仮面ライダーナスカ I come to米花町 作:ボルメテウスさん
新型仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティー。
日本のとあるゲーム会社がシンドラー社と協力しコクーンと呼ばれるゲームを開発している。
「なんだか、影、凄い眼を輝かせているな」
「それは、そうだろ!だってコクーンと言ったら、ゲームでもかなり最先端の奴だよ」
今回、このパーティに俺達は招待された。
その理由としては、今回のコクーンのパーティの開発者の1人である阿笠博士。
彼の招待で、ここに来た。
先日の一件のお礼という事もあるらしいが、それには興奮を隠せなかった。
「・・・」
「それで、お前に聞きたい事があるんだけど」
「どうしたんだ、コナン?」
それは、一緒に同行したコナンが俺に対して聞いてきた。
だが、その視線を向けたのは、ヒサメだった。
その表情はかなり不満そうだった。
「さっぱり、分からない」
「そうなのか」
コナンは何やら呆れた様子だった。
「なぁ、ヒサメ、何をそんなに不満そうなんだよ」
「別に、影はさっきからあのコクーンに夢中な様子だから」
「当たり前だろ、だって、五感が全てゲームの中にあるんだぜ!
これで、興奮しない奴はいないだろ!!」
俺は思わず叫んでしまう。
「全く、子供達と変わらない感想を言うのね、あなたは」
「んっ、どういう事なんだ、灰原?」
その灰原の言葉に対して、俺は首を傾げながら言う。
「別に、ただ、少しは乙女心を察したらという意味よ」
「乙女心?
なんで、それが関係しているんだ?」
未だに疑問が多く、それに答えてくれる奴は誰もいない。
「とりあえず、そろそろコクーンの紹介だ。
けど、残念だよなぁ」
「俺は、あまりこういうのは興味ないんだけどな」
そうしたパーティ。
だが、そのパーティに招待されている子供達があまり行儀は良くない。
著名人の2世3世と言うのは、確かに裕福な生活ができるだろうし、そうでなかった人間よりもその道で生きていきやすいだろう。
「そういう意味では、俺もか」
もしかしたら、俺もあぁなっていたかもしれない。
だからこそ、人の事は言えない。
「そう考えると、影ももしかしたら、こういうパーティには参加していたの?」
「俺は全然。ずっと爺さんと一緒にいたから。何よりもこういうのは苦手で仕方ない。
正直に言うと、コクーンが目的じゃなかったら、来たくも無かった。
「ふぅん、あなたが仮面ライダー以外にも色々と訳ありみたいね」
「まっ、そういう事」
別に積極的に話す必要もないので、俺はそのまま話を切り上げる事にした。
そうして、パーティが進んでいく最中、そこから先、パーティーはサプライズステージやこのゲームにシナリオ提供をした世界的作家の工藤優作の登場などイベント盛りだくさんで進んで行く。
どうやら、コナンの父親であるらしく、子供になっている事は既に話しているらしい。
そして、そのスーツにはコクーンを体験する為のバッジが。
「羨ましい」
「あら、だったら、代わりにやってみる?」
そう俺が見ていると、灰原が提案するが。
「俺は、大学生だから、参加できないんだよぉ」
本当に残念で仕方ない。
そう思っていた時だった。
何やら、騒ぎが起きていた。
それにはコナンも気づいた様子だった。
「ヒサメ、悪いけど、少し離れるよ」
「えっ影!?」
俺達は、その騒ぎで、何が起きているのか、気になり、向かった。
怪盗のスキルも相まって、怪しまれずになんとか向かう事ができた。
「お前のその技術、本当に怪盗キッドみたいだな」
「まぁ、昔は色々あったからな、しかし」
そうした辿り着いた事件現場。
そこでは、なんとコクーン開発者の樫村忠彬が刺された。
「マジかよ」
そこは密室であり、ほとんど手掛かりがない。
