ですが、後半からは久しぶりにベラドンナ・リリーが登場し、事態は急変します。
今、俺は第27層にいる。攻略も第34層まで進んだところで、やっと俺が気に入ったギルドホームを購入できる。俺は27層に有った周りが自然豊かで湖が近くに有る大きな館を一目見て気に入り、その館をボンゴレのメンバー全員がやりくりして貯めたお金でギルドホームとして購入した。2000万コルもしたけどね・・・ボンゴレのメンバーであるイオリからは『どうせ、あんたの名前である数字が有る層だから選んだでしょ。』と呆れた様な意見も有ったが、別に俺は自分の名前が入った層だから、ソコにギルドホームを作ろうと思っていた訳では無いからな。俺はボンゴレのギルドホームとなった館の中に入った。
「遂にギルドホームができましたね、十代目!本当に凄い広さッスね!」
「ゴクデラの言う通りだな。庭も有ったし、それに広場を見たけど凄い広さだったな。あんだけ広ければ、野球もできそうだな!」
ギルドホームに入って直ぐにゴクデラ君とヤマモトが言葉を掛けてくれた。どうやら、ギルドホームを粗方見て廻った様でこのギルドホームの広さに驚いたみたいだ。この館は三階建てと本当に大きいし、広さも有って最高だ。本当に購入してよかった。さてと俺は早速、二階に有る自分の部屋に入る。
「何だよ、これ・・・」
俺は自分の部屋に入って見えたのは何か、色々とごちゃ混ぜしたかの様な謎のインテリアが部屋にたっぷりと置かれていた。状況が飲み込めずにいた俺にゴクデラ君が説明をする。
「十代目、どうですか。十代目の部屋を俺が風水を取り入れながら、幸運を呼ぶインテリアを飾らせてもらいました。どうですか、十代目。俺に親切な商売人プレイヤーが10品の合計が100万コルだったのを、何と50万コルに撒けて売ってくれたんっすよ。これで運気がきっとうなぎ登りですよ!」
「ゴクデラ君。こういうのを余計なお世話と言うんだよ!このインテリア全部いらないから!」
「ガーン!!?」
「だからゴクデラ君の部屋に置いておきなよ!!」
「そ、そんな・・・」
俺はゴクデラ君の手によって、勝手に配置された謎のインテリア全てをゴクデラ君に押し付けた後にゴクデラ君を部屋から追い出した。ってか、何で騙された事に気付かないんだ・・・
「全く・・・相変わらず、ゴクデラ君は余計な事をしないな。はあっ、家具の配置は自分でやろうと・・・」
俺はゴクデラ君に頼んだ訳では無いが、今ので他の人に俺の部屋の家具配置を任せるのが怖いので、家具の配置は自分でやる事にした。
1時間が経過し、家具の配置が終了したので俺は部屋の外に出た。
「おい、これは幸せを呼ぶインテリアで・・・」
「あら~、ゴクデラ君。きっと騙されたのよ。」
「えっ・・・」
ゴクデラ君があの謎のインテリアをアズサさんに突き付けようとしたらしいが、アズサさんには受け取って貰うどころか、ゴクデラ君は騙されたと言うのを聞いて、やっと騙された事に気付いたのか、ゴクデラ君は半ば放心状態になったのが見えたが、何時もの事なのでほっとく事にする。
俺はギルドホームの外側に有る、ボンゴレ専用となった広場に行くとソコではスワロとオボロはデュエルを行っていた。俺はそのデュエルの見学をしていたトウマに一体、何で二人がデュエルを行っているのかを聞いた。
「トウマ。何でスワロとオボロの二人はデュエルを行っているんだ?」
「ん、ああ、ツナか。今、行われているデュエルは初撃決着デュエルだ。あの二人が何でデュエルを行っているのかと言うと、只の訓練だ。互いに相手の動きを見て、それで新たな戦い方が思いつくんじゃないかと、あの二人は考えたみたいだ。」
「へえ、あの二人らしいというか・・・まあ、本当にオボロがβテスターへの偏見を無くして、スワロとあんなに仲良くなって良かったよ。」
「ああ、そうだな。」
