本当にこの作品の続きを待っていた人には悪く思います。本当にごめんなさい。これからは遅くてもできるだけ1ヶ月以内には投稿できる様にします。
長い間、待たせて申し訳ありません。今回の話はクォーターポイントである第25層のボス攻略です。今回の話で前回に登場したアルビートが攻略組に加わる他、オリキャラですけれどボンゴレに新たなメンバーが加入しています。
只今、第25層のボス攻略に向かう為に25層の主街区の広場に攻略組のメンバーが集った。俺はその集まったプレイヤーの中にアルビートがいる事を確認する。昨日の話通りにアルビートは今回のボス攻略に参加する様だ。それにしても、今回はアスナの姿が見えないんだけど・・・
今までアスナがボス攻略を休む事が無かったので、今回で初めてアスナはボス攻略に参加しないと言っていいのかな。そんな事を考えていると、ヒースクリフが攻略組のメンバーに告げる。
「今回はアスナ君はとある事情により、ボス攻略に参加しないという事らしい。まあ、彼女も苦手なモノが有ると言うなら言えばイイと思うのだがね・・・」
ああ、やっぱり。昨日のあのゾンビを見た時の様子を見れば、大体予想通りな訳なんだけど。幽霊が怖いと言うなら、少しぐらい口にして伝えるなりすれば可愛げが有ると思うんだけど・・・そんな事を口にすれば、後でアスナに粛清されそうなので口には出さないけど。
「兄者、今回は血盟騎士団の副団長の女は参加しねえみたいだな。今日のボスがアンデッド系だからビビって動けないのを見せたくないから逃げただけだったりしてな!」
このアスナに対して皮肉な言葉を発する男は第20層以降にボンゴレに加入したオボロというプレイヤーだ。少しボサボサした茶髪でつり目で他人から見てもイケメンと言える容姿の男で俺と同じ年齢だ。実は第1層の頃に俺が助けた事が有るプレイヤーで、その時のレベルはかなり低く攻略組に加入するのは無理だった様だが、あれから努力したのかレベルを必死に上げてボンゴレに入れてくれと頼みに来たので、俺はオボロをボンゴレに加入させた。オボロが何故、俺の事を兄者と呼ぶのかをオボロに聞いたところ、オボロ曰く『一度は死を覚悟したこの命を助けられた。だからこそ、兄と慕って当然!』と少し理解し難いと思える考え方だが、オボロがそう言いたいなら仕方ないという事で俺はその呼び方を気にしない事にした。
「まあ、あの女がいなくても関係無い。あの女は移動速度が早いだけで俺の攻撃速度の早さと比べれば大したこと無いしな!」
今オボロが言う様にアスナは移動速度なら攻略組の中でもトップクラスの速度だが、オボロの攻撃速度は攻略組の中でも目にも止まらないを追い越して目にも写らない早さを誇る。オボロの武器は刀なのだが、その攻撃速度は正に神速と言っても過言では無いモノで短剣使いや細剣使いのプレイヤーですら、オボロの攻撃速度には敵わない。それにヤマモトの口からも『こりゃ、俺より刀を振るスピードだけが早いな。あの早さには俺も勝てねえな。』と言わせる程だ。まあ、本当ヤマモトの言った通りに攻撃速度だけが断トツに早いだけでソードスキルを使っていない場合は空振りする事の方が多いけど・・・
アスナと比べると、攻撃の命中率で言えばアスナの方が圧倒的に勝る。それでもオボロの攻撃速度の以上な早さは頼れるので、これから攻撃の命中率を上げていけばイイだろう。まあ、ソードスキルを使えば、Mob相手ならシステムが勝手に命中する様に調整してくれるけどな。
でも、オボロには少し問題が有る。それは・・・
「よう。ツナ、それにオボロ。今日のボス攻略には珍しくアスナが参加しねえみたいだけど、頑張ろうな。」
「うるせえよ!俺と兄者に馴れ馴れしく話し掛けるんじゃねえよ!この元βテスターのチート野郎、通称ビーターが!」
「酷いな。俺は只、お前とツナに一緒に頑張ろうなと伝えたかっただけなのに・・・」
「はん!口でそうは言っても、いざとなりゃ俺や兄者に他のプレイヤーを囮にしてでも生き残ろうと考えているんじゃねえのか。」
