俺とフィリアが入り江エリアの攻略を開始して1週間が過ぎた。入り江エリアの道は水で満たされており、泳いで進もうとするとシステムに阻まれるので、水位を減らす仕掛けを見付けて水位を減らしながら入り江エリアを進んでいたので、思っていた以上に時間が掛かってしまったのだ。まあ、俺とフィリアが実は海水浴を楽しんでいた事や俺が釣りをしていた事も攻略が遅れた理由だけどね。俺が釣りをしている時はまるで別人だとフィリアに言われたけど・・・とりあえずは入り江エリアの攻略は順調に進んでおり、入り江エリアのほぼ全域を捜索できるまでに移動可能となったので、今は入り江エリアのエリアボスを捜索中だ。この1週間で俺の釣りスキルはコンプリートしたので、大物が釣れる確率が上がったので俺は入り江エリアで大物を釣ろうとしたのだが、どうも巨大なサメが釣れたりするので入り江エリアの大物を狙うのは断念した。さてと、入り江エリアのエリアボスを探さないとな。
「ねえ、ツナ。聞きたい事が有るんだけど・・・」
入り江エリアのエリアボスを捜索している中、フィリアが俺に何か聞きたい事が有る様なので答えられる事だったら答える事にした。
「フィリア、聞きたい事って?」
「ツナは本当に私の事を信用しているのよね?」
「何を言っているんだ。勿論、信じているよ。だって、フィリアは大切な仲間だからね。」
「本当に?もし、私がツナを突然裏切る様な事をしたら、その時はどうするの?」
「フィリアが裏切るって・・・あり得ないかな。間違ってもフィリアは人を裏切る様な事はしないと俺は信じているからね。それに裏切る様な事をした時は、何か事情が有るんじゃないかと考えるよ、俺の場合はね。こんな事を聞いてくるなんて、どうしたんだフィリア?」
「別に・・・只、聞いてみたかっただけよ・・・」
フィリアは少し不安がる様な表情をしていたが、少しすると気を持ち直したのか、何時も通りの表情に戻った。フィリアは何で自分が裏切った場合の事を聞いてきたんだ・・・理由は解らないが、フィリアは大切な仲間だ。だから、俺はフィリアの事を信じているんだ。
俺とフィリアは入り江エリアの上部に高くそびえ立つ塔が見えたので、その塔に続いていると思われる洞窟に入った。洞窟は水位が下がった事で探索可能になったものだが、足下には海水が流れているので少し歩きづらい。それでも移動可能なのは有難いので、俺とフィリアは足下に気を付けながら、洞窟の中を進んで行く。しばらく洞窟の中を歩き続けていると、カニ型モンスターの群れが現れたので俺とフィリアは迎撃に移る。
「電撃を放つソードスキルが有れば、この足下の水を伝ってカニ達にダメージを与えられるんだけどな・・・雷属性の炎でも出来るかな?」
「ツナ。こんな水びたしの状態で電撃を放ったら、私達も只じゃ済まないでしょ。それを解って言っているの?」
「済みませんでした・・・俺の考えが浅はかでした・・・」
「本当に普段はダメよね、ツナって・・・略してダメツナかしら。」
久々に言われたよ!?ダメツナって・・・現実ではよくその名前で呼ばれたものだ。うん、現実でのダメライフがフラッシュバックしてくるよ・・・
「ツナ、ゴメン。何か余計な事を言ってしまったわね。」
「気にしなくていいよ。現実ではよく言われていましたから、ダメツナって・・・」
「本当にゴメン・・・現実でそんな屈辱的なアダ名が付けられているとは思っていなかったから・・・」
