今回の話は遂にホロウ・エリアで最後の戦いが開始されます。果たして、ツナにフィリアはハーディスを倒せるのか・・・
ハーディスとの戦いが始めると、ハーディスのHPゲージが表示された。ハーディスのHPは5本。狂ったとは言えど、ホロウ・エリアの最高管理プログラムなので強敵なのは確実だ。俺とフィリアは武器を構えると、ハーディスは巨大な漆黒の剣を召喚するとそれを握り構える。
「では、始めるとしよう!出でよ、我が下部である地獄の番犬兄弟であるケルベロスとオルトロスよ!」
「ガルルゥッ!!」
「ガウウゥッ!!」
ハーディスは首が三つ有る巨大な犬の怪物である黒い体毛のケルベロスと同じく首が三つ有る犬の怪物で茶色い体毛のオルトロスを召喚した。
「ケルベロスは知ってるが、オルトロスは初めて聞いたんだが・・・」
「ツナ、オルトロスはケルベロスの弟よ。二匹揃って地獄の番犬なの。まあ、何故かケルベロスの名前が有名だけどね。」
「そうか。ハーディスの神話上の下部まで再現しているのか・・・茅場昌彦、この二匹だけは召喚できない様にしてくれてもよかったんじゃないか・・・」
「まあ、茅場昌彦の考えなんか解らないし、もしかすると、私達の状況を楽しんでいるのかもしれないわね・・・」
「有り得るな・・・茅場昌彦、アイツはやはり嫌なヤツで間違いない・・・」
「さあ、我が下部であるケルベロスとオルトロスの地獄の番犬兄弟は我を守る為に動く。さて、貴様らはどう動くか見物だな!」
ケルベロスとオルトロスの二匹の地獄の番犬はそれぞれ俺とフィリアの相手をする様に襲い掛かってくる。ケルベロスとオルトロスのHPは1本のみなのでハーディスの下部として存在するだけのモンスターだと考えられる。俺はケルベロスの相手をし、フィリアはオルトロスの相手をする。ケルベロスは俺に三つの首で噛み付こうとしてくるが、俺はイクスセリオンで防ぎ、ケルベロスの首を一つ切り落とした。
「ギャッウ!!?」
「怯んだか。お前の相手をしている暇はない!フェニックス・クルセイダー!」
「ギャオオォォン!!?」
俺は片手剣と死ぬ気の混合ソードスキルである[フェニックス・クルセイダー]を使い、ケルベロスを真っ二つに切り裂くとケルベロスは粒子になり散った。
「アオオォォッン!!?」
フィリアと戦っていたオルトロスは、兄であるケルベロスが倒された事で動揺したのか大きな隙を見せた。
「戦っている時によそ見をするなんて、地獄の番犬の癖に随分と迂闊ね!」
フィリアは短剣の最上位ソードスキル[エターナル・サイクロン]を繰り出して、オルトロス身体を切り裂いていく。オルトロスは切り裂かれながらも、兄の仇討ちの為か俺に向かって炎を吐いてきたが、俺は回避するとオルトロスをイクスセリオンで切り裂いた。
「ギャイイィィン!!?」
オルトロスは断末魔の叫び声を挙げると、粒子となり散った。
「ハーディス、お前が召喚した地獄の番犬二匹は倒した。さあ、今度こそ俺とフィリアと戦ってもらうぞ!」
「何を勘違いしている?我は貴様らが攻撃してこない限り、攻撃はしないだけだ。それに地獄の番犬兄弟は我の意志で何度でも甦るのだ!さあ、再び出でよ、地獄の番犬兄弟よ!」
「アオオォン!!」
ハーディスが指を鳴らすと、今倒したばかりである二匹の地獄の番犬が甦った。
「地獄の番犬二匹は倒しても意味が無いか・・・地獄の番犬二匹の相手はしないで、ハーディスにだけ攻撃を集中させるぞ!」
「そうね。地獄の番犬二匹の相手はするだけ無駄ね・・・ハーディスを倒す事だけに集中しよう。ハーディスを倒せば、地獄の番犬二匹も同時に消える筈だしね。」
「ほう。我に攻撃してくるか。面白い!受けてたとう!喰らうがいい!暗黒剣のソードスキル、ブラッド・エルブレイザー!!」
