ボンゴレ十代目のSAO   作:ロナード

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今回は月夜の黒猫団が登場します。原作とは違いますが楽しんでくださると嬉しいです。

後、『勇者死す。』というゲームをご存じでしょうか?これは携帯電話のアプリゲームなのですが、今年の2月の終期にPS Vitaでリメイクされると知って驚きました。このゲームはRPGですが他のRPGゲームと違って、主人公が徐々に弱くなっていくのが特徴です。この様な独特のシステムの為、結構夢中になっていたのを覚えています。今知った皆さんも、これを期に興味が出たら発売したらプレイしてみてはいかがですか。ついでに私は購入する予定です。


第20話 黒猫と朧月

俺の名はオボロ!ギルド、ボンゴレのメンバーであり、リーダーであるツナの兄者の一番の部下だ。(※あくまでもオボロ個人の思い込みです。)

尚、ボンゴレのメンバーは現在では50名近くいる。さすがにキバオウの軍やヒースクリフの血盟騎士団には及ばない数だが、十分に大きなギルドになっている。あの11名ものの犠牲を出した25層以降、強敵を倒したギルドの一つとして広まったのか、ボンゴレに加入したいというプレイヤーが増えてきている。その為か、兄者はそろそろギルドホームを作る事を考えている様だ。

 

そんな俺はちょっとした気分転換に現在攻略中の第29層では無く、攻略済みの層のフィールドを散歩がてら適当にぶらついている。何故かと言うと、俺はNPCのカフェで目玉焼きを注文したんだが、俺は目玉焼きには味が濃い目のソースをかけたいのにちょっと前に牢獄から釈放されたゴクデラのアホは『目玉焼きには卵本来の味を引き立てる塩が決まりだろうが!』と言い、ソコに兄者の話では第19層からずっと黒ずくめのビーターが『オボロにゴクデラは何を言っているんだ。目玉焼きには香り豊かな醤油だろ!』と言い意見の衝突が生まれた。ついでに言っとくがSAOの調味料に醤油は無い。まあ、ソコはビーターとは言え、優しさで黙ってツッコミをしない事にした。それで目玉焼きにはソースか塩か醤油か!という三つ巴の戦いをしていると、兄者に『三人供、くだらない理由で喧嘩するのは止めてくれ!ついでに俺は目玉焼きは半熟だったら醤油、固めに焼けたのがソースで中間の固さが塩だね。つまり、焼き加減で合う調味料が違うんだよ。』と言われて三つ巴の戦いを終わらせた後に、今度は目玉焼きの焼き加減で再び口論になったが、兄者に止められ落ち着く様に言われたので気分を落ち着かせる為に散歩する事にした訳だ。今いるフィールドは自然豊かな草原だな。俺が草原フィールドをぶらついていると、茂みから何かが飛び出してくる。

 

「キュル。」

 

「ほう。フェザーリドラか。初めて見たな。」

 

茂みから出たのはレアモンスターのフェザーリドラだ。そのフェザーリドラはプレイヤーである俺を見ても襲い掛かる素振りも見せずに羽繕いをしている。こんなに大人しいモンスターは初めて見たな。そう言えば、フェザーリドラの肝は確かレア食材の一つだったな。後、ドラゴンの肉も確かレア食材でフェザーリドラはドラゴンの一種でも有るからレア食材を二つ手に入れる事ができる・・・よし、コイツを手土産にして兄者にご馳走でもするか!そう考えた俺がフェザーリドラに近付くと、フェザーリドラは俺の殺気に気付いたのか怯えた様子で逃げ出した。

 

「キュルキューーー!!?」

 

「待ちやがれ!!レア食材!」

 

俺は逃げ出したレア食材を追い掛ける!だが、レア食材は何処かに隠れた様だな。絶対に捕まえてやるぞ、待っていろよ。レア食材!

