ボンゴレ十代目のSAO   作:ロナード

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今回は新たに参戦するキャラクターが複数います。デルタカテーナに閉じ込められたアスナとヤマモトの二人は助ける事が出来るのか・・・


第39話 デルタが紡ぎし出会い

アスナとヤマモトがデルタカテーナに囚われた状態があれから三日続き、以降に思念体が姿を現さなかった。攻略の方は順調に第70層にまで到達したのだが、二人を未だに助ける事が出来ないので少し焦りを感じていた。そんな俺を見てか、キリトとフィリアにメトナが俺を励まそうとしたのか声を掛けてきた。

 

「ツナ、アスナとヤマモトの二人を助けたいのは俺達も同じだ。だから、一人で思い詰めるのは止めろ。」

 

「キリトの言う通りよ。私もアスナとヤマモトの二人を助けたいの。だから、私達にも相談しなさいよ。私はツナの奥さんでも有るんだからね。」

 

「お母さんの言う通りだよ。お父さんは一人で思い詰めている様だけど、一人だけで全て背負い込もうとしないで、お母さんやキリトさんに他の皆の事も頼った方がいいよ。」

 

「そうだね。俺は自分だけで全て背負い込もうとしていた様だ。ありがとう、もう少し皆に頼ってみる事にするよ。」

 

俺は三人のお陰で緊張の糸が解れたので、少し休む事を考えた。

 

「そうだ。今日は気分を変えてどこかに出掛けるか。キリトも一緒にどう?」

 

「そうだな。せっかくのお誘いだ。俺も同行させてもらうとするか。それでどこに行くんだ?」

 

「お父さん、私は噂で聞いたんだけど、第35層の森の中に妖精がいるんだって。」

 

「妖精?」

 

「そうだよ。綺麗な金髪で背中に羽が生えていた女性の姿をした妖精の姿をオボロさんが見たって言っていたの。」

 

オボロが見た妖精か。確かに気になるな。

 

「へえ、オボロが見た妖精か。それは興味が有るね。だって、オボロにしては珍しく幸運な出来事の筈だしね。」

 

「お父さん・・・そうでも無かったみたい。オボロさんが見た時、妖精が水浴びをしていたところだったから・・・水を掛けられた後に巨大なザリガニを投げられたって言っていたよ・・・」

 

「ああ。やっぱり、オボロは不運なのね・・・その妖精のオボロへの好感度は間違いなく著しい程に低い事になってそうね・・・」

 

オボロの不運はそんな簡単には消えないのか・・・シリカとピナに嫌われていた時も似た様な経緯で誤解され嫌われていたんだろうな・・・

 

「とりあえず、その妖精がいるかどうかを確かめる事にして、その森に出掛けてみるか。」

 

「そうだな。俺もその妖精を見てみたいしな。それよりも、メトナはちゃんとツナとフィリアに俺の側から離れない様にしろよ。」

 

「わかった。私はお父さんとお母さんにキリトさんの側を離れないから、モンスターが出たらちゃんと守ってね。」

 

俺とキリトにフィリアとメトナは、その妖精がいるという35層の森へと向かった。

 

 

35層の森の中に入ると、綺麗な緑で溢れており、静かな場所だった。モンスターの出現率も低い様なのでちょっとしたピクニック気分でいられる場所だ。俺達は森の奥に進んで行くと、聞いた話通りの綺麗な金髪で背中に羽が生えている妖精の様な女性の後ろ姿が少し遠目だが見えた。

 

「あれがオボロさんの言っていた妖精かな。お父さん、キリトさん。水浴びしている時に見付けずに良かったね。」

 

「ああ・・・あの妖精の水浴びしている時に来なくて本当に良かったと思っているよ。何故だろうか、俺にはあの妖精が気が強い感じに見えるから、怒らせると恐そうだ・・・」

 

「ツナ、失礼よ。まだ後ろ姿しか見ていないのに、何故そこまで分析できる訳?」

 

「まあ、気が強いとか関係無しで妖精が本当にいたという事でいいんじゃないか、ツナにフィリア。だろ、メトナ?」

 

「うん。本当にいたんだね、妖精。」

 

「声?誰かいるの?」

 

俺達が話をしていると、妖精が俺達の方に振り向くと妖精の顔が見えた。妖精の顔は綺麗と可愛いの中間と言えばいいのかな。そんな感じの顔で、胸はフィリアよりも・・・と思っていると、フィリアからアイアンクローを俺は受けた。

 

「何を見て、考えているのかしら?このドスケベ!」

 

「待て、フィリア・・・まだ、何も言ってな・・・」

 

「言わなくとも考えている事ぐらい分かるわよ!私はあなたの奥さんですしね・・・」

 

「お父さん、破廉恥な事を考えているからそうなるんだよ。」

 

「メトナ、俺は何も破廉恥な事は考えては・・・」

 

「嘘付かないの!お父さん、さっきから妖精の胸ばっかり見ていたもん!」

 

「妻と娘に言うものの信じられない哀れな男・・・ツナ、御愁傷様だな。」

 

キリト、そんな事を言う前に俺のフォローをしてほしいんだが・・・何とか、フィリアとメトナのアイアンクローから解放された俺は妖精の方を向くと、妖精が俺達の近くにまで来ていた。

 

「やっぱり・・・間違いない。」

 

「えっ?何がだ?」

 

妖精はキリトに近付いてキリトの顔を覗き込むと、表情がキラキラしてくる。

 

「間違いないわね。会いたかったよ、お兄ちゃん!」

 

『お、お兄ちゃん!?』

 

妖精の女性がキリトの事をお兄ちゃんと呼んだので、俺達全員は驚いて声がハモった。いや、よく考えてみるとこれは何かしらのイベントで、この妖精が兄を探しているとかの設定ではと思ったが、俺は妖精のカーソルを見ると、この女性が只の妖精では無いと確信した。この妖精のカーソルはプレイヤー用のグリーンなので間違いなくプレイヤーであるという事に気付いたのだ。だが、キリトは自分がお兄ちゃんと呼ばれた事に戸惑っており、慌てふためいている。

 

「いや、俺は確かに妹はいるが・・・妹は背が低いし、そんな金髪のロングヘアーでは無かったし、それに胸もそんなにデカくは・・・」

 