「もういいよ。ダメツナ呼ばわりされるのは慣れているからさ・・・」
「本当にごめんなさい。ええと、とりあえず今はカニ型モンスターの群れを迎撃しようか。」
「そうだね。じゃあ、いこうかフィリア。」
俺の戦意が少し喪失したが、カニ型モンスターの群れを撃退する為に俺とフィリアは武器を構えるとカニ型モンスターに攻撃を仕掛ける。しばらくして、カニ型モンスターの群れを撃破すると俺とフィリアは洞窟の奥に進んで行く。洞窟を歩き続けて、洞窟の外に出ると俺とフィリアが見た塔の姿が目の前に有った。
「あの塔の中が怪しいな。エリアボスが水中にいる奴では無い事を信じて、あの塔の中を捜索しよう。エリアボスがいる事を信じて・・・」
「そうね。エリアボスが水中にいたら嫌よ。水中戦なんて絶対に出来ないわ・・・」
俺とフィリアが水中にエリアボスがいないでほしい理由は、俺が釣りをしている時に釣り上げたのが巨大なサメだったり、鯨とタコをくっ付けたかの様な謎の生物の姿ばっかり見たからだ。絶対に水中戦だけはやりたくない・・・戦っている時に後者の様なキモい生物の姿は見たくないからな。だから、俺とフィリアはエリアボスが水中にいないと信じて、陸にエリアボスがいてくれる事を信じてエリアボスを捜索しているのだ。
「さてと、塔に入ろうか。エリアボスがいてくれる事を信じて・・・」
「本当にいてほしいわ。間違っても魚介系のエリアボスでは無い事を祈っているわ・・・」
俺とフィリアはエリアボスがいる事を信じて、塔の中に進入した。塔の中には、コボルト系のモンスターの姿が多数見える。コボルトの数が多く、見つかると厄介なので俺とフィリアは出来る限り、コボルトの視界に入らない様にして戦闘を避けながら進んで行く。塔の二階に着くとコボルトの姿が見えないが、死神系のモンスターがさ迷っている。死神系のモンスターはクリティカル率が高いので、数が少ないとは言え、相手をすると厄介なのでコボルト同様に見付からない様に慎重に移動して二階を突破し、三階に上がった。三階に上がると直ぐ目の前に、大きな扉が見えたのでエリアボスがいる事は間違いない。
「フィリア。入り江エリアのエリアボスは塔の中を見る限りでは、コボルト系か死神系のどちらかの筈だよ。」
「コボルト系か死神系のどちらかである可能性が高そうだけど、もしかすると全く別物である可能性も有るわよ。」
「何にせよ、入らないと始まらないね。いこうフィリア!」
「ええ。例え、どんな相手でも私とツナなら勝てるわよね。前回はシヴァに助けられたけど、今回は私とツナの力だけでエリアボスを倒そう!」
俺はハイパー化した後に、フィリアと供に大きな扉を開くとその中へと進入した。
「グルゥアアッーーー!!」
俺とフィリアが入った扉の先には、角を二本生やしている牛の様な頭で藍色の眼を持つ巨大な悪魔の姿だった。その悪魔は両手にそれぞれ大剣を握っており、大剣でキリトが持つユニークスキルである二刀流を扱うエリアボスと見て間違いない。それに相手は悪魔系なので、他にも特殊な攻撃をする可能性も考えられる。確実に強敵だろう。入り江エリアのエリアボスである、あの悪魔の名前はザ・ホロウアイズ。HPゲージは4本と多い。アインクラッドのボスもそろそろホロウアイズと同じ様なHPゲージになっているのかもしれないな。例え、どんな強敵でも俺とフィリアは負ける訳にはいかないんだ!
