ボンゴレ十代目のSAO   作:ロナード

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今回は圏内殺人事件の話を元にした話となります。結構、試行錯誤した話です。


第35話 負の連鎖を断ち切る為に

ヒースクリフが茅場昌彦だと判明し、ヒースクリフが姿を消して3ヶ月は経過し、現在62層の攻略を開始している。今、俺はある街の目立たない宿屋の中で黄金林檎というギルドのメンバーの一人であるシュミットという大鎧を纏い大盾と長槍を持つ少しゴッツイ感じの男性プレイヤーの話を聞いていた。

 

「ええと、シュミットさんでしたっけ?俺にどんな話が有るんですか?」

 

「あんたがツナか。思ったイメージと違って、気弱そうな感じだな。攻略組最強のギルド、ボンゴレのリーダーだから、ゴッツイ奴がリーダーなのかと思っていたんだが・・・」

 

「イメージ通りじゃなくて悪かったな・・・」

 

「いや、すまない。俺の勝手なイメージを押し付ける気は無かったんだ。おっと、話というのはな、俺は怖いんだ・・・このSAOではHPが0になれば死ぬというこのゲームで生きていくのが怖いんだ・・・俺はこう見えて臆病で情けない人間なんだ。口が悪いだけで、心の中では常に恐怖で埋め尽くされているんだ・・・どうすれば、俺の恐怖の感情を無くせるんだ。あんたの様に戦う勇気を持てるんだ!」

 

「シュミットさん。俺はあなたが思う様な強い人間じゃないよ。俺だって、恐怖を感じているんだ。シュミットさんと同じでHPが0になれば死ぬという世界の中にいる事に恐怖は感じているんだ。でも、それは攻略組のメンバーも同じなんだ。皆は死ぬのが怖いけど、現実に帰る為に皆は死の恐怖とも戦いながら、攻略に励んでいるんだ。シュミットさん、俺にはあなたがどれだけの恐怖を感じているかまでは解らない。だけど、その恐怖に立ち向かえるのは自分だけなんだ!勇気を出して、自分の意志でその恐怖に打ち勝たないと意味は無いんだ。だから、シュミットさんの恐怖はシュミットさんの意志でしか消せないんだ。ごめん、俺はこんなアドバイスしか出来ない。」

 

「そうか。死への恐怖に打ち勝てるのは俺自身だけか。わかった。俺はこの恐怖と戦って勝てみせる。だから、俺が死への恐怖に勝った時、俺は攻略組に入ろうと思う。その時まで、黄金林檎が攻略組に入っていればの話になるけどな。」

 

「シュミットさんが攻略組に来る日を楽しみにしているよ。それよりも、黄金林檎はどういうギルドなの?」

 

「黄金林檎はグリセルダという女性がリーダーをやっていてな、グリセルダさんはグリムロックという男性プレイヤーとゲーム開始から直ぐに結婚している。どうも、少し前に酒でほろ酔い状態だったグリセルダさん本人から聞いた話によれば、現実の方でも夫婦だったらしいからな、このSAOで結婚しても当たり前という感じだな。そう言えば、あんたも結婚してるらしいな。モテる様だな、攻略組最強の男は・・・」

 

「そんな事無いよ。俺はSAOの中でバレンタインデーの日に貰ったチョコは彼女に会って初めて貰ったしね・・・」

 

「そうだったのか・・・すまん、俺が勝手に僻んでいただけの様だな・・・」

 

「慰めないでほしい・・・逆に惨めに思えてくるから・・・」

 

「本当にすまん・・・だけど、お陰であんたとは仲良く出来そうに思えてきた。話を戻すぞ。グリセルダさんは本当に優しくて立派な女性でな、グリセルダさんといると少しだけど、俺は恐怖が薄まるんだ。それにグリセルダさんは黄金林檎が攻略組に参加出来る様になる為にレベル上げを頑張っているんだ。俺も一応、グリセルダさんの意志に従ってレベル上げをしている。他のプレイヤーもだ。グリセルダさんは賢くて強い人だ。まあ、中層のプレイヤーの中ではだけどな。」

 

「そうなんだ。グリセルダさん率いる黄金林檎は攻略組に入ろうと努力をしているんだね。ええと、そう言えばグリセルダさんの夫であるグリムロックという人はどうなの?」

 

「グリムロックははっきり言うと、俺よりチキン野郎だ。」

 

「ばっさりと言うんだね・・・」

 

「本当の事だからな。グリムロックは俺以上にこのゲームの世界に恐怖を感じていてな、本来なら夫としてグリセルダさんを支える立場なのに、逆にグリセルダさんに支えられている様な感じだ。グリセルダさんはレベル上げをして、黄金林檎が攻略組に入れる様に頑張っているのに対し、グリムロックは怯えて引きこもって戦う意志は見えない。正直言って、グリセルダさんの夫である資格は本当に有るのか疑問に思えてくる。それが俺のグリムロックに対してのイメージだ。」

 

「グリムロックという人もいざというときはグリセルダさんの為に戦うと思うよ。だって、現実の方でも夫婦なんだから、妻を守ろうとする意志ぐらいは持っている筈だし・・・」

 

「俺はどうも、そう思えない。あんたはグリムロックを知らないからそう思えるだけなんだ。俺は見てしまった・・・あれが幻覚が目の錯覚で有ってほしいとは思っているのだが・・・」

 

「見たって何を?」

 

「聞いてくるのか・・・これは俺の心の中にだけ閉まっておこうと思っていたんだが、後から後悔する事になってからでは遅いしな。話す事にしよう。」

 

シュミットさんは少し思い詰めた表情をするので、話す内容がただ事では無いと顔を見ても解る。俺はシュミットさんの話を聞く。

 

「実は少し前にな、グリセルダさんは強力な効果を持つレアアイテムの指輪を手に入れたんだ。おっと、匣を開ける様なリングとは別物だぞ。装備して能力を得るアクセサリー系の防具の指輪だ。グリセルダさんが手に入れた指輪は黄金林檎のメンバー達と相談して、黄金林檎のメンバーが使うのか、売ってお金に換えるのか多数決で決める事にした。俺は売るのに反対したんだが、売るのに反対したのは俺を含めて3人だけだった。よって、多数決の結果として指輪は売る事になったんだが・・・その後が問題だったんだ・・・」

