アイ(愛)を求めて   作:頭お菓子いエクレア

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恋愛タグつけたほうがいい気がしてきたので、追加します。
要らないと思ったら教えてください。


久しぶりの二人きり

 

 俺が苺プロのマネージャーになると決めたあの日から一年が経った。

俺は今高校三年生になり、斉藤社長やミヤコさんに色々な事を教わりながら一般教養やマナー、普通自動車免許の取得の為の予習、パソコンも扱えるようになる為に情報処理や簿記の勉強に励んでいた。

 

 星野もモデルにラジオアシスタントなど着実に仕事を増やしていき、この間は少しだがドラマに出演した。

 

 アクアとルビーも大きくなり、今では立ったり喋ったり出来るようになった。

しかもアクアは星野が出演したドラマの監督に気に入られたらしく、その監督が撮影する映画に子役として出演するために苺プロに所属するタレントになった。

 

 そして今日はアクアと星野が出演することになった映画の撮影日だ。

が、アクアと星野は撮影日が異なる為、アクアはルビーとミヤコさんと一緒に先に撮影現場に行ってしまっている。アクアとルビーはミヤコさんと親子ということになっている為、基本的には三人一緒に動くことが多い。ついでに言えば今日はアクアとルビー、ミヤコさんは撮影現場の近くの民宿に泊まりだと言うことなので今日は三人とも帰ってこない。

 

 そして星野は今日、別の仕事が入っているため、映画の撮影現場には明日から合流することになっている。

 

俺については今日も勉強である。

 

 勉強に集中していると、俺の部屋に誰かが入ってきた。その気配を感じた俺は勉強する手を止めると気配の主が俺のいるリビングに入ってきた。

 

「やっほ~~天城君♪」

 

「よう、星野・・・そうか、もうこんな時間か。」

 

気が付けば相当勉強に集中していたようで、日はとっくに傾いていた。

 

「もう、また玄関鍵かけてなかったよ。不用心過ぎない?」

 

「勝手に入ってくるのは星野だけだよ。」

 

「私だけ・・・えへへ」

 

今言ったことに照れる要素あったか?

 

「晩御飯食べに来たんだろ?今から作るから待っててくれるか?」

 

「もちろんっ!」

 

 そう言って俺は台所に立ち、星野はソファーに座り、テレビを見始める。

思い返せば、星野が俺の部屋にご飯を食べに来るのは久しぶりだな。と思いながら調理を進めること約一時間。

 

「おまたせ星野、晩御飯で来たぞ。」

 

「待ってました!」

 

そう言いながら星野はテレビを消して、嬉しそうにテーブルに駆け寄ってくる。相当お腹が空いていたようだ。

 

「早く食べようよっ!」

 

「わかったわかった。」

 

アクアとルビーが居ないせいか、今の星野はここ最近見せていた母親としての顔付きはなく、二年前に俺の部屋に通い続けていた時の年相応の表情になっていた。

そんなことを思いながら食事を始める。

 

「「いただきます。」」

 

星野はおかずの春巻きをひと口食べて、

 

「ん~♪天城君の作るご飯はいつも美味しいね♪」

 

「ん、どういたしまして。」

 

今日も満足してくれたようでよかった。

そんな感じで雑談を挟みつつ、二人で晩御飯を平らげ、星野はソファーのいつもの場所に戻り、俺は食器や調理に使った器具を洗い、片付ける。

 

片付けが終わった俺は、テレビを見ている星野の横に座る。すると星野から話しかけられた。

 

「そういえば天城君、ウチの事務所のマネージャーになるんだって?」

 

「ああ、そうだよ。斉藤社長達から聞いたのか?」

 

「うん。聞いたよ。」

 

まぁ口止めしていたわけでもないし、いつかは分かることだ。

 

「それじゃあいつまでも私のことを「星野」って呼んでたらダメだよねぇ。」

 

「?何でだ?」

 

「そりゃあ私は「アイ」っていう芸名で通ってるからね、本名の「星野」で呼んでた

ら周りから怪しまれるよ。」

 

「それもそうか・・・。」

 

「うん、そうだよ。だからマネージャーになった時の練習のつもりで、これからは私のことを名前で呼んで。」

 

「マジか・・。」

 

「マジだよ!」

 

嬉々として星野は詰めてくる。

 

「わかった!わかったからそんなに寄るなって。・・・・・・・ァィ。」

 

「んん~~??聞こえないぞ~~♪」

 