 

 

 

「キュル・・・ホッ。」

 

オボロから逃げたフェザーリドラはオボロから逃げ切ったと思ったのか安心し、ホッと溜め息をする。フェザーリドラは近くから自分の好物である甘いナッツの香りに誘われて移動する。ソコには一人のプレイヤーである少女がナッツを出して楽しげな表情をしている。

 

「ここは景色が良いし、ちょっとピクニック気分を味わうみたいにナッツでも食べてみようかな。」

 

「キュル!」

 

「うわっ!?も、モンスター?でも大人しいね君。ええと、君はこのナッツが食べたいのかな?」

 

「キュルー♪」

 

「あ、やっぱり!それじゃ、このナッツは君にあげるね!」

 

少女がフェザーリドラにナッツをあげると少女の前にテイム成功の文字が表示された。

 

「うそ!?テイム出来ちゃった。じゃあ今日から君は私の友達だね!」

 

「キュルキュルー♪」

 

少女がテイムしたフェザーリドラを抱き抱えると、その温もりを感じる。まるでゲームの中とは思えない生き物の温もりを感じた。その温もりを少女が感じていると、先ほどフェザーリドラを追い掛けていたオボロがやってくる。

 

「フフフ、こんな所にいやがったのか・・・」

 

「キュ、キュルーー!!?」

 

少女はフェザーリドラが目の前にいるプレイヤー、オボロを怖がっているのを感じると、少女はオボロに目を合わせる。

 

「何ですか!あなたは!この子が怖がっているじゃないですか!!」

 

「ええと、お嬢ちゃん。俺は別にソイツに酷い事をする訳じゃない。ただ、ソイツの肝と肉が欲しいだけだ。」

 

「それって、この子を殺すって事じゃないですか!モンスターとは言え、こんな大人しい子を殺すなんて酷いです!!この人でなし!!」

 

「ひ、人でなし・・・」

 

「それにこの子は私はテイムしたモンスターです。この子は絶対に渡しませんからね!」

 

少女がそう言うと、少女はフェザーリドラを連れて近くの街に向かった。

 

「行こうピナ。あんな酷い人なんか相手にしないで私と一緒にいようね!」

 

「キュルー♪」

 

少女とピナと名付けられたフェザーリドラの姿が完全に見えなくなると、悪者扱いされ落ち込んだオボロは一人言を呟いた。

 

「人でなし・・・酷い人・・・テイムされていたなんて解る訳ねえだろ・・・それでもお嬢ちゃんの友達を殺そうとした事は確かだし、俺は本当に酷い人間だ・・・」

 

オボロは意気消沈しながらも、その場を後にした。

 

 

 

 

はあっ・・・まさか、あのレア食材・・・いやフェザーリドラがテイムされていたとは思いもしなかった。さてと、落ち込むのはここまでとして心機一転して他の場所をぶらついてみるとしよう。俺は第11層に移動し、第11層の荒野フィールドを攻略組で高レベルだからこそ散歩コースとしてぶらつく事にした。たまにはこんな殺風景な場所をうろつくのも悪くないな。なんかドラゴンの化石みたいなのが見れたりするので意外に楽しめる場所だな。まあ、只のフィールドのオブジェクトとして置いて有るんだろうが原型を留めていない動物の骨が落ちているけどな・・・

 

「誰か、た、助けてくれ!!?」

 

なっ!?誰かが助けを求めて叫んでいるな。まさか、兄者から聞いたオレンジプレイヤーで作られたギルド、PoH率いる笑う棺桶、もしくはブリガンテス率いるベラドンナ・リリーのどちらかに襲われているのか!?俺は叫び声が聞こえた方に急いで向かうと、ソコには複数のモンスターに囲まれた男性4人の中に1人の女性が入ったパーティーだ。オレンジプレイヤーでは無くてよかったが、そんな事でホッとしている場合じゃないな。俺は刀を抜くと兄者ですら敵わない攻撃速度でモンスターに斬撃を喰らわせる。まあ、空振りも多かったが第11層のモンスターなので、今の俺のレベルだと一撃で倒せたので問題は無いな!俺がモンスターを全て倒した事を確認した5人組のパーティーのリーダーと思われる男が俺に感謝の言葉を送る。

 

「ありがとう。君のお陰で何とか助かったよ!俺の名前はケイタ。一応ギルド、月夜の黒猫団のリーダーをやっている。」

 

「ほう、ギルドのリーダーをやっているからには腕っぷしには自信が有ったのか?」

 