 

「指輪を売る事になった後に問題?」

 

「ああ。俺は見てしまったと同時に聞いてしまった。グリムロックがローブを纏った男にグリセルダさんを殺す様に依頼をしているところをな・・・」

 

「な、何だって!!?グリムロックが妻であるグリセルダさんを殺す様に依頼したって・・・何かの間違いや冗談じゃ・・・」

 

「俺だって最初はそう思ったさ!だけど、グリムロックに確認して、それが本当だとしたら・・・俺は口封じの為に殺されるかもしれないという恐怖を感じてグリムロックに聞いて確認する勇気が出なかった・・・それにグリセルダさんはグリムロックを本当に信頼しているんだ・・・グリセルダさんにグリムロックが殺しの依頼をしたと話しても絶対に信じてくれないし、他の黄金林檎のメンバーも同様だ。それに、グリムロックが殺しを依頼してた男は笑う棺桶のリーダーであるPoHなんだ・・・」

 

「PoHだって!!?」

 

「やっぱり、知ってるか。PoHはオレンジギルドである笑う棺桶のリーダーで殺しを楽しむ残虐な性格の持ち主だ。そんな奴に依頼したところを見たって、バレたら俺は殺されるんじゃないかと恐怖を感じてしまい、俺はこの出来事を全て俺の心の中だけに閉まっておく事にしたんだ・・・でも、あんたには話してしまったがな。」

 

「本当に心の中に閉まっていたんだね・・・」

 

「だけど、お陰で少しは楽になった。話を聞いてくれてありがとう。俺は黄金林檎のメンバーだ。リーダーであるグリセルダさんが殺されるのだけは、やっぱり見過ごせない!だから、俺はグリセルダさんを助けに向かう。グリムロックはグリセルダさんを殺すタイミングは指輪を売りに行った時と依頼していた。指輪を売るのは明日の朝方だ。俺はグリセルダさんにバレない様にして、グリセルダさんの後を付いていき、グリセルダさんを守ってみせる。怖いけどな・・・」

 

「シュミットさん。俺もいくよ!俺もシュミットさんと一緒にグリセルダさんを守るよ。それに一人でいるよりもシュミットさんの恐怖が薄まるかなと思ってね。だから、俺もいくよ。」

 

「協力感謝する。ツナ、あんたには本当に迷惑を掛ける事になってしまったな。だけど、頼む!俺に力を貸してくれ!俺と一緒にグリセルダさんを守ってほしい!そして、グリムロックの目を覚ましてほしいんだ!今なら少し解る。グリムロックは恐怖のあまり、狂った道に進んでしまった事にな。その踏み外した道から、グリムロックを引きずり戻せるのは、あんたかもしれない!」

 

「わかった。グリセルダさんを助けて、グリムロックの目も覚まさせよう!」

 

俺とシュミットさんはグリセルダさんを守る為に移動を開始して、翌朝に指輪を売りにいく為にグリセルダさんが宿泊している宿が有る街に有る目立たない宿に泊まった。後、念のためにボンゴレのメンバーに連絡をして応援を呼んでおこう。

 

 

翌朝、俺とシュミットさんはグリセルダさんを探すと、シュミットさんがグリセルダさんの姿を発見した様だ。

 

「いたぞ、グリセルダさんだ。」

 

「あの人がグリセルダさんか。聞いた話の通りで優しそうな人だね。」

 

「だろ。そんなグリセルダさんを守る為に、グリセルダさんに気付かれない様にグリセルダさんの後に付いていくぞ。そして、グリムロックの依頼を受けたPoHを撃退してグリセルダさんを助けるぞ!」

 

俺とシュミットさんはグリセルダさんの後に気付かれない様に付いていくと、グリセルダさんは指輪を売る場所に向かう為に街の外に出ようとしているが、俺は外に誰かがグリセルダさんを待ち伏せしていた事に気付いた。グリセルダさんが街の外に出ると、待ち伏せしていた者がグリセルダさんに刃を向けたので、俺は急いでハイパー化し、グリセルダさんを切ろうとして振られた刃を弾いた。

 

「えっ!?な、何事です・・・」

 

「間に合った様だな・・・俺はボンゴレのリーダーであるツナという。グリセルダ、気を付けろ!この男はあなたを殺す為に雇われたプレイヤーだ!そうだろ、PoH!」

 

「Wow!久しぶりじゃないか、小僧。随分と雰囲気が変わったじゃねえか。」

 

「PoHですって・・・あの、殺人ギルドのリーダーであるあのPoHが私を殺す為に雇われた・・・一体、誰が何のために・・・」

 

「グリセルダさん、無事で何よりです。」

 

「シュミット!これは一体どういう事でしょうか・・・誰が何のために私を殺そうと・・・それに何故、攻略組のトップであるギルドのリーダーのツナがいるのですか?」

 

「すみませんが、話は後です。ツナ、彼については俺の話を聞いて協力してくれているというところです。」

 

「グリセルダ、シュミットの言う通りだ。話は後でする。だから、安全な場所に逃げてくれ!シュミット、グリセルダを早く街の中に・・・」

 

俺がシュミットさんにグリセルダさんを安全地帯である街の中に連れて行く様に言ったのだが、シュミットさんとグリセルダさんが街に入れない様に道を防ぐ者が二人いた。一人は骸骨のフェイスマスクを被っており、そのマスクの目が赤く不気味に光るエストックを構えた男と、もう一人は一見、体格が低めで子供っぽい姿をしているがどこか油断出来ない雰囲気を放つ小柄な男が短剣を手にして立ち塞がっていた。

 

「無駄だ。諦めろ、逃げ道は、防いだ。潔く、死ぬが、いい!」

 

「っていう事だ。さっさと、俺達に殺されな!」

 

