わせる姿。
だが、この姿こそが、俺達の最強の姿、ナスカズー、再び再誕だ!