暗黒剣・・・今亡きアルビートの使っていたユニークスキルをハーディスが使うだと・・・皮肉なモノだが、俺とフィリアは暗黒剣が相手だろうと負ける訳にはいかないんだ!ハーディスが使った暗黒剣のソードスキル[ブラッド・エルブレイザー]は剣から血液の様に真っ赤なオーラが纏われると、剣を振り回して赤いオーラを何本モノの矢として飛ばす遠距離技だ。俺とフィリアはその赤い矢を喰らいながらも、ハーディスの懐に潜り込むと、俺は片手剣と死ぬ気の混合ソードスキル「ホリゾンタル・フィアンマ」、フィリアは短剣のソードスキル[アクセル・レイド]を繰り出した。俺とフィリアの放ったソードスキルを受けたハーディスのHPは俺が大空のエーテルリングを使っていた事も合って、1本目の6割まで減少した。俺とフィリアは急いでポーションを飲んで、今の暗黒剣で減ったHPを回復させる。
「グッ、我に傷を付けるとは思ったよりやる様だな・・・だが、我を倒すなど不可能よ!」
「ギャウィィン!!?」
「アウオォォン!!?」
ハーディスは右手を空中にかざすと、ケルベロスとオルトロスの地獄の番犬二匹がハーディスの右手に吸収されるかの様に取り込まれると、ハーディスのHPが1本目の2割まで回復する。
「自分の仲間を吸収して回復するだと!?」
「それだけでは無いぞ!さあ、我の為に何度も甦れ!」
「アオオォン!!」
「地獄の番犬二匹がまた復活した!?これじゃ、地獄の番犬がいる時はハーディスが好きなタイミングで回復できるって事じゃない!!?」
「そうだ!故に我は無敵なり!」
まさか、ケルベロスとオルトロスを吸収して回復できるとは思っていなかったが、今ので回復できる数値はせいぜい一匹でHPゲージの2割程度だ。回復するにも、ハーディスが手を空中にかざす必要が有るので、吸収される前に地獄の番犬二匹を倒すか、ハーディスの吸収の構えを解かせれば問題は無い筈だ。
「ハーディス、お前は決して無敵では無い。その吸収による回復には時間が掛かる上に、暗黒剣も強力な分、使った後はしばらく発動出来ないからな。」
「確かにな・・・地獄の番犬の吸収には時間が掛かる上に、暗黒剣は威力が高い分、乱発出来ぬからな・・・だが、そのデメリットを打ち消すのが我が最大の能力である透明化よ!」
ハーディスの姿が徐々に見えなくなっていき、ハーディスの姿が俺とフィリアの目には写らない。
「そうだった!?ハーディスの被る兜には透明になる特殊な力が有るって事を忘れていたわ・・・」
「透明化か・・・結構、嫌な能力だな・・・」
「さあ、どうする?透明になった我にどう対応するのだ?」
ハーディスが透明になり、姿が確認出来ない上に、地獄の番犬二匹が俺とフィリアに襲い掛かってくる。地獄の番犬二匹の攻撃を避けると、どこかに潜むハーディスから切り付かれ、俺とフィリアのHPが徐々に減っていく。
「どうしよう・・・透明になった相手には目印みたいなのを付ける事ができればいいんだけど・・・ハーディスがそんな単純な手に引っ掛かる訳が無いわね・・・」
「透明になったハーディスに目印を付けるのは無理だ。なら、ハーディスが透明になる事が出来ない様にするまでだ!フィリア、犬二匹の相手を頼む!」
「随分と地獄の番犬の事を簡略化した呼び方ね・・・わかったわ。地獄の番犬二匹は私が引き付けておくわ。その代わり、絶対にあなたが考えた策を成功させなさいよ!」
フィリアがケルベロスとオルトロスに軽く攻撃して、二匹の注意をフィリアが引いたので、俺は指に填めたリングから炎を周りに少しずつ放つ。これは未来の雲雀さんが幻覚で隠れた相手を探す為に使っていた方法と同じだ。これなら、透明になったハーディスがどこにいるのか解る筈だ。俺はリングから放つ炎に歪みを感じた位置に向かって、片手剣と死ぬ気の混合ソードスキル[フェニックス・クルセイダー]を繰り出すと、透明になっていたハーディスに命中して、ハーディスの鉄兜が割れるとハーディスの素顔が見えた。ハーディスの素顔は藍色の髪で顔は少し大人ランボに似た感じだった。まあ、声も大人ランボに近かったけど・・・今の攻撃でハーディスの鉄兜が割れたので、これでハーディスは透明になる事は出来なくなった。それに、ハーディスのHPは2本目の1割まで減っている。エーテルリングを装備した状態の[フェニックス・クルセイダー]の威力がここまで高いとは・・・ハーディスは鉄兜が割れた事で、少し焦りを感じる表情になっている。
「ハーディス、お前のご自慢の鉄兜は割れたぞ。これで透明になる事は出来なくなったな!」