骸骨のフェイスマスクの男は本当に人間か?超直感が働くから人間で間違いないんだろうが、どうも喋る度にマスクの目が赤く光るし、片言ずつ喋るのでロボットではないかと一瞬、疑ってしまった・・・で、もう一人の方は見掛け通りだったな。喋り方も子供っぽい感じだな。

 

「クソ、グリセルダさん。俺がこの二人を抑えます。その間にグリセルダさんは早く街の中に・・・」

 

「シュミット、何を言うのですか!!?私を助ける為に、あなたが囮になるのは私が納得できません!」

 

「美しき絆じゃん。まあ、それも今すぐに無になるんだけどな!この俺、ジョニー・ブラックと相棒の赤目のザザの手によってな!」

 

「そう、らしい。ジョニーと、相棒か、どうかは、ともかく、その女が、俺達に、よって、殺される、運命からは、逃れられぬ!」

 

「コイツ、本当に人間か・・・実はマスクの下が機械だとかでSF映画みたいな感じになっているんじゃないか・・・」

 

シュミット、お前もそう思うのか・・・小柄な男がジョニー・ブラック、骸骨のフェイスマスクを被ったロボットっぽい喋り方の奴が赤目のザザ・・・赤目のザザは本当に人間か・・・よくあんな片言ずつ、喋られるものだな。

 

「俺は、れっきとした、人間だ!どんな、喋り方、だろうと、俺の、勝手だ!」

 

「まあ、コイツの喋り方を気にしてる暇が有るなら、先に自分達の身を心配しな!」

 

とにかく、この二人も何とかしないとグリセルダさんの安全は保証出来ないな。

 

「Wow。ボンゴレのリーダー様は俺が相手するからよぉ、お前らはさっさとその女を殺して依頼を終わらせな!邪魔だったら、その男を殺しても構わねえ!」

 

「了解!標的の、始末を、開始、する!」

 

「解ってるぜ、ヘッド!殺されたくなきゃ、どきなデカブツ!さっさと、その女から離れるか、それともその女と一緒に殺されるかのどちらかを選択しな!」

 

「ふざけるな!俺は臆病者だが、ここで逃げたら一生後悔してしまう。だから、俺は逃げない!俺はグリセルダさんを無事に黄金林檎の仲間達の本まで無事に帰れる様に守る!」

 

「シュミット、あなたがそこまで強く出るなんて・・・いつの間にか成長していたのですね・・・」

 

「グリセルダさん。俺はツナのお陰で少し勇気が出せる様になっただけです。俺は未だに臆病者です。だけど、俺は自分が死ぬのと同じ様にグリセルダさんや黄金林檎の仲間が死ぬのも怖いんです。だから、俺は勇気を出してこの二人と戦う!ツナ、PoHの相手はあんたに任せる。俺はこの骸骨ロボット野郎にガキっぽい奴の相手をする!」

 

「だから、俺は、れっきとした、人間だ!決して、ロボット、では、無い!」

 

「俺はガキっぽいと言われても別に気にしねえけど、相棒。お前はそう思われたくなきゃ、話し方を変えろ。本当にロボットみてえだぞ。」

 

「ジョニー、貴様も、そう、思って、いたのか!」

 

「隙を見せたな!」

 

シュミットが赤目のザザとジョニー・ブラックの二人に向かって槍を振り回して、赤目のザザとジョニー・ブラックを翻弄するが、赤目のザザとジョニー・ブラックはシュミットの攻撃を簡単に避けながら、シュミットに攻撃していく。シュミットは防御力が高いので二人の攻撃を受けてもしばらくは大丈夫だろう。俺はPoHに視線を向けると、PoHは口を開く。

 

「What。おいおい、お前はあのデカブツがあの二人の相手になるとでも思っているのかよ?あのデカブツは防御力だけは攻略組のメンバーに匹敵するだろうが、いつまでも耐えきれると思ったら大間違いだぜ!」

 

「確かにシュミットだけでは部が悪いな。シュミット一人だけならな。」

 

「何?」

 

「残念ながら、PoH。あの二人の相手はシュミットだけじゃない!」

 

PoHはシュミットと戦っている赤目のザザとジョニー・ブラックの方を見ると、シュミットに向けられた赤目のザザとジョニー・ブラックの攻撃はキリトとヤマモトによって防がれた。

 

「悪いが、お前達の邪魔をさせてもらうぜ!」

 

「助っ人登場!シュミットっつたけ?ここは俺とキリトが何とかするから、その人を連れて早く街に避難しな!」

 

「すまない!いこう、グリセルダさん。コイツらなら大丈夫です。きっと無事に終わらせてくれる筈です。」

 

「そうね。解りましたわ、シュミット。あなた達にはとんだ迷惑を掛ける事になってしまいましたが、お気をつけください。」

 

シュミットさんはグリセルダさんを連れて、街の中に入っていた。これでひとまずは、グリセルダさんの安全は確保された筈だ。

 

「PoH、グリセルダは街に戻っていた。依頼は失敗に終わったがどうするんだ?」

 

「Wow。標的に逃げられたからには、まあ、仕方ないな。今回の依頼主がまた頼んだ時には今度こそ殺す事にして・・・それよりも、今はお前とこうして再び殺し会える機会が出来た事に感謝だぜ!さあ、依頼の邪魔をしてくれたからには相手してくれるよな?って事でいくぜ!イッツ、ショ~タイム!」

 

「結局、お前とは戦うのか。いいだろうPoH。今ここでお前を倒して牢獄に送ってやろう!」

 

「How?やってみな!」

 

PoHは包丁の様な短剣を構えると、俺とPoHの戦いが開始したと同時にキリトは赤目のザザ、ヤマモトはジョニー・ブラックとの戦いを開始していた。

 

 

 

「喰らいな、俺の麻痺毒効果を持ったダガーをな!」

 

「おっと、甘いぜ!時雨蒼燕流 守式四の型 五風十雨!」

 

