そして、最後にあの謎多き男が登場。
只今、俺は第14層ボス攻略会議に参加している。ヒースクリフが本日から新たに攻略組に加わるギルドが有るというので、新たに攻略組に加わるギルドとそのパーティーを見るとソコには久しぶりに会うプレイヤーがいた。
「俺は今日から攻略組に参加する事になったギルド、風林火山のリーダーをやっているクラインだ。皆、今日から宜しく頼むぜ!」
そう、クラインだった。クラインの横にはクラインと同じ悪趣味な・・・違うな。風流なバンダナを巻かれた、じゃなくて巻いたプレイヤーが5人立っている。そう風流なバンダナを巻いてる事と赤い武者鎧が特徴のギルド、風林火山が攻略組に加わった。
クラインは無事に仲間達と合流できたんだな。
ボス攻略会議が終了したので、久々にクラインと会話する事にした。
「久しぶりだね。クライン。」
「おう、ツナじゃないか。本当に久しぶりだな。キリの字も元気そうだな!」
「キリの字って。まあ、いいか。元気そうで安心したぜ。」
キリトもクラインと再び会えた事が嬉しい様だ。
「ゴクデラとヤマモトも元気そうで安心したぜ。」
「相変わらず、野武士面だなクライン。まあ、元気でいて安心したのは確かだな。」
「ハハッ。クラインも無事に攻略組になる事ができたし、第1層の始まりの街での約束は果たせたな。」
「ああ。そうだな。お前達と無事に再開できて嬉しいぜ。」
この再開に手を出すのが悪いと感じたのか風林火山のメンバーはクラインに明日のボス攻略の時に合流するから久々に会う友人と今日は一緒にいろ。と言ったみたいで、クラインは今日は俺達と共にいる事にしたので、俺達はクラインと風林火山のメンバーをボンゴレのメンバーに紹介する為に、今日泊まっている宿屋の広間まで連れて行った。
「ええと、俺はツナとゴクデラにヤマモト、そしてキリトとSAO開始した日にパーティーを組んでいたクラインだ。
まあ、俺は風林火山というギルドのリーダーをやってるから、ボンゴレには入れないけど宜しくな!」
クラインがボンゴレのメンバー達に自己紹介を含めた挨拶をした後、直ぐ様に俺に目を向けてこう言う。
「ツナ。どうやったら、テレビで見たことしか無いアイドルを自分のギルドのメンバーにできるんだ?
その手段を教えてくれ!風林火山は俺のダチしかいねえから華が無いんだよ。俺は女性のプレイヤーを是非とも、可愛い子及び美人なお姉さん限定で風林火山に招き入れたいんだよ。だから頼む。どうやったら、女性のプレイヤーをメンバーにできるんだ?」
「・・・知らない。ハルカ達が俺のギルドにいるのは俺とゴクデラ君にヤマモトが助けた事も有るけど、ギルドを立ち上げた後に普通に誘ったら入ったから、別に工夫はしてないよ。」
「チキショー!クソ、このラッキーボーイ。何で俺には女の子を助けるヒーローになる瞬間が現れねえんだ!?
神様どうか、俺に可愛い子及び美人なお姉さん限定で助けに入ってヒーローに成れる瞬間をください!
