今回はデルタカテーナに閉じ込められた者から出現した思念体の相手をします。後半から前回の最後に登場した『復讐の紅き断罪者』の素性を明かします。
まあ、今回から追加したタグを見たら何となく解るかもですけど・・・
クライン、ビャクラン、キキョウ、ザクロ、オボロ、バジル君、そしてヒバリさんの七人がデルタカテーナに閉じ込められてから五日経過した。七人を助ける為にも思念体を探しているのだが、思念体は一向に姿を現さない。まあ、思念体は神出鬼没なので本当に出るタイミングが掴めないし、姿を現すのを待つしかない。ついでに70層の攻略は終えており、71層の攻略が開始された。ただし、風林火山はリーダーであるクラインがデルタカテーナに閉じ込められた為に不在だった・・・風林火山のメンバー達の為にも、クラインを早く助けないといけないな。
俺は毎日の週間となった連絡係のリックから渡された書類を片付け終えると、とりあえずは攻略を進める事にしてギルドホームの外に出た。フィリアはスワロとシリカを連れてトレジャーハントに行ったし、ユウキとヤマモトは二人で落ち着いてデュエルを行える場所に行った為、俺が間を指す訳にはいかないので、この二人も除かれるな。ゴクデラ君は・・・懲りずにギャンブルしに行ったので、負けて帰ってくると思うし、ゴクデラ君からお金を貸してほしいと言われても貸さない事にしよう。他の人にも、ゴクデラ君から頼まれても絶対にお金は貸さない様に注意しておくか。俺が誰をパーティーに誘うか考えていると、キリトとアスナがやって来たので声を掛ける事にした。
「キリトとアスナ。ちょうどよかった。俺は今から71層の攻略にでも行こうかと思っていたんだけど、二人がよければ俺とパーティーを組んで一緒に攻略にいかない?」
「いや、すまないツナ。俺とアスナは少し気になる噂が有るから、それを確かめに行きたいんだ。」
「そうなのよ。その噂って言うのはね、あるプレイヤーが50層の街、つまりエギルの店が有る街での事なんだけど・・・50層の街の路地裏を歩いていると電撃が飛び散る様な音がするらしいのよ。それに、その電撃の音に驚いたプレイヤーが路地裏から出ようとしたら急に身体が重力に押さえ付けられるかの様に重くなったって言うのよ。」
「電撃が飛び散る様な音に、重力に押さえ付けられるかの様に身体が重くなった・・・もしかしたら、デルタカテーナに閉じ込められた者が生み出した思念体が関わっているかも・・・」
「ツナ君もそう思うのね。私とキリト君もそう考えたから確かめに行く事にしたんだけど、ツナ君も一緒に来てくれる?」
「ああ。その話を聞く限りでは、どう考えても思念体が関わっているとしか考えられない。だから、俺も一緒に行くよ!」
「そうか。じゃあ、噂の真偽を確かめに行くぞ!」
俺はキリトとアスナと一緒に50層の街に行き、噂の真偽を確かめる事にした。
俺達は50層の街に着くと、直ぐに路地裏に入り、噂の真偽を確かめる為に路地裏をうろついていると、いきなり何者かが放った電撃が火花を散らせながら、俺達に向かってくるので俺達は避けると、電撃を放ってきた者が姿を見せる。その姿は短髪の金髪で未来で見た黒いコートの様なミルフィオーレのブラックスペルが着る制服を着ていた。
「ほう、避けたか。さすがはボンゴレってところか?」
「お前は電光のγ(ガンマ)!?」
「ツナ、知ってる奴なのか?」
「ツナ君、あの人はプレイヤーなの?」
「あの男は俺よりは戦った事が有るゴクデラ君とヤマモトの方が詳しいと思うけど、その実力は本当に厄介極まりないと思うよ。アスナの質問も返すと、γはプレイヤーじゃない。今、目の前にいるγの姿は現実でのモノで有ってゲームのプレイヤーではない事は確か。つまり、あのγはデルタカテーナに閉じ込められた誰かが生み出した思念体で間違いない!」
「思念体だと・・・何、訳の解らない事を・・・それより、白蘭はどこにいる?俺はアイツの声が聞こえたから来てやったんだが・・・」
「キリト、アスナ。今のγの発言で誰がこのγの思念体を呼んだか解った。今、γはビャクランの声が聞こえたからやって来たと言った。このγの思念体を倒せば、ビャクランを助けだせるよ!」
「そうか。思念体を倒しても誰が呼び出した思念体か解らないと助けられないしな。今の様に思念体から誰が呼び出したかヒントを得る事も大切って事だな。」
「何をごちゃごちゃ言ってやがるんだ?白蘭の居場所を吐かねえなら仕方ないな!召されな!」
