アイ(愛)を求めて   作:頭お菓子いエクレア

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新しくなる日々 その2

 

アイがアイドルをやめると言ってから二週間が経った。

 

俺はミヤコさんが考えた新しい企画、ネットでの活動を基本としたアイドル活動だ。まぁ簡単に言えば、動画投稿サイトで動画配信をする企画だ。

苺プロに所属しているのはB小町だけではなく、他にも何人かはいるが、B小町ほど売れてはいない。

なので、ミヤコさんはそういう人たちにも活躍の場を与えるために今回の企画を提案したそうだ。

 

俺はミヤコさんの手伝いをしているが、必要な機材の買い出しや、事務所の使ってない場所を撮影できるように整えたり、先駆者達の動画を見て、どういったものが売れるのか、注目されるかを勉強して、ノートにまとめている。

 

今日もミヤコさんの手伝いをしに、事務所に出勤すると、そこにはいつも現場を飛び回っている斉藤社長がいた。

 

「斉藤社長、おはようございます。」

 

「おう天城、おはようさん。いきなりだが、B小町のことで話がある。ちょっと時間をもらうぞ。」

 

「わかりました。」

 

俺はメモとペンを取り出して、話を聞くことに専念する。

 

「まず、オーディションをすることにした。募集は来週から再来月末までだ。年齢は十四歳から二十歳までだ。募集人数は五~八人だ。B小町の二期生として募集するからそれなりの応募数になるから天城、ミヤコ、お前たちにも手伝ってもらう。」

 

「わかりました。」

 

「わかったわ。でも私の企画はオーディションの間、止まってしまうけどいいのかしら?」

 

「構わないが、ミヤコは自分の企画で使えそうな人材も探してもらう。それも頼めるか?」

 

「ええ、やって見せるわ。」

 

「よし、天城には進行役とオーディション会場の設置、それと宣材写真での合否を決めてもらう。」

 

「ええっ?!俺が合否をきめるんですか?!」

 

「バカ。宣材写真でのって言っただろ。つまり応募された宣材写真を見て、見た目でB小町のアイドルに相応しいか決めろってことだ。からかい目的に送ってくるやつもいれば、加工や化粧マシマシのやつがいるからな。そういうのを外せってことだ。」

 

「成程、そういうことでしたか。わかりました。」

 

「ああ、あとカワイイ系とか美人系とかある程度分けてもらえると助かる。それともし加工かどうか分からなかったら、それもまとめて俺かミヤコに聞いてくれ。そういったのは俺達が判断する。それと俺はスカウトもしていくつもりだ。アイみたいなやつがいるかもしれないからな。」

 

「了解しました。」

 

「それじゃあしばらくの間、大変になるだろうが、よろしく頼む。」

 

「「はい。」」

 

それから俺たちはいつもより多い仕事量をこなしていく日々を送っていった。

 

そして三週間が経ち、オーディションの応募数は日に日に増えていくばかりだ。

 

事務所で毎日女の子たちの写真を見ているせいか、何だか皆同じに見えてきた。っていけないいけない。この中には真剣な気持ちで応募している子もいるんだからな。気を抜いちゃだめだ。・・・・一度休憩にするか・・・ってもうこんな時間か!アクアを迎えに行かなきゃ!

 

「すみません!アクアを迎えに行ってきます!」

 

「ええ、いってらっしゃい。気を付けてね。」

 

「ありがとうございます!」

 

ミヤコさんにそう言って俺は急いでアクアがレッスンしている劇団あじさいに向かった。

 

数十分後、レッスン終了予定時間より数分遅れて到着した。

 

「アクア、遅れてごめ・・・っと」

 

アクアを見つけた俺だが、とっさに身を隠す。

何故かといえば、アクアは今、同年代の女の子と話をしているからだ。

これは邪魔しちゃいけないやつだよな。うん。

 

でもアイには後で言っておこう。

 

「あの~、すいません。」

 

「は、はいっ!」

俺は後ろから急に声を掛けられたので、驚いて返事をした。

 

「ああ、驚かしてすみません。すみませんが、アクア君の保護者の方ですか?」

 

「はい、俺はアクアのマネージャーの天城です。」

 

「そうだったんですか。私は黒川と申しまして、いつも娘のあかねがアクア君と仲良くしてもらってるのでご挨拶をと思いまして。」

 

「ご丁寧にありがとうございます。こちらこそ、アクアに仲良くしてもらってありがとうございます。」

 

なんて保護者同士の挨拶をしていると、

 

「天城さんここにいたんだ。」

 

「アクア、迎えに来るの遅れてごめんな。」

 

「いいよ、そんなに待ってないし。」

 

アクアには遅れたことを謝ったがさっきからアクアの後ろに誰かがいる。というかさっきの女の子だ。

 

「ア、アクア君、この人誰?」

 

「この人は天城さん。僕のマネージャーだよ。」

 

「アクア君もうマネージャーさんいるの?!すごいっ!」

 

俺の話なのに俺が入るスキがない。

 

「ほら、あかね。挨拶しなさい。」

 

と黒川さんが助け舟を出してくれた。

 

「う、うん。えっ・・えっと、わ、私は黒川 あかねって言います。えっと・・その・・よろしくおねがいします・・・。」

 

挨拶してるうちに徐々にうつむいてしまった。照れ屋なのかな?