「何よ!?約2年ぶりに妹に会っての言葉がセクハラな訳!!私は成長期だもん!背が伸びるのは当たり前だし、胸だって剣道の邪魔になるから、私としては不本意だけど本当に大きくなったんだからね!それにこれはアバターの姿だから現実と違うのは当たり前でしょ!!」

 

「えっ!?け、剣道って事はまさかな・・・」

 

「もう!!まだ、信じられないの!!私だよ、桐ヶ谷直葉!あなたの妹である桐ヶ谷直葉だよ!これでも信じられないなら、お兄ちゃんの現実での本名も言うよ。あなたの本名は桐ヶ谷和人。これでもダメなら、小さい頃のお兄ちゃんの恥ずかしい過去を話すけど?」

 

「わかった!そこまで言えるなら君は俺の妹で間違いないな。俺の妹の名前をわざわざ茅場が調べるメリットは無いし、俺の現実での本名を知ってる時点で俺の妹である直葉に間違いないな。」

 

「やっと、信じてくれたのね。全く、手間を取らせないでよ・・・」

 

妖精の女性がキリトの妹であるという事実に俺とフィリアにメトナは驚いていたが、彼女は俺達の存在を忘れていたのか急に声を掛けてきた。

 

「ええと、ごめんなさい。勝手にお兄ちゃんと話し出したから戸惑ってしまいましたよね。私はリーファって言います。現実での本名は今勢いで言ってしまいましたけど、秘密にしておいてくださいね。」

 

「解ったよ、リーファ。俺の名前はツナ。君のお兄さんが所属するギルドであるボンゴレのリーダーをやっているんだ。よろしくね。」

 

「ボンゴレ?イタリア語でアサリの事ですよね・・・ええと、独特なセンスの名前ですね。」

 

やっぱり、そう思うよね・・・多分、リーファは心の中では格好悪い名前と思っていたりするのかな・・・

 

「初めまして、リーファ。私の名前はフィリア。ツナの奥さんよ。」

 

「お、奥さん!!?その見た目でですか!!?」

 

「と言っても、このゲームのシステム上での事だけどね。」

 

「ああ、何だ・・・驚いて少し損した気分・・・まあ、いいか。フィリアさん、よろしくお願いしますね。」

 

フィリアはリーファに紹介を終えると、リーファはメトナに視線を合わせると、メトナはリーファに自己紹介をする。

 

「私はメトナって言います。ツナさんがお父さんで、フィリアさんはお母さんという事で二人の子供って事になっているけど、驚いちゃったかな?」

 

「いや、もう驚く事がバカバカしくなってきたから、さすがにもう驚かないよ。メトナちゃん、お父さんとお母さんと仲良くしてあげてね。」

 

リーファはメトナの頭を軽く撫でると、再びキリトに視線を合わせた。

 

「まさか、スグ・・・いや、妹であるリーファとこうしてゲームの中で会えるとは思いもしなかった。リーファはゲームが嫌いな筈だったから、絶対にゲームの中でだけは会わないと思っていたんだが・・・本当に人生は何が有るか解らないモノだな。お前がリーファと名乗る様に、俺にもこの世界での名前が有る。俺の名前はキリトだ。よろしくな、リーファ。」

 

「よろしく、キリト君。」

 

リーファはキリトの事をキリト君と呼ぶのか・・・さっきまではお兄ちゃんと呼んでいたのにな。まあ、現実とゲームの世界でも区切りを付ける為にキリト君と呼ぶ事にしたんだろうけど。キリトはリーファに何故、SAOにいるのかを尋ねる。

 

「それでリーファはいつからSAOにいたんだ?」

 

「ええと、二日前からかな。二日前、私はALOというゲームにログインしようとしたんだけど、その後は・・・ええと、私も詳しく解らないんだけど、気付いたらSAOに来ていたってところかな。」

 

「そうか・・・リーファ、一応聞きたいんだけど、三角形の陣みたいなモノは見なかった?」

 

「三角形の陣?そんなモノは見ていないけど、それがどうしたのツナ君。」

 

「いや、リーファの言うALOというゲームからはリーファが来る前に既に二人が飛ばされて来ていたんだ。二人の内の一人からは三角形の陣の様なモノに取り込まれた事で、このSAOに飛ばされてきたって聞いたからさ。それでリーファにも聞いたんだ。」

 

「そうなんだ。私は本当に三角形の陣は見ていないから、三角形の陣で飛ばされてきた訳ではないよ。」

 

リーファはALOにログインしようとしていたら、SAOに来てしまったという事でいいのかな?ノイズではないよな・・・ノイズの影響が今さらALOにまで広がる筈も無いし、本当にリーファはSAOに何故飛ばされてきたんだろう。謎だらけだけど、来てしまった以上は仕方ないし、リーファを保護する意味も有るけど、俺はリーファに俺のギルドに入るかどうか尋ねてみるか。

 

「リーファ、君の安全を確保する為にも俺のギルドであるボンゴレに入らない?君のお兄さんであるキリトは副リーダーをやっているしね。」

 

「ええっ!?お、お兄ちゃんが副リーダー!!?あのコミュ障の片鱗を見せていたお兄ちゃんが・・・ギルドの副リーダー!!?ひ、人って時間が経てば変わるモノなんだね・・・」

 

「おい、そこまで驚かなくてもいいだろ・・・そんなに俺が副リーダーをやっている事が信じられないか・・・」

 

「だって、お兄ちゃん。本当に引きこもり気味で現実でお兄ちゃんの友達がいたところを見た事が無いんだもん。だから、副リーダーとは言えど、集団を束ねる立場になっているとは思っていなくて・・・それで、つい驚いちゃった。」

 

「キリト・・・現実に友達いないの?」

 

「キリト、引きこもり気味だったって・・・不登校だった訳?」

 

「キリトさん、妹であるリーファさんにも色々と心配されていたんだね。」

 

「これ以上言うな!!俺の心に傷を付けて更に抉りにきているぞ、お前らは!?失礼な、学校にはちゃんと行っていたぞ!」

 

「友達は?」

 

「いるぞ・・・二人ぐらいは・・・これ以上は聞かないでくれ・・・俺のライフポイントは既に0だ・・・」

 