そうすれば、その助けて俺に惚れた可愛い子及び美人なお姉さんが俺と一緒にいたくなって、風林火山に入ってくれる筈だ。」
クライン。女に飢えているのか?というか気付け!クライン、お前がそんな事をぼやいている内にハルカ達、ボンゴレ所属の女性達全員、それどころかこの宿屋にいる女性プレイヤーまでもがドン引きしてるから・・・
クライン、彼女が欲しいなら、そんな下心は捨てろ。下心を捨てない限り、お前にモテ期は訪れないと思うぞ。
「なんか、ボス戦前に負けた感じに成ったけどよ、とりあえず明日のボス戦は頑張るから期待してくれよ!」
ひとまず、クラインは明日のボス戦ではやる気十分だということは確かだな。
「そろそろ寝ないとな。こんな時間だしよ。って事で俺もツナ達と寝る事にするけどさ。俺と一緒に寝たいお嬢さん方はいませんか?」
クラインがそんな事を言った時には、ボンゴレの女性メンバーは全員姿を消していた。
「おい、ツナ。俺って、もしかしてボンゴレの女性メンバーに嫌われているのか・・・」
「嫌われてはいないと思うよ。お前が先から女性を求める事ばっかり言うから、身の危険を感じただけだと思う。」
「そ、そうか。嫌われていないならよかったぜ。今度からは、そんな事を口にしねえ事にするぜ・・・」
結局、クラインは俺の部屋の隣部屋で年齢が近い事も有り、スワロとザクロと一緒に寝る事になった。俺はこの時、始まりの街で初めてクラインと会った日でも有り別れた日でも有るあの日にクラインの事を頼れる兄貴分だと思っていたのだが、そんな考え事態が今では浅はかだったと思う。
ついでに俺は間違って聞き耳スキルを習得してしまった事も有って、クラインの部屋から『あのリア充のラッキーボーイ。やっぱり羨ましいぞ!爆発しろ、このリア充め!』と呟く声が聞こえた気がするが聞こえない事にして寝る事にしよう。
その呟きの後に『うるせえ!バーロー!』と怒声を挙げる声と『二人揃って声がでかくて、静かに眠れねえ・・・』と困った声も聞こえた。悪いが今日だけの辛抱だから、我慢してくれ二人共・・・
次の日、起床した時にはザクロとスワロの二人が『クラインとは二度と同じ部屋で寝ねえ!イビキがデカイしな!』と苛立ちを隠さずに呟いていた。お疲れ二人共。
俺は今回ボス攻略に参加するパーティーを連れて、クラインと共に街の中央広場に集まって攻略組に合流し、クラインは風林火山のメンバーの下に戻った。今回のボス攻略に参加するメンバーが全員集まったのを確認したヒースクリフが号令を掛ける。
「それでは、今回のボス部屋に回廊結晶を使って移動する。クライン君が率いる風林火山の実力に期待させてもらうよ。」
「ああ。任せとけ!大船に乗ったつもりで期待してくれ!」
「その自信に満ちた言葉通りの活躍が出来る事を祈るよ。それではボス部屋に回廊結晶を使い向かう事にしよう。」
ヒースクリフの期待に答える為にクラインはやる気十分にボス攻略に励む様だ。まあ、ヒースクリフの期待に答える為だけにやる気に満ちている訳では無いだろうけど。もちろん、女性に注目される為にだろうけどな・・・
俺達はヒースクリフが使った回廊結晶で第14層のボス部屋の前に移動した。今回のボスの名前はプリズムシェル・ライトニング・トータスだ。名前の通りでプリズムの様に輝く甲羅を持つ巨大な陸ガメのモンスターで、電撃を使った攻撃をしてくるらしい。
俺を含めた攻略組のメンバー達はボス部屋に突入した。
ついでに今回、俺は超死ぬ気モードにはならない。超死ぬ気モードを使い続けると身体に負担が掛かり、身体がもたなくなる可能性も有るので、今回のボス戦で超死ぬ気モードになる事はない。毎日、超死ぬ気モードで戦っていては身体がもたないからな。