 

「ごめんなさいね、この子人見知りなところがあるから。」

 

「いえ、大丈夫ですよ。」

 

俺は膝を曲げて、視線をあかねちゃんに合わせて挨拶をすることにした。

 

「アクアのマネージャーの天城です。これからもアクアと仲良くしてね。」

 

「うんっ!」

 

アクアのことになると明るく、いや機嫌が良くなるなこの子。もしかして・・・

 

「天城さん、そろそろ帰らないと怒られますよ。」

 

「っと、そうだった。すみません、先に失礼させてもらいます。」

 

「はい。お疲れ様です。 じゃあね、アクア君。」

 

「アクアくんバイバイ。」

 

「じゃあ、また今度。」

 

そう言って黒川親子と別れ、アクアと二人で帰る。

 

 そしてアクアを家に帰した後、事務所に戻り、その日の仕事を終わらせ、帰宅した後、晩御飯を作り、四人で食事をしているときに今日の出来事をアイ達に話す。

 

「そういえばアクアにガールフレンドが出来たみたいだよ。」

 

「将也君、その話詳しく!」

 

アイがすごく食いついてきた。

 

「お兄ちゃんに彼女が?!」

 

「待てルビー、ガールフレンドは友達だから彼女じゃない。というかあかねにはいろいろ教えてもらってるってだけで友達じゃ「聞いた将也君!もう名前呼びするくらい仲なんだって!さすがアクアだね!」・・・人の話聞こうよ。」

 

そしてルビーはさらなる情報を話す。

 

「でもお兄ちゃん、現場でたまに会うあの子・・えっと確か、重曹舐める天才子役の子とも仲いいよね。」

 

「重曹舐める天才子役??」

 

「誰??」

 

俺とアイの疑問にアクアが答えてくれた。

 

「十秒で泣ける天才子役、有馬かなの事だよ。」

 

「そうそう。そんな名前の子。」

 

どういう覚え方すれば重曹舐めるって間違えて覚えるのだろう?

まぁ確かに重曹舐めるってある意味天才かもしれないな。

 

「アクア・・・・もしかして二股してるの??」

 

「してないよっ!!!さっきも言ったけど、あかねも有馬かなも演技について色々教えてもらってるだけで恋愛とかそういうのじゃないからっ!」

 

「え~~~、そ~なの~?せっかくアクアに彼女が出来たと思ったのに~。」

 

「別にいいだろ、彼女なんていなくっても。」

 

「そんなことないよぉ~。私は将也君と一緒だと幸せだもん。」

 

「だからって、すぐに彼女作らなきゃいけないわけじゃないだろ?」

 

「まぁ、それもそうだね。でもアクアの彼女になる子ってどんな子なんだろ?」

 

「その話まだ続けなきゃダメ? っていうかことの発端は天城さんなんだから止めてよ!」

 

「俺はもっと聞いていたいんだけど・・・。」

 

「ふざけんな!」

 

アクアの怒号が部屋中に響いたが、俺たちがアクアの将来の相手について語ることがやめられなかった。

 

 そんな日々が続き、二か月が経った。

 

 今日はB小町の新メンバーを決めるオーディションの最終審査の日だ。

俺は与えられた仕事を確実にこなしていった。

 

「はい。以上で最終面接は終了となります。結果は後日連絡させていただきます。」

 

と俺が言うと、面接に来た子は最後まで礼儀正しく退室していった。

 

「今の子で終わりです。」

 

と俺が斉藤社長に報告すると、

 

「そうか。よし、俺とミヤコは先に戻るから片付けは頼んだぞ天城。」

 

「わかりました。」

 

そう言われた俺は今いる面接した場所、や控室の掃除とイスや机の片付けをして、斉藤社長とミヤコさんのいる事務所に帰っていった。

 

「片付け終わりました。」

 

「おお、ご苦労さん。」

 

俺は報告を手短に済ませて、いつもの業務に入ろうとしたら、

 

「天城、ちょっと来てくれ。」

 

「わかりました。」

 

返事をした後、すぐに斎藤社長のもとに向かう。

 

「どうかしましたか?斉藤社長。」

 

「いやなに、天城の意見も聞こうと思ってな。お前、こいつらの中でいいと思った子がいるか?」

 

と聞かれ、俺は今日の面接をした子達の履歴書を一枚一枚強の面接内容を思い出しながら見ていく。

 

そして一人の子に目が留まる。

 

「俺はこの子がいいかもって思いました。」

 

「なるほど・・・。」

 

 

俺が選んだその子の名前はメムという子だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




メムのついての補足
一応動画配信者になる前なので名前はMEMちょではなくメムとしてオーディションに来ています。

あと本名分からない。

一応名前をMEMちょに変えたり見た目も変わる話もパパっとやっちゃいます。
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