これ以上、現実の事をキリトに追及するのは止めておくか。キリトの精神的ライフポイントが0だと本人が言っているので、これ以上は精神的オーバーキルになるので止めておこう。

 

「それでリーファはどうなの?俺がリーダーをやっているボンゴレに加入する?」

 

「そうですね。お兄ちゃん、キリト君が副リーダーをやっているみたいだし、キリト君がこの世界で今までどんな風に頑張っていたのか聞きたいし、そのボンゴレというギルドに加入しますね。」

 

「わかった。リーファ、君をボンゴレに加入させるよ。これからよろしく!」

 

「はい。よろしくお願いします!」

 

こうして、キリトの妹であるリーファがボンゴレに加入した。その後、俺達はリーファを連れてボンゴレのギルドホームに戻り、ボンゴレのメンバーにリーファを紹介した。尚、リーファのステータスを尋ねてみたところ、レベルは54で、どうやらALOでのステータスをヒバリさんやシックス同様に受け継いでいる様だ。後、オボロはリーファの顔を見た時は少し困った表情になっていたが、リーファはどうも水浴びしていたところを事故とはいえ、見ていたのがオボロだとは思っていなかったのでいざこざは無かったのでホッとした。

 

 

リーファが加入した次の日、まだデルタカテーナに囚われたアスナとヤマモトの二人は助けられていないが、俺はきっとチャンスが来ると信じて気長に待つ事にして、連絡係のリックから渡された書類を片付けた後、俺はリーファの様子を見に行ったところ、リーファは早くもボンゴレに溶け込んでおり、ボンゴレのメンバーと仲良くなっていたので俺はそれを嬉しく思った。俺はリーファの様子を確認した後、ボンゴレのギルドホームの外に出ると、空にシックスが言っていた様な三角形の陣が出現したので、俺は三角形の陣に向かおうとすると、三角形の陣の中から黒い髪の女性が落ちてきたので俺は急いで落ちてくる女性を受け止める為に走った。

 

「間に合え!!」

 

俺は急いで走ると、落ちてきた女性を受け止め、三角形の陣を見ようとした時には三角形の陣は消えていた。三角形の陣が消えた事も気になるが、今はこの女性をどうにかしないとな。女性は気を失っており、話せる状態ではないので俺はボンゴレのギルドホームにまで女性を背負っていき、フィリアとキリトにゴクデラ君の助けも有ってギルドホームに有る空き部屋のベッドに女性を寝かせた。

 

「十代目、この女は?」

 

「実はさっき、急に空に三角形の陣が出現したんだ。その三角形の陣からこの女性が落ちてきたんだ。だから、俺は落下の衝撃を受けない様に受け止めたんだ。まあ、そうしている内に三角形の陣は消えていたけどね・・・」

 

「三角形の陣・・・シックスの言っていたモノと同じモノかしら?」

 

「さあ、どうだろう・・・あの三角形の陣の正体は解らないけど、デルタ匣とは何か繋がりが有るんじゃないかと思えたよ。」

 

「そうか。とりあえず、デルタ匣はアスナとヤマモトを助けた後は隔離した方がいいな。」

 

「そうだね。アスナとヤマモトを助けた後は、デルタ匣を何とかして隔離しようか。」

 

俺達がそんな話をしていると、女性が目を覚ましたのか声を出した。

 

「うーん・・・こ、ここは?一体、どこ?」

 

「目が覚めたんだね。良かったよ。君は急に空に出現した三角形の陣の中から落ちてきたんだ。その時に気を失っていたみたいだけど大丈夫?」

 

「三角形の陣?何よ、ソレ・・・それに私が落ちてきた?どういう事?」

 

この女性はどうやら混乱している様だ。無理もないか。いきなり、この世界に飛ばされてきたんだしね。

 

「まあ、解らないなら仕方ないよ。それで君の名前は?」

 

「私の名前?私は朝田詩乃よ。」

 

「待て!?それは現実での名前じゃねえか!?俺達が聞きたい名前ってのは、プレイヤーネームの事だ!」

 

「プレイヤーネーム?何よ、まるでここはゲームの中だとでも言いたいのかしら?」

 

まさか、彼女はここがゲームの中だと思っていないのか。だとすれば、ゲームをやろうとしていたところを三角形の陣によって、飛ばされてきたんじゃないのか・・・

 

「そうだよ。ここはゲームの中なんだ。ソードアート・オンライン。通称SAOの中なんだ。ちなみに製作者は茅場昌彦だよ。」

 

「ソードアート・オンラインに茅場昌彦・・・聞いた事が有る様な・・・」

 

「聞いた事が有る筈だと思うよ。茅場が作ったこのSAOの中ではHPが尽きれば、現実でも死を迎えるデスゲームなんだからね。」

 

「ゲームの中で死んだら、現実でも死ぬって・・・何なのよ、ソレ・・・そんな話を信じろっていうの・・・」

 

「お前が信じなくとも、事実なんだから仕方ないだろ!」

 

「ゴクデラ君!そんなにきつく言う必要は無いだろ!」

 

「すみません・・・」

 

「ここがゲームの中だと信じろと言われても仕方ないのかもしれない。多分、君は軽い記憶障害を受けているのかもしれないしね。」

 

「記憶障害?どういう事なの、ツナ?」

 

「ええと、ひとまず朝田さんと呼ばせてもらいますけど、朝田さんはここに来る前に何をしていたのか話せますか?」

 

「ここに来る前?私は・・・何なの、思い出せない・・・自分の名前は覚えているのに・・・それ以外の記憶が思い出せない・・・」

 

「安心して、朝田さん。それはおそらくは一時的なモノだと思うから、時間が経てば何もかも思い出す筈だよ。だから、落ち着いて。落ち着いてみれば少しは思い出す事が有る筈だよ。」

 

「ええ、本当に少し落ち着いたら思い出せた事が少し有ったわ。私は確か、真っ白で寂しい空間の様な場所にいた記憶が有るわ。その空間の中に突然、あなたが言っていた様な三角形の陣が出現して私を吸い込んだ。思い出せるのはソレだけ。他は何も・・・」

 