「そんな事無いって。俺は絶対に他のプレイヤーを囮にしてでも生き残ろうとはしない!」
「ふん、口では何でも言えるしな。信用してほしいなら行動で示せよ、ビーター!」
キリトが俺とオボロに頑張ろうと伝えようとしただけなのに、元βテスターという事だけでオボロはキリトを受け入れようとはしない。いや、キリト以外の元βテスターであるディアベルやスワロまでも受け入れようとはしない。この様にオボロの問題が有る部分は元βテスターの事を受け入れようとはしないというところだ。チーターと元βテスターを組み合わせた言葉であるビーターという言葉を広めた程に元βテスターを嫌っている。どうもオボロはデスゲーム開始時に元βテスターであるプレイヤーと共にパーティーを組んでいた様だが、その元βテスターにあるクエストで強力な剣を手に入れる為にという理由で囮にされてモンスターに囲まれ、死にそうになったので元βテスターは信用できなくなった様だ。その時に俺が助けた事でオボロは俺を目標にする様に頑張ったらしいが、俺としてはキリトやディアベルにスワロの様に元βテスターの中にも信用できる者がいると分かってほしいのだが、なかなか簡単にはオボロのβテスターに対する偏見は消えそうに無いので、何かしらのきっかけでβテスターへの偏見を無くして貰いたいと思う。オボロもきっと、心の底ではキリトやディアベルにスワロの事を信用したいと思っている筈だ。だから、何時かきっとキリト達、βテスターへの偏見を無くして友好的に接してくれると俺は信じている。
さてと、ヒースクリフの話の続きを聞く事にしよう。
「今回のボス攻略では私が率いる血盟騎士団からはアスナ君がやむを得ない事情で参加出来なくなったので、アスナ君の代わりに血盟騎士団の中でもNo.1の毒舌スキルを持つアルス君が参加する。」
「ヒースクリフ団長。毒舌スキルって何ですか?そんなスキル有りませんよぉ。何訳が解らない事を口走っているのかな?まさか、二十代のくせに見た目だけでは無く頭の中までもが老けているんですか?花吹雪サンバマン団長♪」
「ア、アルス君。その名前で呼ぶのだけは止めてくれたまえ・・・」
「良いじゃないですか。花吹雪サンバマンっていう通り名。結構な愛嬌が有って良いと思うんですけれどね。ねえ、花吹雪サンバマン団長♪」
「そもそも、それは君が勝手に私に付けた変な称号ではないかね・・・」
「はて、何の事やら?僕の記憶には御座いませんね♪とりあえず、今回のボス攻略が終わった後で構いませんから、また聞きたいな。ヒースクリフ団長が歌う『恋した乙女の花吹雪サンバ』というマイナー率100%の歌。」
「こ、この男を血盟騎士団入れたのは間違いだったのか・・・」
ゲッ!?で、出た。最強の毒舌スキルを持つ男アルス。通称、司会のアルス。その毒舌スキルはかつて第10層到達記念のパーティーでも発揮され、ゴクデラ君と今の様に自分のギルドの団長であるヒースクリフにも容赦なく毒舌で精神にクリティカルヒットで大ダメージを与えた恐るべきプレイヤーだ。それに戦闘での実力も高く、戦闘スタイルは盾持ちの片手剣使いであり、敵を小馬鹿にする様に敵の攻撃を盾で軽くいなした後に片手剣のソードスキルで敵を弄りまくる様な戦術を取るサディストの様な男だ。本当に俺より年下なのかと思う時が有るんだが、SAO開始時の年齢はれっきとした13歳だと聞いたのでこの悪魔は本当に年下らしい。ヒースクリフはアルスの毒舌スキルで精神的大ダメージを受けつつも、攻略組のメンバーに告げる。
「と、とにかく話を続ける。本来ならボンゴレからはスワロフスキーことスワロ君が今回のボス攻略に参加する筈だったのだが、どうも前日にビャクラン君のイタズラで謎の液体Xと呼ばれる得体の知れない液体を飲まされた事により、食中毒と言えばいいのか・・・圏内だというのに猛毒状態となった上に体調不良を訴えたので欠番する様だ。」
うん、スワロの食中毒は未だに完治出来ていないので今回のボス攻略はスワロ欠番という事になった。その報告を聞いたオボロは俺の隣で笑いこけている。