ヤマモトはジョニー・ブラックの攻撃を相手の視線や息づかい等を見て相手の動きを先読みして、攻撃を避ける時雨蒼燕流の守式四の型である五風十雨を使い、ジョニー・ブラックの攻撃を全て回避した。

 

「な、何で俺の攻撃が当たらないんだよ!!?」

 

「今の五風十雨はな、相手の息づかいや視線等を見て相手の動きを先読みして回避行動に移る時雨蒼燕流の技の一つな。ジョージ・ブラン、お前の動きは読みやすいから簡単に避けられるぜ!」

 

「簡単に避けられるだと・・・ふざけるな!!ってか、名前を間違えるんじゃねえよ!!?俺の名前はジョニー・ブラックだ!!」

 

「おっと、そうだったのか。こりゃ悪かった。まあ、悪党の名前を正確に覚える必要は無いし、別にいいだろ。」

 

「よくねえよ!?何を言ってやがるんだ、テメエ!!俺の名前はちゃんと覚えておけよ!」

 

ジョニー・ブラックが少しイラつきながら、ヤマモトにダガーで斬り掛かってくるが、ヤマモトはジョニー・ブラックの攻撃をまたもや簡単に避ける。

 

「ああ。お前の名前は覚えたぜ、ジョセフ・ジョースターだろ?」

 

「それはジョジョの主人公の二代目か三代目の名前だろうが!!?俺の名前はジョニー・ブラックだ!!それどころか、先ほどの間違いの方がまだ近いじゃねえか!!こっちに限っては最初の『ジョ』の文字しか合ってねえじゃねえか!?いい加減に覚えやがれ!ってか、お前わざと間違えてるだろ!!」

 

「じゃあ、決着を点けようぜ!ジョン・ブラウニー!」

 

「然り気無くスルーしやがったな・・・しかも、まだ間違えていやがるし・・・まあ、いい。この怒りを込めてテメエの頭を斬り落としてやるよ!!」

 

ジョニー・ブラックはヤマモトに向かって、短剣の最上位ソードスキル[エターナル・サイクロン]を放ったが、ヤマモトはジョニー・ブラックの動きを読んで回避するとカウンターを仕掛ける。

 

「だから、言っただろ。お前の動きは読みやすいってな!時雨蒼燕流 攻式八の型 篠の突く雨!」

 

「クッソ・・・この俺が・・・こんな天然野郎に・・・覚えていやがれ!!」

 

ヤマモトの繰り出した時雨蒼燕流の攻式八の型である篠の突く雨を喰らったジョニー・ブラックは自分の敗北を認めたくなかったのか、転移結晶を使い、どこかに去っていた。

 

「逃がしてしまったか・・・ジョーカー・ブラッドだけ?アイツ、凄い怒っていたな・・・何でだ?」

 

ヤマモトは最後までジョニー・ブラックの名前を間違えて覚えていたのであった。

 

 

 

一方、キリトと赤目のザザとの戦いはお互いに互角で実力が均等しており、決着が点くのが長くなりそうに思えた。

 

「ほう、さすがは、黒の剣士。その、実力、まさしく、噂に、偽り無し、だな。俺の、一番、気に入った、エストックを、簡単に、弾くとは、その、黒い剣は、相当な、レアモノで、間違い、ないな?」

 

「ご名答。これは黒の片手剣、エリュシデータだ。第50層のボスのLAボーナスで手に入った武器で、第50層のLAボーナスだけ有って、その威力や切れ味は他の剣とは比べ物にならない程の魔剣クラスの代物さ。」

 

「そうか。俺が、勝ったら、その剣は、貰うぞ!俺は、今まで、殺した、プレイヤーの、武器を、コレクション、している。その剣は、俺の、一番の、コレクションに、なるだろう。」

 

「残念だが、コイツを簡単にくれる訳にはいかないんでね。それにお前に殺される訳にもいかないんだ。だから、そろそろ本気を出させてもらうぜ!」

 

キリトは赤目のザザを剣で強引に押し出して、距離を取るとメニューを開いてもう一本剣を取り出すと両手にそれぞれ剣を握って、二刀流の構えを取る。

 

「エクストラスキル、二刀流!ここからが本番だぜ、赤目のザザ!」

 

「それが、噂に、聞く、二刀流か。面白い、掛かって、くるが、いい!」

 

「じゃあ、遠慮無くいくぜ!二刀流のソードスキル、インフェルノ・レイド!」

 

キリトは二刀流のソードスキル[インフェルノ・レイド]を繰り出すと、赤目のザザはエストックでキリトの攻撃を防ごうとしたが、エストックはキリトのソードスキルの威力により、簡単に折れ、赤目のザザの胴体を切り裂いた。

 

「俺の、エストックが、折れただと!!?これが、二刀流の、威力か・・・」

 

「これでお前の武器は破壊した。さあ、どうする?新たに剣を取り出して、このまま戦いを続けるのか、それとも牢獄に送られるか選ばせてやる!」

 

「牢獄に、送られるのは、ごめんだが、戦いの、続きは、歓迎、なのだが、残念だが、今は、退かせて、もらうぞ!」

 

赤目のザザは転移結晶を使い、どこかに去っていく。

 

「逃げやがったか・・・赤目のザザ、何故だか知らないが、アイツとは長く因縁が続く気がしてくるな・・・」

 

キリトは赤目のザザとの因縁が長く続く気がしたという。

 

 

 

「さあ、おっ始めようぜ!俺とテメエとの楽しい殺し合いをな!」

 

「俺はお前を倒して牢獄に送るまでだ!」

 

「Bud!まだ、そんな甘い戯れ言をほざいていやがるのか・・・相変わらず、甘い小僧だな。まあ、いいか。カモン、エドガー!」

 

「GAOOOO!!」

 

PoHは匣を開口して黒い天空ライオンであるエドガーを呼び出した。

 

「エドガー、そのガキを食い殺しな!」

 

「Gaaaa!!」

 

エドガーはPoHの命令を聞いて、俺に噛み付いてくるが俺はエクセリオンでエドガーの噛み付きを防ぐと、エドガーを無力化する為にあの技を使う。

 