「小癪な・・・我の兜を割るなど、小後摩しい事よ・・・だが、よかろう!地獄の番犬兄弟よ、引っ込め!」
「ワウウゥッン!!」
「えっ?二匹の地獄の番犬を引っ込めた・・・どういう事なの?」
ハーディスはフィリアと戦っていた地獄の番犬二匹を引っ込める。何故、吸収ではなく、引っ込める様な真似をするんだ・・・
「ハーディス、お前の下部である地獄の番犬二匹を何故、吸収もせずに引っ込める?」
「フフフハハ!!簡単な話だ!我は貴様と一対一の勝負をしたくなっただけよ!だから、誰にも邪魔させん!」
「ど、どういう事・・・何で麻痺状態に・・・」
「フィリア!!?どういう事だ・・・」
「お父さん・・・気をつけて、ハーディスが本気でお父さんだけを倒そうと・・・」
「メトナまで麻痺状態に・・・どういう事だ、ハーディス!!」
「言った筈だ。我は貴様と一対一の勝負をするとな!だから、邪魔が入らぬ様にソコの二人には強制的に麻痺状態させてもらったのだ。安心しろ、これは一対一の勝負をする為にだけしか使用出来ぬ。だから、貴様がいきなり麻痺状態になる事は無い。安心して、我と戦えるぞ!」
ハーディスは俺と一対一の勝負をする為に、フィリアとメトナを強制的に麻痺状態したのか。おそらく、ハーディスか俺のどちらかが倒れるまで二人の強制麻痺は続くだろう。
「ハーディス、お前は俺と戦っている間だけは本当に二人には手を出さないと約束できるか?」
「勿論だ。貴様を我の手で倒すまでは二人には危害は加えぬ。だから、安心して我と一対一で戦え!我は鉄兜を割られる事は無いと思い上がっていたが、貴様はその幻想を簡単に打ち砕いてくれた。だからこそ、貴様とは一対一で誰にも邪魔される事無く戦いたいのだ!」
どうやら、ハーディスは俺と一対一で本当に誰にも邪魔される事無く戦いたい様だな。なら、俺は受けてたつまでだ!
「来い、ハーディス!」
「ならば、遠慮無くいかせてもらうぞ!喰らえ、暗黒剣のソードスキル、カオス・ファンタジスタ!」
「うぉぉ!!片手剣のソードスキル、バーチカル・スクエアに死ぬ気スキルを混合させて強化したソードスキル、バーチカル・フィアンマ!」
ハーディスは暗黒剣のソードスキル[カオス・ファンタジスタ]を繰り出し、俺に向かって紫色の光が集った剣を地面に叩き付けると、地面から紫色の炎が噴き出すと、俺に向かって紫色の炎が飛んでくる。俺はとっさに回避して、片手剣と死ぬ気の混合ソードスキル[バーチカル・フィアンマ]を繰り出した。俺の放つソードスキルがハーディスに命中すると、ハーディスのHPは2本目の5割まで減る。
「面白い・・・この戦いは面白いぞ!!ここまで我の感情が高ぶるとは・・・我は創造主に造られただけのプログラムであったが、こんなに気持ちが高ぶったのは初めてだ!」
「そうか・・・なら、勝手に高ぶっていろ!」
俺はハーディスに向けて、片手剣と死ぬ気の混合ソードスキル[ドラグーン・サラマンデラ]を放つと、炎の龍神がハーディスを飲み込むがハーディスはその炎を力込めて弾きとばす!ハーディスのHPが2本目の8割まで減っているが、ハーディスは暗黒剣のソードスキル[サクリファイス・スクエア]を放ってくるので、俺はイクスセリオンでハーディスの暗黒剣を防ぐと、殺陣が続く。
「やっぱり、面白いぞ・・・この戦いを永遠に続けたいぞ!!」
「残念だがハーディス、俺はこの戦いを永遠に続けたいとは思っていない。それに俺は戦いを楽しいと思った事は一度も無い。」
「そうか・・・残念だ。だが、我はこの戦いを楽しむ事にするぞ!」
ハーディスは戦闘狂なのか・・・ノイズの影響なのか、元々の性分なのか知るよしも無いが、俺はハーディスの戦いを楽しいと感じる考えは理解できない。これが普通のゲームだったら、俺も戦いを楽しいと思ったのかもしれないがな・・・俺がイクスセリオンを思い切り振り上げて、ハーディスを後ろに押し出して殺陣を終わらせると、俺は片手剣の最上位ソードスキルに死ぬ気スキルを混合させて強化させた俺が持つHIT数最大を誇るソードスキル[ファントム・ボルケイノ]を繰り出すと、ハーディスを強大な死ぬ気の炎を纏うイクスセリオンで切り続ける。[ファントム・レイブ]にキックや拳なども混ざった、このソードスキル[ファントム・ボルケイノ]のHIT数は12。[ファントム・レイブ]の2倍のHIT数を誇る。ハーディスは[ファントム・ボルケイノ]を喰らい、HPが3本目の4割まで減る。