「ハハッハハ。ゲームの中だってのに食中毒だってよ!!βテスターがゲームの中で食中毒になって、それでボス攻略を欠番って笑えるな!」
今、オボロには攻略組のほとんどのメンバーから冷たい視線が向けられているが、オボロはそれに気付く素振りは見せない。今ので攻略組のオボロに対する好感度は大幅に下がっただろう。人の不幸を笑う最低な奴と認識されているに違いない。おそらく、この中でオボロに対しての好感度が下がってないのは俺だけだろう。甘やかしている様にも思うかもしれないが、俺はオボロの事を本当に根は良い奴だと解っているからこそ下がってないだけだけど。ってか、そもそもスワロが欠番になる理由を作ったビャクランに対しては冷たい視線を送らないんだな・・・
「後、クライン君率いる風林火山とボンゴレのメンバーでツナ君の右腕を自称するゴクデラ君に至っては前日に、第6層で行われた『女子だらけのピチピチ水着カーニバル』という女性プレイヤーが水着に着替えて色んなチャレンジをするという内容のイベントを見に行った様だが、情報によると、彼らからすると残念ながら男性プレイヤーは立ち入り禁止で見る事が叶わないと解りつつも諦めずに覗き見る方法を探し回った結果、ハラスメントコードに引っ掛かり黒鉄宮の牢獄に送られたと聞いた。その為、風林火山のメンバー全員とボンゴレのメンバーであるゴクデラ君も今回のボス攻略は欠番となった。ツナ君、言いたい事は有るかね?」
「有りません。むしろ、恥ずかしいから俺にその話を降らないでくれ・・・」
「そうかね。よって、風林火山のメンバー全員とゴクデラ君については後日、黒鉄宮に行って釈放の手続きをする事にしよう。」
ゴクデラ君、それにクラインと風林火山のメンバー達。本当にお前達は何をやろうとしたんだ!?釈放の手続きを含めて黒鉄宮の牢獄から出すのにどれだけ時間が掛かるのか知ってるのか・・・
とにかく、扱いが酷いと思うがゴクデラ君にクライン率いる風林火山の存在は今は忘れる事にしよう。そう思ったら、今の話を聞いてオボロはまた笑いこけている。
「フフハハッハハ!!あの自称右腕のバカと野武士集団、牢屋に入る事になるなんて、ザマァ!!」
オボロ、さすがに俺も今ので好感度が下がったぞ。ゴクデラ君とクライン率いる風林火山のメンバーが牢獄に入る事になった事に関しては自業自得、因果応報だけど、それでも仲間の失態を笑い飛ばすのは感心できないな。
そろそろボス攻略に向かう様なので、今回のボスの情報をお復習するとしよう。今回のボスはクォーターポイントである25層の為、今までのボスとは次元が違う強敵で間違いは無い。ボスの名前はアンデッド・ヘルヒュドラ。名前の通りに多数の首を持つ邪龍型のモンスターがアンデッド化したボスだ。名前に捻りが無いと思うけど、確実に強敵に違いない。情報によれば、ヘルヒュドラのブレス攻撃に噛み付き攻撃には猛毒状態にするだけでも厄介なのに腐食状態という状態にする効果も有る様だ。腐食状態になると、動いただけで猛毒で受けるダメージより上のダメージを受ける他、攻撃を受けた時のダメージが倍になる上にポーションや結晶といったアイテムを使って回復しようとすれば逆にダメージを受けるという恐ろしい状態異常らしい。しかも、ヘルヒュドラの弱点である首を攻撃してダメージを与え続けると首が取れて、その首を一つ落とす度にソコから新たに二つ首が生えるらしく、弱点ばっかり攻撃するとヘルヒュドラの攻撃の手数を増やしてしまう為、弱点である首以外の箇所を狙う事が前提になっている。ヘルヒュドラの攻略は本当に困難と言える。
でも、俺は有るNPCからの話を聞いたところによると、『ヘラクレスの様に知恵を使えば、奴の首は生えないぞ。』というアドバイスなのかは解らないがそんな話を聞いた。ヘラクレスって、あの有名なカブトムシのヘラクレスオオカブトの事だよな。カブトムシとヘルヒュドラに一体、何の関係が有るのかは解らないので多分、大したアドバイスでは無いと思うので攻略組に伝えたところであまり重要では無い話だろう。