「そうか。それだけでも聞ければ十分だよ。ええと、朝田さん。多分、プレイヤーネームは登録されていると思うから、俺の手の動きを真似してほしい。そうすれば、メニューが開くからさ。」

 

「メニュー?わかったわ。手の動きを真似してみればいいのね。」

 

朝田さんは俺の動きを真似して手を動かすとメニューが開き、朝田さんはメニューを確認すると、口を開く。

 

「私の名前はシノン。これがこの世界での私の名前みたい。」

 

「シノンか。そう言えば俺達の紹介がまだだったな。俺はツナ、こう見えてギルド、ボンゴレのリーダーをやっているんだ。」

 

「ボンゴレね。いい出汁でも出るのかしら?」

 

「テメエ!!ボンゴレをバカにする気か!」

 

「別にバカにはしてないわよ。あんたの名前はさっき、ツナが言ったから解っているわよ。ゴクデラでしょ。」

 

「おい、改めて名乗らせろよ!!このアマァ・・・」

 

「ツナ、大変ね。こんな頭に血が昇りやすいのがメンバーにいて苦労しているでしょ?」

 

「この女・・・」

 

「ええと、落ち着いてゴクデラ君。シノンの言っている事は事実だし。」

 

「えっ・・・」

 

「やっぱりね。相当苦労しているのね、コイツのせいで。」

 

シノンは記憶が無くとも思ったより早く、この場に馴染んだ様だな・・・シノン、結構毒舌を吐くな。今のところ、ゴクデラ君にだけだけど。

 

「俺はキリトだ。ボンゴレの副リーダーをやっている。よろしくな、シノン。」

 

「よろしく、キリト。」

 

「私はフィリア。ツナの奥さんよ。と言っても、このゲームの中でのシステム上の事だけどね。」

 

「でしょうね。それぐらい考えれば解る事よ。私と同じ位の年齢の二人がこんなに早く結婚できるわけ無いしね。」

 

「シノン。一応、私とツナはメトナという娘がいるけど・・・」

 

「そのメトナという娘は推測だけど、親代わりみたいな感じで世話しているんじゃないの?」

 

「まあ、似た様なモノかな。シノンって結構、現実主義者なのかな?」

 

フィリアの言う通り、シノンは現実主義者かもしれない。さっきから冷静に言葉を返しているしね。記憶が無いとは思えない程に計算高いのかもしれないな、シノンは・・・

 

「それでシノン。君はこれからどうする?」

 

「そうね。経緯がどうあれ、この世界に来てしまった以上は私自身が強くならないとダメだと考えているわ。ツナはギルドのリーダーなんでしょ。なら、私をそのボンゴレに入れてくれると助かるわね。そうすれば、この世界で必要な戦闘の方法やレベル上げとか順調に行えると思うしね。」

 

「わかった。シノンをボンゴレに加入させるよ。」

 

「助かるわね。私の頼みを聞いてくれてありがとうね。」

 

シノンをボンゴレに加入させると、シノンは尋ねてくる。

 

「それでこの世界の武器は何が有るのかしら。ゲームの名前からして剣が多そうだけど、剣以外には何が有るのかしら?」

 

「剣以外には槍や棍棒に斧だね。後はリングに匣だね。」

 

「リングに匣?」

 

「いいか。リングに匣というのはな・・・」(※ゴクデラの長い理論指導が始まりましたので省かせてもらいます。)

 

ゴクデラ君がシノンにリングに匣の説明を理論指導ですると、シノンは直ぐに理解した様だ。あのゴクデラ君の理論指導についていける者がいたなんて・・・俺と一緒に聞いていたフィリアにキリトもうんざりしてた程だったのにシノンは平然としているし・・・

 

「へえ、人それぞれに違う波動が流れていて、その波動と一致する属性のリングから炎を出して、その炎で動かすのが匣という訳ね。ゴクデラ、あんたの説明は結構参考になるわね。少しは見直したわよ。」

 

「シノン。お前が良ければ、俺の理論指導でお前に合う武器を教えるがどうだ?」

 

「なら、お願いするわ。あんたの説明は結構参考になるしね。」

 

「ごめん、二人供・・・先に皆にシノンの事を紹介したいからロビーに集まってくれない。」

 

ひとまず、俺達はシノンをボンゴレのメンバーに紹介する為にボンゴレのメンバー全員をロビーに集めた後にシノンの事を紹介した。シノンの紹介を終えた後、ゴクデラ君はシノンに合う武器を探す為にシノンと一緒にどこかに行った。その跡をシリカがこっそりと付いていったのが見えたが、多分、俺の気のせいだと思うので気にしない事にした。

 

 

シノンがボンゴレに加入して二日が経過した。まだアスナとヤマモトが閉じ込められたデルタカテーナに反応は無く、さすがに少しイラついたが、気分を落ち着かせて今日もリックから渡された書類を片付けた。シノンの武器はゴクデラ君の理論の結果で短剣になったが、シノンは少し馴染まない感じらしい。どうもシノンは銃みたいな遠距離武器がいいらしいが、匣ではない限りではないと思うのでシノンは短剣を黙って扱う事にしたらしい。ゴクデラ君が遠距離武器の匣であるフレイムアローを持っていたので少しゴクデラ君にイラついたらしいけど・・・まあ、シリカはこれで安心できると思う。どう考えてもシノンはゴクデラ君の事を理論指導だけが取り柄の男にしか思っていない様だしね。確実に脈無しだから、大丈夫だぞシリカ。俺は応援してるぞ。

 

 

さて、どうするか。とりあえずはゲームの攻略でもしようかな。攻略を進めてさえいれば、アスナとヤマモトの生み出した思念体が出てくるかもしれないしね。俺がギルドホームの外に出て、現在攻略中の70層に行く為に転移門に着いたところでタイミングよくユウキがやって来たので、ユウキに攻略に参加しないか尋ねてみる。

 

「ユウキ。ちょうどよかった。どう、俺と一緒に今から70層の攻略に行かない?」

 

「そうだね。攻略を進めていれば、いずれ二人の生み出した思念体が出てきたりするかもしれないしね。僕も同行するよ。でも、他の人は呼ばなくてもいいの?ツナの場合はフィリアとかね。」

 

「フィリアは今、別の層でキリトとリーファを連れてトレジャーハントの最中だよ。」

 