「いや・・・俺は別に強いからリーダーをやっている訳じゃなくてね、俺達は同じ学校のパソコンサークルに入っていて、そのサークルで俺がリーダーをやっていたから、ここでもギルドのリーダーになったんだ。」

 

同じサークルのメンバー同士で作ったギルドか。まるで現実世界に有った暖かいというか、ゆったりとした雰囲気を持つギルドだな。

 

「ええと、まだ皆の事を紹介してなかったね。コッチからテツオ、ササマル、ダッカー、そして紅一点のサチ。この4人と俺を入れた5人が月夜の黒猫団のメンバーさ。」

 

「そうか。俺の名前はオボロだ。ギルド、ボンゴレのメンバーの一人だ。とりあえず無事でよかったな!ケイタ、サチ、それにテッペイにササカマ、ダッケ!」

 

「いや、名前間違っているからな!?俺の名前はテツオだ!」

 

「同じくササカマならぬササマルだ!ってか、ササカマって・・・食い物じゃないか!!」

 

「ダッケって何だよ・・・一番酷い間違いだろコレ・・・俺はダッカーだ!頼むから今度は間違えるなよ・・・」

 

「あ~、間違えていたか。ワリィ!」

 

俺は月夜の黒猫団のメンバーと互いに軽く自己紹介をし終えた後に、月夜の黒猫団から何故、モンスターに囲まれたかを聞く。

 

「そんでお前達は何で、モンスターに囲まれたんだ?いくらなんでも、あんな簡単にモンスターに囲まれる事は有り得ないよな。」

 

「実は俺達、攻略組を目指していてね。早く現実世界に帰りたいっていうのも有るけど、こんな事を言うのも変かと思われるだろうけど・・・俺達は純粋にこのゲームを楽しんでクリアしたいなって思っているんだ。攻略組の中でも名高いギルドの一つである、ボンゴレのメンバーからしたら、俺達の考えはやっぱり変かな?」

 

「いや、そんな事は無いと思うぜ!むしろ、お前達の様な考えを持つプレイヤーが攻略組に入ってくれた方が良い!正直言って、攻略組は切羽詰まった空気だしな。だからこそ、絶対にお前達の持つ暖かいというか、ゆったりとした雰囲気を持つギルドが必要だと思う。お前達が入ってくれたら、きっと攻略組の空気も変わる筈だ。だからお前達、月夜の黒猫団を心の奥から歓迎したい!」

 

「俺達の考えを受け入れてくれてありがとうオボロ。おっと、話を戻すよ。モンスターに囲まれたのは、実はサチに無理を言って槍から盾持ちの片手剣に戦闘スタイルを変えてもらったんだ。それでサチが盾持ちの片手剣で戦える様に特訓しようと思ってモンスターと戦っていたら、時間が掛かりすぎちゃったみたいで、新しいモンスターが次々と出現して・・・」

 

「それで気付いたら、囲まれたという訳か・・・そんな事になった時の為にも逃走手段として常に転移結晶を用意しておけ、アホ。」

 

「ははっ。ごもっともな意見だから否定できないね・・・」

 

攻略組に入る為に特訓してたのはわかったが、逃走手段を用意しなかったのは少しマイナスだな。だが、このケイタの月夜の黒猫団の空気は本当にゆったりとして落ち着く心地良いモノだ。こう言う奴らこそ、攻略組には必要だ。絶対に攻略組のピリピリした空気が変わる筈だ。それにしても、何故サチという女の装備を槍から盾持ちの片手剣に変える必要が有ったんだ?

 

「ケイタ。サチは元々は槍使いなんだろ。なのに何故、サチの装備を盾持ちの片手剣に変える必要が有った?」

 

「前衛がメイス使いのテツオだけだとバランスが悪くなると思って、俺達はテツオ以外で前衛に向いているのは誰なのか、色々と確かめた結果、サチの方が向いているとわかったから彼女に無理を言って盾持ちの片手剣に装備を変えてもらったんだ。」

 

「うん。そうだよ・・・ケイタが必死に頼み込むから仕方なく了解したの。」

 