「PoH、残念だがエドガーの動きはこの技で再び封じさせてもらうぞ!死ぬ気の零地点突破・初代エディション!」

 

俺は死ぬ気の零地点突破・初代エディションを使い、エドガーを凍らせた。だが、PoHはそれを計算に取り入れていたのか俺に向けて短剣の最上位ソードスキル[エターナル・サイクロン]をエドガーをも巻き込んで繰り出してきた。俺はPoHの放った[エターナル・サイクロン]を少し受けてしまいHPが2割減ったが、PoHの天空ライオンであるエドガーは粒子となり散っていた。

 

「Nice、俺の思った通りの動きをしてくれてありがとうよ!エドガーを凍らせる事は計算の内よ!」

 

「PoH、お前は俺を倒す為に自分の相棒であるエドガーをも犠牲にするのか・・・」

 

「What?何を言ってやがるんだ?エドガーは単なるデータ上の存在だろ?それに匣兵器っつうんだから、相棒じゃなくて兵器だろ。兵器をどう使おうが俺の勝手だろ。それに匣兵器では無くてテイムモンスターであろうとも、所詮はデータ上の存在よ。つまり、エドガーは只のAIだ。エドガーには結構、世話になったが、今回でサヨナラになったけどよ。まあ、俺は匣兵器なんてそもそも必要無いからよぉ、最初からエドガーは使い捨ての道具にしか思っていなかったぜ。」

 

「PoH、お前はエドガーをそんな風に思っていたのか・・・エドガーはお前を信頼していた筈なのに、それなのに何故、俺を倒す為にわざわざ犠牲にする様な真似を・・・」

 

「だから、言っただろ。エドガーは使い捨ての道具ってよ!エドガーが俺を信頼?兵器がか?下らねえな!エドガーが俺を信頼していようが、いなかろうが俺には関係ねえな。ってか、たかがデータ上の生き物をどう使おうがプレイヤーである俺達の勝手だろ?所詮は只のAIだ。どう使おうがプレイヤーの自由だろ?この世界で他のプレイヤーを殺す事もプレイヤーの自由だろ?だから、俺は殺しを楽しんでいるのさ!そんな俺の意見に賛同して生まれたのが笑う棺桶だ!それと、俺とは少し違う考えだがプレイヤーを殺す事を躊躇わないブリガンテスがいるしよ。ブリガンテスから同盟を結ばないか尋ねられたけどよ、それは断ったぜ!何故なら、俺は殺しを楽しみたいんだが、ブリガンテスは殺しをプレイヤーへ恐怖を与える手段にしか思っていねえから、同盟は断ったぜ。でも、面白そうな話を聞けたぜ。ブリガンテスはこのSAOのプレイヤー全員の意思の改変を行おうとしてるってな。そこで俺は思い付いた。なら、ブリガンテスからその座を奪ってSAOのプレイヤー全員が殺し合う世界に変えたら面白そうだなってよ!」

 

「貴様・・・俺はお前を殺さずに牢獄に送るつもりだった・・・だけど、今ので確信した。お前は牢獄に送ったとしても、お前は執念深く脱獄しては再びプレイヤーを殺していくだろう。それに、お前の野望はブリガンテス同様に絶対に阻止しないといけない。だからこそ、俺はお前を・・・殺す必要が有るという事を確信した。」

 

「Wou!やっと、その気になってくれたか!ボンゴレファミリーの十代目ボスさんの沢田綱吉よぉ!」

 

「PoH、やはり俺がボンゴレ十代目だと言う事は・・・」

 

「Ou!最初から知ってたさ!俺は現実では殺し屋に近い職場にいたからな。イタリア最強マフィアであるボンゴレファミリーとその十代目ボスがお前だって事は知ってたさ。まあ、お前はマフィアには向いてねえな。なのに、マフィアのボスにされるっていうあべこべな展開はどう思ったんだ?」

 

「俺はマフィアのボンゴレのボスになる気は無い。だが、俺はボンゴレを本来有るべき姿に戻す。初代ボンゴレの様な自警団に近い存在へとな!」

 

「マフィアから自警団に戻すだぁ?下らねえな!そんな甘ったるい考えだから、俺はお前の様な奴が嫌いなんだよぉ!!」

 

「何とでも言え、PoH!俺は俺の思ったやり方でボンゴレを変える!それこそ死ぬ気でな!一人ではボンゴレを自警団に戻すのは難しいかもしれない。だけど、俺には仲間がいる。俺を信じてくれる仲間がいる。だから、俺は戦えるんだ!オペレーションX!」

 

俺はPoHとの戦いを終わらせる為に、PoHの非道なる行いでこれ以上の犠牲者を出さない為にも俺はこの場でPoHを倒さねばならない!俺はX BURNERの発射体勢を取ると、PoHは包丁の様な短剣を構えると俺に突っ込んでくる。

 

「また、X BURNERか。その技は効かないってのは前の戦いで解っていると思っていたんだが・・・お前は学習能力が無いのか?このコーカサスベルトを装備している限り、炎で受けるダメージは7割減る事をよぉ。まあ、いい。俺の友切包丁(メイトチョッパー)の餌食にしてやるよ!」

 

「その包丁の様な短剣は友切包丁と言うのか。有る意味、お前に相応しい武器だな。名前からしてな。」

 

「だろ。俺はこの友切包丁を気に入ってるぜ。俺は殺しの邪魔をするならば友であろうと、容赦無く殺せるぜ。」

 

「PoH、俺は仲間を信じる。お前の様な奴に俺は負ける訳にはいかない!」

 

「そうかよぉ下らねえ!だから、俺はお前が気に食わないんだよぉ!消えろ、ボンゴレ十代目!この友切包丁で首を斬り落とせば、どんなにHPが高かろうが終わりよぉ!」

 

PoHは友切包丁を俺の首に向けて短剣のソードスキル[ファッド・エッジ]を繰り出した。

 

「Wou、死ね、ボンゴレ十代目!」

 