ボス部屋に入って直ぐにトータスはいきなり電撃を放ち、その電撃はクラインに命中した。クラインはHPを2割り失うダメージを受けた上に電撃の影響で髪がはねまくって凄い事になっている。ザクロとスワロが一瞬、『いいぞ、カメ!もっとやれ!』と言ってた気がするが、何も聞いて無かった事にしよう。そんなにクラインのイビキがうるさかったのか・・・
「おい。何でボスの先制攻撃の対象が俺なんだよ!いくらなんでも、いきなり過ぎないか!」
ドンマイ、クライン。そんな日も有るよ。
俺や他の攻略組メンバーがトータスに攻撃してる間にヒースクリフがそんなクラインの疑問に答えるかの様な事を言う。
「うむ。おそらく、クライン君の武者鎧と刀が金属の塊だからでは無いかね?金属は電気をよく通すからね。」
「アンタが一番そうだろうが!剣と大楯に騎士の鎧の三つが揃っているし、一番電気が通りそうだろうが!なのに何で俺なんだよ・・・」
クライン。ボス攻略が初めてなのは解るけどさ、こんな事でいちいち文句をぼやく様ではやっていけないって。
俺だって、ボスからの先制攻撃の対象に成った事も有るからな。しかも、電撃の方がましに思うぞ俺は。俺なんて、第12層の巨人型ボスに踏み潰されたんだからな。あれは本当に死ぬかと思ったよ・・・
「チキショー!あのクソガメめ。よくも、やりやがったな!反撃してやるぜ!」
「おい、待て。クライン。そこは・・・」
クラインがトータスにやられっぱなしでいるのも嫌らしく、反撃しようとしてトータスに接近しようとしたところをキリトに静止されたが、
「止めるな、キリト!このカメ野郎に一発お見舞いしてやるからよ!」
「いや、そこはトータスによる落雷攻撃が落ちるポイントなんだが・・・」
「えっ?ぎゃあああ!?」
キリトが静止に入ったにも構わずに突っ込んだクラインはキリトが言う様に落雷が落ちるポイントに移動してしまい落雷によるダメージを受ける。
大丈夫か、クライン。ボス攻略会議でボスの特徴や対処方法は聞いた筈だろ・・・
「「カメ。お前は大した奴だ。電撃でこのさい、二度とイビキが出ない様にクラインの喉を焼け!」」
本当にうるさいイビキだったんだな。今日のザクロとスワロの機嫌はかなり悪い様だ。この二人の様子に攻略組のメンバーもどれだけ、クラインのイビキはうるさかったんだ?と思っている様だ。
クラインの髪がヤバい事になったのも確かだが、HPはイエローゾーンに突入したので俺は心配になったので駆け寄った。
「おーい、クライン。大丈夫か?」
「あ、ああ。大丈夫だぜ。何とか無事だな。」
クラインはHPを回復させる為にポーションを飲みながら、俺に返事をした。
クラインはポーションを飲み終えると、
「本当に強いな。流石はボスって感じだな。これぞ、RPGの定番って感じだぜ。俺が今まで戦ったモンスターの中で一番強いなトータス。」
「ゴメン。悪いんだけど、今回のボスは電撃を扱うのが厄介な事は確かだけど、それ以外は防御力が高いだけで他のボスと比べれば楽な相手だと攻略組の全員に言われてたんだけど・・・」
「マジかよ!?このカメに苦戦する様では、攻略組に入るのは早いって事か!?」
その通りだね。このトータスは防御力が大幅に高い事を除けば、電撃さえ対処すれば、正直言って今までのボス戦で一番楽な相手だ。
動きはカメだから鈍重だし、電撃以外の攻撃方法は前足で引っ掻くか踏み潰しにかかるかの二つしか無いし、やっぱり攻撃速度も遅いので電撃さえ対処すれば、本当に楽な相手だ。下手をすれば、全ボスの中で最弱の部類だ。
コイツに苦戦する様では、これからのボス戦についていけない。クラインには本当に頑張ってほしい。
クラインに構ってる間にもトータスのHPはどんどん減っている。主にザクロとスワロの攻撃でな。先まではトータスを誉めていたのに容赦はしない二人の攻撃を見るとほぼ八つ当たりとしか思えない。まあ、防御力が高い相手でも攻撃し続ければ削りきれるからな。
とにかく、クラインには頑張ってもらわないとな。じゃないと、ザクロとスワロには只のイビキがうるさい奴としか思われないだろうしな。