「そうなんだ。じゃあ、ゴクデラは?ツナの右腕なんでしょ?」

 

「ゴクデラ君は・・・冷静さに欠ける部分が有るから、連れていくのは少しね・・・」

 

「ツナと長い付き合いの筈なのに、不安要素として見られているゴクデラの立場って一体・・・まあ、僕とツナの二人だけでも十分かな。」

 

俺とユウキはこの様なやりとりをした後、転移門を使い70層の主街区に転移した。70層の街は賭博施設が多く、まるで現実世界で言うラスベガスの様な街だ。と言っても、俺は博打は好きではないので興味は無い。まあ、俺の右腕である人と野武士面の男が今、賭博施設に入ったのが見えたが見なかった事にして俺とユウキは街を後にした。

 

 

俺とユウキは70層のフィールドに出ると、川沿いの森林地帯に足を踏み入れた。一見、自然豊かで落ち着く雰囲気の場所だが、ここに生息するモンスターがほとんど巨大な昆虫系なので気味悪い・・・特に気味悪かったのは巨大なゴキブリのモンスターだな。あれは本当に気味悪いし、見ていて不愉快だった・・・俺とユウキは襲ってくる巨大な昆虫モンスターを倒しながら進んでいく。

 

「これで僕が倒した虫の数は15匹だよ。ついでにツナは13匹倒していたよ。」

 

「ユウキ。頼むから虫の話は今だけは止めてくれ・・・思い出すのもイヤになってきたからさ・・・」

 

「そんなに!?僕は虫とか平気な方なんだけどな・・・何で皆は虫とか嫌がるのかな?確かに気味悪いのもいるけどさ。特にスワロなんか、この間一緒にパーティーを組んでいた時に巨大な蜘蛛のモンスターを見ただけで転移結晶を使って逃げたんだけど、そんなに気味悪いかな?」

 

ユウキの言いたい事は解るが、気味悪いと思ったら仕方ない。人それぞれの感性だしね。スワロは蜘蛛が嫌いなのか・・・豪快なイメージが強いから虫が苦手なイメージが無かったんだが、人は見た目通りにいかないんだな。俺とユウキが川沿いの道を進んでいくと、誰かの気配を感じたので俺とユウキは気配が感じた場所に向かうと、いきなり黒い煙が出るとその煙が人の形となる二つの人影が現れた。その二つの人影の内、一人はアスナのモノだった。

 

「待っていたわよ。あなた達が来るのをね。」

 

「アスナ!?いや、アスナの思念体か・・・」

 

「そうみたいだね。ツナ、これでアスナは助けられると思うけど、あの人は見た事が無いから思念体かどうか解らないんだけど・・・」

 

アスナの思念体と同時に現れたもう一人は銀髪のロン毛で左腕に剣を付着した義手を装着している黒いコートを着た男の姿だった。

 

「う"ぉぉぉっい!!おっせえぞ!!カスガキが!!」

 

「スクアーロ!?」

 

「えっ!?スクアーロ!?その名前はヤマモトから聞いた事が有るんだけど、あの人が・・・」

 

「スクアーロ、現実世界に実在する本物の剣士だ。まさか、ゲームのプレイヤーでは無くともデルタカテーナに閉じ込められた者の思念で作り出せるというのか・・・ユウキ、スクアーロはゲームのプレイヤーではない本物の剣士。つまり、本当の意味で剣の扱いが得意な男だ。決して、侮ってはいけない相手だ。」

 

「そうなんだ。じゃあ、本気で相手しないとね!それにしても、スクアーロって人、声がデカイよね・・・まるで騒音兵器みたい・・・」

 

「それに関しては同感だね・・・じゃあ、いくぞ!」

 

俺はハイパー化し、ユウキと供にアスナとスクアーロの思念体との戦いを開始する。まず、ユウキが初手から本気を出し、神速のソードスキル[マッハ・スラスト]をスクアーロに向けて放つが、スクアーロは神速のソードスキルの速さに負けない速さでユウキの剣を自身の剣で思い切り叩き付けた。

 

「アタッコ・ディ・スクアーロ!女、なかなか速いじゃねえか。だが、速くても俺の歴戦の勘で軌道を見切れるぞぉぉ!!」

 

「まさか、思念体と言えど本場のアタッコ・ディ・スクアーロを受ける事になるなんてね・・・ごめん、手が動かないや・・・」

 

「ユウキ、下がっていろ!アスナとスクアーロの思念体の相手は何とか俺がする!」

 

「へえ、結構余裕ね。本当に私達に勝てるのかしら?」

 

「う"ぉぉぉっい!!お前が相手か?小僧、少しは俺を楽しませてみせろ!!」

 

ユウキがアタッコ・ディ・スクアーロの影響で手が動かない以上は俺だけでこの二人の相手をしないといけない。俺はアスナとスクアーロの思念体に突っ込もうとした時だった。スクアーロの背中にブーメランの様な刃が投げられたらしく、スクアーロは怯んだ上に、ブーメランには雨属性の炎が纏われていたので雨属性の鎮静で動きが鈍った。

 

「う"ぉっ!!?」

 

「今です!今の内に大技で倒してください!」

 

「この声は・・・わかった!ナッツ、形態変化!攻撃モード!I世のガントレット!」

 

俺は突然の不意の一撃でスクアーロが一瞬とはいえ怯んだ隙に俺はナッツを形態変化させ、I世のガントレットを装着すると俺はそのまま雨属性の沈静で動きが鈍ったスクアーロに攻撃を放つ!