「フィリア、ホロウアイズは二刀流のソードスキルを扱ってくる筈だ。ホロウアイズがソードスキルを発動しそうになったら、直ぐに回避に移すんだ。二刀流のソードスキルは俺は一つしか見た事が無いから他の二刀流のソードスキルは知らないが、とにかく二刀流はHIT数が多い上に、追加効果も強力と見て間違いない。だから、慎重に動くぞ!」
「了解。」
ホロウアイズは俺とフィリアに突進してくるので、俺とフィリアはホロウアイズの背中を取ろうとしたが、ホロウアイズが放った二刀流のソードスキル[エンド・リボルバー]は自身を回転させて二本の剣で切り裂く技だったらしく、俺は紙一重で避けられたが、フィリアには当たってしまい、フィリアのHPがイエローゾーンになってしまった。
「フィリア。俺がホロウアイズの注意を引く。その間に回復するんだ。」
俺はホロウアイズの注意を引く為に、エクセリオンに炎を付与させて片手剣のソードスキル[ヴォーパル・ストライク]を繰り出して、ホロウアイズの脚に剣を突き刺す。ホロウアイズは脚に痛みを感じながらも、俺を蹴り飛ばそうとしてキックを出してくるが、ソードスキルの使用後硬直がキックが当たる前に解けたのでギリギリで回避すると、そのまま俺は高く跳びホロウアイズの腕の上に乗ると、ホロウアイズの両目をエクセリオンで切りつける。ホロウアイズは両目を攻撃された事で一時的にだが視覚を無くしたので、俺はX BURNERの発射準備を行う。
「オペレーションX!」
『了解シマシタ、ボス。X BURNER発射シークエンスヲ開始シマス。』
フィリアは無事にHPを回復し終えると、ホロウアイズに攻撃を仕掛ける。フィリアは連続で短剣をホロウアイズに切り続け、俺がX BURNERの出力が最大になる前に、フィリアは短剣の最上位ソードスキル[エターナル・サイクロン]を繰り出してホロウアイズにダメージを与えた後に、ソードスキルの使用後硬直が解けたら直ぐにホロウアイズから離れたところで俺はX BURNERを発射する。
『ゲージシンメトリー発射スタンバイ!』
「うおぉ!X BURENR AIR!」
俺が放ったX BURNERはホロウアイズを飲み込み、ホロウアイズに大ダメージを与えるが、ホロウアイズのHPは1本目が無くなっただけで、2本目は極僅かしか減っていないので、ホロウアイズには死ぬ気の炎があまり効果が無い様だ。ホロウアイズの目は回復し、視覚を取り戻すと同時に俺に向かってホロウアイズは二刀流のソードスキル[ナイトメア・レイン]という技を発動させてきたので、俺は何とか避けようとしたが避けきれずに喰らってしまい、俺のHPはレッドゾーンになる手前までにダメージを受けてしまった。
「ツナ下がって!私が何とかホロウアイズの注意を引くから、その間に回復して!」
「わかった。済まない、フィリア・・・」
不甲斐ないが俺はフィリアにホロウアイズの注意を引いて貰っている間に、俺はホロウ・エリアで手に入れたアインクラッドのモノとは違うポーションを飲んでHPを回復する。どうも、ホロウ・エリアで手に入れたポーションはアインクラッドで買えるポーションより飲みづらい・・・味や風味とか、喉越しとかが、どうも俺は苦手だ・・・ポーションを飲み終えて、HPを回復させた俺はフィリアにスイッチを使わせて、フィリアと俺の位置を入れ替える。
「フィリア、スイッチだ!」
「了解!スイッチ!追撃よろしく!」
「ああ!出てこい、ナッツ!」
「ガオ!」
「ナッツ、形態変化!攻撃モード!」
「ガオオォォ!!」
「I世のガントレット!例え、死ぬ気の炎があまり効かなくても、何度も打ち込んで追い詰めるまでだ!ビッグバン・アクセル!」
俺はナッツを形態変化させ、I世のガントレットを装着してビッグバン・アクセルをホロウアイズに放ったが、ホロウアイズに与えたダメージは2本目の2割が減った程度だ。本当に厄介な相手だな。
「まだだ!バーニング・アクセル!」
「私も追撃するわ!」