ただ、一つ、手掛かりがあるとすれば樫村さんのキーボードのJ・T・Rの3か所に血の跡を残されていた。
「もしかしたら」
「何か、分かったのか?」
「あぁ、悪いが、急いで向かうっ」
「どこにっ!」
「コクーンだ!」
その言葉と共にコナンは真っ直ぐとコクーンへと向かって行った。
「JTR、それは一体」
「コナン君は一体、何を気にしていたのかね?」
「うわっと、あなたは確か」
「あぁ、紹介が遅れたね。私は工藤優作だ。君は確か、弾空寺影君だね、彼から話は聞いているよ」
その様子から、既に俺の事も承知の様子だった。
「それで、彼はどうして、コクーンに?」
「どうやら、JTRという単語を見て、何か察したようですけど、何の意味が」
「JTR、まさか」
それを聞くと。
「JTR、まさか、ジャック・ザ・リッパー!」
「それって、もしかして」
「えぇ、コクーンの中で、私がシナリオを担当した所にいる殺人鬼です。
そこに手掛かりがあると考えたんでしょう」
「マジかよっ!」
それを聞いた俺は、すぐに向かった。
そこでは既にコクーンの稼働が始まっていた。
こうなった以上、コクーンの中での手掛かりは、コナンに任せるしかない。
そう思っていた。
『我が名は、ノアズ・アーク体感型シュミレーションゲームコクーンは僕が占拠した。』
会場全体に幼い声が響き渡った。
「なっ」「嘘でしょ」
それには、俺もヒサメも、そして会場の全員が驚きを隠せなかった。
其処からの話を要約すると、このゲームを誰か一人でもクリアすれば全員が何事もなく目覚める事ができる。誰一人としてクリアできなければ特殊な電磁波で全員の脳を破壊。
日本のリセットをかけた勝負、という事らしい。
更にノアズ・アークは続ける。穢れた政治家の子は穢れた政治家に、金の事しか考えない医者の子もやはりそういう医者にしかならないと、そういった繋がりをチャラにしなければ日本は良くならないと。
随分と勝手な事を言う。
「どうするの、影、このままじゃ」「どうすると言われても」
この場に、フィリップさんがいれば、なんとかできたかもしれない。
フィリップさんはデータ人間という事で、それを応用して、コクーンの中に入る事ができるかもしれない。
だけど、今、この場にはフィリップさんがいない。
今から呼んでも、おそらくは間に合わない。
「どうすれば」
そう考えていた時だった。
俺はふと、ナスカメモリに手が当たる。
「データ人間、もしかしたら!」
「どうしたの、影!?」
俺はすぐに阿笠博士がいるだろうコンピュータールームへと向かう。
「はぁはぁ」
「弾空寺君、どうしたんじゃ!」
「博士、そのパソコンにUSB差し込み口って、ありますか?」
「あるんじゃが、どうしたんじゃ」
「ちょっとした賭けですよ」
「賭け?」
俺はそのままパソコンに近づく。
「賭けって、一体何をするつもりなんだ?」
「コクーンにお助けキャラを送り込みます。
成功するかどうかは、分かりませんが」
「なにぃ、そんなの信じら「いいえ、ここは彼に任せましょう」って」
それを止めたのは優作さんだった。
「今、私達の前にいる人工知能。
それがどのような手を使うか分からない以上、少しでも可能性を広げるべきだ」
「それは」
「という事だ、良いよな、元々、ゲームのルールでお助けキャラはありなんだから、ノアズ・アーク」
俺はわざと声を出しながら言う。
『別に構わないよ。けど一体、どんなお助けキャラを入れるつもりなんだい?』
「信用できる奴をだよ」『ナスカ』
俺はそのままナスカメモリを起動させる。
「という事で、頼むぞ。
プラグイン!キリヒコ!トランスミッション!」
「影、少し、調子乗っていない」
後ろからヒサメの声を無視しながら、俺はそのままナスカメモリをパソコンにセットする。
後は頼んだぞ。