「残念だが、死ぬのはお前の方だぞ、PoH!X BURNER!」

 

「バ、バカな・・・あの時とは威力が・・・桁が違い過ぎる・・・グワアァァッ!!?」

 

俺はPoHの[ファッド・エッジ]が当たる前にX BURNERを放つとPoHは炎に飲み込まれていく。PoHのHPは全損し、PoHの身体は少しずつ青い光を放ち、PoHは俺に向けて口を開く。

 

「クソが・・・さすがはボンゴレ十代目ってところか・・・ここまで強かったとはな・・・前の戦いは手を抜いていやがったな・・・」

 

「あの時の戦いで手を抜いてはいない。今のX BURNERは俺が新たなリングを手に入れて本来の威力になっただけだ。この戦いで勝敗を分けたのはお前と俺が何を信じ、何かを貫く覚悟の差で決まった訳だ。だが、犠牲者を出さない為にとは言え、俺はお前を殺したくはなかった・・・」

 

「Oh・・・負けたが最後にお前のその苦しみに満ちた顔が見れて最高だぜ。本当に俺を殺す事だけはしたくなかった様だな。犠牲者を増やさない為に俺を殺すと言っておきながら、俺のHPを0にして俺の死が確定したら、その様な苦しみに満ちた顔になるんだからよぉ。だから、お前は甘いんだよぉ!俺が死んだとしても、果たして本当にこの世界でPKは無くなるのか?否、有り得ないな!俺が死んだとしても、PKは続くのさ!俺が死んでも犠牲者は只少なくなるだけさ・・・Hahaha!じゃあな、地獄で待っているぜ!」

 

PoHは最後に俺を嘲笑いながら、粒子となり散っていた。俺はPoHの言う通り、PoHを殺すと言っておきながら、俺はPoHを殺した事が俺の心に大きな苦しみとして残った。だけど、俺はこの苦しみを背負いながら進むしかないんだ。この選択が間違っていないと信じて・・・

 

 

 

「ツナ、赤目のザザは逃がしてしまった・・・」

 

「俺はジョパン・ブリトニーを逃がしてしまったんだけど・・・」

 

「ヤマモト、名前が違うぞ。アイツの名前はジョニー・ブラックだ。それはともかく、ツナ大丈夫か?顔色が悪いが・・・PoHはどうした?」

 

「PoHは死んだ。俺がX BURNERを使って倒した。もうPoHの手で犠牲者が出る事は無いだろう・・・」

 

俺はハイパー化を解除してキリトとヤマモトにPoHは俺が倒して死んだ事を伝えると、キリトとヤマモトは少し思い詰めた表情をしながらも俺に声を掛ける。

 

「そうか・・・PoHが死んだ今、笑う棺桶は内部で勝手に分裂して事実上壊滅する筈だ。」

 

「ツナ、元気出せよ。お前がPoHを殺した事に文句を言う奴がいたら、俺やキリト、他のボンゴレのメンバーがお前のフォローをするからよ!」

 

「ありがとう。キリト、ヤマモト・・・街に戻ろうか、シュミットさんとグリセルダさんに襲われる事はもう無いだろうと話しておかないとね。」

 

俺はキリトとヤマモトと一緒に街に戻ると、シュミットさんとグリセルダさんの二人の安全を確保するかの様にフィリアとスワロにオボロの姿が有った。

 

「ツナ、あんたのお陰でグリセルダさんは無事だ。本当に感謝する。」

 

「シュミットから聞きました・・・私を殺す様に笑う棺桶に依頼したのは・・・グリムロックだったのですね・・・俄に信じがたいのでグリムロックにメッセージを飛ばして真相の確認をしようとしたのですが、グリムロックからメッセージは来ずにグリムロックは黄金林檎から抜けた後に行方を眩ました様で・・・今、どこにいるか解りません・・・グリムロック、あなたは何故・・・」

 

「グリセルダさん、グリムロックの行方は後で俺の仲間である情報屋のアルゴに調べてもらおうって思っています。グリムロックの行方が解った後にグリムロックを捕らえて話を聞いた方がいいでしょう・・・」

 

「そうしてくれ・・・俺はこのままグリセルダさんを連れて黄金林檎の仲間達の本に戻る。グリムロックの居場所が解ったら連絡してくれ。俺はグリムロックが捕らえられない限りはグリセルダさんの安全は無いと思っているからな・・・グリムロックが何もしないと解るまでは俺と黄金林檎の仲間達がグリセルダさんを守ってみせる。だから、ここでお別れだ。じゃあな、ツナ。グリムロックの居場所が解ったら、連絡してくれよ。絶対にグリムロックをグリセルダさんの前で土下座させてやるからな!」

 

俺は夫であるグリムロックに裏切られたと感じるグリセルダさんの心情を心配ながらも、俺はグリセルダさんを連れて黄金林檎の仲間達の本に戻るシュミットを見送った。その後、フィリア達に声を掛けられる。

 

「ツナ、無事だったのね。」

 

「PoHの奴が出てきたと聞いたが、その様子だとPoHは逃げたのか?」

 

「兄者、笑う棺桶の奴らは何とか追い払えたのか?」

 

「今回の戦いで現れた笑う棺桶のメンバーはリーダーであるPoHと、その側近と思われる赤目のザザ、ジョニー・ブラックの二人だった。側近である二人はそれぞれキリトとヤマモトが相手をしたが、転移結晶を使い逃亡。俺がPoHの相手をして結果、PoHはSAOから姿を消した。二度とその姿をアインクラッドで見る事は無いだろう・・・」

 

「それって、つまり・・・」

 

「そうだ、フィリア・・・俺はPoHによる犠牲者をこれ以上出さない為にも、俺が殺したんだ・・・PoHは殺戮を楽しむ残虐な性格の男だったけど・・・そんな人であろうと俺は人を殺してしまった・・・PoHには俺は甘い戯れ言を抜かす者と認識されていたんだけど、本当にその通りだったよ。俺はPoHを自分の手で殺した事で心の中に大きな苦しみが有るんだ・・・」