俺がホロウアイズにバーニング・アクセルを放つと同時に、フィリアは短剣のソードスキル[ファッド・エッジ]を繰り出した。フィリアが放った[ファッド・エッジ]の追加効果でホロウアイズは出血状態になり、これでしばらくはホロウアイズのHPが勝手に減っていく。ホロウアイズは俺とフィリアを同時に葬ろうとしてか、先ほど見せた周りを攻撃する二刀流のソードスキル[エンド・リボルバー]を再び発動させてきたが、俺とフィリアは一度見た技を二度も喰らう訳が無く、今の[エンド・リボルバー]を回避し、ホロウアイズに同時に攻撃を仕掛ける。俺は再びビッグバン・アクセルを放つ。フィリアは短剣のソードスキル[アクセル・レイド]を繰り出した。ホロウアイズのHPは出血状態でのダメージを含めると2本目の5割まで減った。ナッツはガントレットから元の姿に戻ると俺の肩に乗る。
「さすがにしんどいわね・・・」
「俺がもう一度、ヤツの両目を攻撃して視覚を潰してみるか。」
「その方法だと簡単にはいかないでしょ。先のだって、狙ってやった訳じゃないでしょ。」
「そうだが・・・でも、ヤツの視覚を潰すのが最適な手段だと思うが。」
「あのね。エリアボスは他のモンスターとは違うのは解っているでしょ。そう二度も自分の両目を潰される様なヘマはしない筈よ!」
「確かにフィリアの言う事は正論だが・・・それでも、ヤツの両目を攻撃して視覚を潰すのが最適だ。」
「そうね。もし、無理だと思ったら直ぐに諦めなさいよ。」
「わかった。」
俺はホロウアイズの視覚を潰す為に、ホロウアイズの周りをXグローブの推進力で飛び回り、ホロウアイズに攻撃を出す様に誘導させる。ホロウアイズは俺に狙いを付けると二刀流のソードスキル[デプス・インパクト]を繰り出したが、俺は素早く後ろに下がってその攻撃を避けると、ホロウアイズの両目を狙って攻撃しようとしたが、ホロウアイズは口を開くと蒼い炎を吐き、俺はその蒼い炎を受けてしまい、ダメージを受けてしまった。
「しまった・・・」
「だから、言ったのよ!二度も自分の両目を潰される様なヘマはしないって!」
「済まない、フィリア。お前の意見を尊重するべきだったな・・・」
「そんな事を言っている場合じゃないでしょ!早く回復しなさい。私がアイツの注意を引いておくから!」
フィリアはホロウアイズに短剣で切り付けると、ホロウアイズはフィリアに注意を引くと俺はポーションを飲んでHPを回復する。フィリアの言う通りだったな。さすがにエリアボスであるホロウアイズが二度も視覚が潰される様なヘマはしない筈だ。それにしても、フィリアの様子が少し変だったな。どうも、俺が本当に自分を信じてくれているのかという不安を持った表情をしていたからな・・・俺はフィリアの意見を聞かずにホロウアイズの視覚を潰そうとしたからか・・・今はそんな事を考えている場合では無いな。戦いが終わった後にフィリアに謝る事にしよう。
「フィリア。俺は回復し終えた、スイッチだ。」
「了解、スイッチ!気を付けてよ!」
フィリアがスイッチを使い、俺が前に出てフィリアは後退する。俺はホロウアイズに片手剣のソードスキル[ホリゾンタル・スクエア]で攻撃し、ナッツが咆哮で援護してホロウアイズの動きを制限し、ソードスキル使用後硬直が解けたところで俺は再度片手剣のソードスキル[バーチカル・スクエア]でホロウアイズの足下を攻撃した。ホロウアイズのHPは2本目の7割まで減るが、ホロウアイズが反撃として二刀流のソードスキル[インフェルノ・レイド]を発動させると、俺を手にする二本の剣で切り続け、俺のHPは数値が残り一桁になる程のダメージを受けてしまった。
「ツナ・・・下がっていて!もう一度、コイツの注意を引くから!」
「何度も済まない、フィリア・・・」
今回の俺は何度もフィリアに助けられてばかりだな・・・これでは本当にフィリアが自分を信じてくれているのかどうか不安に感じるのは当たり前だよな・・・俺は回復結晶を使って直ぐにHPを完治させると、俺はフィリアの前に出てホロウアイズをエクセリオンで思い切り切りつけた!
