仮面ライダーナスカ I come to米花町 作:ボルメテウスさん
その日、俺は久し振りに風都へと帰ってきた。
理由としては、先日会った少年探偵団達が風都にあるイベントに参加したいという理由らしい。
「まぁ、別に風都を案内するぐらいは良いけどさ」
「本当だったら、コナン君も一緒に来て欲しかったけど」
「あいつは一人で京都に行ってしまったんだ」
「だから、僕達は僕達で、このイベントを楽しむんです!」
そう、意気揚々と笑みを浮かべていた。
「にしても、モンラドかぁ」
「やっぱり、影の兄ちゃんもやっているのか!」
「まぁな、俺の所の所長も嵌まっているからな」
そういう意味では、この子達とは気が合うかもしれない。
「ふぅん、こういうのが流行っているのね」
「灰原さんは、あまりやらないの?」
「私、こういうのはあまり興味ないから」
ため息を吐きながら、そう呟く。
「それにしても、博士はよくこのチケットを手に入れる事ができたな?」
「まぁ、モンラドの開発には儂も関わっていたからな。今は離れているが、こうして招待状も時々届くからのぅ」
「そうだったんですか。それにしても、これだったら、少し連絡しておくんだったな」
そう言いながら、俺はレディバグフォンを取り出す。
風都に戻ってきた場合は連絡するつもりだったが、どういう訳か、今朝からヒサメとは連絡が取れない。
事務所の方も、なかなかに電話がかからない。
「あっ、そろそろ始まりますよ!!」
そうしていると、円谷少年が言うと共に、ライブが始まる。
会場が盛り上がる。
「モンスターエルドラゴ!三周年記念アニバーサリーフェスタへようこそ!まずは、こちらをどうぞ!」
その言葉と共にPVが公開される。
それは、モンラドのキャラクターである風祭メグが現れる。
そのままライブが始まる。
「はぁ、まったく。
ガキじゃ「うぉぉ!メグ!」はぁ」
その登場に、俺は思わず大声を出して、応援してしまう。
近くにいる灰原が呆れたように言うが、楽しまないと、損だろ。
そして、それは。
『メグ!!』
隣にいる霧彦もまた同じだ。
その格好はいつものスーツではなく、ここに来るまでに見ていたTシャツへと変わっていた。
そう、ライブで盛り上がる最中で、俺は上の天井が見える。
「んっ」
それは、明らかに人影ではない。
巨大な複眼を持ち、背中にいくつもの巨大な翅と尻尾を生やした如何にも「トンボ怪人」然とした外見をした存在。
「おいおい、こんな時にかよ!」『せっかくの楽しみが邪魔されたね!』
その言葉と共に、俺はすぐにその場から離れる。
「ちょっと」「お前はすぐに子供達と避難しろ!ドーパントだっ」
灰原に、俺は言うと共に、すぐに会場を駆け抜ける。
会場内で、人の間を擦り抜けるように走っていると
「怪しい奴!!」「ふげぇ!?」
頭に衝撃が走る。
俺は思わず、頭を抱える。
「って、影君!?」
「所長、なんでここに?」
「それはこっちの台詞よ、なんでここに?というよりもヒサメちゃんは?」
「ヒサメ?よく分かりませんが、今、急いでいるんです!天井に、ドーパントが」
「ドーパント!」
俺の言葉と共に指を指した所に目を向けた所長はすぐに驚く。
「あそこに、物陰があるから!!」「ありがとうございます!」
その言葉と共に、俺はすぐに物陰に入る。
かなり距離があり、既にドーパントが動き出した。
奴は、そのまま会場の上にいる風祭メグを攫っていった。
「行くぞ、変身!」『ナスカ』
鳴り響く音声と共に、俺はすぐに仮面ライダーへと変身する。
そのまま、奴がおそらく向かうだろう会場の天井に向かって、走り出す。
「さぁ、俺の剣をしゃぶりな!」
それと同時に、既にドーパントは、その手に持つ剣を、真っ直ぐと風祭メグに向けて、放とうとした。
俺はその隙間を狙うように、入り込むと同時に、その手にあるナスカブレードで防御する。
「なにっ!」
「悪いが、この人はやらせないぜ!」
『何よりも、彼女は風都の宝だからな』
それと共に、俺はすぐにメガネウラの腹部を蹴り上げる。
「なっ、影なのか!お前、いつ、こっちに?」
「最近世話をするようになっている子達が、モンラドのイベントに行きたいと言ったので、保護者のような役割で来ました。
お久しぶりです、翔太郎さん」
「えっ、マジかよ。
うわぁ」
その言葉に対して、翔太郎さんは、何やら微妙そうな顔をしていた。
「翔太郎、そっちの仮面ライダーは?」
「こいつか?こいつは弾空寺影。
お前の前任の探偵助手で、今は別の街で活動している」
「えっと、新人の人?」
俺が出て行っている間に、まさか新人が入っていたなんて。
驚きを隠せないが、それよりも、かなりの美人だ。
「さてっと、久し振りに会ったからな。
4人で、久し振りにやるぞ」『CYCLONE』『JOKER』
そのまま、翔太郎さんは、その腰にWドライバーを巻くと共に、構える。
「変身!」
それと共に翔太郎さんはWへと変身する。
『これは、影か!まさか君も来ていたのか』
「えぇ、お久しぶりです、フィリップさん」
「再会を喜ぶのは後だ、行くぞ」
その言葉を合図に、俺達は真っ直ぐとドーパントへと接近する。
ドーパントに向けて、俺とWは、真っ直ぐと攻撃をする。
