鬱展開のタグをつけておきました。
それと一応星野アイを救う事が目的になっているのでハッピーエンド予定のタグもつけさせていただきます。
もし、まだ必要なタグがあれば教えてください。
個人的な話、そんなに鬱展開に見える?この話。
星野から相談の電話が来たあの日の夜から三日が経った今日、俺はSNSのトレンドを見て驚いていた。
B小町・アイ 体調不良で活動休止
三日前に電話していた時には、そんな様子はなかった。
いや、考えてみれば星野が初めて相談してきたこと自体が怪しい。あの日の時点で何かあったんじゃないか?何かに追い詰められたんじゃないか?そんな不安が頭の中と胸の中でとめどなく湧き出てくる。不安を解消したい俺はスマホで星野に電話をしてみるが、繋がらない。メッセージを送ってはみたが、その日に限って、星野から返信が来ることはなかった。
翌日の朝になっても、起床と同時に不安が俺の頭の中を支配して、学校の授業もアルバイトも手につかなかった。
アルバイトを終えて、マンションの俺の部屋の前に斉藤社長が立っていた。
俺はすがる思いで星野の現状を聞こうと斉藤社長に大声で話しかけた。
「斉藤社長っ!!!」
「天城っ!お前ウチのアイになんt「星野にいったい何があったんですかっっ!!?」
二人の声が重なりあい、お互いが何を言っているかわからなくなってしまったが、斉藤社長は俺の動揺ぶりを見て、今度は落ち着いた口調で俺に問いかけてきた。
「天城、お前はアイから何も聞いていないのか?」
「・・・はい。」
少しの沈黙の後、斉藤社長が口を開く。
「とりあえず場所を移そう。外で話す内容じゃない。」
「俺の部屋でいいですか?」
「わかった。」
二人で話す場所に移るため、俺は自宅の鍵を解錠して、斉藤社長を俺の部屋のリビングまで通す。
「茶はなくていい。早く椅子に座ってくれ。」
「・・はい。」
まるで今から怒られるかのよう雰囲気を感じながら、俺は斉藤社長の対面側の椅子に座った。
「・・・まず、俺から質問したいんだが、構わないか?天城?」
「はい。」
「最後にアイにあった日はいつだ?」
「四か月前の夏の日の夜です。」
「その日は何をしていた?」
「朝から夕暮れまでアルバイトに行ってました。その後夕立にあって走って帰ってる時に、星野に会いました。 そのときの星野は何か思いつめた様子で、夕立の雨の中、傘も差さずにいたから、風邪をひいたら大変だと思ったので、いったん俺の部屋に連れ帰って、風呂に入ってもらって、晩御飯食べて温まってもらおうとしました。その後は・・。」
「・・・・その後は?なんだ?天城?」
「星野が、・・泣いてました。・・すごく何かを後悔するように泣いていました。」
「泣いている理由は聞かなかったのか?」
「・・・聞けませんでした・・・。」
俺はこの時、初めてあの時の自分を悔やんだ。
俺は何であの時、ただ抱き留めることしかできなかったんだろう。もっと何かしてあげられたんじゃないかと胸の中で後悔した。
「その後は?」
「確か、夜の十時前に星野と別れました。」
「そうか。 その日以降、アイとは連絡していたのか?」
「メッセージで何度かやり取りしたのと、四日前に久しぶりに電話で話しました。
」
「ふむ・・。天城、お前のスマホのメッセを見せてくれるか?アイと何を話していたか知りたい。」
「わかりました。」
俺は躊躇うことなく、スマホの星野とのメッセージ画面を開き、斉藤社長にスマホを渡す。
「借りるぞ。」
そう言って斉藤社長は無言で俺と星野のメッセージのやり取りを見ていく。
しばらくして、
「そうか・・・・。ほら、返すぞ。」
斉藤社長からスマホが返される。
「電話ではアイと何を話した?」
質問はまだ続くようだ。
「相談を受けました。」
「相談?どんな内容だ?。」
「それは・・、すみません。星野の悩みを本人のいない場所では話せません。」
「そうか、言い方が悪かったな。天城、俺は話せと言っているんだ。」
その言葉を聞いた瞬間、斉藤社長の目からは、いつもかけているサングラスの上からでもわかるくらいの怒気、殺意を感じた。
けど、それに屈したくはない俺は、
「でしたら、今から話す星野の悩みをここだけの話にしてもらえますか?」
せめてもの抵抗として、斉藤社長に口外しないようにお願いをする。