星野はにやけ顔で聞こえない振りをする。こいつわかってて言ってるな。

俺はこれ以上茶化されないようにしようと、一度深呼吸をして、遠くて聞こえなかったなんて言い訳されないように両肩を掴んで彼女を逃がさないようにしっかり目を見て星野の名前を呼ぶ、

 

「アイ。・・・・・これでいいか?」

 

「は、はい・・・。」

 

多分、いや間違いなく今俺の顔は火が出るくらいに真っ赤になっていると思う。星野・・アイも急に俺に両肩を掴まれた事に驚いたのか両目を見開いて驚いた表情をしていたが、俺は恥ずかし過ぎてアイの肩から手を放し、顔を逸らしてしまう。

 

「急に肩掴んで・・その、悪かった。」

 

「う、ううん・・ちょっと驚いただけだから・・。」

 

二人の間に沈黙が入るが長くは続かなかった。

 

「良く出来たね、それじゃあご褒美に私も天城君の事を名前で呼んであげるね♪」

 

「俺のことはマネージャーでいいんじゃないか?」

 

「それだとご褒美にならないでしょ。」

 

「そうか?」

 

「な~り~ま~せ~ん~。」

 

アイはふくれっ面で主張してくる。

 

「わかったよ、好きに呼んでくれ。」

 

「やった~。それじゃあ早速、・・・将也君♪」

 

「~~~ッ!?・・これは・・想像以上にヤバいな・・。」

 

「え~~将也君照れれるの~?」

 

「いつもの呼び方じゃないんだ、照れるにきまってるだろ。というかなんでアイは照れないんだ?」

 

「名前呼びくらいは余裕だよ。」

 

アイのほうが一枚上手だったということか。

 

「あ、そうだ将也君、私今日はここに泊まっていくからね。」

 

「はぁっ?!聞いてないぞ?!というかダメだろっ!アイドルなんだからっ!」

 

「アクアとルビーが居なくて寂しいんだよぉ~~。シクシク・・チラッ」

 

あからさまな嘘泣きされてもなぁ・・・。

 

「・・・はぁ、わかったよ。」

 

「わ~~い。お泊りだぁ~~。」

 

「それじゃあ斉藤社長に連絡入れとくな。」

 

とスマホで斉藤社長に連絡をしようとするとアイが手でスマホの画面を遮る。

 

「大丈夫だよ将也君、もう連絡はしてあるから。」

 

「そうか。」

 

連絡をしてあるなら大丈夫だな。と思い、俺はスマホをしまう。

 

「俺は布団の支度をしてくるから、アイは先に風呂に入ってきな。というか着替えとかはどうするんだ?」

 

「大丈夫!ちゃんと準備してきたよ!」

 

コイツ最初から泊まる気だったな。

 

「じゃあ俺は布団の準備してくるな。」

 

と言って立ち上がる。

 

「あ、将也君。」

 

「ん?どうした?」

 

「一緒にお風呂入ろ?」

 

「入らんっ!!」

 

俺はアイの頭を軽く叩いておいた。寂しいとはいえ限度がある。

 

 しばらくして、寝室に布団を用意し終わった俺がリビングで漫画を読んでいると、アイが風呂から上がって来た。

 

「おまたせ~。いい湯加減だったよ~。」

 

「そうか、じゃ俺も風呂に入ってくるよ。」

 

「いってらっしゃ~い。」

 

 そう言って俺は入浴を済ませて、リビングに戻る。だがそこにアイの姿はなく、先に寝室に向かったようだ。俺は寝る前に、冷蔵庫の中を確認し、明日の朝食の献立を考えておく。アイも食べていくだろうから、しっかりしたものを作ってあげようと意気込む。

 

 献立が決まったので、最後に窓と玄関の戸締りをして、俺は寝室に向かった。

 

 アイは疲れていたのか、先に寝ていた。しかし、準備をしておいた二組の布団と布団の間にはそれなりに間をあけておいたはずなのに二組の布団は隙間が全く無いくらいピッタリくっついていた。恐らくアイの仕業だろう。

 

「はぁ・・。」

 

俺はやれやれという感じにため息を一つこぼす。

これは動かしたら明日の朝に何か言われるだろうなと諦めて布団をそのままの状態にして、俺はスマホのアラーム設定をして充電ケーブルに繋ぎ、電気を消して布団に入る。

 

「おやすみ。」

 

アイに向かって言うが返事はない。帰ってくるのは安らかな寝息だ。

俺も目を瞑り眠ることにした。

 

 

視点変更 「星野 アイ」

 

 

・・・いけない、眠っちゃった・・。

 