「そうか・・・正直言って、俺でも解る程サチは本当に盾持ちの片手剣は向いてない。まあ、ケイタがテツオ以外で前衛に向いているのは誰なのか確認した結果、サチだったみたいだがな。ケイタ達よりはましなレベルなんだろうが、絶対にサチは元々の装備である槍が向いている筈だ。それに装備を変えるにしろ、もう少し性能の良いモノにした方がよかったと思うぞ。明らかにサチの装備している盾と片手剣はショップで買える物の中でも一番の安物だしな。金欠なのか、節約家なのかは知らないがサチの戦い方を変えるなら、もう少しだけでいいから性能が高い物にしとけよ・・・」

 

「ははっ、手厳しいなオボロは・・・実はギルドホームを購入しようと思っていてね、それでついサチの装備代をケチちゃって・・・」

 

「はあっ、仕方ねえな。刀使いである俺が持っていてもしょうがないから、俺が持っている片手剣と盾でよければサチにくれてやるよ。」

 

「本当かい、オボロ!これで少しはサチを前衛として強化できるよ。」

 

「ただし、盾と片手剣の性能が上がっただけだからな!武器が強くなっても装備した本人が使いこなせなかったら無意味だからな!くれぐれもそれを踏まえていろよ!ほら、サチ。受け取れ!」

 

「あ、うん。ありがとう・・・」

 

俺はサチに俺が持っていた盾と片手剣を渡し、サチはそれを装備した。先ほどの装備と比べれば、2段階位上の装備だ。これで少しはましになった方だろう。そろそろ、兄者達と合流するか。コイツら月夜の黒猫団が上手くレベルを上げて、攻略組に入る日がくるのが楽しみだな・・・

 

「それじゃ、俺はここで・・・じゃあな!」

 

俺はケイタ達、月夜の黒猫団に別れようとしたが、ケイタに呼び止められる。

 

「待ってオボロ!」

 

「何だ?まだ何かアドバイスでもしてほしいのか?」

 

「まあ、そうだね。攻略組に入っているプレイヤーに頼むのは迷惑かなと考えたけど・・・それでも一応頼んでみるべきかなと思って・・・」

 

「ほう。それで頼みと言うのは?」

 

「オボロが良ければ俺達、月夜の黒猫団にしばらく鍛えてもらいたいなと思ったんだけど・・・やっぱり攻略組だし、そんな暇は無いよね・・・」

 

「いや、別に構わないぜ。先も言ったが、俺はお前達の様にゆったりとした雰囲気を持っている。今の攻略組にはそんな雰囲気を持ったプレイヤーも必要な筈だ。だから、俺がお前達を鍛えて少しでも早く攻略組になれる様にしてやるよ!」

 

「ありがとうオボロ!」

 

「その代わり、後で厳しいとか辛すぎるとか泣き言を言うんじゃないぞ!」

 

俺はケイタに月夜の黒猫団を鍛えてくれる様に頼まれたので承諾した。俺が泣き言を言うなと発したのが原因か、サチが少し怯えた表情になりながらも俺に聞く。

 

「あの、泣き言を言うなと言う事は、それだけ厳しくするって事・・・」

 

「ああ、当然そうだ。サチ、ワリィが女とは言え手厳しく指導させてもらうからな。覚悟しておけよ?」

 

俺が軽く笑顔を作ってこう言った為か、サチは少し涙目になった。

 

「待て!?冗談だ、只の言葉のあやだ!そんなに厳しく指導しねえから、そんな涙目で俺を見るな!?」

 

「そう・・・なら、よかった。」

 

ああ、やっぱり帰るべきだったな。コイツら月夜の黒猫団の強くするには徹底的に厳しくしねえとならねえのに、サチが涙目になったのを見たら出来なくなってしまったな・・・仕方ない、ゆっくりとだが確実に直すべき部分や伸ばしていく部分を見付けて指摘していく事にしよう。後、コイツらに聞いてみたい事がある。

 

「おい、ケイタ達は目玉焼きには一体何をかけるんだ?」

 

「えっ?どうしていきなりそんな事を聞くのか解らないけど・・・俺はマヨネーズかな。結構美味しいんだよ。」

 

「ふざけるな!それは邪道にもほどが有るぞ!目玉焼きと同じ卵で作られたマヨネーズをかけるなんて邪道にもほどが有る!」

 