「フフフハハハハ!!こ、ここまで追い詰められると逆に清々しいモノだ!もっとだ、もっと我を楽しませろ!」
「ハーディス、俺はお前を楽しませる為に戦っている訳では無い!俺は守りたいモノの為に、守るべきモノの為に戦っているだけだ!」
「構わん!我は貴様が戦う理由が何で有ろうと関係無い!我は戦いを楽しむまでだ!」
本当にハーディスは戦闘狂だな。戦った事が無いからなのか、只の性分なのか知らないが、戦いを楽しむヤツは少し理解に苦しむが、悪い考えでは無いと思えてきた。まあ、本当にこれが普通のゲームだったらの話だけどな。
「さあ、暗黒剣を発動出来る様になった今、我の持つ最大のソードスキルを放つとしよう!」
「暗黒剣の最上位ソードスキルであるファイナル・レターか!!?」
「違う!我が放つはホロウ・エリアでずっとテストされ続けてきたが、その使用を認められずにいた最強クラスの威力を持つ秘奥義よ!」
「秘奥義だと!?」
「本来なら、最上位ソードスキルの更に上を誇る秘奥義ソードスキルの実地を予定していたが、そのあまりにも高過ぎる威力に使ったプレイヤーへの負担が大きい上に実地される事が無かったソードスキル、それが秘奥義ソードスキルだ!暗黒剣は最上位ソードスキルであるファイナル・レターを使っただけでも、その威力の負担で使用者のHPが減る程だが、暗黒剣の秘奥義となると、その威力は我のHPゲージも1本は無くなる程だ。」
「だから、HPに余力が残っている内に使う訳か・・・」
「その通りだ!受けよ、暗黒剣の秘奥義ソードスキル、ジ・エンド・ギャラクシー!!」
「なっ・・・うわあぁぁっ!!?」
ハーディスが放つ暗黒剣の秘奥義ソードスキル[ジ・エンド・ギャラクシー]はまるで星すら切り裂く程の鋭い斬撃で俺を切り裂き、銀河までをも真っ二つに割ってしまうのではないかと思う程の威力を持っていた。その威力は使用者のハーディスのHPを4本目の4割まで減ってしまう程に負担が掛かる技だが、その負担に相当な威力を誇っていた。俺はイクスセリオンで防ごうとしたが、その威力にイクスセリオンは簡単に弾き飛ばされ、俺はハーディスの[ジ・エンド・ギャラクシー]を受けると、俺はその威力でハーディスの玉座まで吹き飛ばされた。俺のHPはかろうじて一桁残っているので、俺は急いで全快結晶を取り出して使用し、HPを完全に回復させると、イクスセリオンを拾って手に握ったが、俺は[ジ・エンド・ギャラクシー]のダメージがHPではなく、身体に残っている為、まともに動くのが難しくなっていた。
「ほう。秘奥義を受けたのに生き残ったか。それにHPを素早く完全に回復させたか。懸命な判断だ。さあ、再び我と戦いを楽しもうではないか!」
「ふざけるな!!一気にこの戦いを終わらせてやる!フェニックス・クルセイダー!!」
俺はハーディスに向けて、[フェニックス・クルセイダー]を放とうとしたが、先ほどの秘奥義によるダメージが身体に残っている為、まともな動きが出来ない為か[フェニックス・クルセイダー]は発動せず、ただハーディスに剣を振りかざしただけだった。ハーディスは俺の攻撃を剣で軽く弾くと、軽蔑した眼差しを俺に向ける。
「ここまでか・・・我の秘奥義を受けた事で、貴様はまともに動く事すら叶わぬか・・・まあ、よかろう。貴様に敬意を表して、せめての慈悲で再び秘奥義を使い、今度こそ葬ってくれよう!ジ・エンド・ギャラクシー!!」
「グワアァァッッ!!?」
「ツナァァ!!?」
「お、お父さん・・・」
俺はハーディスが再び放った暗黒剣の秘奥義ソードスキル[ジ・エンド・ギャラクシー]を喰らい、俺は中枢部の一番奥にまで吹き飛ばされた。その時にフィリアとメトナが叫んでいた様な気がする・・・だけど、もう無理だ。俺には立ち上がる程の気力が無い・・・もう、いい。俺はやれる事はやった。ハーディスのHPは再び秘奥義を使った事で5本目の4割まで減っている筈だ。それぐらいハーディスのHPが減ってさえいれば、フィリア一人でも勝てるだろう・・・眠いな・・・ここまで眠いと思ったのは初めてだな。さっさと眠るとしよう・・・