俺が来ている事に気付いたのか、スワロがコッチを見て挨拶をする。
「ツナか。今、こんな感じで特訓としてデュエルをやっているんだが・・・」
「隙有り!」
スワロが俺に挨拶をしている間に、オボロがスワロに不意討ち同然の攻撃を仕掛けたが、あっさりと回避されるとスワロに反撃の一撃を喰らわされて、デュエルの勝者はスワロとなった。
「ねえ、トウマ・・・」
「何だツナ。」
「俺、初めて実際に隙有りって言って攻撃する人を見たよ・・・」
「ああ、俺もだ。隙有りって言ったら、攻撃しますよって教えている様なものだしな・・・時代劇じゃあるまいし・・・」
「これで確証できたよ。オボロはやっぱり、アホだよ。ゴクデラ君レベルの・・・」
「だな。」
俺は何故、負けたのか一切解っていないオボロを放っておく事にして、ギルドホームの近くに有る湖に行く事にした。
湖に着いた俺は釣竿を取り出して、湖に向かって釣り針を付けた釣糸を放り投げた。実は第13層を攻略していた時に釣りスキルを間違って習得してしまい、そのまま使わないのも勿体無いと思って、たまに暇を見付けては釣りをしたところ、結構ハマってしまい俺の釣りスキル熟練度は890なので、もうすぐでコンプリートとなる。そうすれば、きっとこれ以上無い大物が釣れる様になるかもしれない!
「兄者ぁーー!」
うるさいのが来たが無視しよう。俺は釣糸を垂らした先だけを見て完全に釣りに集中する。
「兄者・・・少しは話をしようぜ・・・」
何か雑音が聞こえるが気のせいだ。
「兄者、俺だ。オボロだ!」
よし!今、手応えを感じた!俺は釣竿のリールを巻き、魚を釣り上げた。釣れたのはロイヤル・ニシキという名前の錦鯉がモデルの魚だ。レア食材では無いが、なかなか釣れないので珍味と言える食材なのでストレージに保存する。さて、もう一度だ。俺は再び釣糸を放り投げて釣りを開始する。
「無視かよ・・・兄者、凄い集中力だな・・・」
今度は釣糸を垂らして直ぐに獲物が食い付いた様だ。俺はリールを巻き、釣り上げたのはアフロ・クラブというアフロみたいな毛が甲羅に生えているカニだ。食材の一種なので、ストレージに保存した。
「これを後で料理スキルを持つメンバーに料理してもらうか。」
「それ食えるのか、ってか食って平気な物なのか兄者!!?」
「うるさいな!あっ、オボロ。まだいたんだ。」
「まだって・・・最初に来た時には俺に気付いていたって事だよな。途中からは本当に釣りに集中していたのか、俺が声をかけても返事してくれなかったもんな・・・」
「そうだった?俺って、結構集中することって無かったから、釣りを本当に真剣にやっていたって事だよね。」
「まあ、そうなるんじゃねえか。ところで兄者。本当に釣りをやって楽しいのか?」
「勿論だよ。やってみると結構楽しいよ。釣った魚、中には魚以外もいるけど・・・自分で釣ったのを食べるのも楽しみの一つだと思うよ。」
「俺は釣りの様なじっと待つ作業は苦手だからな。どうも釣りの楽しさって解らないな。まあ、食う楽しみだけが解るけどな。」
「そう。じゃあオボロ。俺は釣りをやっているから、オボロは好きに行動してなよ。」
「じゃあしばらくはここで素振りをしながら、兄者の釣りを見学するか。」
オボロはどうやら、しばらくはここにいるつもりの様なので、俺はオボロがそうしたいなら別に何も言わない事にして釣りを再開する。俺は釣糸を垂らしては釣り上げ、垂らしては釣り上げを何度もこなし2時間経ったらしく、ストレージを確認するとアフロ・クラブ12匹、ビッグ・アンコウ6匹、ロイヤル・ニシキ4匹、その他8匹と2時間で釣り上げた数としては、まあまあだと思う。でも、まだ釣り足りない俺は再び釣糸を垂らした。