 

「ビッグバン・アクセル!」

 

「くそぉぉぉっ!!?この俺とした事が・・・油断した様だな・・・せめて、刀小僧と戦ってから・・・」

 

スクアーロの思念体はそう言い残すと黒い煙となり、姿を消した。スクアーロの思念体は自分が偽物だとは思っていないのか知らないが、ヤマモトと戦ってから消えたかったらしいが、そのヤマモトによって産み出された思念体である為、叶わぬ夢だとしか言えないな。

 

「残りはお前だけだ、アスナの思念体!」

 

「これは認めるしかないわね。私の負けは確定したわ。実力の事じゃなくて、あなた達の思いが強く感じたからこそ負けを認めるわ。だから、早く助けてあげなさい。本物の私の事をね・・・」

 

アスナの思念体はそう言うと黒い煙となり、姿を消した。

 

「まさか、戦いの決着を着ける事無く、アスナの思念体が自ら消えるなんて・・・」

 

「本当に思念体はデルタカテーナに閉じ込められた者の思念が具現化したモノなんだよ。だから、ツナの仲間を救いたい気持ちがアスナの思念体にも届いて、アスナの思念体は自ら消えたんだと思うよ。思念体と言えど、アスナはアスナだったって事じゃない?」

 

「そうだな。今回で解った事はゲームのプレイヤー以外の者が思念体として出てくる場合が有る事と思念体にも話が通じる相手がいるという事だな。」

 

これでアスナとヤマモトをデルタカテーナから救出出来る様になった訳だが、その前に俺はハイパー化を解くと落ちていたブーメランの持ち主が姿を見せた。その人物はやっぱり俺が知っている人物だった。

 

「やっぱり君だったんだね。バジル君!」

 

「はい、沢田殿!久しぶりですね。」

 

「えっ!?バジル!?BIFの最強プレイヤーであるバジルが何でここにいるの!?」

 

ブーメランの持ち主はバジル君だった訳だが、俺もバジル君がいる事に驚いたが、ユウキも驚いているので思い出した。ユウキは元々、BIFという俺の親子が作ったゲームにログインしようとしたところをノイズの影響で飛ばされてSAOに来てしまった訳なんだが、ユウキの話を聞く限り、バジル君はBIFの中で最強のプレイヤーであるらしい。バジル君はユウキの顔を見ると、ユウキに見覚えが有ったのかユウキと話し出す。

 

「お主はあの女傑の妹さんであるユウキ殿ですね。」

 

「僕の姉ちゃんは女傑じゃないってば!!まあ、強さ的には女傑で合ってるのかな?」

 

「あの人は本当に強かったです。拙者が本気を出しても互角に渡り合ったんですからね。一瞬、スカウトしようかと考えてしまった程でしたし。」

 

「姉ちゃんをスカウトって・・・何に?」

 

「それは・・・すみません、聞かなかった事にして下さい。一般の方を現実の拙者の仕事場にスカウトする訳にはいきませんしね。それで、お主の姉は元気でしょうか?少し前からBIFに姿を見せないので、どうしているのか気になるのですが・・・」

 

「姉ちゃんは今、遠い場所にいるよ。だから、本当に遠くに行くまでは会えないよ。」

 

「そうですか・・・拙者とした事が考えたら直ぐに解る事だろうに・・・」

 

「気にしなくていいからさ。それでバジルは何でSAOにいるの?」

 

ユウキの話を聞いてバジル君が少し気まずく思った様だが、ユウキは気にせずにバジル君に何故SAOにいるのか尋ねた。

 

「拙者がSAOにいる理由は三日前にBIFにログインしていた時、いきなり拙者の目の前に三角形の陣みたいなモノが出現して拙者はその三角形の陣に吸い込まれるかの様に取り込まれてしまったんです。そしたら、気付けばこのSAOの中にいました。BIFの装備は引き継いでおり、BIFには兵種というモノが有って拙者の兵種はエージェントと呼ばれる特殊な条件で慣れるものです。一応、BIFにバースト・ブラストと呼ばれる技がソードスキルの扱いに似ていた為、ソードスキルの扱いはマスターしました。」

 

「バジル君も三角形の陣によって飛ばされてきたんだ。」

 

「拙者も・・・という事は他にも三角形の陣でこのSAOに飛ばされてきた者がいるんですか?」

 

俺はバジル君にALOから飛ばされてきたヒバリさんとシックスの事や経緯は不明だが同じく三角形の陣で飛ばされてきたシノンの事を話した。後、デルタ匣やデルタカテーナの事も説明した。

 

「拙者以外にも飛ばされてきた者が三人も・・・もしかすると、他にも飛ばされてきた者がいるかもしれません。それにこれからも飛ばされてやってくる者がいる可能性も考えられます。それに沢田殿。デルタ匣は話を聞く限り、危険な代物です。急いでデルタ匣の力が及ばない様に隔離した方がいいかと思います。」

 

「バジル君の言う通りなんだけど、その前に言いたい事が有る。俺の事を沢田殿と呼ぶのは止めてほしいんだけど・・・」

 

「すみません!?つい、いつもの癖で呼んで現実の名で呼んでしまいました・・・」

 

「俺のプレイヤーネームはツナだから、この世界ではその名前で呼んでね。この世界にいるバジル君が知る人のプレイヤーネームは後で教える事にするけどさ。」

 

「かたじけない、ツナ殿。やっぱり、馴れませんね。でも善処はします。」

 

「それでバジル君、これからどうする。一応、俺はギルドのリーダーをやっているんだけど。ギルド名はボンゴレだけどね。」

 

「その名前を堂々とよくギルド名に使えましたね・・・まあ、知らない人が多いと思いますし大丈夫ですよね。そう言えば、アルゴ殿はこの世界にいるんですよね?」

 

「ああ。アルゴはボンゴレのメンバーとしているよ。元気でいるって言っとくよ。」

 

「そうですか。アルゴ殿は有給休暇で休んだところを巻き込まれたので親方様はアルゴ殿の有給休暇の期限をSAOにいる間はカウントしないと言っておりました。これはアルゴ殿がSAOでちゃんと動いていると親方様が判断して仕事として処理したからです。」

 

「バジルってツナとだけじゃなくて、アルゴとも知り合いだったの?それにバジルの言っている親方様って一体・・・」

 

「ユウキ、それは聞かなくていいからさ・・・」

 

「そう言われると尚更気になるよ。そこまで話されたらね。でも、そこまで知りたいとは思っていないから話さなくてもいいけどね。」

 

「話が少し反れましたが、拙者でよければツナ殿のギルドに入ります。」

 

「バジル君の実力は知ってるから頼もしいよ。この世界でもよろしく頼むよ、バジル君。」

 

「はい、こちらもよろしくお願いしますね。ツナ殿、それにユウキ殿。」

 