「クライン。早くしないと風林火山の実力が大したこと無いと思われるよ。」
「んな事は言われなくても解ってるんだよ。なあ、ところでツナ。あのトータスの電撃の対処方法って何なんだ?俺てっきり、ボス攻略会議での話を考え事をしていたから聞いて無かったのも有ってな、詳しくないんだよな・・・」
本当にボス攻略会議での話を聞いて無かったのかよ!?コイツの場合、考え事していたのはどうせ、どうしたら女性にモテるかどうかしか無いだろうな。今度のボス攻略会議まではクラインには真面目に話を聞く様になってもらわないとな・・・
そんな決意をした俺は呆れ半分でクラインにトータスの電撃の対処方法を教える。
「ほら、トータスの甲羅に電気エネルギーが集まっているのが解るだろ。」
「ああ。そりゃあ、見れば誰でも解る事じゃねえか。それがどうしたんだ?」
「甲羅に集まった電気エネルギーはトータスが攻撃対象に向けて電撃を放つのか、それとも電撃を天井を経由して床に落ちるかの二つのパターンで放つんだ。だから、トータスの甲羅を常に確認しつつ天井を見れば、二つの電撃攻撃を簡単に対処できる訳だ。」
「えっ。そ、そんなに簡単に対処できた問題なの・・・
まずいじゃねえか。気付くのが遅過ぎるって、これじゃカッコ悪いじゃねえか・・・」
ボス攻略会議の話を真面目に聞かないからだ!とりあえず、これでトータスに手こずる様な事は起きない筈だ。
「次からはボス攻略会議の話を真面目に聞くんだね。」
「そうさせて頂きます。次からはカッコ悪い所を見せない様に頑張るか!」
クラインが風林火山の仲間の下に戻ると式を取った。
「いいか、お前ら。あのトータスの電撃攻撃の対処方法は」
「リーダー。ボス攻略会議でその話を聞いた筈ですよね・・・
まさか、話を聞いて無かったって言わないですよね・・・」
「そ、そんな訳無いだろ!は、ははっ・・・」
大丈夫か?本当に今まで、よく風林火山のリーダーを勤める事ができたな。本当に大丈夫なのか、クライン・・・
ん?どうしたんだ、クラインは?また、困った事でも有ったのか?
「ツナ。そこに電撃が落ちてくるぞ!」
「えっ?ぎゃああ!?」
違ったよ。クラインは俺のところに電撃が落ちてくる事を教えていたのか。クラインの事を大丈夫かと思ってる間に電撃が俺に落ちてくる様では俺もクラインの事は言えないな・・・
この電撃。思ったより効くな。HPが3割り減っているから威力は本当に高いな。
「おい、ツナ。お前もトータスの攻撃をよく見るんだな。」
「ゴメン。キリト。少し慢心していたよ・・・」
本当に油断大敵だな。クラインはようやく本領発揮してきたのか、勢い付いてきた様だ。
クラインはトータスに刀のソードスキル[緋扇]を繰り出し、トータスの後ろ足を斬りあげる。風林火山のメンバーもクラインに続く様にソードスキルを放ち、トータスのHPはイエローゾーンに突入した。
「おっしゃ!最初は手こずった初めてのボス戦だが、今日1日で多くの事を学んだぜ。トータス、これも全てお前のお陰だ。例え、お前が今までの攻略組が相手してきたボスの中で最弱の部類だとしてもだ、俺にとっては一番多くの事を学ばせてくれた相手だ。だからこそ、お前は絶対に俺がトドメをさして倒してみせるぜ!」
そう言ったクラインはリングと匣を取りだし、リングから嵐属性の炎を出すとそれを匣に注入した。その匣から出てきたのは嵐属性の炎を纏う一匹の白い虎だ。クラインの匣は嵐虎(ティグレ・テンペスタ)か。
「さあ、いくぜ。シンゲン!俺達の戦いを見せてやろうぜ!」
「グルル!」
シンゲンって言う名前なのか。クラインはおそらく、ギルド名でも有る『風林火山』という言葉を使った戦略を行ったとされる戦国武将である武田信玄から取って名付けたのだろう。
「もちろん、お前らもな!いくぜ野郎共!」
「そんな事は言われなくたって分かってるぜ、リーダー!