はあっ・・・さすがに見ているだけだと退屈すぎるな・・・兄者は完全に釣りに集中しているしな。素振りするのも飽きたし、そろそろ俺はここを離れて攻略にでも向かうか。攻略の鬼アスナ様がこんなタイミングで来たらどうなるのか気になるが、面倒事にしか成らなさそうなので俺が兄者の代わりに今の最前線である34層の攻略に行くとするか・・・そう思ったタイミングで、運悪く攻略の鬼アスナ様がやってきた。
「ツナ君・・・ギルドホーム完成おめでとう!さてと、そんな暇が有ったら攻略を開始しましょうね!ニコッ」
コエェ!?あの第25層の最悪のボスモンスターだったアンデッド・ヘルヒュドラを簡単に越える程にコエェよ!!?笑顔なのに明らかに心情は絶対に笑ってはいない・・・ゲームの中だってのに心臓発作が起きそうだ・・・
「オボロ君。私はオボロ君には怒ってないのよ。ニコッ」
俺に怒っている訳ではないのは解っているけど、その笑顔を見たら誰もが恐怖しか感じないからな!?
「ええと、アスナさん・・・取り敢えず、失礼を承知で聞きますよ。」
「何、オボロ君。」
「アスナさんは第25層のボスがアンデッド系だと知った瞬間に攻略を休んだ様ですが、アンデッドよりも今のアスナさんの方が恐いと思います・・・」
「オボロ君・・・遺言はそれでいいのね?」
「はい・・・兄者、せめてあなたは生き残ってくれよ・・・」
その後、俺はアスナによって湖に放り出されたのだった。
オボロがアスナによって、湖に放り出された後、アスナはツナに近付く。
「ツナ君。そろそろ釣りを止めて私の話を聞かない?」
今のツナは釣りに集中するあまり、アスナの声が聞こえてない。その為、アスナの顔が更に険しいというよりも、笑顔なのに恐怖しか感じない威圧感が上がった。
「私の事を無視するんだ・・・ツナ君。さすがに私にも我慢の限界というものが有るのよ。それを解っているのかな?」
「うるさい。」
「何ですって・・・」
ツナは話の内容は把握してないどころか、誰が声をかけたかも解らない程、完全に釣りに全神経が集中しているのでアスナの話は聞いていない。アスナはツナの肩を軽く叩く。
「ツナ君。釣りを止めて話を聞いてくれないかな?」
「うるさいな・・・予備の釣竿を貸すから、話し掛けるな!」
「ええっ!!?」
アスナはツナから釣竿を渡され、困った表情になる。最早、怒る気も失せたと言うよりも、釣りに完全に集中するあまり、会話すら成立しない状況に戸惑うしかなかった。
ツナ君に攻略に参加する様に頼みに来たのに、ツナ君が釣りをしていたから止まさせて攻略に連れ出そうと思っていたんだけど・・・釣りに集中するあまり、私の話が聞こえていない訳ではないけど、話が成立しないから戸惑いを隠せない今の私の現状。釣りに集中するツナ君は普段とはまるで別人みたい。戦ってる時にも別人みたいになるけど、多重人格者なのかな?とりあえず、今のツナ君は私の話を聞いてくれそうにないので釣りを好きなだけやらせて、止めるまで待つ事にしよう。でも、その間も時間を無駄にしてしまうしな・・・仕方ない、ツナ君から渡された釣竿は後で返すとして、しばらくは様子を見てみようかな。ところで釣りの何処が楽しいのかしら・・・
「これは・・・遂に来たか!この湖の主、お前を釣り上げたら本当に満足できる!」
ツナ君の釣竿にどうやら一番の大物である湖の主が来たみたい。これで釣りを終えてくれる様だから、その主が釣り上げられるのを待とうとしたんだけど・・・
「さすがは主だけ有って、凄い力だな・・・このままでは湖に持ってかれるな・・・」
「手伝うよ!」
湖の主の力がとてつもなく強いのか、ツナ君が湖に引きずられそうなので、私は思わずツナ君が持つ釣竿を握って一緒に引き上げる事にした。私とツナ君の全力の力で釣り上げたら、姿を現したのは・・・
「湖の主って・・・巨大なサンショウウオだったの!?」
「これ・・・ストレージに仕舞えるのかな・・・あれ?アスナ、いたの。」