さてと、今回のボス攻略には俺のギルドであるボンゴレからは俺が率いるパーティーにはヤマモト、ビャクラン、ザクロ、キキョウ、それにオボロが入っている。キリトが率いるパーティーにはハルカ、チハヤ、マコト、ホクトである。後はカリスマが有ると信じてトウマにもショウタ、アカバネさん、タカネ、ユキホが入ったパーティーを率いって貰う事にした。
後、今回はスワロと自業自得だけど風林火山とゴクデラ君が牢獄入りで抜けた事も有るので、今回のパーティーの不足した数を補う為に、キバオウがシンカーというプレイヤーと共に作り上げたギルドである軍からは軍の副リーダーとなったキバオウ自身を含めて40名という物凄い数のプレイヤーが参加する様だ。ディアベルが作り上げたギルドである聖竜連合からはディアベルと猪突猛進という通り名が付いたリンドを合わせて12名のプレイヤーが参加し、ヒースクリフの血盟騎士団からはヒースクリフと先ほどの最強の毒舌プレイヤーであるアルスを含めて16名のプレイヤーが参加の様で、後はエギルやアルビート等のソロプレイヤー7名はそれぞれが自分に合っていると思うパーティーに参加する。アルビートは俺のパーティーに参加する事となった。
「ツナ。昨日の話通りに今回から俺もボス攻略に参加させてもらうぞ。」
「うん。アルビートの強さは昨日の出来事で解っているから心強いよ!」
「そうか。そう言われると少し照れるものだな。俺の名前はアルビートだ。宜しく頼む。」
アルビートが俺のパーティーに加入した後に他のパーティーメンバーにも軽く挨拶をし終えると、オボロがこんな質問をする。
「アルビートって言ったな。これはあくまでも俺の勘だがどうも、お前からは只のプレイヤーとは違う何かを感じるんだが、仮面を装着して素顔を隠したりしているが、まさか元βテスターじゃないだろうな?」
「違うな。確かに俺は他のプレイヤーには無いモノが有るが、俺はβテスターでは無いぞ。」
「そうか・・・ならいい。」
どうもオボロは攻撃速度だけではなく、勘までもが他のプレイヤーと比べると尋常では無いんだよな。それでも俺の超直感には敵わないけど、実際にアルビートは他のプレイヤーが持っていないユニークスキルである暗黒剣を習得しているので本当に凄く勘が鋭い奴だと思う。
「それではクォーターポイントである第25層のボス攻略を開始するとしよう!では、今回より攻略に参加するアルビート君がボス部屋の前にセットした回廊結晶をツナ君が預かっていると聞いた。という訳でツナ君、回廊結晶を使いボス部屋の前に皆を転送して貰おう。」
「解った。第25層のボス部屋の前に移動するぞ!」
俺は昨日アルビートから渡された回廊結晶を使い、ボス部屋の前に攻略組のメンバーと共に移動した。
「これより、クォーターポイントである第25層のボス、アンデッド・ヘルヒュドラの攻略を開始する。念のために言うが今回はクォーターポイントという事も有り、今までのボス攻略では計れない相手だと思われる!皆、是非とも最後まで諦めずに戦ってもらいたい!それではボス部屋を開く!皆、出現だ!」
ヒースクリフの号令と共にボス部屋の扉がゆっくりと開いたのを確認すると、俺とヒースクリフを含めた攻略組はボス部屋に入った。
「ギシャアアアッ!!」
ボス部屋に入ると、ソコには今までのボスとは比べ物にはならない程の巨体を誇る身体中の皮膚が爛れた姿で首を六つ持つ巨大な蛇にも見える邪龍がその姿を見せた。このヘルヒュドラからは今までのボスとの戦いでは感じた事が無い威圧感を感じる。それにHPゲージが今までのボスなら3本だったのだがヘルヒュドラはなんと5本という多すぎるHPだ。だけど、この程度でビビって引き返す訳にはいかない!俺は死炎結晶を使いハイパー化し、まずはヘルヒュドラの出方を伺う事にした。