俺はバジル君をボンゴレのメンバーとして加入させた後、俺とユウキはバジル君を連れてボンゴレのギルドホームに戻っていた。

 

 

 

バジル君を連れてボンゴレのギルドホームに戻ると、直ぐに俺は会議室に有る二つのデルタカテーナの前に移動した。

 

「これがツナ殿の話していたデルタカテーナですか・・・」

 

「そうだよ、バジル君。デルタカテーナに閉じ込められた者を救うにはデルタカテーナに閉じ込められた者の思念を媒体として生まれた思念体を倒してから、デルタカテーナに閉じ込められた者に対しての思いをぶつける必要が有るんだ。」

 

俺はバジル君にデルタカテーナに閉じ込められた者の救出方法を説明した後、アスナとヤマモトを救おうと思ったんだが、二人が閉じ込められたデルタカテーナは既にユウキが思いをぶつけていた。

 

「アスナ、それにヤマモト。やっと二人を救い出せるよ。遅くなってごめんね。アスナは僕にとっては二人目の姉ちゃんの様な感じで、閉じ込められた時は本当に寂しく感じたんだ。だから、戻ってきてほしいな。僕はアスナともっと話がしたいし、これからも仲良くしたいしね。ヤマモト、僕は君とのデュエルに決着がついていない事を心残りにさせて勝手にいなくなるなんてダメだからね。デルタカテーナから出たら、日を改めてあの時のデュエルの決着を点けようよ。それに僕とヤマモトの性格も少し似た感じだし、仲良くしたいという意味も有るんだ。だから、戻ってきてもう一度デュエルしようか!まあ、今度は僕が勝つと思うけどね!」

 

ユウキは二人が閉じ込められたデルタカテーナに思いをぶつけると、二つのデルタカテーナは崩れてアスナとヤマモトが姿を見せた。

 

「あれ?私、もしかして今までデルタカテーナに・・・」

 

「うーん、何か記憶が曖昧なんだけど、暗い場所に閉じ込められた様な感じだったんだけど、ユウキの声が聞こえたから無事に脱出出来たって感じだな。」

 

「本当に戻ってきてくれて良かったよ二人供。」

 

「良かったですね、ツナ殿。」

 

「うん・・・そうだけどさ・・・」

 

「ツナ殿、もしかして・・・いいところを持っていかれたとか考えてふて腐っていませんよね・・・」

 

「そんな事無いよ、うん。」

 

「ツナ殿・・・絶対に思っていますよね・・・」

 

別に俺はふて腐ってはいない。まあ、一つだけでも俺にやらせてほしかったとは思っているけど。二人は助かった事だし、デルタ匣の管理は今は俺がしているので、デルタ匣の隔離は後で行う事にしよう。

 

 

 

アスナとヤマモトが無事に戻ってきた後、ボンゴレのメンバーと他の攻略組のギルドのリーダーをボンゴレのギルドホームの広場に召集させるとアスナとヤマモトが無事に戻ってきた事を発表した後にバジル君の事を紹介した。ゴクデラ君はまた現実での知り合いがSAOに増えたので、『次は芝生でも来るのか・・・いや、アホ牛か・・・或いは両方か・・・』とぼやいていたけどね。発表の後、各自解散したが、クラインは俺に近付いて話し掛けてくる。

 

「良かったな、ツナ。これでお前の仲間は全員無事に戻ってきたんだろ。」

 

「そうだよ。クラインも心配していたよね。」

 

「勿論な。アスナにヤマモト。この二人がいないと寂しい感じになるしな。ところで話が変わるけどよ、金を少し貸してくれないか?ギャンブルで大負けして無一文になったんだよ・・・」

 

やっぱりか・・・じゃあ、ゴクデラ君もギャンブルに大負けして帰ってきたのかもな。さっきのゴクデラ君の顔が少し暗い感じだったしな。

 

「何コル?」

 

「ええと、5万コルぐらい・・・」

 

「言っておくけど、賭博で増やして返すという考えだけはしない様にしなよ。そう約束するなら貸すけど。」

 

「勿論、約束するぜ!男に二言は無い!それに思い知ったしな。楽して金を稼ごうとすれば痛い目に会うってな!」

 

この様子だと賭博は二度とやらないと思うので、俺はクラインにお金を貸そうとしたタイミングで俺が持っていたデルタ匣が再び動きだすと、俺の目の前にいるクラインを包み込んでいく・・・

 

「うわぁぁっっ!!?」

 

「く、クライン・・・そ、そんな・・・」

 

目の前にいたクラインの姿は無く、代わりにデルタカテーナが出現していた。俺は周りを確認すると、他にもデルタカテーナが出現していた。その情報を俺に詳しく伝える為にか、ゴクデラ君が近付いてくる。

 

「十代目、今のでデルタカテーナに閉じ込められた者が多数います。クラインは十代目の目の前で閉じ込められた様ですが、クライン以外に閉じ込められた者はビャクラン、ザクロ、キキョウ、オボロ、それに今日からボンゴレに加入したばかりのバジルっす。計六人っすね・・・」

 

「いいえ、そのもう一人いますよ。」

 

ゴクデラ君の報告以外で確認されたデルタカテーナが有ると話すのはシックスだった。

 

「シックス!?いつから、ここに・・・」

 

「そうですね。ゴクデラ氏が報告をし始めた時からですね。まあ、先ほどの事ですね。」

 

「そう。それで閉じ込められたもう一人の人物って・・・」

 

「聞いたら驚くでしょうね。以外にも程が有る男が閉じ込めらのですからね。全く、デルタカテーナとやらは運べるんですが、重くて仕方ないモノですね。」

 

運べるのか、デルタカテーナ・・・シックスの後ろにはデルタカテーナが有るので本当に運んできた様だ。一体、誰が閉じ込められたんだ・・・

 

「このデルタカテーナに閉じ込められているのはヒバリですよ。雲雀恭弥、まさか彼までデルタカテーナに閉じ込められてしまうとは思いもしませんでしたよ。」

 

「えっ!?あのヒバリさんがデルタカテーナに・・・」

 

「閉じ込められたって言うのかよ!!?」

 

「言った筈です。本当に聞いたら驚く人物だとね。このデルタカテーナに閉じ込められたヒバリは君達に任せますというか押し付けます。」

 