本当に今まで本当に釣りに集中して、私の話が聞こえてなかったんだ・・・凄い集中力ね。それほど釣りにはまったのね、ツナ君・・・
「それよりも、このサンショウウオ・・・モンスターじゃないよね・・・」
「いや、釣り上げたら釣った獲物の情報が表示されるんだ。これは最大50メートルの巨体を誇るサンショウウオ型の魚っていうか両生類にしか見えないコレの名前は・・・エンペラー・サンショウウオ・・・名前が明らかにそのままだ!?」
「その前にツナ君。コレ、釣ったっていう事は食べる気なの・・・コレ。」
「まあ、こう見えてレア食材と情報が出ているよ。味は程よい脂が乗った鰻って感じらしいよ。」
「コレが鰻と同じ味って・・・料理されたのを見れば食べられるかもしれないけど・・・原型を見たら、食べた人全員が退くんじゃない・・・」
「うん・・・見た目がヤバい事ととてつもなく強い臭いが出たコレを食う勇気はどうも出ないな・・・」
やっぱりツナ君もコレはさすがに食べる気なんて起きないわよね・・・
「そういえば、オボロは?さすがに帰ったのかな?」
「ううん。私が先、湖に放り出した。だから帰ってないよ。」
「アスナ、何でオボロを湖に放り出したんだ・・・」
「何か私がアンデッド系のモンスターより恐いって、言うからついカッとしちゃって・・・」
「オボロ!!無事なのか!無事だったら、返事をしてくれ!!?」
ツナ君がオボロ君の安否を確かめるかの様に、大声でオボロ君に呼び掛ける。
「ツナ君。メニューでギルドの名簿を見た方が早いわよ。」
「そうだった。よかった、オボロは無事みたいだな。マップで表示された位置データを見るとオボロは今、俺が釣り上げたこの湖の主の腹の中に・・・って、オボロ!?今、助けるぞ!」
ツナ君がオボロ君がこの湖の主の腹の中にいる事を知ると、湖の主の腹を思い切り殴ると、湖の主の口からオボロ君が吐き出された。
「無事でよかったよ、オボロ。」
「兄者、コレが無事に見えるのか・・・」
湖の主の腹の中にいたオボロ君は少し臭うというか、胃液まみれでとにかく凄くクサイ・・・
「オボロ君。お風呂入りなよ、クサイよ。」
「いやいや、そもそもこんな目に有ったのもアンタが原因だろ!」
「うっ。ごめんなさい。でも、良かったわね。無事で・・・」
「全く散々だぜ・・・俺はしばらく、この湖には近付かないからな。」
「オボロ。どうしよう、この湖の主がでかすぎるのかストレージに入らないんだけど・・・」
「兄者、レア食材といえど、ソイツはさすがにリリースしろ!」
「あっ!剣で攻撃したら切身としてアイテムストレージに保存されたよ。」
「そうか・・・まあ、アレを原型で持って来られたら、ギルドホームが崩壊確実だからな。切身になってくれてよかったぜ・・・」
な、何なのこの変な空間は・・・私は只、攻略に参加させようと思ってここに来た筈だったんだけど・・・でも、少し楽しかったかな。オボロ君が食われていたとはいえ、ツナ君と一緒に湖の主を釣り上げた事は無駄な時間では無いと思えた。何か、こんな感じでいると時間がちゃんと進んでいるんだなと思う。第5層でビャクランが言った言葉の意味が少し解った気がする。理由が変なのが、残念だけど・・・とりあえず、私もたまには攻略でも休んでみる事を考えようかな。今日は攻略を休んでツナ君達と一緒に楽しんでみようかな、この世界を。
「ツナ、大変だ!ん、アスナもいたのか。それと、オボロはどうした・・・何かクサイぞ・・・」
「うるせえ!今、風呂に行くとこだ!」
キリト君が慌てた様子でツナ君に駆け寄ってきたけど、どうしたんだろ?オボロ君は、そのままボンゴレのギルドホームに帰って風呂に向かったみたいだけど・・・今はキリト君の話を聞くのが先だね。
「ええと、何かシュールなタイミングで来てしまったみたいだけど、気を取り直して・・・ツナ大変だ!ベラドンナ・リリーのビオキルルという女が第10層のフィールドにいたのを見たんだ!」