ヘルヒュドラが先制攻撃のチャンスと判断したのか、六つの首全てから緑色の毒素を含んだブレス攻撃をしてきた!攻略組のメンバーはヘルヒュドラのブレスを喰らうと猛毒状態になるのもそうだが、腐食状態という厄介な状態異常になる訳にはいかないので誰もが回避に専念する中、リンドだけはヘルヒュドラのブレスに怖じ気出さずに突っ込んで行く。この一見無謀そうなリンドの行動だが、多分たまたまだと思うが突っ込んだ事でヘルヒュドラのブレスが届かないヘルヒュドラの首の下に行った為、結果的にノーダメージでヘルヒュドラの懐に潜り込む事ができた。
「フハハ!残念だな、腐った蛇野郎!先制攻撃は俺だぁーーー!!」
そう叫んだリンドは曲刀のソードスキル[ダンシング・ヘルレイザー]を繰り出した。このソードスキルは確か高命中の上に喰らった相手の防御力を低下させる特殊効果を持っているので、初手としては悪くないだろう。だが、さすがにヘルヒュドラもヤられっぱなしな筈が無く、直ぐにリンドに反撃として噛み付き攻撃を行いリンドを腐食状態にした後にそのままコチラに向かってリンドを投げつけてきたので、俺は投げつけられてきたリンドを避けて回避した。その代償としてリンドがボス部屋の壁に凄い勢いで激突し、HPがレッドゾーンになったが・・・
「避けるよりも受け止める選択は無かったのかよ・・・」
済まないが、あのスピードで投げられたお前を受け止めようとしたら確実に俺も大ダメージを喰らうのでその選択肢は無かった。本当に済まないリンド。
「誰か・・・俺の回復を求む・・・」
「リンド。君も解っている筈だよ。今の君は猛毒状態になるのは君の装備が毒耐性を持っていたから何とか防げたみたいだけど腐食状態だから、アイテムで回復させようとすれば逆にダメージを受けてしまい、死ぬ事になるから腐食状態が自然に回復するまで待っていてくれ・・・」
リンドが自分の回復を求めるがディアベルはそれは残念ながら腐食状態でできないので、腐食状態が自然回復するまで待っていてくれと伝える。とりあえず、リンドが死なない様に守りながら戦う事にしよう。ヘルヒュドラが再度ブレス攻撃を行ってきたので、攻略組のメンバーは各自に避けながらヘルヒュドラに接近して攻撃を仕掛ける。
「よくもリンドはんを・・・ワイら軍がリンドはんの仇を取るんや!」
「おう!リンドの仇だぁーー!」
「勝手に人を殺すんじゃねえよ・・・」
キバオウが率いる軍のメンバーの内10人がヘルヒュドラの懐に入るとソードスキルを一斉に放った。ってか、リンドの仇って・・・リンドはまだ生きているぞ。リンドも勝手に人を殺すなと言っているし・・・キバオウ達に続く様にアルスとエギルのパーティーも追撃をする。
「リンド(故)の為にも、僕も一応は頑張るか。」
「アルス。今一瞬だが、お前のリンドの呼び方に悪意を感じたんだが・・・気のせいか?」
エギル。気のせいじゃないぞ。明らかにアルスはリンドの事を死んだ事にしていたぞ。アルスはリンドを勝手に死んだ事にしながらも片手剣のソードスキルの中でも最上位である[ファントム・レイブ]を繰り出した。アルス、本当に只者では無いな。俺とキリトも習得しているけど、そのスキルを覚えるまで片手剣を扱うのは結構大変なんだよな。エギルは斧のソードスキル[エクスプロード・カタパルト]を繰り出す。これは斧のソードスキルの中では命中率が断トツに高いので斧使いのプレイヤーの取って置きとも言える。
ヘルヒュドラのHPが一本目の2割が減ったところで攻撃を仕掛けたアルスやエギル達に反撃しようとして噛み付き攻撃を行うが、エギル達は回避し他のプレイヤー達がヘルヒュドラの後方に回る時間を稼いだ。
「これで背中は取ったぜ!覚悟しな、化け蛇!」
ヘルヒュドラの後ろに回ったトウマが両手剣のソードスキルである[メテオ・フォール]を繰り出したが、ヘルヒュドラはトウマのソードスキルを弱点である筈の首で受け止めようとした。結果的にヘルヒュドラに初めてまともなダメージを与えられて一本目の半分までには減らす事ができたが、ヘルヒュドラの能力により弱点である首がダメージを受けた事で首が落ち、ソコから新たな首が二つ生えてくる。落ちた首の数はよりによって多すぎる四つだ。つまり、これで増える首の数は八つ。これでヘルヒュドラの首の数は計10だと!?