 

「ツナ、すまないな・・・本来なら、そんな汚れ役は俺が引き受けるべきだったんだ・・・お前はあの時、PoHを殺す事を否定していたのに、その意見を曲げてまでPoHを殺した。本当にすまないな。俺がもう少し早ければ、そんな汚れ仕事は俺がやったんだが・・・そんな事を言っても仕方ないな。ツナ、お前がPoHを殺した事に否定的な意見を述べる奴がいたら、俺がフォローする。実際にPoHが行っていた事を目撃した者として証言するぜ。そして、ありがとな。俺の仲間であるジュエル・ウォリアズの皆と妹の仇であるPoHを倒してくれてな・・・」

 

「兄者・・・俺はいつでもあなたの味方だ。兄者のフォローはいつでもする。それに、兄者のお陰でグリセルダさんはまだ確実では無いけど無事だったしな。PoHが死んだ事でオレンジプレイヤーの行動も少しは収まる筈だ。だから、兄者はそんなに自分を責めるんじゃない。」

 

「オボロにスワロさんの言う通りだよ。私達はツナの味方だよ。PoHを殺した事は間違いだったかどうかを考えるんじゃなくて、ツナはPoHが殺してきたプレイヤー達の分も生きないといけないと思うの。だから、そんなに自分を追い込まないで。」

 

「スワロ、オボロ、フィリア・・・三人供ありがとう。俺はPoHを殺した事で出来た心の中にあるこの苦しみを背負いながら、俺は皆と一緒にこのゲームの攻略を進めていかないといけないんだ!もう一度、ヒースクリフ・・・茅場昌彦に会う為にも!」

 

俺は皆の励ましのお陰で少し元気を取り戻すと、ボンゴレのギルドホームへと戻っていた。ボンゴレのギルドホームに戻った後に俺はPoHの死を攻略組に報告した。攻略組の皆もPoHを殺した事は責めず、それどころか誰もが、俺にPoHを殺させた事にすまないと謝っていた。皆はその汚れ役を俺にだけはやらせたくなかったんだと思った。その後、俺はアルゴに頼んで行方を眩ましたグリムロックの行方を探す様に頼んだ。

 

 

数日後、グリムロックはグリセルダさんとよく一緒に来ていたというレストランにいたところを軍のプレイヤーによって捕縛され、グリセルダさんの前に連れて行かれた。俺やボンゴレのメンバーに攻略組のメンバーもグリムロックのいる軍の本部に出向き、軍の本部に有る取調室の様な場所でグリムロックに何故、グリセルダさんを殺す様に笑う棺桶に依頼したのか尋ねたところ、グリムロックは自分が怯えて何もしない中でグリセルダさんは、勇敢に動いてギルド黄金林檎を創立し、黄金林檎のメンバーを引っ張っていく姿を見て自分の思うグリセルダさんとは違ってきたという理由で殺す様に依頼したらしい。それを聞いたリンドは心底ムカついた様で、グリムロックに対してこう言った。

 

「ふざけてんのか、テメエ!!自分が怖くて動けない中で勇敢に動いている奥さんの姿を見て、何故殺すっていう考えに至るんだよ!!」

 

リンドの意見にこの場の誰もが賛同するが、グリムロックはこう返す。

 

「君は若いから解らないんだよ。私とグリセルダは現実でも夫婦でね、グリセルダは現実では私に従順な良き妻だったのに・・・彼女は変わってしまった。私の下から離れていく妻を夫婦である内に殺す事でグリセルダは一生私のモノになるのだよ!」

 

「違う・・・私は何一つ変わっていない・・・私は只、この世界に怯えるあなたを勇気づけたくて黄金林檎を立ち上げたのよ・・・それなのに・・・どうしてなの、グリムロック・・・」

 

グリムロックの言葉を聞いたグリセルダは泣き崩れてしまった。その姿を見た黄金林檎のメンバー全員はグリムロックを殴らないと気がすまないと言いながら、グリムロックに突っ込んでいきそうだったので、軍のメンバーはグリムロックへの怒りを抑えながらも黄金林檎のメンバーに落ち着く様に呼び掛けると黄金林檎のメンバーは一旦落ち着いて、静かに元いた場所に戻っていく。黄金林檎のメンバーでは無くとも、今のグリムロックの発言はこの場にいる全員に怒りを抱かせるのに十分なモノだったが、その中でケイタは一番落ち着いた様子でグリムロックにこう発言する。

 

「グリムロックさん。あなたはグリセルダさんが変わってしまったと言いますが、それは違うかと思います。グリセルダさんが勇敢に動いている姿を見て変わってしまったと思うのはあなたの勝手です。だけど、それをこう考える事も出来る筈ですよ。妻の新しい一面が見つかった、それ以外にも自分の知らない妻の一面が有るのではないかと思えばワクワクしませんか?」

 

「君も同じく若いね。でも、その様な考えも出来たのは確かだったね・・・私は失敗したとは言えど、依頼が実行された日に君の様な考え方が出来た事に気付いた。だけど、時は既に遅しと思ってね・・・グリセルダを殺そうとしたその事実を変える事は出来ない。だから、私は自ら命を絶とうと自殺も考えたのだが、怖がりの私には自殺する決断は結局出来ずにいたよ・・・グリセルダ、私は君を殺そうとした以上、君の側にいる資格は無い。だから、私の事を嫌いになっても仕方ないよね・・・」

 

グリムロックはケイタの話を聞くと、ケイタの様な考え方が出来た事には既に気付いていたが、時は既に遅しと思っている様でグリセルダさんに嫌われても仕方ないと言う。この様子を見ると、グリムロックは本当に自分の行いを悔いている様だ。

 

「グリムロック・・・私はあなたの事を嫌いになってはいないわ。私はあなたを勇気付けようとしていたのに、少し伝え方を間違えてしまったからあなたは間違えてしまっただけよ。だから、グリムロック。そんなに自分を責めないで・・・」

 