「ビオキルルって、あの女か!?」
「それでキリト君。ビオキルルはどうしたの?」
「ビオキルルを見つけたのはいいんだが、俺一人でビオキルルを取り抑えようとも考えたんだが、もしブリガンテス、あの男が現れたら・・・」
「キリト君の言いたい事は解るわ。ブリガンテスが現れたら、今の私達では絶対に勝てない・・・悔しいけど、それは確実な事ね・・・」
「だから、念のために援軍を呼ぼうと思ったんだが、ブリガンテスが現れた場合、勝因が無い。それでブリガンテスが現れた場合を考えると、数では無く実力で何とか倒されずに逃げられる者が適任だと考えた。ツナの実力なら、何とかブリガンテスに倒されずに逃げられるかもしれない。その間に俺がビオキルルが何かをする前に取り抑えるという作戦だ。」
「その作戦だけど、ビオキルルの実力は不明だから私もキリト君に続いた方がいい筈よ。」
「確かにアスナの実力なら、パートナーとして申し分は無いな。ツナ、もしブリガンテスが現れた場合はお前がブリガンテスを引き付けてくれ。その間に俺とアスナでビオキルルを捕縛する!」
「わかった。行こうキリトにアスナ。ベラドンナ・リリーが何を仕出かすか解らないけど、絶対にビオキルルを何とか捕縛して情報を聞き出すんだ!」
私とツナ君にキリト君はベラドンナ・リリーのメンバーの一人、ビオキルルを捕縛する為に第10層に向かった。その前に・・・
「ツナ君、これは返しておくわね。」
「あっ、予備の釣竿。」
「釣りに集中するあまり、私の話を聞かないで私に突き付けていたんだよ。」
「俺、そんなに釣りの時は別人なのか・・・」
「うん、別人だね・・・」
ツナ君に予備の釣竿を返した後に、改めて第10層に向かった。
「いたぞ!ビオキルルだ。」
キリトの言う通りだ。本当に第10層のフィールドのど真ん中にビオキルルが立っている。ビオキルルの前には何か巨大な装置の様な物が置かれている。ビオキルルはそれを起動させたのか、その装置から黒い稲妻の様なモノが出ると空に向かって放たれる。これは何か嫌な予感がする。俺は直ぐにハイパー化し、キリトとアスナと供にビオキルルの前に姿を現す。
「何をする気か知らないが阻止させてもらうぞ、ビオキルル!」
「おや?これは予想外のお客様ね。久しぶりね、ボンゴレの坊や二人と前は頭に血が上ってボスに突っ込んでは返り討ちにされたお嬢ちゃんも!」
「それは挑発のつもりかしら?いくら何でも私はそんな簡単な挑発には乗らないわよ、オバサン!」
「何だと!!?このブスゥ!!」
「いやぁ、何かあなたの方が簡単な挑発に乗せられていますわよ、ビオキルルオバサン!」
「私を怒らせたら、どうなるか思いしらせてやろうかしら・・・」
何かアスナとビオキルルの女の戦いと言えばいいのか、アスナとビオキルルは互いに火花を散らせると供に動いて武器を構えると殺陣が始まる。今の内にあの装置の破壊をするか。あの装置が何なのか解らないが、どうせろくな物では無い筈だ。俺とキリトが装置に近付こうとすると仮面を着けた男デヴォルトが立ちはだかる。
「残念だが、この装置には触らせるなと命令が出されているのでな。」
「デヴォルトと言ったな。まさか、アンタが出てくるとは考えていなかった。てっきりブリガンテスが来ているのかと思っていたんだが・・・」
「黒の剣士よ、残念だがあの方は笑う棺桶と同盟を結ぶ為に交渉に行った為、今この場にはいない。だから俺が代わりにこの装置を守っているのだ。」
「笑う棺桶・・・PoHのギルドと同盟を結ぶだと・・・」
最悪だ・・・ベラドンナ・リリーと笑う棺桶の二つのオレンジギルドが同盟関係になれば、最悪の殺人組織が出来てしまう。それは止められないかもしれないが、何とかこの装置だけでも破壊しないと・・・だが、デヴォルトの実力はかなり高く、スキルの効果なのか素早く武器を入れ替えながら戦い、俺とキリトで二人がかりで戦っているのに全く無駄の無い動きで俺とキリトを翻弄して装置から遠ざけている。