「フィリア・・・もしかすると、俺は心のどこかではお前の事を只守る側の者と認識していたのかもしれない。だけど、ここはゲームの中とは言えど戦場だ。お前を守るだけではダメだな。俺とフィリアは互いに、お互いを守りたいと思っていたのにな。それなのに、俺はお前を守りたいという一心でお前を戦わせる事に心のどこかで不安を感じていたんだろう。だから、フィリアに不安を感じさせてしまったのかもしれない。今からはお前の事を守るだけでは無くて、背中を預けられるパートナーとしてお前を信じたい!頼むぞ、フィリア。背中は預けたぞ!」
「ふふっ、了解!今の話、信じているからね!」
俺とフィリアは互いに、お互いを守る為に互いの背中を任せる事にし、ホロウアイズに立ち向かっていく!ホロウアイズは二刀流のソードスキル[ローカス・ヘクセドラ]を放ったが、俺とフィリアは素早く反応してホロウアイズの背中を取ると、俺は片手剣の最上位ソードスキル[ファントム・レイブ]、フィリアは短剣の最上位ソードスキル[エターナル・サイクロン]でホロウアイズの背中を切り裂くと、ホロウアイズは怯み、新たな隙が出たところを俺は片手剣のソードスキル[サベージ・フルクラム]、フィリアは先ほども使った出血状態を付与させる短剣のソードスキル[ファッド・エッジ]を繰り出して、ホロウアイズを攻撃すると、[ファッド・エッジ]の追加効果で再びホロウアイズは出血状態になった上に、今の連続攻撃でホロウアイズのHPは3本目の3割まで減る。ホロウアイズは俺とフィリアを纏めて攻撃しようとして、周りを攻撃する二刀流のソードスキル[エンド・リボルバー]を放つが、その技は完全に見切っているので俺とフィリアには当たらない上に、ソードスキル使用後硬直で動けなくなったところを俺とフィリアは同時に最上位ソードスキルをホロウアイズの足下を狙って放つと、ホロウアイズは足下に与えたダメージが溜まった事で倒れ込み、俺は再びX BURNERを放つ準備をする。
「オペレーションX!フィリア、発射までの間は任せたぞ!」
「任せておいて!」
俺がX BURNERの出力を上げている間にフィリアは倒れているホロウアイズを短剣で連続攻撃をして、ホロウアイズの出血状態が回復したところを見てフィリアは再び短剣のソードスキル[ファッド・エッジ]を発動させて、ホロウアイズを出血状態にする。ホロウアイズが起き上がったタイミングで、X BURNERの出力も最大になったので、俺はフィリアに下がる様に言う。
「フィリア、下がれ!」
「わかったわ。」
「いくぞ、X BURNER!」
俺がX BURNERを放つとホロウアイズは二本の剣を盾にしてダメージを防ごうとした様だが、あまり効果が無く、ホロウアイズは炎に飲まれて大ダメージを受ける。ホロウアイズのHPは出血状態によるダメージも加算して3本目が空となると、4本目の4割まで減る。もう少しで、ホロウアイズを倒せる。だが、ホロウアイズは俺とフィリアを確実に葬ろうとしたのか、今まで無い気迫を出しながら二刀流のソードスキルを放つ。放たれたソードスキルの名前は[ジ・イクリプス]。おそらく、二刀流の最上位ソードスキルだろう。だけど、俺とフィリアは負ける訳にはいかないんだ!
「ナッツ、形態変化!防御モード(モード・ディフェーザ)!」
「ガオオォ!!」
「I世のマント(マンテッロ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)!フィリア、早くこのマントの中に!」
「わかったわ。それで防げるという事を信じるわよ!」
俺はナッツを形態変化させ、I世のマントを纏い、フィリアをマントの中に入れると俺はホロウアイズの攻撃を防ぐ。このマントは大空の炎の特性である調和によって、いかなる攻撃も受け流す防御力を持っている。ホロウアイズの[ジ・イクリプス]はマントのお陰で俺とフィリアに与えたダメージはイエローゾーンになる手前までのダメージで済んだ。ホロウアイズは確実に[ジ・イクリプス]の反動が他のソードスキルより高いのか、全く動ける様な状態では無い。俺とフィリアが攻撃しようとして、近付こうとするとホロウアイズは口から蒼い炎を吐いて近付けない様にしてくる。