「グリセルダ・・・君を殺そうとした、この私を未だに愛してくれるのか・・・ありがとう、グリセルダ。でも、私はこの罪を受け入れないとならない。それに私のせいで、ボンゴレのリーダーであるツナ君には人を殺めさせてしまった・・・私は若者にその様な事をさせた自分が憎くて仕方ないのだよ。ツナ君、君はこの世界で愛する人を見付けた様だね・・・君は愛する人を私と違って守って戦える筈だ・・・ツナ君、絶対に君だけは愛する人を裏切る様な事はしないでほしい・・・それが私の最後の願いだ。」

 

「最後の願い?一体、どういう事だグリムロック!?」

 

「私も君の様に戦う勇気が有ったのなら、こんな間違えた選択をせずに済んだのかもしれない・・・でも、私は間違えた道を選択してしまった。だから、その報いを受けないといけない・・・私はこのゲームがクリアされるまで牢獄にいるよ。それが私の罪の償いになるかどうかは解らないけどね・・・このゲームがクリアされて現実に戻った後、私は現実でもこの罪への処罰を受けるよ。例え、現実で所詮はゲームの中での出来事と判断されても絶対に私はこの罪による処罰を受ける必要が有る。だから、黄金林檎のメンバー達に言いたい。グリセルダの事を頼むよ。私がいない間にグリセルダを守れるのは君達だけなのだから・・・」

 

グリムロックは自ら行き先が牢獄に設定された回廊結晶を使い、牢獄に入った。グリセルダさんは本当にグリムロックを愛していたのか、グリムロックが牢獄に入った後も絶対に牢獄に何度も通ってグリムロックと話したいと言っていた。黄金林檎のメンバー達はグリムロックの頼みを承諾し、グリセルダさんを守ると誓った。この場の誰もが、グリムロックへの怒りは消え、グリムロックの意思に答えてグリセルダさんを黄金林檎のメンバー達と同様に守ると誓ったのであった。

 

 

 

 

その頃、笑う棺桶のメンバー達が隠れる洞窟らしき場所にブリガンテスが出向くと、PoHが死んだという話を伝えると、赤目のザザとジョニー・ブラックは俄に信じがたいという様子だった。

 

「PoHは死んだ。ボンゴレのリーダーであるツナによって倒され、この世界で散った。」

 

「あの方が、まさか、有り得ぬ・・・」

 

「ふざけるな!!ヘッドが死んだだと・・・デタラメを抜かすんじゃねえよ!!」

 

「デタラメだと?デタラメを言って何の意味が有るのだ?PoHが死んだ証拠は黒鉄宮に行けば嫌でも見付かるぞ。」

 

「バカな・・・あの方は、本当に、死んだと、いうのか・・・己、ボンゴレの、リーダー、あの男が・・・」

 

「おい、テメエ!何そんなデタラメな話を信じていやがるんだ!!あの優男がヘッドを殺す程の度胸が有るはずが無いだろ!!」

 

「赤目のザザはPoHが死んだという事実は認める覚悟は有る様だが、ジョニー・ブラックにはそれは無いか・・・まあ、よかろう。PoHが死んだと信じるも信じなくとも、PoHが帰ってこない以上は笑う棺桶の統率が可能なのは誰だ?赤目のザザ、貴様か?無理だな、貴様は実力は有るがカリスマ性が乏しいのが残念だ。ジョニー・ブラック、貴様はもっと向いていない。そんなに感情的では尚更な。」

 

「テメエ、俺をバカにしてやがるのか!!」

 

「落ち着け、ジョニー!この男の、話は、筋が、通っている。ブリガンテス、貴様の、考えは、解った。つまり、笑う棺桶を、取り込む、気だな。ベラドンナ・リリーにな。」

 

「話が解る様だな。赤目のザザ、貴様の言う通りだ。PoHがいない今、笑う棺桶の存続は不可能だろう。なら、俺のベラドンナ・リリーが笑う棺桶のメンバー全員を取り入れてやる。」

 

「早い話が吸収じゃねえか!!ふざけるな!!笑う棺桶をテメエの様な奴に吸収されてたまるかよ!!」

 

「落ち着け、ジョニー。あの方が、いない今、笑う棺桶の、統率を、取れる、者が、必要不可欠。不本意だが、それも、事実だ。」

 

「チッ、解ったよ。ベラドンナ・リリーに吸収されるのは不本意だが、仕方ねえな。」

 

「話は纏まった様だな。これより、笑う棺桶は俺のベラドンナ・リリーが吸収する。」

 

ブリガンテスは笑う棺桶のメンバー全員をベラドンナ・リリーに加入させ、ベラドンナ・リリーは最も危険な集団になってしまった。ブリガンテスは笑う棺桶のメンバー全員をベラドンナ・リリーの隠れ場所へと連れて行った後、一人になると少し様子が変だった。

 

「止めろ・・・これ以上お前の好き勝手にさせぬ・・・ええい、黙れ!!貴様がまだ抵抗するとは思っていなかったが・・・この身体は既に俺のモノだぁ!!消えろ、この身体はこの俺、ブリガンテスのモノだぁ!!引っ込め、主人格の優男めがぁ!!」

 

ブリガンテス、この男には善と悪、対極する2つの人格が存在するという事はSAOのプレイヤーの誰もが、ベラドンナ・リリーの者ですら知らない。ブリガンテス、この男の本質は善なのか、悪なのか・・・




今回の話では黄金林檎のグリセルダは無事に生き残りましたが、グリムロックは罪を償う為に自ら牢獄に入っていきました。それと笑う棺桶のリーダーであるPoHはツナに倒され、この作品では死ぬ事となりましたが、PoHがいない笑う棺桶はブリガンテスに吸収されてしまい、ベラドンナ・リリーの戦力増強を許してしまいました。ブリガンテス、この男はカースリングによって精神が侵されている状態ですので、善と悪、対極する2つの人格が有ります。現在のブリガンテスは悪の人格が勝っており、善の人格は滅多に出る事が無い程に弱っています。

次回は鍛冶屋である彼女が遂に登場します。
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