「し、しまった!?首の数を増やしてしまった・・・」
「トウマ君のアホ・・・」
「うるせえ!!俺もまさか、あの化け蛇が弱点である筈の首を自ら攻撃を受け止める為に利用するなんて、普通考えられるか?」
「お二人供、今は喧嘩している暇は無いかと思うのですが・・・」
トウマが首の数を増やした原因だからといってショウタはアホとまでは言わなくても・・・それにタカネの言う通りに今は本当に喧嘩している暇は無いぞ。何故なら、ヘルヒュドラは首が増えたからなのか首がそれぞれ違う向きになり十方向に向けてブレス攻撃を行ってきた。ハルカにチハヤ、ユキホにヒビキ等の攻略組のメンバーのほとんどにブレス攻撃が命中していく中、喧嘩していた筈のトウマとショウタは間一髪のところで回避に成功し、無事の様だな。
「どわぁぁっ!!?あ、危ねえな。いきなり一転集中していた首をそれぞれ違う向きに向いてブレス攻撃をしてくるなんてな・・・」
「だから、そうなったのトウマ君のせいだってば。」
おい、ショウタ。まだ言う気か!?まあ、それだけ余裕が有るのかどうかは知らないけれど、トウマをからかうのはソコまでにしておけ。ええと、俺もだがトウマとショウタは今のブレス攻撃を避けられたが、他の攻略組のプレイヤーのほとんどには命中してしまい、ブレス攻撃を受けたプレイヤー全員が猛毒状態と腐食状態になっている。その為、まともに身動きができるのは参加したメンバーの内3分の1だけだ。
「トウマ君のせいで一気に劣勢になったね・・・」
「ショウタ、まだ言うか。俺だって首を増やしたくて増やしたんじゃねえ!!」
「二人供、そろそろ喧嘩するをの止めてくれないか・・・」
未だに口喧嘩を続けるトウマとショウタに何とかブレスを避けられたアカバネさんが注意をする。今は喧嘩なんかしてる場合じゃない。今はヘルヒュドラの攻撃で状態異常になったプレイヤーを守りながら戦う事が大切だ。さすがにトウマとショウタも口喧嘩を止めて動き出す。
「俺のせいでこうなったのも確かな事だ。俺がヘルヒュドラの首を全ては無理かもしれないが、注意を俺に向く様に引き付ける。だから、俺が注意を引いている内にヘルヒュドラに攻撃を仕掛けろ!」
トウマがそう言うと、トウマはヘルヒュドラに接近していく。
「おい、化け蛇!コッチを見な!」
トウマはヘルヒュドラに投剣スキルで攻撃し、その投剣がヘルヒュドラの首の内三つに命中すると、その三つの首がトウマを追い掛けながらブレス攻撃や噛み付き攻撃を行ってくる。トウマが三つの首の攻撃を何とか回避しながら引き付けるが、残った七つの首が俺達を見つめる。
「ハハン。仕方ありませんね。ここは私も引き付ける役を引き受けるとしましょう。」
キキョウもトウマと同じ作戦を取り、同じように投剣スキルを使いヘルヒュドラの首四つに当てると、ヘルヒュドラの首四つがキキョウを追い掛ける。残り三つの首はキキョウかトウマ、俺達のどちらを攻撃するか検討しているのか俺達やトウマにキキョウの方を向いたりしている。首を引き付けるのもここまでが限界かもしれないので、現時点でブレスを喰らっていない俺を含めたプレイヤーが一斉に攻撃を仕掛けた。ディアベルとアルスにキバオウはそれぞれ片手剣のソードスキル[ヴォーパル・ストライク]を繰り出し、ホクトにエギルは斧のソードスキル[エクスプロード・カタパルト]を繰り出して命中させると、ヘルヒュドラが一瞬だが怯んだので俺とキリトが片手剣のソードスキル[ホリゾンタル・スクエア]で追撃を加える。