「どうした?二人いて俺を倒せないと言うのか?」
「デヴォルト、あの装置は何だ。あの装置は一体どんなものなんだ!?」
「いいだろう。黒の剣士よ、その質問に答えてやろう。ボンゴレと閃光の娘も耳をかっぽじて聞くがいい。あの装置は意志の改変を行う為のモノだ!」
「意志の改変ですって!?」
「デヴォルト、余計な事を・・・」
「いいではないか。たまには俺にも喋らせろ。あの装置から出る黒い稲妻の様なエネルギーはアインクラッドのシステムに穴を空け、その空いた穴に意志の改変プログラムを加え、そのプログラムでこのゲームにいるプレイヤーの意志を我らが抱くモノに書き換えるのだ!!」
「意志の改変だと・・・」
「そうだ。その意志の改変プログラムが完全にアインクラッド全域に達するには時間を要するが・・・アインクラッド全域に我らの開発した意志改変プログラムが浸透すれば、このゲームにいるプレイヤー全員を我らの思い抱く意志を持つ者へと書き換える事ができるのだ!」
「ふざけるな!そんな野望は俺がぶち壊す!」
「ほう、怒ったか?ボンゴレ十代目。思ったよりは熱い男の様だな。」
「言いたい事はそれだけか?」
「何?」
「そんなふざけた計画、俺が許すとでも思うのか?」
「貴様が許そうが許さなかろうが、我らには関係ない事だ。どうしても止めたければ、俺を倒してみせるがいい!できるものならな!」
「できるさ!見せてやる俺の・・・」
「待て、ツナ!コイツの相手は俺がする。だから、お前は装置を破壊するんだ!」
俺がデヴォルトに更なるとっておきで戦おうとしたら、キリトがデヴォルトの相手を引き受けるという。
「ほう、黒の剣士よ。ボンゴレと二人がかりで俺と戦わなくていいのか?」
「いいさ。できれば使いたくなかった。いくぞ、エクストラスキル二刀流!」
キリトはメニューを開くと、剣を一本取り出し、更に背中の剣を抜くと両手に剣を構える。
「二刀流だと!?バカな・・・俺でも二本の剣を持とうとすれば、システムに阻まれるのだぞ。それなのに何故、貴様は二本の剣を持つ事ができるのだ・・・」
「これがエクストラスキル二刀流だ。習得条件は不明。30層以降に気付けば習得していた。俺でも何で習得できたのか解らないスキルだ。だから、今まで隠していたんだが・・・デヴォルト、お前と対等に戦う為には二刀流を使う必要が有る。お前は全ての武器を扱うんだったよな。なら当然、ソードスキルのほとんどを知り尽くしている筈だ。だからこそ、お前が知らない二刀流を使う事に決めた。」
キリトもユニークスキルを習得していたのか。二刀流か・・・手数が多そうだな。キリトは二本の剣を構えて、デヴォルトに突っ込む。
「いくぞ、二刀流のソードスキル。シャイン・サーキュラー!」
「クッ、見たことが無いスキルである以上、無理に避けようとはせずに防御に移して、次に二刀流のソードスキルの一つが当たらない様になるべきか・・・」
どうやら、デヴォルトはわざと攻撃を受けて今のソードスキルだけでも、見切れる様になる事を選んだのか、キリトの放った二刀流のソードスキル[シャイン・サーキュラー]はデヴォルトを15HITの斬撃で切り続け、デヴォルトに大ダメージを与える。それにデヴォルトに何らかの状態異常を与えたのか、デヴォルトは少し戸惑った様子だ。
「黒の剣士、貴様・・・俺に何をした・・・」
「二刀流のソードスキルの一つ、シャイン・サーキュラーは15HITと驚異的なHIT数を持つ上に、相手を盲目状態にするデバフ効果が有るのさ。これで、デヴォルト。お前の目はしばらくは見えないぜ!」
「己・・・小癪な真似を・・・」
デヴォルトの目が見えなくなった。なら、今が装置を破壊するチャンスだ!
