仮面ライダーナスカ I come to米花町 作:ボルメテウスさん
「それで、これがお前が見せたかった物か?」
そう、住宅街から少し離れたビルにて、3つの人影があった。
その内、2人共、黒い服を身に纏っていた。
1人は黒のロングトレンチコートと帽子に白いハイネック、という服装を貫いている他の主な特徴は、銀の長髪の男。
もう1人は、サングラスと黒い帽子の男。
2人は同時に双眼鏡で住宅街で行われている戦闘を観察する。
「あぁ、そうだ。君達がこれから戦う事になるだろう相手、仮面ライダーだ」
そんな彼らに、まるで友人を紹介するような軽い言葉と共に喋るのは異形。
姿は真っ黒な人間のようなシンプルな姿で、頭に長いポニーテールのような髪があり、腰にキラキラ輝く布のようなものを纏っている。
「仮面ライダーナスカ。ミュージアムが保有していたゴールドメモリの一つであったが、シュラウドに回収された事によって、仮面ライダーへの変身用メモリとして再構築されたメモリ」
その言葉を紡ぎながら、その戦いは行われていた。
ビデオ・ドーパントは、その両手からビデオテープをまるで鞭のように操り、仮面ライダーに向けて、振り払う。
しかし、まるで風を思わせる動きで、仮面ライダーはその攻撃を避け、そのままビデオ・ドーパントを蹴り上げる。
「元々のメモリ自体の力も強さも相まってか、風都の仮面ライダーの中でも基礎スペックは高く、格闘能力は勿論の事、腰にあるナスカブレードも使う事ができる。
本人の戦い方も相まって、その戦闘はかなりスピーディだ」
「それは、見ている限りでも分かる」
その言葉通り、まさしく、風を思わせる戦い方に、男は同意する。
「だが、ナスカの本領はここからだ。
君達はメモリは基本的に、その記憶に関する能力が使えるのは、知っているな」
「まぁな。お前の所から流れているメモリを試させている」
「そう、だが、ナスカは、数多くあるメモリの中でも特殊なメモリの一本だ。
なぜならば」
そうしている間にも、仮面ライダーは、ナスカメモリを一旦取り外す。
『LIZARD』
鳴り響く音声と共に、ナスカの左手のトカゲの絵を模した槍を構える。
「おい、どういう事だ、あれは!!」
それを見たのか、黒い服の男は思わず怒鳴る。
だが、それとは別に銀髪の男は思想する。
「・・・ナスカ。
ナスカの地上絵か」
「えっ?」
「へぇ、物分かりが良いね。
そう、仮面ライダーナスカは、その身に刻み込まれているナスカの地上絵に限り、別のメモリの能力を使用できる。資料では26の能力を持っているとされ、未だに判明されていない能力もある」
「一つのメモリで、複数の」
そうしている間にもビデオテープを次々と切り裂きながら、接近した仮面ライダーは、瞬時にビデオ・ドーパントの胴体に大きな斬撃を与える。
「さらにはナスカは、レベルという物が存在する。
それが上がれば上がる程に、その力は増す」
「とんでもない化け物だな、そいつは」
「まぁ、最も、さらにナスカにはもう一段階上の姿になれるが、それは今はなれないから安心したまえ」
そうしている間にも、仮面ライダーは、瞬時に腰にあるナスカブレードにナスカメモリを挿入する。
『ナスカ!MAXIMUMDRIVE!』
「さて、そろそろ撤収しようか。
見学はここまでだからね」
「ちっ、まさか、あんな化け物を相手にしないといけないとはな」
そう言いながら、舌打ちをする男。
「・・・おい、聞きたい事がある」
「なんだい?」
「なぜ、お前達は、俺達の組織に、そしてあの街にメモリをばら撒く。
お前らの『街』に、何の得がある」
「そうだね、一言で言えば、同胞が探しやすいという事だな」
そう、呟きながら、笑みを浮かべる。
「メモリは相性がある。『自分に合った鼠は、合わない獅子よりも遥かに強い』というように、私達の街だけでは、そのメモリが行き渡る可能性がない。
だからだよ」
「ようするに、俺達の組織でお前達の仲間集めを手伝えという訳か」
「あぁ、けど悪い話じゃないだろ。君達の組織にとっても、私達の街にとっても」
「底が見えない野郎だ」
同時に、ビデオ・ドーパントが、仮面ライダーの斬撃によって、倒される。
その爆煙を見終えると同時に、そこには、誰もいなくなった。