俺達はビャクランを助けられる事が解ったが、γの思念体をまず倒す必要が有るのでγの思念体との戦いを開始しようとした時だった。急に俺達は身体が重力で押さえ付けられるかの様に重くなり、地面に押し付けられる。
「忘れてた・・・噂で聞いたのは電撃だけじゃなく、重力で押さえ付けられるかの様に重くなったって事をな・・・」
「何よ、コレ・・・身体が重たい・・・」
「これは大地属性の炎によって生み出された重力だ・・・間違いない。この重力を操っているのは、炎真の思念体だ!」
「さすがに解るよね。だって、ツナ君と僕の仲だからね。」
そう言って姿を見せたのは額に嵐属性とは違う赤く燃える炎を灯す俺と同じ年齢の赤毛の少年の姿だった。重力を操っているのは、やはり炎真君の思念体だった。おそらく、彼はバジル君が生み出した思念体で間違いない。
「彼もツナ君が知ってる人なの?」
「炎真君は現実での俺の友達で親友と言ってもいい仲の子なんだけど・・・今ので解る様に彼の操る炎は特殊なモノで重力を操る力を持つんだ。あの炎真君はバジル君が生み出した思念体だと思う・・・」
「ツナ、少し気になるんだが・・・お前の口振りだとまるで現実でもリングの炎が有るかの様に聞こえるというか、有る事を前提に言ってる様にしか聞こえないんだが・・・」
しまった!?少し口を滑らし過ぎたか・・・とりあえず、逃げの一手で誤魔化しておこう。
「ええと、それに関してはいずれ詳しい事を話そうと思った時にでも話す事にするよ。だから今は、この二人の思念体を片付ける事が先決だよ。」
「絶対に話す気無いだろ・・・まあ、気になるけど、お前が言いたくないならこれ以上、追及はしない。」
「それよりも、このまるで重力の檻にいるかの様な状態からどうやって脱出するの?このままじゃ、動けないまま倒されてしまうわよ・・・」
「大丈夫だよ。俺に任せておいて!」
俺は重力に押さえ付けられながらも死炎結晶を取り出すとハイパー化すると、俺は身体全体から気を放出して炎真君が操る重力の檻を打ち破った。
「ハアアアッ!!これで重力の檻は打ち破った。今なら動ける筈だ、二人供!」
「おっ!本当だな。自由に動けるぜ!ありがとな、ツナ!なるほど、身体全体から気を放出して打ち破ればよかったのか。また重力で押さえ付けられたら、俺もその方法で重力の檻から自力で脱出するか!」
「キリト君!!?今のは、どう考えてもおかしいと思わない!?だって、重力を気合いで打ち破ったんだよ!?普通はその事に関して疑問を持たない?」
「何を言ってるんだよ、アスナ。頑張ればきっと出来る筈だ。今のツナの様にな!」
「待って、キリト君・・・よく考えて。ツナ君と私達は住んでる次元が違うというか・・・とにかく、今のは彼にしか出来ないと思うからさ・・・」
アスナの言いたい事は俺がよく解る。今の方法で重力を打ち破って一番驚いたのは俺だしな。まさか、本当に気合いだけで重力を打ち破れるとは思わなかったしな・・・
「キリト、アスナ。お喋りはそこまでにしろ。お喋りの続きはγと炎真の思念体を倒してからにしろ。」
「ツナの言う通りだ。いくぞ、アスナ!」
「う、うん・・・何か釈然しないけど、まずはこの二人を倒さないとね。」
俺達はγと炎真の思念体との戦闘を開始した。
「まずは厄介な重力を操る炎真っていう奴から倒すぞ!」
「そうね。重力を操る彼さえ倒せば・・・」
「待てキリト、アスナ!!」
「おいおい、舐められたものだな。これでも受けてみな!ショット・プラズマ!」
重力を操る炎真君の思念体を先に倒そうとキリトにアスナが動いたが、γの思念体はその考えが浅はかである事を思い知らせるかの様に雷属性の炎を纏ったビリヤードの球を確かキューという名前のビリヤードを突く棒で飛ばすと、キリトとアスナの足下にビリヤードの球が設置されると、その球に纏われていた雷属性の炎が広がっていき、キリトとアスナをまるで電撃の網に掛かったかの様に電撃で焼く様な音が聞こえた。
「グワァァアッ!!?」
「な、何よコレ・・・」
「コレが俺の得意技、ショット・プラズマさ。そのビリヤードの球に纏われている雷属性の炎が広がっていき、お前達を焼く電撃の網を張らせてもらったのさ!」
「くそ、電撃を操る男と重力を操る男のコンビか・・・最悪な組み合わせだぜ・・・」
キリトとアスナはγの実力を知らなかった事も有るが、今のでγの強さを実感し、γと炎真のコンビが厄介だと認識した。