俺は眠った筈だった。だけど、俺は青空の上にいる。表現がおかしいと思うが、そうとしか言えない。本当に俺は青空の上に浮かぶかの様に立っていた。青空の上に立っていた俺の目の前に大空の炎が大きく燃え上がると、その炎から一人の男が姿を現した。その男はボンゴレI世、そうプリーモだった。
「プリーモ。何故、あなたがここにいる?」
「それはコチラのセリフだ、ボンゴレX世(デーチモ)よ!お前には、お前の帰りを待つ仲間がいるのではないか?それにお前がいなくなると、寂しく思う者もいるのではなかったか!」
「確かに俺には俺の帰りを待つ仲間達がいる。それに俺がいなくなると寂しく思う人もいる。だけど、もう俺には戦う気力が残っていないんだ・・・」
俺はプリーモに戦う気力が残っていないと伝えると、プリーモ以外の声が聞こえる。
「ヌフフ、それは甘えですよ!!沢田綱吉!」
「この声は六道骸・・・いや、デイモンか!?」
「ヌフフ、その通りです。久しぶりと言っておきましょうか。」
プリーモの隣にデイモンは現れた。デイモンは俺に近付くと、俺の胸元を掴んでくる。
「あの時に私は伝えた筈です。ボンゴレの名を汚す様な真似はするなと!エレナの愛したボンゴレの名だけは汚すなと伝えた筈だ!あなたがここで勝手にくたばるなら、それもいいでしょう。ですが、それはボンゴレの名を汚すだけの只の諦めです!沢田綱吉、あなたには愛する人が生きているのに、あなたがいなくなると、その愛する人はどうなるのです!私は愛した者がいなくなる寂しさを知っている!だから、私はあの時まで最強のボンゴレを作ろうと身体が朽ち果てても、他人に憑依してまで、ボンゴレを最強にしようとしていた。だけど、その私の考えはエレナの愛したボンゴレとは違うと気付かせてくれたのは、あなたですよ!あなたがここでくたばるという事は、それすら否定する事になるのです!」
「デイモン・・・すまない、俺は本当はここでくたばる訳にはいかない。だけど、戦う気力が本当に残っていないんだ・・・」
「デイモンよ。その手を離してやれ。後は俺が話して伝える。」
デイモンはプリーモの言葉を聞くと、俺の胸元を掴んでいた手を離すと、プリーモの隣に移動する。
「デーチモよ。お前は本当に戦う気力が残っていないのか?お前の覚悟はその程度では無い筈だ!お前が死ぬ気になり続ける限り、お前の戦う気力が無くなる事は無い筈だ!それにお前は死ぬ気の到達点にまで上り詰めたのだろう。なら、再びその境地に目覚めよ!死ぬ気弾が無くとも、お前が死ぬ気になり続ける限り、それは可能な筈だ!再び、目覚めさせろ!死ぬ気の到達点を!」
「死ぬ気の到達点・・・俺が死ぬ気になり続ける限り、俺の戦う気力は無くなる事は無い・・・そうだったな、プリーモ。俺は諦める訳にはいかないんだ!俺は戦う!本当に俺の命が尽きるまで、俺は何度でも立ち上がる!それが俺の死ぬ気だ!」
「そうだ、デーチモよ。それでいい!」
「ヌフフ、相変わらず二人は青臭い台詞を吐きますね。まあ、いいでしょう。沢田綱吉、その覚悟を無くす事は許しませんよ。その覚悟が無くなった時、今度こそ死んでもらいますからね!」
「ありがとう、プリーモにデイモン。俺は戻る!ハーディスを倒す為に!」
俺はプリーモにデイモンの言葉で再び戦う気力が湧くと、俺の身体の底から力が溢れてくる。すると、この空間が砕けると俺の意識は別の場所へと飛んでいく。
俺は目覚めると、ホロウ・エリアの中枢部の奥にいた。ハーディスのHPは最後の5本目になっているが、その最後の1本は減ってはいなかった。暗黒剣の秘奥義を使ったのに、残っているという事は身体が慣れた事で受ける反動が減っていたと考えられる。俺はハーディスの目の前に移動すると、ハーディスは感心した顔を浮かべる。
「ほう、まだ生きておったか。案外しぶとい男だな!」
「よかった、ツナ。無事だったのね・・・」