「装置を壊される訳には・・・あの装置はこのSAOの中で8ヶ月もの時間をかけて作った私のペルフェットなプログラムの完成作・・・それを壊させてたまるもんですかぁーー!!?」
「残念だけど、あなたの相手は私よ!ビオキルルのオバサマ!!」
「このアマ!!?・・・いや、今はそれよりも装置を・・・」
「悪いな。ここから先は俺とアスナが足止めさせてもらうから通行止めだ!」
「クッソ・・・このガキ共がぁーーー!!?」
「今だ、ツナ!」
「ビオキルルは私とキリト君が抑えるわ。デヴォルトも目が見えない以上は何もできない筈。ツナ君、今の内に意志の改変なんてふざけた事をする、そんな装置を破壊して!」
「わかった!いくぞ、体術の零距離攻撃スキル、エンブレイザー!」
俺は意志の改変という危険なプログラムを広げる装置に向かって、体術の零距離攻撃スキル[エンブレイザー]をXグローブに炎を纏った状態で繰り出す!俺が装置に炎を纏った手刀で突きを喰らわせると、装置は壊れ、空に向かって放たれていた黒い稲妻の様なモノが放出されなくなった。これでベラドンナ・リリーの計画を阻止できた。だが、装置は壊れた筈なのに未だに動き続けている。黒い稲妻は出ないモノの何か不吉なエネルギーの様な何かの乱れを感じる。
「チッ、装置を破壊されたのは残念だけど・・・その装置を破壊するなら、X BURNERにしとくべきだったわね。早く離れた方がいいわよ、その装置は今ではノイズの発生装置になっているから!」
「不本意だが、退くしかないか・・・黒の剣士よ。決着はいずれつけるぞ・・・」
ビオキルルとデヴォルトは回廊結晶を使ったらしく、何処かに逃げてしまった。
「逃げられたか・・・」
「それよりも、ツナ君。早くその装置から離れて!!」
「アスナの言う通りだ。それはビオキルルの言う通りで、無理矢理に壊したのが原因か解らないが装置に使われているプログラムの形式が乱れたのか、本当にノイズの発生そ・・に・・・なっ・・・!?」
キリトが途中から何を言ってるのかが、聞き取れない・・・どういう事だ?しまった、装置からはノイズが黒いモヤみたいな感じで発生し、装置から出ているノイズが俺を飲み込んでいるのか・・・
「ツ・・ぜっ・・・助・・や・・・」
「そん・・ナく・・!?」
キリトとアスナの声が聞き取れないが、俺を助けようとしている事だけは解る。なら、俺にできる事は只一つ・・・俺はキリトとアスナにメッセージを送った。メッセージの内容は『大丈夫だ。だから、お前達は俺の帰りを信じてくれ』だ。俺はそのメッセージを無事に送れたのかも確認できないまま、ノイズに完全に飲み込まれ意識を失った。
俺とアスナの前でツナは装置から発生した黒いモヤの様なノイズに飲み込まれ、ノイズが消えると装置が有った場所には装置は無く、ツナの姿も無かった。
「ツナ君。何よ、『大丈夫だ。だから、お前達は俺の帰りを信じてくれ』って、何なのよ・・・これじゃ、お別れを言っているものじゃない・・・」
「いや、ツナは死ぬつもりは無い筈だ。これは只、俺とアスナまでがノイズに飲み込まれる事を恐れて、送ったメッセージなんだ。それにツナは死んではいないさ。死んでいたら、ギルドの名簿からツナの名前が消えている筈だ。名簿にはツナの名前が残っている。だから、ツナは死んではいない。只、何処にいるかの情報が表示されないんだけどな・・・」