「それでどうだ?俺のショット・プラズマの味は?まあ、この程度はまだ小手調べだがな!」
「この技で小手調べなの!!?」
「そうだ!喰らいな!エレトリック・タワー!」
γの思念体は地面に設置されたビリヤードの球を空中に浮かせると俺達を包囲するかの様にビリヤードの球が動く。
「まずい!?これは避けようが・・・」
「そういうこった!これでフィニッシュだ。召されな!」
γの思念体が指を鳴らすと同時に雷属性の炎が俺達を包み込み焼くかと思われたが、俺は咄嗟にナッツを形態変化させてI世のマントを装着してキリトとアスナを庇ったのでダメージは少なく済んだ。
「ギリギリで間に合ったか・・・大丈夫か、二人供?」
「ああ。何とかな・・・」
「助かったけど、どうしよう・・・γと炎真の二人はどちらを相手にしても厄介だし、攻撃が通るのかどうかも怪しいわ・・・」
「確かにな・・・零地点突破でγのビリヤードの球を凍らせる事も可能なんだが、ビリヤードの球の雷の炎が広がっている以上はそれだと俺達も凍ってしまう可能性が有るしな・・・」
「ツナでも困るのか・・・なら、俺の匣である幻狼のハクの幻覚で惑わせば・・・」
「させないよ!」
「くそ、また重力かよ・・・」
「残念だったな!これで召されな!」
キリトがハクを呼び出して幻覚を作ろうとしたが、炎真君が重力を操作してキリトが匣を開口出来ない様に俺達を押さえ付ける。ソコをγが再びエレトリック・タワーを発動させて俺達に雷属性の炎を浴びせた。
「グッ・・・炎真の大地の炎の重力操作で俺達の動きを封じ、γが雷の炎でトドメをさす・・・この二人を倒すにはせめて、他にも味方がいれば・・・」
「それは残念だったな。さあ、今度こそ終わりだ!」
「させるかよ!テメエは本物のγじゃねえ!俺が知るγはユニへの忠誠心に溢れた立派な男だ!そのγを勝手に語るんじゃねえよ、γの偽物が!」
γに向かって爆弾が投げられ、γは爆弾を雷の炎で防ぐと、ゴクデラ君が姿を現した。
「ゴクデラ!ほ、本物だよな?」
「キリト・・・俺はれっきとした本物のゴクデラだ!間違っても思念体じゃねえ!!」
「悪かった。思念体と疑われたら不機嫌になるよな・・・それでゴクデラは何でここに?」
「ギャンブルで大負けした後、その悔しさをバネにして攻略にでも行こうかと思っていたら、十代目とお前ら二人がこの50層の街に向かったと聞いたから来たんだ。」
やっぱり、ギャンブルで大負けしたのか・・・それで、その負けた腹いせに暴れようと思っていたら、俺達がここにいると聞いたから来たんだな。思念体に八つ当たりする為にな・・・
「っていう事で、γの偽物は俺が倒す!覚悟しな、γの偽物!瓜、形態変化だ!」
「にょおおん!!」
ゴクデラ君は瓜を形態変化させると、ボムを巻いたアーマーを装着し、パイプ型の発火装置を口に加え、顔にゴーグルを着けた姿へと変化した。
「久しぶりだな。この姿で戦うのはな!」
「あれ?あの弓矢じゃない?」
「ゴクデラの瓜もツナのナッツと同じ様に様々な姿になれるのか!?」
「まあ、そう言うこった。この形態変化は見ての通り、強化されたボムを扱うモノだ。全てのボムに火薬とは別に嵐属性の炎の分解が混ざった事で、その威力は通常のボムとは比べ物にならないぜ!」
「ほう。面白いじゃねえか。それで俺を倒すとでも言う気か?」
「当たり前だ!γの偽物、テメエはこれで倒すぜ!十代目、炎真の相手はあなたがしてください!十代目なら、炎真の偽物に勝てる筈です!」
ゴクデラ君がγの思念体相手をしてる間に、俺は炎真君の思念体の相手をする事にした。俺はナッツを呼び出すと、ナッツを形態変化させる。
「ナッツ、形態変化!」
「ガオオォォッ!!」
ナッツは俺の両手に有るイクスグローブと合体し、イクスグローブが強化される。
「ナッツは剣だけではなく、ツナのグローブとも合体できるのか・・・」
「凄い・・・この二人は本当に凄いよ・・・」
キリトとアスナは俺とゴクデラ君が新たな形態変化を使った事に驚いている様だ。それにだ・・・この形態変化に現実とは違い、本来なら借りないと使えないモノが有るが今は何故この力が有るのか考えるのはよして、とりあえず、炎真の思念体の相手をしないとな。
「いくぞ、炎真!」
「来なよ、ツナ君!大地の重力(グラヴィ・デラ・テッラ)!」
炎真君の思念体は俺に向かって大地の重力を繰り出してきたが、俺はグローブの炎を勢いよく噴出して受け流すと、直ぐ様にこの技を放つ!