更にタカネが細剣のソードスキル[スピカ・キャリバー]、アカバネさんが短剣のソードスキル[クロス・エッジ]、ショウタも同じく短剣のソードスキルである[ファッド・エッジ]を繰り出した。ショウタのソードスキルの特殊効果によって、ヘルヒュドラに出血の状態異常を付与させる事に成功した。これでしばらくは勝手にヘルヒュドラのHPが減っていく。アンデッドモンスターは出血状態に成りにくいので出血状態にできたのは結構大きな貢献なのでショウタには感謝しよう。
ダメージを与え続けた結果、トウマとキキョウを追い掛けていたヘルヒュドラの首がコチラに攻撃対象を変更したのかブレス攻撃を繰り出しながら突っ込んできた。俺達はそれを回避しようとするが、アカバネさんにタカネやホクトにショウタ、ディアベルにキバオウといったプレイヤー達がブレスを喰らい猛毒と腐食の二つの厄介な状態異常になってしまった。こんなに攻略組が追い詰められているのに対し、ヘルヒュドラの出血状態が回復しHPはまだ5本有る内の1本目の7割しか減ってない。
「チッ、俺のせいでこうなったって後でショウタに文句を言われそうだが仕方ない。攻撃できなくなった奴らの分を含めた俺の渾身のソードスキルを喰らいやがれ!」
トウマがそう言うと両手剣のソードスキル[ライトニング]を繰り出すとヘルヒュドラにクリティカルヒットさせ大ダメージを与える。ヘルヒュドラのHPがやっと1本目の9割まで減らす事ができた。
「さてと、私達もいこうか。ディン、供にいこう!」
「グイーン!」
ヒースクリフが自身の匣である天空神馬のディンを呼び出すと、ディンが角から光線を繰り出すとヒースクリフが追撃で片手剣のソードスキル[バーチカル・スクエア]を繰り出す。ヘルヒュドラはディンの角光線で少し大空の炎の特性である調和で石化こそしないものの動きが少し鈍くなったのでヤマモトが追撃を加える。
「いくぜ、時雨蒼燕流 特式十の型 燕特攻(スコントロ・ディ・ロンディーネ)!」
ヤマモトが雨燕である小次郎を匣から出すと時雨蒼燕流の型の中でもトップクラスの威力を誇る燕特攻を繰り出して、ヘルヒュドラに命中させるとヘルヒュドラのHPの1本目が空となり2本目の1割を減らす事ができた。
「流石はヤマモトだな。兄者にも劣らないその腕前、本当に凄いな!俺も負けてられないな!」
オボロは俺の次に尊敬するヤマモトの活躍を見て、自分も負けない様に追い掛ける様に持ち前の攻撃速度の早さで100回以上の斬撃を繰り出す。8割位は空振りだが、連撃の最後には刀のソードスキル[辻風]を発動させて攻撃を確実に命中させる。
「さてと、キキョウちゃんにザクロ。僕達もいこうか。」
「ハハン。ビャクラン様のご命令と有れば!」
「了解!派手に暴れるぜ、バーロー!」
オボロに続いてビャクラン達も攻撃を仕掛けた。ビャクランは細剣の最上位のソードスキル[フラッシング・ペネトレイター]、キキョウは踊るかの様な連撃を繰り出す槍のソードスキル[ダンシング・スピア]、ザクロは相手の行動を阻害する事が可能でも有る棍棒のソードスキル[ミョルニルハンマー]を繰り出すとヘルヒュドラのHPは2本目の4割まで減り、更には大きく怯み出しソコに新たな隙ができた。
「アルビート。今だ、お前の暗黒剣でヘルヒュドラに追撃を!」
「わかった!今こそ見せよう、俺の暗黒剣を!」