「お父さん、心配させないでよ・・・」
「悪かったな、二人供・・・本当に心配を掛けたな・・・」
「ふん、和んでいるところで悪いが、貴様との戦いにも本当に終わらせねばならぬ!貴様はHPを何故、回復させずに我の前に立った?貴様のHPはレッドゾーンの上、本当に極僅かしか残っておらぬではないか!」
「ハーディス。俺は敢えてこの状態で戦う。じゃないと、俺は自分を追い込めない。背水の陣を取る事で俺は俺の身体の底に眠る力を解き放つ!」
俺は死ぬ気の限界を突破させて身体の底に眠る力を解き放つ!すると、俺は虹の代理戦争の時とは違い、死ぬ気の到達点では有るが、全く違う力が目覚める。俺の炎が大空属性のオレンジ色から白い炎へと変わっていく。
「ツナの炎がオレンジ色から白い炎になった!?」
「キレイ・・・」
「貴様が何をしようが我には関係無い!最早、秘奥義は使えぬがこれで終わりだ!喰らえ、暗黒剣のソードスキル、ブラッド・エルブレイザー!!」
ハーディスが暗黒剣のソードスキル[ブラッド・エルブレイザー]を放つと、赤いオーラが数本ものの矢となり、俺に向けて飛んでくると、赤い矢は俺に全て当たったかの様に見えた。
「ツナ!!?」
「お父さん・・・」
「これで終わりだ・・・ナヌッ!!?」
「なるほど、この炎の特性は・・・ハーディス、お前の攻撃は最早、俺に届く事は無い!」
「何を言っておる!」
ハーディスが俺に剣で切り続けてくるが、俺のHPは一向に減る素振りは無かった。
「バカな・・・何故、我の攻撃が効かぬのだ・・・」
「これが俺が目覚めた死ぬ気の到達点で生まれた新たな属性の炎、白夜の炎の力だ!」
「白夜の炎だと・・・新たな属性の炎を生み出すとは・・・その炎の特性は無効で間違いないな・・・」
「ハーディス。残念だが違う。無効には近いが、白夜の炎の特性は正しくはベクトル操作。つまりあらゆる力の向きや位置を操作できる。それにより、俺に対してのお前の攻撃は無効になった訳だ。そして、この白夜の炎の力の恐ろしさは俺に対しての攻撃で受ける筈のダメージを他の相手に反射させる事が可能だという事だ!」
「ナヌッ!!?グワアッァア!!?」
俺は白夜の炎の特性であるベクトル操作により、ハーディスは俺に対して向けた自分の攻撃によるダメージを自分が受ける事になり、HPが5本目の3割まで減る。
「有り得ぬ、こんな一方的な力が有っていい筈が無い・・・」
「確かにそうだな。俺が白夜の炎を使うのはハーディス。お前との戦いの後ではブリガンテスとの戦いだけにするつもりだ。こんな一方的な力は俺もあまり好まないからな。」
どこぞの一方通行さんだと言われそうだしな・・・自分で使っておいて、この力が本当に恐ろしく感じるな・・・まさか、こんな一方的な力を持つ炎が生まれるとは思いもしなかった・・・ハーディスとの戦いを終えた後に使うのは本当にブリガンテスとの戦いの時だけにしよう。こんな一方的な力と戦っていいのは同じように一方的な力を持つ者だけだ。イクスセリオンを構えると、イクスセリオンの炎まで白夜の炎へと変化している。
「ハーディス。最後くらいは白夜の炎でお前の攻撃は無効にせず、反射もしない!だから、お互いに次の一撃でこの戦いを終わらせる事にしよう!」
「よかろう!その炎で我の攻撃を無効にせず、反射もしないと言った事を後悔するがいい!」
「疑わないのか?この力を使う気が有るとか・・・」
「貴様に限って、こんな場面で嘘を吐く筈も無かろう!さあ、決着を着けようではないか!」
「ああ!片手剣と死ぬ気の混合ソードスキル、フェニックス・クルセイダー!!」
「暗黒剣の最上位ソードスキル、ファイナル・レター!!」
俺とハーディスは互いに今使えるソードスキルで威力が高いモノを繰り出した。俺とハーディスの攻撃がぶつかり合い、どちらか力の高いモノがこの戦いの勝者となる。
「うおおぉぉっ!!」
「ハアアァァッ!!」
俺の[フェニックス・クルセイダー]がハーディスの[ファイナル・レター]を押し返すと、ハーディスの剣はポッキリと折れると、俺はそのままハーディスに突っ込んでいき、ハーディスは[フェニックス・クルセイダー]を喰らい、HPが0となった。