「どうやら、アイツも自分が追い詰められている事に気付いている様だな。」
「そうね。あのブレスを吐いて近付けない様にしてくるしね。でも、私とツナなら勝てるわよね!だって、ツナが先言ってたでしょ。私とツナは互いにお互いを守る為に、背中を預けられるパートナーだって!だから、絶対に勝とうよ。私はツナの事を二度と疑ったりしないから。」
「疑う?まさか、誰かに何か吹き込まれたのか?」
「そうよ・・・でも、安心して。例え、ツナが何者であろうと私はツナを信じるって決めたから!」
「そうか。なら、この戦いが終わった後で俺の事を話す事にしよう。フィリアに疑われたくは無いからな。だから頼む、フィリア!俺に力を貸してくれ!」
「当然よ!私とツナは互いに信じ会うパートナーなんだから!」
俺とフィリアが互いに信じる気持ちを見せて、互いに手を合わせると、俺とフィリアに新たな力が入ってくる。
「これは一体・・・だけど、この力を使えばホロウアイズにトドメをさせるかもしれない!」
「そうね。私もそう思うわ!」
俺とフィリアは互いに新たな力を使い、ホロウアイズを倒す決心をし、まずは俺が新たな力を発動させる。
「ナッツ、形態変化!」
「ガウゥ!!」
俺の新たな力はナッツが新たな姿となるものだ。ナッツは俺が手にする剣である天覇剣エクセリオンと合体すると、一本の大きな剣となる。その剣はまるで天使の翼が光るかの様に綺麗な橙色の炎で明るく光っているかの様だった。俺はその剣を手にして、ホロウアイズに突っ込んで行く。ホロウアイズは俺に向けてブレスを吐こうとしたが、フィリアの新たな力でそれは叶わない。フィリアが得た新たな力は、ユニークスキルと思われる手裏剣術だ。その手裏剣術の効果によって、ホロウアイズの動きは止まった。
「手裏剣術のソードスキル、影縛り。このソードスキルを受けたら、動けなくなると見て間違いないわね!」
手裏剣術のソードスキル[影縛り]は、どうやら喰らった相手の動きを封じるモノらしい。敵にすると厄介なモノだが、味方ならこれ程頼もしい存在は無いな。
「ツナ、今よ!」
「ああ。これで決めてみせる!片手剣と死ぬ気スキルの混合ソードスキル、フェニックス・クルセイダー!」
俺は新たな力でエクセリオンと合体し、剣となったナッツで片手剣と死ぬ気スキルの混合ソードスキル[フェニックス・クルセイダー]を繰り出した。この技は名前の通りで、剣に不死鳥が宿ったかの様に炎が纏われ、その剣で相手に突っ込んで相手を焼き斬るという正に死ぬ気の炎とソードスキルが完全に融合したかの様な技だ。その威力は使った俺への反動が高いモノの、ホロウアイズの二本の剣をへし折った上に、ホロウアイズの胴体に大きな風穴が空いた程、尋常では無い威力を誇っていた。ホロウアイズのHPは未だに残っていたが、ホロウアイズは胴体に風穴が空いた事で倒れ、俺とフィリアは倒れたホロウアイズを攻撃して今度こそトドメをさして、ホロウアイズのHPを空にし、ホロウアイズは青く光りながら粒子となり散った。俺とフィリアはホロウアイズを倒せた事を確認してから、俺はハイパー化を解除して互いに力が抜けてその場に倒れ込んだ。
「や、やっと勝てた・・・ここまで厳しい戦いはもううんざりだよ・・・」
「そうね・・・さすがに今の戦いが一番疲れたわ・・・」
「ははっ、そうだね・・・それじゃ、フィリア。俺の話を聞いてくれ。」
「うん。」
俺はフィリアに現実での俺についての話をした。現実ではダメな俺がある日に一人の家庭教師を名乗る赤ん坊の殺し屋リボーンとの出会いから全てが始まった事を。俺がリボーンからイタリア最強のマフィアであるボンゴレファミリーの十代目候補だという事、リボーンとの出会いがきっかけで俺に様々な個性を持った友達や仲間が出来た事。それに黒曜やヴァリアー、未来でのミルフィオーレファミリー、未来から戻った後にデイモンによって仕向けられたシモンファミリーとの戦いやリボーンを含めたアルコバレーノを救う為に虹の代理戦争の出来事など、俺は嘘偽り無く現実での事をフィリアに話した。フィリアは黙って聞いてくれた。フィリアは俺の話を聞いた後に、フィリアは自分に何か有ったのかを話し出した。