「そんな!?それは本当にツナ君が生きているのか、どうかも怪しいじゃない・・・」
「ひとまず、黒鉄宮に行こう。あそこなら確実にツナの生死がはっきりする筈だ。」
俺とアスナは第1層の始まりの街に有る黒鉄宮に向かって、ツナの名前を見付けるとツナの名前には線が引かれていないので死んではいない事は確かだ。
「これでツナは生きている事は確かに証明された。只、ツナの居場所が解らないのが問題だ・・・」
「もしかしたら、ノイズのお陰でログアウト出来たりしているのかな・・・」
「いや、どうだろう。いくら何でも、そこまでは上手くいかない筈だ。多分、SAOの中の何処かにいるのかもしれない。」
「そうね。キリト君、ツナ君が不在になった以上はボンゴレの実質的なトップはキリト君になったわ。」
「はっ!?そう言えば、俺って副リーダーだった・・・」
「キリト君、そんなんで副リーダーを今まで、よくやってきたわね・・・」
「ははっ・・・」
「全く、しっかりしなさいよね。今ではキリト君がボンゴレの実質的なトップなんだからね!」
「俺がギルドのトップね・・・俺は集団を引っ張る様な器じゃないぞ・・・」
「という事でしばらくは私がキリト君のサポートをしてあげるわ!」
「いや、有難いんだけど、アスナは血盟騎士団には戻らなくていいのか?」
「団長には話をすれば、直ぐに了解してくれるわよ。」
「そう言えば、アスナには護衛がいたよな?」
「いるけど、無視して放置しておくから大丈夫よ。」
「クラディールが哀れに思えてきたぞ・・・」
「いや、ほっとけばいいから。」
アスナはどれだけ、あの護衛であるクラディールが嫌いなんだ・・・
俺はアスナを連れて、ボンゴレのギルドホームに戻った後に、ボンゴレのメンバー全員にツナがノイズに飲み込まれた後に姿を消した事を説明した。話を聞いたゴクデラは俺に向かって、拳を振りかざすが、その拳は圏内の為に障壁で防がれた。
「キリト!!テメエがいたのに十代目を守れなかったのか!!」
「落ち着け、ゴクデラ!例え、ゴクデラか俺がその場にいたとしても、兄者はキリトとアスナ同様にメッセージを飛ばしてノイズに飲み込まれない様に伝える筈だ。キリトに怒ったって兄者は喜ばないし、それにノイズは俺達ではどうしようもない。だから一旦、頭を冷やしやがれ!」
「ケッ、新参者の分際で・・・生意気なんだよ。ったく、確かにノイズは俺がいても、何もできねえな・・・」
オボロがゴクデラを宥めてくれたが、本当に俺はツナを助ける事ができなかった・・・ツナ、本当に無事なのか・・・
こうして、キリト達はツナ不在の状態でSAOの攻略をする事になった。果たして、ツナは本当に無事なのか・・・
今回の話でギルドホームを手に入れて、釣りを楽しむなど、ツナは楽しくやっていましたが、ベラドンナ・リリーが出た事で事態は急変し、ツナはベラドンナ・リリーの計画は阻止しましたが、ツナはノイズに飲み込まれ、姿を消しました。ツナ不在の間は、キリトがギルド、ボンゴレの実質的なトップになります。果たして、本当にツナは無事なのか・・・
次回はノイズに飲み込まれたツナが、ある場所に飛ばされています。その場所は・・・次回で判明します。