「ええっ!?目玉焼きに何をかけるのかは人それぞれだし、別にマヨネーズをかけてもいいと思うんだけどな・・・」

 

「ケイタの意見はともかく、サチは?」

 

「ええと、私は何もかけないまま食べる派かな。」

 

「何だと・・・じゃあ、テツオ。お前は?」

 

「俺か?俺はラー油だな。程よい油と辛味がついて美味いんだよな、これが。」

 

「そうか・・・で、ササミは?」

 

「また間違えてますけど!?俺の名前はササマルだ。ササミって、先と同じで食い物だよ!」

 

「また間違えていたか。ワリィ!そんな事よりも、お前は目玉焼きに何をかけるんだ?」

 

「名前を間違えられて、そんな事・・・まあ、いいか。俺は目玉焼きにトッピングするなら七味唐辛子だな。こう見えて辛党なんだ俺。」

 

「あっそ。じゃあ、最後はダッピー、お前だ。」

 

「ダッピーじゃねえよ、俺の名前はダッカーだ!ダッピーじゃ、ゆるキャラの名前みたいに聞こえるだろうが!」

 

「安心しろ。お前はゆるキャラというよりもモブキャラって感じだから。で、お前は目玉焼きに何をかける派だ?」

 

「誰がモブキャラだ!?失礼にも程が有るだろ!まあ、俺がお前と戦っても勝てる訳が無いのは明白だから、気分を落ち着かせる事にして・・・よし、気分が落ち着いたから言うぞ。俺は他の4人と違ってシンプルに目玉焼きにソースをかける派だ。俺は濃い目の味が好きだしな。」

 

「ダッカー、お前こそ仲間だ!心の友だ!」

 

「えっ・・・うん。そう思ったなら良かったよ。」

 

「だよな!目玉焼きにはソースだよな!なのにボンゴレのメンバーの中には、目玉焼きに合うのは塩だとか、醤油だとかぬかす奴がいるんだよ。ダッカー、お前こそ親友だ!」

 

やっぱり目玉焼きにはソースだよな。俺は気分が良くなってダッカーに握手をした。ケイタとサチは今のを見て何を思ったのか、少し困惑した表情をしている。

 

「サチ。もしかして、オボロって目玉焼きに何をかけるかって言う話でボンゴレのメンバーと喧嘩して、追い出されたのかな・・・」

 

「あり得るね・・・攻略組の人でも意外とどうでもいい理由で喧嘩するんだね・・・」

 

「聞こえてんぞ!別に追い出されてねえよ!只、気分を落ち着かせてこいと言われただけだ!ってか、どうでもいい理由じゃないだろ!」

 

「ケイタ。ダメだよ、オボロは追い出されたという自覚が無いよ・・・」

 

「サチ!だから俺は追い出された訳じゃねえ!!」

 

「サチの言う通りだよ。そうやってムキになるところが自覚が無い証拠なんじゃ・・・」

 

「ケイタ。お前まで言うか!?」

 

その後、しばらく俺はケイタ達に追い出された訳では無い事を必死に説明した。

 

 

 

「それじゃ、オボロに感謝の意味を込めて乾杯!」

 

『乾杯!』

 

「おう、ありがとうな。乾杯と!」

 

で、あの後何とか追い出されたという誤解は解け、第11層の街のNPCレストランでケイタからお礼を含めた晩餐会を開いてくれた。ケイタは月夜の黒猫団のギルドホームを買う為に、お金を貯めていたというのに俺へのお礼としてこの様な晩餐会を開いてくれたのには感謝だな。兄者には1週間ぐらいは月夜の黒猫団と行動を供にする事を伝えてある。そう言えば、ケイタ達、月夜の黒猫団は攻略組に入るにもレベルをどれだけ上げればいいのか確認しないとな。

 

「おい、ケイタ。お前達を攻略組にする為にも、お前達のレベルが今どのくらいか知る必要が有るんだが、レベルを教えてもらっても構わないか?」

 

「そう言われたら、答えるしかないよね。ええと、俺は20でサチとテツオは19、ササマルとダッカーは18だね。オボロのレベルは一体どのくらい有るんだい?」

 