「ツナがマフィアのボス候補だという事は解ったわ。でも、やっぱりツナはツナよ。今の話を聞いてもツナは信用できるわ。だから、私も話すわ。このホロウ・エリアで私の前で起きた事についてね。」
「フィリアの前で起きた事か・・・」
「私はツナと出会うより5日前に私はアインクラッドの攻略済みの層で私はトレジャーハントをしていたんだけど、いきなり目の前が真っ暗になって、気付いたらホロウ・エリアにいたわ。私は何が起こったか解らずにいたところで、私の目の前に私が現れたのよ・・・」
「えっ・・・それって、どういう事・・・」
「解らないわ・・・でも、本当に私の前に私がもう一人いたのよ。私は目の前にいたもう一人の私に近付こうとしたら、そのもう一人の私が急に消えて、そしたら私のカーソルがオレンジになっていたの・・・」
「そうだったんだ・・・でも、そのもう一人のフィリアが消えた事でフィリアのカーソルがオレンジになったという事はやっぱりフィリアは人を殺した訳じゃないよ。もしかすると、ホロウ・エリアは元々は俺を含めたプレイヤーの写し見がいたエリアなのかも・・・」
「写し見?」
「そう考えるとフィリアのカーソルがオレンジになった理由としては納得できるんだ。それに、ホロウ・エリアからアインクラッドに、アインクラッドからホロウ・エリアに行けない理由としても納得できるんだ。だって、いきなり目の前にもう一人の自分が現れたら、誰だって戸惑う筈だし、だからアインクラッドとホロウ・エリアは自由に行き行きが出来ないんだと思う。」
「成る程ね。そう考える事も出来るわね。でも、まだ確証は無いでしょ。もしかすると、私がその写し見かもしれないし・・・」
「そんな事は無い。今、俺の前にいるフィリアは本物のフィリアだよ。写し見じゃない、本物のフィリアだよ。だから、フィリアは自分が偽者だと疑うのは止めるんだ!」
「そうね。わかったわ。私は私自身を信じてみるわ!それじゃ、話の続きをするけど・・・先ほどツナが話した未来での戦いで名前が出た幻騎士が私の目の前に出て、私に自分が自由になる為の手伝いをしろとか、ツナの事を信用するなって言ったのよ。」
「幻騎士・・・やっぱりか。だけど、あの幻騎士は何か違和感が有ったんだよな・・・」
「ツナもあの幻騎士を見たの?」
「ああ。あの遺跡の中でね。あの時は違和感の正体が解った後に話そうと思って黙っていたんだけど・・・それがアダになったか・・・」
「そうなの。でも、確かに私が会ったあの幻騎士も何か変だったわ。最初に会った時はノイズで何か変な感じになっていたしね。」
「ノイズ・・・だとしたら、あの幻騎士はやっぱり・・・」
「そうね。ツナの話した事と照らし合わせれば、あの幻騎士はノイズから生まれた幻騎士のコピーかも・・・」
「あり得るな。だと、すればあの幻騎士はアインクラッドに行かせては駄目だ。きっと、何か悪い事しか起きない気がするんだ。」
「私もそう思えてきたわ。ツナ、多分だけど今日の夜に幻騎士が私の前に現れるかもしれないわ。だから、そこで幻騎士を捕まえるのよ。」
「わかった。幻騎士を罠に掛けるんだな。」
俺とフィリアは管理エリアに戻って、幻騎士が来るのを待つ事にした。
ツナとフィリアは管理エリアで眠りに着いていると、幻騎士がフィリアの前に現れると、フィリアは目を覚まして幻騎士に顔を向ける。
「来たわね。待っていたわよ。」
「そうか。その様子だと、答えが出来た様だな。」
「ええ。それじゃ・・・」
フィリアが手を出すと、幻騎士は少し微笑みながらフィリアの手を握ると、フィリアはもう片方の手から短剣を幻騎士に突き付ける。
「あなたをここで捕まえさせてもらうわよ!」
「何!?」
「幻騎士、これがフィリアの答えだ!」
フィリアが短剣を突き付けている間にハイパー化したツナが幻騎士の両腕を掴んで、幻騎士の動きを封じた。