「暗黒剣?レア武器の事か?どんな武器なんだ?暗黒剣と言うからには強力なデバフ効果を持つ剣なのか?」
「うるせえ、ビーター!黙って見る事も出来ねえのか!」
「ご、ごめん。いくら何でもソコまで怒らなくても・・・」
キリトが暗黒剣の事をレア武器と勘違いして、テンションが妙に上がったのでオボロに怒られた。今のはβテスターとか関係無しでうるさいのは確かだったので、オボロの意見の方が正しいな。
「何か妙に騒がしくなったが落ち着いたのなら、遠慮なく使わせてもらうぞ!いくぞ、暗黒剣のソードスキル[ソウル・ブレイク]!」
アルビートが暗黒剣のソードスキル[ソウル・ブレイク]を繰り出すと、アルビートの持つ剣に人魂が集まると、アルビートの剣は青い炎を纏ったかの様に燃えるとその剣でヘルヒュドラの腹部を十字斬りを喰らわせた後に更にX字に斬り裂いていく。
「暗黒剣のソードスキルにはアンデッド系モンスターに対して有効なソードスキルが多いのが特徴だ。今のソードスキル[ソウル・ブレイク]も例外では無い!」
アルビートの言う通り、暗黒剣のソードスキルを喰らったヘルヒュドラのHPは2本目の7割まで減っている。アルビートの暗黒剣をヘルヒュドラに上手く当てるチャンスを作り出せば、ヘルヒュドラに効率よくダメージを与えていけるだろう。
ん?キリトの奴が震えているが、まさか暗黒剣がレア武器じゃないとわかってガッカリしたのか?
「暗黒剣・・・スッゲェ!!どうやったら、そのスキルを習得できるんだ?教えてくれ、アルビート!!」
違った。ただ、新たなスキルを見れた事に興奮していただけだった・・・キリトがどうやったら暗黒剣のスキルを習得できるかアルビートに尋ねるが、アルビートの答えはキリトにとって残酷なモノだろう。
「いや、気付いたらいつの間にか習得していたからな。俺は暗黒剣の習得方法は残念ながら解らない。」
「何だって・・・だけど、習得方法が解らない方が面白いしな。自分で考えてみるか!」
キリトは暗黒剣の習得方法が解らくても別に関係無しの様だな。それにしても、キリトは先程からうるさいな。オボロでは無くてもうるさいと思うぞ。
ヘルヒュドラのHPが2本目の7割まで減らせたのはいいが、2本目のHPゲージを空にしてもまだ3本有るからな。これは本当に長い戦いになるな!俺達、攻略組は果たしてヘルヒュドラを倒せるのか・・・
次回に続く
今回の話はここまでです。次回はヘルヒュドラ戦の後編です。中編になる可能性も有りますが・・・
後、アルスの容姿ですが、電撃文庫で連載中の池袋が舞台である小説で自販機を投げたり、ガードレールを引っこ抜いたりするバーテン服の人をからかう男を一回り小さくした様なものだと思ってください。
今回の話で登場したオボロの簡単なプロフィールです。
アバターネーム;オボロ
本名;月山 龍彦(つきやま たつひこ)
年齢;15歳
誕生日;12月14日
デスゲーム開始時に元βテスターにモンスターの囮にされた事が原因で元βテスターを信用できなくなった。元βテスターによってモンスターに囲まれて死にそうになったが、その時にツナに助けられた事でツナの事を兄者と呼ぶ程に慕う。実力は攻撃速度だけなら全プレイヤーの中でNo.1だが、ソードスキルを扱ってない場合の命中率はかなり低い。だが、その攻撃速度の早さに合うスキルをもし習得できた場合、最強クラスのプレイヤーになれるだろう。