「俺のレベルは43だな。後、ボンゴレの他のメンバーのレベルを言うとリーダーである兄者、つまりツナさんのレベルは47だったな。それと俺は認めたく無いが副リーダーの黒ずくめのビーターも兄者と同じく47だ。他には俺が兄者の次に尊敬するヤマモトのレベルは46で、兄者の右腕を自称するアホが恥ずかしい理由でちょっと前まで牢獄にいたからレベル上げが遅れたが、それでも41だ。まあ、後は平均で言えば42前後だな。」

 

「流石は攻略組、凄いな・・・それに比べて俺達なんて半分にも満たないレベルだ。本当に頑張らないと攻略組に追い付けないね。」

 

「そうだぞ。だから、俺がいる1週間の間にお前達のレベルをせめて平均で35ぐらいにまでは上げるつもりだ。」

 

「うっ・・・やっぱり、厳しくするんだね・・・」

 

「サチ。先も言っただろ。そんなに厳しくしねえって!俺がやるのはお前達の戦いを見て伸ばすべき部分と直す部分の指摘をする事だ。別に俺は厳しく言ったりしねえって!」

 

「そう。なら良かったけど。」

 

「だから、明日から鍛えるからな。そんなに厳しくしねえが、覚悟しておけよ!」

 

俺がそう言うとケイタ達は更に料理を盛って俺に渡し、しばらくこの晩餐会を楽しんでから宿屋で眠りについた。

 

 

次の日、俺は月夜の黒猫団のメンバー達を連れてある場所に来た。ソコは第21層の沼地フィールドだ。ケイタは何か青ざめた顔になって俺を見ると口を開く。

 

「オボロ、ここはどこだい・・・」

 

「見りゃ解るだろ、沼地。」

 

「それは見れば解るよ!俺が聞きたいのは第11層のモンスターにすら手こずった俺達を何故10層上の第21層のフィールドに連れてきたのかって事だよ!」

 

「ん、わかんないのか?お前達のレベルを一気に上げるには推奨レベルに合った場所じゃなくて、それを飛ばしての自分より高レベルのモンスターを倒して一気に経験値をがっぽり手に入れる方が簡単だろ。」

 

「いやいや、まず俺達はまずサチの前衛としての戦闘を慣らしてほしかったんだけど・・・」

 

「いや、その辺は大丈夫だ。ほれ、あれ見な。」

 

「えっ?」

 

ケイタとテツオ達は俺が指した方向を見ると、サチがこの沼地フィールドに生息するタコみたいなモンスターを泣きながら片手剣で次々と攻撃して葬っているのを見た。

 

「イヤァッーーー!!?コッチにこないでぇーー!?」

 

「オボロ、ここって第21層なんだよね?」

 

「ああ。そうだが、それがどうした?」

 

「なのに、どうして第11層のモンスターすら倒すのが大変だったのに、サチが片手剣で次々とタコみたいなモンスターを撃破しているからさ・・・ここが本当に第21層なのかなって思ちゃって・・・」

 

「ははっ、面白いだろ。実はこの辺はあのタコモンスターしか出現しなくてな、しかもここのタコモンスターは打撃や突きには非常に強い耐性を持っているんだが斬撃にはめちゃくちゃ弱いんだ。そりゃ、あんな簡単に今のサチのレベルでも片手剣のソードスキルで倒せる程にな!ほら、サチがタコを次々と撃破するお陰で勝手にケイタ。お前のレベルも上がっているだろ。」

 

「た、確かに・・・パーティーを組んでいるお陰でサチが倒したタコの経験値が俺やテツオ達にも入ってくるね。これじゃ、まるで俺達はサチが倒したタコの経験値を貰うだけの戦泥棒だ・・・」

 

「まあ、そんな皮肉を言うなって。ここなら確実に経験値が貰える上にサチの片手剣の熟練度も上がって一石二鳥だろ!」

 

「確かに!でもこんなにいい経験値が稼げる場所なら他のプレイヤーも来る筈だよね。それなのに、どうして他のプレイヤーの姿が見えないんだ?」

 

「おっと、ケイタ。ここに来る前に俺がお前達に結晶を使っただろ。」

 