「楽しかったぞ・・・我が無くなった後、ホロウ・エリアも1日もしない内に滅ぶであろう・・・去らばだ、高位プレイヤー、ツナよ・・・」
ハーディスは満足げな顔をしながら、粒子となり散っていく。ハーディスは自分が無くなったら、ホロウ・エリアは1日もしない内に滅ぶと言ったので、俺は急いでハーディスの玉座を調べると、システム端末を発見して起動させる。
『高位プレイヤー確認。ご用件は?』
「フィリアのカーソルをオレンジからグリーンに戻せ!それはフィリアがフィリアのホロウデータと会ってしまった事で生まれてしまった誤認だ。だから、フィリアのカーソルをグリーンに戻してくれ!」
『確認中・・・確かにカーソルはこちらの誤認でした。直ちにプレイヤー、フィリアのカーソルをグリーンに戻します。』
フィリアのカーソルはホロウ・エリアのシステムにより、グリーンに戻す事が出来た。
「ふうっ。久しぶりに自分のカーソルがグリーンなのを見るわね・・・」
「そうか。これでフィリア、君を苦しめるモノは無くなった。」
「そうね。ありがとう、ツナ!」
「お母さん、良かったね!お父さんもお疲れ様!」
「本当にお疲れ様。それで、いつまでハイパー化してるつもり・・・それどころか、白夜の炎のままだし・・・」
「そうだな。さっさと、解除するか・・・」
俺はハイパー化を解除すると、炎も白夜の炎から大空の炎に戻り、イクスセリオンはナッツとエクセリオンへと分裂して、ナッツは匣に戻っていく。だが、俺はハイパー化を解除すると、ゲームの中だというのに身体中が筋肉痛の様に軋んで、とんでもない吐き気に目眩や頭痛まで出てくる・・・
「か、身体中が軋む・・・それにとんでもない吐き気に頭痛や目眩まで出てくる・・・」
「そ、それは地獄ね・・・ええと、白夜の炎を使った代償かしら・・・」
「お父さん、私がお薬を作っておくね。」
「いや、いいよ・・・メトナ、その気持ちだけで十分だから・・・」
「そう。でも、心配だから作っておくね!」
後で飲む事になるのか・・・メトナが作った薬は効果こそ抜群だが、味や風味に匂いに見た目がヤバいんだ・・・だから、飲みたくは無いんだが、そんな事は口にして言えないので、覚悟して飲む事にしよう・・・
「ええと、確か疲れをとる薬の材料は・・・この虹色に光るキノコとポイズンスパイダーの卵と・・・」
メトナが薬を作っている様だが、聞く限り材料が口にして平気な物では無かった様に聞こえたんだが、気のせいか・・・
「出来た!お父さん、飲んで飲んで!」
メトナに薬を渡されたが、見た目が本当にヤバい・・・液体の薬なのだろうが半固体でしかも何かの虫の脚みたいなのが見えるし、匂いが火山の硫黄ガスよりも臭く、色も見たことが無い程に黒ずんだ緑色なので、本当に飲んで平気な物なのか疑った・・・
「メトナ、これ本当に飲んで大丈夫なヤツ・・・」
「お父さん、飲まないの?私がせっかく作ったのに、飲まないの?」
「いや、飲まないとは言っていない・・・」
「じゃあ、飲んで!」
「うおおぉぉっ!!」
俺は覚悟を決め、その薬を一気に飲み干した。味や匂いは今まで感じた事が無いモノだったが、疲れだけは本当に取れた。ただし、吐き気に関してだけは悪化したが・・・その素振りだけは絶対に見せない様にした。
「メトナの薬のお陰で疲れは取れたよ・・・本当にありがとう。だから、薬は貰わなくても大丈夫だよ、うん。」
「良かった。また疲れを感じた時にお薬作ってあげるね!」
メトナは笑顔で答えるので、本当の事は言えない。悪気が無い分、文句も言えないので辛いモノだな・・・
「さて、フィリア帰ろうか。アインクラッドに!勿論、メトナも一緒にね!」
「ええ、帰りましょ。アインクラッドに。メトナ、あなたも一緒よ!」
「私もお父さんとお母さんと一緒にいられるんだね!」
「ああ、勿論だよ!フィリア、メトナ。じゃあ、行こうか!去らば、ホロウ・エリア・・・俺とフィリアにメトナの三人をアインクラッドの第27層の街であるリィンベールへ転移してくれ!」
『転移システム起動。高位プレイヤーの要望を承諾し、三人をアインクラッドの第27層の街リィンベールへ転移します!』