せっかく将也君の部屋に泊まりに来たのにもったいないことをしてしまった。

私はスマホの電源を入れ、ホーム画面で今の時間を確認する。

まだ朝の五時半だ。社長が迎えに来る時間までは十分ある。スマホの画面を消し、彼のいる方向に体を向ける。

 

フフッ 思わず私は笑みを浮かべる。やっぱり彼はそこに居てくれた。

 

いたずらに布団をくっつけても彼は離さなかった。

しかも彼はこっちに体を向けている。これはきっとチャンスだ。

 

そう思った私は彼の布団に潜り込む。うん、ココはすごく良い。彼の胸の中に顔をうずめた私は彼の温もりを感じ、呼吸をして彼の匂いを嗅ぐ。私は彼の匂いが好きだ。とっても安心する。ずっとずっと、いつまでもここに居たいと思ってしまう。

 

だけど、それ以上を求めてしまう私は体を少し動かして彼と私の顔を至近距離で向かい合わせる。

 

こんなに近くで彼の顔を見るのは初めてだ。

かわいい寝顔だなぁ。なんて思いながら彼の頬をつついたりするがあまり反応がない、相当深く眠っているようだ。

 

 次第に目が向くのは彼の唇。私は彼の唇を指でなぞり、その指を自分の唇に当てる。ただの間接キス。頭ではわかっているのにだんだんと自分の心臓の鼓動が高鳴っていくことと顔が赤くなっていくのが自分でもわかってしまうくらいに恥ずかしいことをしてしまったと思った。

 

でも、私の唇と彼の唇を直接重ねてしまったら、キスしてしまったら私はどうなってしまうのだろうという疑問を解消したい気持ちと彼が欲しいという欲求が合わさり、寝ている彼に無断にキスしてはいてないという罪悪感を感じながらも、彼の顔に近づいていく私の顔。

 

あと少し。

 

 少しだけ。 

 

 

一瞬だけ。

 

 

 あと数センチというところで彼のスマホのアラームが鳴り響き、私の昂る感情を沈めてくれた。

 

「う、う~ん・・。」

 

もう彼が起きてしまいそうだ。だけど今はいつも通りに彼と話せる自信がない。

だから私は寝たふりをすることに決めた。大丈夫、嘘は得意だ。

 

「・・・あれ?アイ、こっちに転がってきたのか。」

 

違うよ~、潜り込んだんだよ~。

 

「しかしよく眠るなぁ。まぁしっかり休んどけよ。」

 

 彼はそう言って私に布団をかけなおし、頭を撫でてくれた。

 

私は必死に頬が緩まないように堪えてると、彼は部屋を出て行ってしまった。

寝たふりから解放された私は目を開けてさっきの事を少し反省する。

さすがに急ぎすぎたかな?でも少し急いだほうがいいのかな?いつかは映画やドラマ

の撮影でキスシーンを撮ることがあるかもしれない。

 

それまでには彼とキスをしておきたい。

 

これは私のわがままだと思う。でもあの人には奪わせなかったキスだけは、

 

 

初キスだけは将也君とが良い。と願うばかりだ。

 

 

 そんなことを考えているうちに彼が私を起こしに来て、身支度を整えた後、一緒に朝食を食べた後、彼は学校に登校、私は社長の迎えを待つ為に部屋に戻らなければならない時間が来た。

 

「それじゃあアイ、撮影がんばれよ。」

 

「うん任せといて。いってらっしゃい、将也君。」

 

「おう。」

 

そういって彼と別れて私は自分の部屋に戻る。すると社長が私の部屋の前に立っていた。

 

「あれ?社長早いね?」

 

「お前どこに行ってたんだ?」

 

「朝御飯食べに将也君の所に行ってたんだよ。」

 

「朝から行ってたのかよ・・、あまり迷惑かけすぎるなよ。」

 

「は~~い♪」

 

「というかお前、いつから天城の事を名前で呼んでるんだよ?」

 

「昨日からだよ。マネージャーになるなら私の事は「アイ」って呼んでもらわなくっちゃだからね。」

 

「それはわかるが、お前はマネージャー呼びでいいだろう。」

 

「え~?不公平じゃん。」

 

「はぁ、わかったけど、名前呼びはプライベートの時くらいにしてくれよ。」

 

「気を付けま~す。」

 

「それじゃあ、とっとと支度してこい。移動する時間だぞ。」

 

「は~~い。」

 

さぁ今日もお仕事がんばろ♪♪

 

 

視点変更 「星野 アイ」 end

 

 

 

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