シックス、ヒバリさんとはやっぱりいざこざが続いているんだな。解放したらしたで、面倒になりそうだから俺達にヒバリさんが閉じ込められたデルタカテーナを押し付けに来た訳か・・・

 

「それでは、僕はこれで・・・」

 

シックスは俺とゴクデラ君の反論がくる前にどこかに去っていた。

 

「十代目、とりあえずデルタカテーナ運びましょうか・・・」

 

「そうだね。とりあえずは会議室に置いておこうか。」

 

俺はボンゴレのメンバーにデルタカテーナを運ぶ手伝いをしてくれる様に頼み、皆で協力して計七つのデルタカテーナを会議室まで運んだ。ついでにデルタカテーナの重さは俺の感覚が正しければおそらくは1トンぐらいは有る気がした。シックスはよく一人で運べたモノだ。まあ、有幻覚で荷車でも作って運んだと思うけれどね・・・

 

 

 

こうして、デルタ匣は三度目の正直と言えばいいのか、またもや牙を剥き七人のプレイヤーをデルタカテーナに閉じ込めたのだ。俺がデルタ匣を早く隔離さえしていればこんな事にはならなかった筈なのに・・・だけど、今はそんな後悔をしている場合じゃない。俺は閉じ込められた七人を助けないといけない。でも、これは俺だけの問題じゃない。俺には仲間がいる。どんな時にでも支えてくれる仲間がいる。だから、俺は仲間達と一緒にデルタカテーナに閉じ込められた七人を助け出すんだ!

 

 

 

 

デルタカテーナに七人のプレイヤーが閉じ込められた時、SAOの有る場所にて・・・紅いコートを着た黒髪の男が憎しみの表情に満ちた顔でベラドンナ・リリーのメンバーである二人のオレンジプレイヤーと交戦していた。

 

「甘いな!BIFだか知らねえが、想定外のアクシデントと言えど、別のゲームからSAOに飛ばされてきてしまった以上はお前も俺達の獲物よ!」

 

「ナーブギアじゃないんだろ?お前らの遊びのゲームで装着するのはアミュスフィアってんだろ?名前の通り、遊ぶ為だけに作られたモノなんだろ?だから、HPが0になっても死なないんじゃないの?」

 

「貴様らが言いたいのはそれだけか?貴様らは痛みを遮断するペイン・アブソーバというシステムを狂わせて俺の仲間を・・・友を苦しませた。そして、俺の目の前で俺の友を仲間を躊躇無く殺した・・・俺はそれを許せん!」

 

「あ、そう。いいから、死ねよ!」

 

「去らば!平和ボケした別のゲームから飛ばされてきた哀れな子羊ちゃん!」

 

ベラドンナ・リリーのメンバーが紅いコートの男に刃を向けたが・・・先に倒れたのはベラドンナ・リリーのメンバーである二人だった。二人は男が振った剣の一振りだけで倒れたのだ。一振りで倒れたのは無理も無いかもしれない。何故なら、この男の剣は鞭の様にしなりながら伸びるので避ける隙が無いのだ。それに男の剣には高出力の嵐属性の炎が纏われており、嵐属性の分解によって一振りが強大な破壊力を誇っていたのだ。その証拠として、周りの木々や草花は燃えており、岩は真っ二つに切り裂かれていた。そして、男の横には嵐属性の炎を纏う隼の姿が有った。

 

「バカな・・・本当にお前・・・このゲームに飛ばされてきたばかりなのか・・・」

 

「有り得ねえ・・・こんな圧倒的な力なんて・・・お前、この力はどうやって手に入れたんだ、どうせチートか何かだろ!!」

 

「黙れ。貴様らと違い、俺の力はこの世界で正式な手段で得たモノだ。この蛇腹剣も、リングに匣もな!さて、そろそろ死んでもらおうか!」

 

「待て!!?俺達は本当は人を殺すのは好きじゃないんだ・・・」

 

「そうそう。俺達は只、恐ろしい奴に命令されて仕方なく・・・」

 

「なら何故、先ほどまでは笑って殺しを楽しんでいたんだ?答えるがいい!俺が納得する答えをな!」

 

「ヒイィッ!!?」

 

「た、助けてくれぇええ!!?」

 

ベラドンナ・リリーのメンバー二人は男を恐れて逃げ出したが、男の匣と思われる隼に追い付かれると逃げ道を防がれる。

 

「さあ、地獄に旅立って!!貴様らは地獄に行き、貴様らの身勝手な娯楽で殺した者達に死んでからも詫び続けろ!」

 

『ヒギャアアアァ!!?』

 

男の手によって二人は燃えながら、身体が頭頂部から真っ二つに切り裂かれて粒子となり散った。その後、男はその場を後にする事にし、一人言を呟く。

 

「俺は許せん。許さんぞ!ベラドンナ・リリー!!」

 

この出来事は少し遠目で見ていたプレイヤーがいた事でSAO中に広まる事となった。オレンジプレイヤーを狩る紅いコートの男の事をSAOのプレイヤー達はこう呼ぶ事にしたらしい。『復讐の紅き断罪者』と。




今回の話では、キリトの妹であるリーファ、本来ならGGO編に登場する筈のシノン、そしてリボーンのキャラクターからバジルが出ました。後は少しだけとは言え、スクアーロもヤマモトが生み出した思念体として登場しました。尚、『う"』にしたのはヴぉぉいがこの様に頭の文字だけがカタカナになってしまうから、こう書きました。

アスナとヤマモトを助け出せたものの新たに七人のプレイヤーがデルタカテーナに閉じ込められました。その中には意外な人もいますしね。

そして、最後に現れた人物はオリキャラですが、執筆した様に復讐の念に囚われた男です。元々彼はBIFのプレイヤーでしたが、仲間達と一緒にSAOに飛ばされてきてしまったのですが、ベラドンナ・リリーによって彼の仲間は一人残らず全滅しました。彼の仲間は100人は超えていたので、その大人数を失ったとしたら彼の抱く憎しみは無理もないと思うでしょう。


次回はデルタカテーナに閉じ込められた七人の一部の救出も有りますが、今回の話で最後に登場した『復讐の紅き断罪者』がメインになるでしょう。次回をお楽しみに
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