俺とフィリアはメトナを連れてこうして、ホロウ・エリアからアインクラッドに戻っていくのであった。ツナ達三人が去った後、滅び行くホロウ・エリアの中枢部にシヴァとゼウスが姿を現した。
「あやつらは行った様だな。」
「そうらしい。彼らはきっと大丈夫だ。私が与えたエーテルリングにシヴァ、あなたが渡したパスラタの模造品もきっと正しく使ってくれる筈だ。」
「うむ。確かにな。それでは、ホロウ・エリアが滅び我らも消える前にゼウス。我は汝に戦いを申し込む!」
「面白い。いいだろう。相手をしよう、シヴァ!相手にとって不足は無し!」
ホロウ・エリアが完全に滅ぶまで雷と炎がぶつかり合っていたというのは別の話・・・
俺とフィリアにメトナはホロウ・エリアの中枢部から無事に転移された様で、第27層の街リィンベールに有る転移門の上に立っていた。
「やっと、帰ってこれたよ。ここが俺のギルドであるボンゴレのギルドホームが有る街リィンベールだよ!」
「景色が綺麗な街ね・・・ツナがギルドホームをこの街に有る建物にした理由も納得ね。」
「そう言ってくれると嬉しいかな。まあ、俺はギルドホームの部屋を1日しか使っていないから、帰ってきたという実感が湧かないかも・・・」
「お父さん、早く行こうよ!お母さんと私を連れて、お父さんの仲間に紹介して。」
「ああ。分かってる。今から行くよ、俺の帰りを待ってくれている仲間達のいるギルドホームへ!」
俺はフィリアとメトナを連れて、ボンゴレのギルドホームである館の前にまで移動する。本当に帰ってきたんだな・・・さて、この扉を開けて最初に言う言葉は決めている。俺はギルドホームの扉を開けて、ボンゴレのギルドホームの中へと入った。すると、俺の姿を見たキリトにゴクデラ君やヤマモトが驚いた様な表情をしていた。本当に長い間心配を掛けさせてしまった様だな。
「ツナなのか!!?」
「十代目・・・やっと帰ってきてくれましたか・・・」
「ツナ。お前の帰りを攻略組のメンバーやボンゴレのメンバーの誰もが待っていたんだぜ!」
「すまない、皆。そして、言わせてくれ。皆、ただいま!」
俺は只今と告げた後に、ボンゴレのメンバー全員にフィリアとメトナの事を紹介した。そして、ホロウ・エリアでの冒険の事も。ボンゴレのメンバーは俺がいない間にも増えた様で知らない顔の者が何人かいたが、誰もが俺の話を聞いてくれていた。こうしていると、俺は本当に帰ってきたんだと実感が湧いた。
そして、その後に攻略組のメンバーにも俺が帰ってきた事は伝えられて、フィリアとメトナの事も紹介された。それと攻略も第50層にまで到達したと聞いたので、第50層のボスを倒せば、SAOクリアまで残り半分となると分かった。その日の夜、俺はやっと初めてボンゴレのギルドホームの自室で眠りに着くのであった。
今回の話ではハーディスとの戦いが描かれましたが、ハーディスは下部である地獄の番犬として有名なケルベロスとケルベロスと同じ地獄の番犬でケルベロスの弟であるオルトロスを召喚しました。ケルベロスは知名度が高いのに、弟であるオルトロスは知名度が低いのですが、何故でしょうか?
ハーディスとの戦いは途中からツナと一対一の戦いとなりましたが、ハーディスが最早、只の戦闘狂いになっていましたね・・・私の方でも何故、こうなったのか解りません・・・
ハーディスとの戦いで見せたツナの新たな力である白夜の炎は、ベクトル操作という特性で正に無敵に近い力ですが、代償として使った後は身体中が筋肉痛で軋み、とんでもない吐き気に頭痛に目眩が襲ってきます。その為、ツナが白夜の炎を使う相手は同じく一方的な力を持つ相手にだけとなります。次に使うのはブリガンテスとなるでしょう。ってか、どこぞの一方通行の人と同じ能力を持つ炎に目覚めたものですね・・・
そして、アインクラッドに戻ったツナは仲間達にフィリアとメトナを紹介した後にその日の夜、直ぐに眠りに着きました。ツナは頑張ったので、本当に眠かったんでしょう。
次回は第50層到達兼ツナ帰還記念パーティーとなります。ギャグ多めになる事で間違いないかな?