風林火山のメンバーもクラインとシンゲンに続き、トータスに向かっていく。
「さて、俺達もクラインに続くとしようか。いくぞ!」
キリトの合図と共に攻略組のプレイヤーは全員クライン率いる風林火山に続く様に総攻撃を仕掛ける事にした。
ゴクデラ君は相手の周りを大量のボムで包囲する爆撃スキル[ボム・スプレッズ]、ヤマモトは刀で相手に強力な一突きを喰らわせる時雨蒼燕流の攻式一の型 [車軸の雨]をトータスの前右足に繰り出した。トータスはダメージが貯まったからか強烈な痛みを感じた様で、怯みだした。
「今がチャンスや!怯んでいる時、あのカメは電撃を出せなくなるとこの層のNPCから聞いたから、今なら電撃を気にする必要は無いで!」
キバオウの言葉を聞き、プレイヤー達がトータスに一斉攻撃を仕掛ける。
リンドは曲刀のソードスキル[ダンシング・ヘルレイザー]、ディアベルとチハヤは同じ片手剣のソードスキル[スター・Q・プロミネンス]、エギルは両手斧のソードスキル[クリムゾン・ブラッド]、トウマは両手剣のソードスキル[メテオ・フォール]、ビャクランは細剣のソードスキル[アクセル・スタブ]を繰り出した。他のプレイヤー達も共に攻撃しトータスの前左足に喰らわせた。
逆の方を攻撃した事で再度怯みが発生したので、俺とゴクデラ君にヤマモト、キリト、ヒースクリフ、アスナ、スワロ、ザクロは今持つ最大のソードスキルを使い、トータスのHPをレッドゾーンにまで追い詰めた。
「よし。今回はクラインにトドメの一撃を譲る事にしようか。」
「うむ。そうだね。ツナ君の言う通りだね。今回はクライン君にボスのトドメを任せる事にしよう。」
俺がクラインにトドメを任せる事にヒースクリフが賛成したので、攻略組のメンバーもクラインに今回のトドメの一撃、つまりLAボーナスを譲る事にした。
「おっし!分かったぜ!本当に今回のボスへのトドメは俺が引き受けるぜ!ありがとよ、ツナ。」
クラインは俺に見せ場を作ってもらった事を感謝すると、トータスにトドメをさす為に自分の匣であるシンゲンと共に攻撃を仕掛けようとする。
「いくぞ、シンゲン!今こそが俺達の一番の見せ場だぜ!」
「グル。」
シンゲンがトータスに襲い掛かると同時にクラインは刀のソードスキル[辻風]を繰り出した。
「これでトドメだ!あばよ、トータス!」
クラインのソードスキルがトータスに命中しようとした、その時だった。
「えっ?お、おい。何がどうなってんだよ。トータスが、ボスが急に消えたぞ!?」
そう。いきなり、ボスであるプリズムシェル・ライトニング・トータスが姿を消したのだ。まるで、エラーかバグでも起きて映像が途切れる様にだ。ボスが急に消滅した事でクラインの出したソードスキルは空振りに終わり、匣であるシンゲンすら目の前から、いきなり獲物が消えた事に動揺している様に見えた。
一応、ボスが消えた事も有り、次の層に続く階段に続く扉が開くかどうか確認したが扉はうんともすんとも言わない。扉は開く事は無かった。
「だ、団長。これは一体どうなっているんですか?ま、まさか、茅場昌彦がボスを隠したとか・・・」
アスナがヒースクリフにそんな質問をしてしまった事が原因か、リンドがキレだした。
「あぁ?今の言葉が本当だったら、茅場の奴が俺達を永遠にSAOに閉じ込める為にボスを隠したって言うのか。
ふざけんじゃねえよ!!茅場、汚い真似をしやがって!!」
このリンドの言葉を聞いたプレイヤーは不安になり、慌ただしくなっている。
「リンド!気持ちは分かるけど、それを口に出してはダメだ。そんな事を聞けば、この場の全員が不安になる事も考えてから口に出してくれ。」
「す、済まねえ。ディアベル・・・」
ディアベルの最もな注意を受けたリンドは今やった自分の行いを反省した。
ここで不安になりつつ有る攻略組のプレイヤーにヒースクリフは、