「うん。そう言えば、結晶を俺達に向かって使っていたね。でも俺達のステータスが変わった訳でもないし、あの結晶は一体何だったんだい?」

 

「それはもうじき解る事だ。そろそろ結晶の効果も切れる頃だしな。」

 

「えっ?」

 

ケイタは俺が何を言っているのか解らない様だが、直ぐにその答えも解る。サチも粗方タコモンスターを撃破して戻ってきた。

 

「ううっ。私、しばらくはタコは見たくない・・・」

 

「でもお陰で強くなれただろ、サチ。」

 

「確かにそうだけど、あんなに巨大なタコを見たのは生まれて初めてだよ。色も気持ち悪かったし・・・」

 

「まあ、今戻ってきてよかった。ちょうど結晶の効果が切れるからさ、効果が切れ次第に新たな結晶を使って臭いを感じさせなくするからな。」

 

「えっ、臭い・・・」

 

「おう、臭いだ。」

 

「まさかね・・・」

 

ケイタとサチ達は俺が使った結晶の効果を把握したのか、顔色が悪くなると同時に結晶の効果が切れて強烈な臭いが俺達を襲う。

 

「何これ・・・クサイ!?」

 

「やだよ・・・臭いが付いちゃう・・・」

 

「解ったか。これがこの辺に他のプレイヤーが来ない理由だ。このまるで2週間は放置した生ゴミの溜まり場みたいな強烈な臭いがする為にこの辺は誰もが近付こうともしないエリアなんだ。だから、俺は臭いを感じさせなくする結晶を使ったんだが・・・結晶を使ったとしても、この臭いが装備や自分の身体にまで染み付くから街についても臭いが付いたままなんだ。しかも、風呂に入っても臭いを取るのも大変で装備品を含めて3時間は洗わないと臭いが取れない程だ。だから、経験値を稼げるポイントの中で断トツの不人気スポットなんだ・・・」

 

「そんな所に私達を連れてきたんだね、オボロ・・・」

 

「やっべ!?」

 

俺はサチの手が握り拳になったのが見えたので俺は全速力で逃げ出そうとしたが、サチに捕まりお仕置きのビンタを受けた後に、俺は左頬に赤く手の跡がついた状態で月夜の黒猫団と供に沼地を後にして街に戻ってきた。その際、俺達は他のプレイヤーからは臭いが原因で避けられていた。今日の指導はここまでとして、俺と月夜の黒猫団のメンバー達は一目散に宿屋に入った後に風呂に向かった。そして、3時間かけて身体と装備品に染み付いた臭いを取り除くのだった。

 

 

それから、レベルをあの不人気スポットで上げた事でサチも少し自信がついたのか、片手剣を使っての戦闘に磨きがかかった。盾で攻撃を防ぐ練習は様々な場所に移動して色々なモンスターと戦わせて防ぐタイミングを掴んでもらった。サチは十分に前衛として強くなったが、代償として、やはりあの不人気スポットの事で嫌われたのか俺にあまり口を開いてくれなくなったけど・・・ケイタから聞いた話によると、サチはめったに怒らないが一度怒り出すと簡単には機嫌を治してくれないらしい。ケイタやテツオにササマル、ダッカーはそんな俺に同情しつつ、俺が指摘した部分を伸ばす事で確実に実力を上げた。

 

そして、月夜の黒猫団を鍛える日に終わりがきた。今の月夜の黒猫団の1週間のレベル上げをあの不人気スポットで行いタコばっかり撃破し、十分にレベルが上がってケイタが37、テツオが35、ササマルは34、ダッカーは36。そして、サチが俺への怒りも有ってか38・・・一番強くなっていた。今度から絶対にサチを怒らせない様にしよう。今度は確実に口を開いてもらえなくなりそうだしな・・・

 

今日で俺はボンゴレのメンバー達と合流する事になっているので、月夜の黒猫団と別れる事になった。ケイタはこの日に念願だった月夜の黒猫団のギルドホームを購入し、月夜の黒猫団のメンバー達はギルドホームができた記念のパーティーを行っている。

 

「オボロ。感謝するよ。お陰でレベルも上がったし、戦闘のコツも掴めたよ。それにギルドホームを購入できたのもオボロのお陰だよ。本当にありがとう!」

 