だが、その胴体から伸びている羽を器用に避け、そのまま斬り裂いていく。
『あの容姿、メモリはほぼメガネウラと見て、間違いないだろう』
「眼鏡の裏?なんだそりゃ?」
「古生代に生息した巨大なトンボですよ」
「よく知っていたな」
「ゲームとかでも、よく出ますからねっ!」
そう言いながら、俺はナスカブレードで、その攻撃を受け流す。
『敵は空を飛ぶ。すぐに決着をつけなければ、観客が危険だ。
影、君はハチドリで牽制を。翔太郎は』
「トリガーだろ、分かっているぜ」『トリガー』
「了解です!」『ハチドリ』
それを合図に、俺は首元のマントから羽を生やし、そのまま宙を飛ぶ。
「なっ」
これまで、空を飛んでいなかった事もあって、驚きを隠せないメガネウラ・ドーパントに向かって、接近性を仕掛ける。
空中で、互いに戦闘を行いながら、狙いを集中させるように意識をさせる。
『一気に決めるよ、翔太郎』
「あぁ、分かっている」『CYCLONE!MAXIMUMDRIVE!』
「『トリガーエアロバスター』」
俺との戦いに集中していた事によって、一点集中による攻撃に対して対処ができなかったメガネウラ・ドーパントはそのまま吹き飛ばされる。
すると、そこは丁度、避難していた風祭めぐ達に、なぜか少年探偵団までいた。
「大丈夫か!」「って、これって一体」
「あぁ、仮面ヤイバーだ!」「いや、仮面ライダーですよ、元太君」「それよりも、さっきのドーパントは」
『それだったら、安心したまえ、既に』
そう、フィリップさんが答えるよりも前に、メガネウラ・ドーパントが立ち上がった。
「ぐぅ」
「まだ、メモリブレイクされていないだと!皆は、早く、避難するんだ!」
「わっ分かった!皆、こっちに!」
それと共に所長の指示と共に、すぐに走り出した。
それと同時だった。
「巫山戯るなよ、どいつもこいつも、俺の神業プレイを邪魔しやがって!!」
その言葉と同時に、強烈な感覚が、襲い掛かる。
「ぐっ、これは」「所長さん!」「なんだか、怠くて、皆は早く、逃げて」
そう、所長さんが言う。
「ぐっ!」
そんな状態の最中でも、俺はその背中から生えた翼で、真っ直ぐとメガネウラ・ドーパントに向かって、攻撃を仕掛ける。
「遅い!遅い!!」
そう言いながら、メガネウラ・ドーパントにナスカブレードを振り下ろすが、まるで当たらない。
『どういう事だ?今のナスカの動き、明らかに可笑しい』
「言っている場合かっ」
そう言いながら、すぐに翔太郎さんが引き金を引く。
弾丸は、真っ直ぐとメガネウラ・ドーパントに向かって行き、その攻撃は僅かにだが当たる。
『トリガーによる攻撃は変わらない。つまり、これは人体に与える物』「まずは、てめぇだ!」
その叫び声と共にメガネウラ・ドーパントは尻尾の先端に生えた無数の巨大なトゲを、放つ。
その狙いは、少年探偵団の所だった。
「ぐっ、やらせるかよ!!」『ハチドリ!MAXIMUMDRIVE!』
鳴り響く音声と共に、俺は、襲い掛かるトゲを広げた羽で受け止める。
「ぐっ」「ナスカ!」
なんとか、防ぐ事はできた。
だが、そうしている間にも、メガネウラ・ドーパントが空を飛んで、風祭めぐに向かって行く。
そこには、護衛をしていた新人の人がいなかった。
「こいつが作ってくれた時間稼ぎ。無駄にするかよ」
メガネウラ・ドーパントの放つ一撃。
それは、Wが身を挺して守っていた。
「それにここまで近づけば、十分だ」『トリガー!MAXIMUMDRIVE!』
「『トリガースタッグバースト』」
鳴り響く音声と共に、その一撃は、真っ直ぐと放たれる。
メガネウラ・ドーパントは、その一撃を食らい、ビルへと激突する。
「はぁはぁ、皆は」
そう見つめると、少年探偵団を見る。
「なんとかね。少しクラクラするけど」
それに対して灰原が答えてくれて、地面で気絶している少年探偵団。
「良かった」
そう、安堵している時だった。
『なぜ、あんな行動を取ったんだ。
危うく、風祭めぐだけではなく、子供達まで被害が合う所だったんだぞ』
それは、フィリップさんにしては、珍しい怒りの声だった。
「知らないよ、自分でも分からないから」『分からないで、済む問題じゃ』「まぁまぁ、俺の身体を通して、喧嘩するなよ」
それと共に翔太郎さんが、それを止める。
「影、身体は無事か」
それと共に、俺はすぐに変身を解除する。
「軽傷ですが、なんとか。
何よりも、この怪我程度だったら」
「・・・そうか、だったら、さっそくで悪いけど、このまま風祭めぐの警護の依頼を一緒にやってくれないか?本当だったら、その子の護衛の方を」
「私はお気になさらず」
そう、灰原は、特に気にした様子もなく、答える。
「そっか、悪いな。
それと、亜樹子は照井に連絡を、こうなった以上、警察の力も必要だからな。
そして、ときめ、あえて、問い詰める事はしないよ」
翔太郎さんは、そう笑みを浮かべる。
「あの人が、あなたの憧れる探偵なのね」
「あぁ、左翔太郎さん。
俺の目指すべき人だよ」
「・・・そう」
そのまま灰原は答えていると、ふらっとして、地面に倒れる。
「無理したの?」
「いや、少しくらっとな」
さすがに無理をした影響なのか、体力が持たない。
だが、そう気絶する前に、俺が見えたのは、翔太郎さんの背中に大きな傷がある光景だった。