「皆の気持ちは私にも分かるつもりだ。目の前で急にボスがトドメをさしてもいないのに姿を消したら、ゲームマスターである茅場昌彦の仕業だと思ってしまうだろう。だが、私は茅場昌彦がそんな真似をする様な人間だとは思わない。私はこれは茅場以外の人物が何らかの手段でボスを消したのだと思う。」
ヒースクリフのこの話にキリトも頷いた。
「確かにな。俺は茅場の味方をする訳じゃないが、茅場が戦っている最中のボスを隠したりする様な卑怯な真似をする様な奴では無いと言うヒースクリフの意見には賛成だ。これは茅場以外の誰かが現実からゲームを操作してる様にも思うが、多分違う。
おそらく、このSAOの中からデータをハッキングでもしてデータをいじった可能性が高いと俺は思う。」
キリトの話を聞いたエギルは、疑問を問い質す。
「おい、ハッキングか何かをSAOの中で簡単に出来るモノなのか?ハッキングするにも必要な機材はSAOの中には見当たらなかったと思うんだが・・・」
「いや、可能だ。ただし、SAOの中からハッキングとかを出来る様にするには現実世界で下準備をする必要が有る。今回のボス隠しの犯人はSAOの開始前から、その下準備を済ませていたんだと思う。だからこそ、今回の様なイタズラが出来たんだろうな。」
キリトがエギルの疑問に答えた。その答えを聞いたヒースクリフは、下準備がどの様なモノか気付いたのかキリトに言う。
「キリト君、つまりはその犯人はナーブギア自体を改造したという事だね。仮想世界の中でもハッキング出来る様にね。」
「その通りだヒースクリフ。犯人は予め、ナーブギアを改造してSAOの中でもハッキングの様な事が出来る様にした後にSAOにログインしたんだ。そして、その犯人は直ぐ近くにいる。」
キリトがボス隠しの犯人は直ぐ近くにいると言う。なるほど、トータスとの戦闘中、どうもボス部屋の入り口付近から何かしらの気配を感じていたのだが、ソイツが犯人か・・・
キリトもその事に気付いていた様で、
「おい、さっさと姿を見せな。ボス部屋の入り口である扉の影から俺達の戦いを覗き見していた事は分かっているんだ。
だから、さっさと姿を見せたらどうなんだ。アンタら、二人の内のどちらかがボス隠しの犯人なんだろ?」
キリトがボス隠しの犯人がボス部屋の入り口である扉の影に隠れている事を聞いた攻略組のプレイヤー全員は警戒をしめした。
ボス部屋の入り口の扉の影から、姿を見せた二人は暗色系の赤い髪をした青年と緑色で髪が立っている独特な髪型をした女だ。
二人揃って赤いボディスーツを着ている。胸には黒い百合の花の右側に堕天使の翼が一本生えた様なエンブレムを付けている。
しかも、この二人のカーソルはグリーンでは無くオレンジだ。
「オレンジプレイヤーだと・・・」
スワロはこの二人がPoHと同じオレンジプレイヤーである事に強い警戒心を出している。
そして、二人の内の一人である青年が名乗りだした。
「フハハ。ボンゴレ以外の雑魚に名乗る気は無いがボンゴレ十代目が目の前にいるからな。ボンゴレ十代目以外の雑魚である貴様らにも俺の名前を教えてやろう!俺の名はブリガンテス!オレンジギルド、ベラドンナ・リリーを率いるブリガンテスだ!」
ベラドンナ・リリー?ただのギルド名なのか、それとも・・・
それにオレンジギルドだと。オレンジプレイヤーだけで作られたギルドだというのか・・・
それだけじゃばい。このブリガンテスという男は現実世界の俺の事を知っていた。ボンゴレ十代目だと。
ブリガンテス。コイツは間違いなく、ただのオレンジプレイヤーでは無い。正真正銘のマフィアだ!
この男、PoH以上に危険な香りがする。このブリガンテスという男、一体何者だ・・・
クラインと無事再開したツナ達。最初はボス戦に慣れてない事も有り、クラインは少し情けないところがありましたが最後に強くなったかと思います。だがしかし、まさかのいきなりぼボス消滅。その犯人はブリガンテス率いるベラドンナ・リリー。
次回、攻略組のプレイヤー全員は黒百合(ベラドンナ・リリー)の脅威を知る事になる!