「そうか。そんなに感謝されると照れるな・・・そうだ。別れの餞別とギルドホームができた記念を含めてこれをやる。」

 

俺はケイタ達に月と猫の絵が入った黒いスカーフを渡した。

 

「このスカーフは?」

 

「これか?実は俺は裁縫スキルを習得していてな、現実では両親がオーダーメイドの衣料品店をやっているのも有って、こう見えて俺って裁縫が得意なんだぜ!」

 

「凄い、オボロって・・・こんな意外な才能が有ったんだ。」

 

「意外な才能で悪かったな、サチ・・・」

 

「でも本当に貰っていいのかい?こんなに上手くできた物をただで貰うのも申し訳ないというか・・・」

 

「そんな事は気にするなって!俺がやるって言ってるんだから、遠慮なく受けとれって!」

 

「そう。なら、遠慮なく受けとるよ。本当に最後まで色々とありがとうオボロ。絶対に攻略組に入って、またオボロと一緒に戦える様に頑張るよ!」

 

「ケイタの言う通りだね。あんな酷い目にも合ったけど、私もオボロのお陰で自信がついたし、早く攻略組になれる様に頑張るね!」

 

「そうか。じゃあな!ボス攻略で会える日が来るのを待っているぜ!って言っても、その日は直ぐ来そうだけどな。」

 

「そうだね。じゃあ、オボロ。また会おう、ボス攻略でね!」

 

こうして俺と月夜の黒猫団は別れ、俺は兄者とボンゴレのメンバー達と合流した。

 

 

 

 

俺が戻ってきて直ぐ、相変わらず黒ずくめのあの男が俺に話し掛けてきた。

 

「よう、オボロ。1週間ぶりだな。」

 

「ああ、本当に1週間ぶりだなキリト。」

 

「ん?今、何て言った?」

 

「おい、一回で聞き取れよ!」

 

「ごめん!でも、聞き間違いかもしれないから念のために・・・」

 

「なら、仕方ないな。本当に1週間ぶりだなキリトって言ったんだよ。」

 

「オボロ、お前・・・俺をビーターでは無く名前で呼んでくれたのか!?」

 

「何故、そこまで驚きやがるんだ!」

 

「だってお前、元βテスターの事を嫌っていたんじゃ・・・」

 

「確かに元βテスターは好きになれないが、お前やスワロフスキー、つまりスワロや聖竜連合のリーダーであるディアベルは少なくとも俺を囮にしたβテスターとは違うっていうのは、一緒に戦ってわかった事だしな。ただ俺は意地っ張りだからな、お前やスワロにディアベルを認めるのを心のどこかで拒んでいただけだと気付いたんだ。だから、もう意地を張るのは止めだ!キリト、お前は信頼できる仲間だ。だから俺はお前を認めてやる。」

 

「そうか。それは嬉しいぜ。オボロ、お前が考えを改めたのはお前がこの1週間鍛えると話していたギルドの影響か?」

 

「ああ、そうだ。ギルド、月夜の黒猫団。アイツらは純粋にこのゲームを楽しみながらクリアするという考えを持っている上に、暖かいというか、ゆったりとしたなんというか、周りを和ませる独特の空気を持っているんだ。そんな奴らだからこそ、今の攻略組には必要だと思ってな。絶対に攻略組の少し殺伐した空気が変わる筈だ。そんな奴らと一緒にいたからこそ、俺はβテスターへの偏見を完全では無いが無くす事ができたのかもしれないな。」

 

「へえ、オボロの話を聞くと俺もその月夜の黒猫団に会ってみたくなった。」

 

「そうだろ。多分、攻略組に入るのも直ぐかもしれないから、結構早く会えると思うぜ!」

 

俺は待っているからな。ケイタ、サチ、テツオ、ササマル、ダッカー。お前達、月夜の黒猫団が攻略組に入るのをな!




今回は原作とは大分違う展開になりましたが、月夜の黒猫団が登場し、後あの子も序盤に少しだけ登場させました。それとオボロはキリトやスワロにディアベルを認める様になり、連携に不安を感じる事は無くなったかと思います。

次回は主人公がツナに戻り、ボンゴレのギルドホームができます。
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