「・・わかった。約束しよう。」
「ありがとうございます。」
「改めて、アイからの相談内容を話してもらえるか?」
「はい。なんというか、簡単に言ってしまえば、目的や憧れの為に、楽しい事を諦めるか諦めないか。どちらを選ぶべきか悩んでいました。」
「アイの目的や憧れが何なのかは、天城は知っているのか?」
「それはわからないです。」
「天城はそれになんて答えた?」
「答えは自分で考えて出す事と欲張って目的も憧れも楽しい事も全部つかみ取ってもいいんじゃないかって答えました。それと・・。」
「それと?」
「俺に手助けできることがあれば手伝う。と、伝えました。」
「・・・そうか。わかった、質問は以上だ。」
「じゃあ、今度は俺から質問していいですか?」
「何だ?」
「今、星野は大丈夫なんですか?どこか悪い病気にでもなったんですか?」
「・・・・、その質問に答える前に天城、確認したいことがある。」
「・・はい。」
「お前はアイの手助けをするといったな。」
「はい。」
「俺にアイの悩みを口外するなと言ったが、今から俺が言うことを当人以外誰にも口外しないと約束できるか?」
斉藤社長は真剣な目で俺を見る。
俺は星野のことを手助けする。応援するって決めたんだ。だったら答えは一つ。
「はい!約束します!」
「・・・・・わかった。アイのことを話す。あいつは今、
妊娠している。」
は?
妊娠?
星野はまだ16歳で、
・・・え?なんで?
「ほ、本当ですか??」
俺は震える声で斉藤社長に確認する。
「ああ、本当だ。」
「じゃあなんで斉藤社長は俺の家に来たんですか?」
「お前が一番疑わしいからだよ。」
「な、何でですかっ?!!」
俺まだ童貞ですよ?!
「お前が一番アイと親しくしてる唯一の男だからだよ。」
「え?他にいないんですか?芸能界って人付き合い多いイメージありますけど。」
「そりゃあ、仕事上の付き合いならあるかもしれんが、アイがプライベートの話を俺や妻に話す時はお前との内容がほとんどだからな。」
え、そうなんだ。ちょっと嬉しい。
じゃなくて!!
「じゃあ、誰が星野を妊娠させたんですか?!」
「それは今、俺なりに調べてるところだからな。わからん。」
「星野にその、・・相手のことは聞いたんですか?」
「ああ、だが内緒だと言って、相手のことは一切話さない。」
「そう、なんですか・・・。」
「話を少し戻すが、俺の中ではまだ天城、お前が一番怪しいと思ってる。だが、さっき話したことがすべて本当なら、お前はアイに手を出していないんだろう。」
「はい・・。」
「正直俺もお前がそんな軽率なことをする奴だとは、なんとなくだが、そんな奴じゃないと思える。」
「それは、何というか、・・ありがとうございます。」
「それでだ。この秘密を知ったからには、お前にも協力してもらう。」
「はい。」
「まず、お前からもアイに直接相手のことについて質問してほしい。もしかしたらお前には話すかもしれないからな。」
「わかりました。」
「それと、これは俺の都合だが、お前とアイの子供で遺伝子鑑定してもらう。」
「え、何でですか?というか、星野は出産する気でいるんですか?!」
「ああ、産むつもりらしい。遺伝子鑑定についてはお前の身の潔白を証明するために行う。俺だっていつまでもお前を疑いたいわけじゃないからな。」
「・・わかりました。協力します。」
星野が妊娠して、その上出産する。星野はいったい何を考えているのだろうと、思いを馳せる。
「それで天城、おまえはいつからなら都合がよくなる?」
「来週には学校が冬休みになりますから、それに合わせてアルバイト先にも休日申請しておきます。」
「わかった。なら交通手段は俺が手配しておく。」
「よろしくお願いします。」
「今日は急に押しかけて悪かったな。じゃ、俺はそろそろ帰る。・・・っとその前に連絡先を交換しておきたい。」
「わかりました。」
斉藤社長は連絡先を交換した後、帰っていった。
こうして俺は星野の意外過ぎる現状を知った。
妊娠自体は喜ばしい出来事であるのだろうが、正直、素直に祝える気がしない。
だが、今できることは来週、星野に会いに行くために、準備を整えることだ。
星野の思い、考えていることは会ったときに聞けばいい。
そういえば、星野は今どこにいるのか。
肝心なことを聞き忘れてしまった。