「オノレ・・・オレヲハカッタナ!!」
「なっ!?ノイズが・・・」
幻騎士からノイズが溢れると、ツナは幻騎士の腕を離して、フィリアと供に後退する。
「許さンゾ!貴様ラは絶対ニな!!?」
幻騎士はノイズを出しながら、そう発言した後に姿を消した。
「逃がしたか・・・」
「仕方がないわね。これで幻騎士は私を勧誘する気は無くしたと思うけど、次に会った時は本当に戦う事になるかもしれないわね。」
「ああ。あの幻騎士が本物であろうと偽者だろうと関係ない。奴を野放しにしておく訳にはいかない!」
「そうね。次に会った時こそ、アイツの正体を見抜かないとね!」
俺とフィリアは次に会った時こそは、あの幻騎士の正体を見抜き、企みを阻止しなければいけない。俺とフィリアは幻騎士が本当にいなくなった事を確認してから、本当に眠りに着くのだった。
一方、ツナとフィリアが入り江エリアのボスであるザ・ホロウアイズと戦っていた時のアインクラッドでは、ボンゴレのギルドホームの食堂でテーブルの前に座っているオボロとスワロフスキーことスワロの前に、得体の知れない紫色で蠢く何かが乗せられた皿が置かれていた。
「おい、ビャクラン・・・何だ、コレは・・・」
「何だって、見れば解るでしょ。オボロ君。」
「いや、オボロだけでは無く、俺が見ても解らないわ!何だ、この得体の知れない紫色の物体は!!?」
「スワロ君も解らないのかい。これは僕が作った料理だよ。」
「これのどこが・・・」
「食い物だと言うんだぁーーー!!?」
オボロとスワロは叫んだ。目の前に置かれた物体がどう見ても食い物では無いと。だが、その叫びはビャクランは聞かず、無理矢理オボロとスワロの口にその得体の知れない紫色の物体を突っ込んだ。
「まあまあ食べてよ。料理は見た目より味だって言うでしょ。」
「これは見た目通りだ・・・ガクッ」
「あの時飲まされた謎の液体Xと同類だ・・・ガクッ」
オボロとスワロはビャクランが作り上げた料理(?)が口に入って、直ぐに味(というか威力)を伝えた後に気絶した。
「やっぱり食べなくて正解だったよ。僕もこれは味見したくなかったからね。だって、表示された名前が謎の物体XXXだったからね。」
外道、ここに現れる。ビャクランは自分が味見したくない物をオボロとスワロの二人に味見させたのだった。その様子を影から隠れて見ていたユウキとゴクデラはオボロとスワロの二人に向けて、両手を合わせて心の中で『御愁傷様』と告げた。
「入らなくて良かったよ・・・僕は二人の犠牲を忘れないよ。」
「俺もだ。あの二人はしばらく動けないと思うが、ビャクランには絶対に料理をさせては駄目だな。アイツの料理を食って待っているのは、絶望的な味だ。多分、死神が舌の上で盆踊りかコサックダンスでもしてるかの様な食感だと思うぜ。さてと、ビャクランがいなくなったし、あの二人を部屋に運んで寝かせてやるぞ・・・それが俺達にできる二人への弔いだ。」
ユウキとゴクデラはオボロとスワロをそれぞれの部屋に運んだ後に、第38層の攻略へと向かうのだった。
今回は入り江エリアのエリアボス戦でしたが、今回のエリアボスであるザ・ホロウアイズは原作で出てきたザ・グリームアイズがモデルです。二刀流を扱うという事で強化された個体となっています。その戦いの中で、ツナとフィリアの二人の絆が深まった時、奇跡なのか新たな力を得て勝利しました。ツナはナッツを剣と一体化させて大きな剣にし、死ぬ気の炎とソードスキルを真の意味で融合させた技が使える様になり、フィリアは手裏剣術というユニークスキルを習得しました。手裏剣術のソードスキルは全てが特殊攻撃で状態異常を敵に与えたり、能力を下げると言ったデバフ効果を持ったスキルで、習得条件は見付けた宝箱の数や隠された物を見付けたのが最も多いプレイヤーに与えられるという設定となっています。
そして、ツナはフィリアに現実での自分の事を嘘偽り無く話し、フィリアと供に幻騎士を捕らえようとしましたが失敗してしまいました。次に会う時こそが幻騎士の姿をしたモノとの決戦となるか・・・
次回はホロウ・エリアの真実が解明されます。