「喰らえ、本物の炎真との絆で得た、大地の炎の重力で絞った炎を放つこの技。超収束 X BURNER!」
「ぐわああぁああっ!!?」
俺は大地の炎でX BURNERの炎を絞って放った。じゃないと、こんな街の路地裏で普通にX BURNERを放ったら、別の人や物を巻き込んでしまいそうだからな。何故、大地の炎が形態変化で強化されたイクスグローブに有るかどうかは理由は解らないが、お陰でキリトにアスナに街の建物を巻き込まずにX BURNERを放てたので良しとしよう。炎真君の思念体は今の一撃で倒れると、黒い煙となり消滅した。
「これでまずは一人、片付いた。ゴクデラ、γの思念体はお前に任せるぞ!」
「はい!任せてください!いくぞ、γ!ロケットボムVer.X!」
「こい!嵐の守護者!俺の一撃で召されな!ファイナル・ショット!」
ゴクデラ君とγの思念体は互いに技を放つ。ゴクデラ君はロケットボムを嵐属性の炎で強化したロケットボムVer.Xを放ち、γはビリヤードの球に雷属性の炎を付与させてキューで打ち放つファイナル・ショットを繰り出す。γのファイナル・ショットはゴクデラ君の展開するシールドによって防がれ、γは雷の炎でロケットボムVer.Xを防ごうとしたが、その威力はγの炎を撃ち破り、防御を崩してγに命中した。
「チッ・・・強くなったじゃねえか・・・嵐の守護者。」
「当たり前だ。あれから二年以上は経ったしな。俺が強くなったのは当たり前だろ・・・まあ、思念体である偽物のお前に言っても意味は無いだろうけどな。」
「知ってたさ。俺が本物のγではない事はな。嵐の守護者、言わなくても解ると思うがお前は絶対に自分の仕えるボスは守ってみせろよ!じゃあな!早く、あのムカつく甘党を助けてやれ。」
γの思念体はそう言うと黒い煙となり消滅した。γが言う甘党はおそらくビャクランの事だろう。これで二人はデルタカテーナから解放出来る。
「思念体は片付けたし、戻るぞ。」
「ああ・・・戻る前に一つ聞きたいんだが、ツナ。リングの炎と匣の事をどこまで知ってるんだ?」
俺がゴクデラ君とキリトとアスナにギルドホームに戻る様に伝えると、キリトは今の戦いで疑問に感じたのか俺にそんな質問をしてくるが・・・詳しい話はすべきでは無いと思うのでこう返す。
「ほぼ全てを知ってると言っておこう。今はそれしか言えない。詳しい話は俺が話す気になったらする。」
「つまり、話す気は無いって事か。まあ、いいさ。その内、聞くチャンスが有るかもしれないしな・・・」
キリトは少し疑心暗鬼の様だが、俺の事を疑っている訳では無いので、今の時点ではちょっとした疑問にしか思っていないのだろう。とりあえず、今は早くギルドホームに戻って二人を解放しないとな。
俺達がボンゴレのギルドホームに戻ると、バジル君とビャクランが閉じ込められたデルタカテーナの前に来た。
「今回解放出来るのはバジルとビャクランだよな。バジルの解放はツナがやった方がいい。ビャクランは・・・誰がやればいいんだ?」
「ビャクランも俺がやるよ。さてと、始めるか。」
俺はバジル君とビャクランが閉じ込められたデルタカテーナに手を当てると思いをぶつける。
「バジル君、本当にごめん。この世界で会って直ぐにこんな目に合わせてしまって・・・本当にごめんね。バジル君、俺には君の力が必要なんだ。だから、戻ってきてほしい。ビャクラン、お前は正直言うと何を考えているか解らないし、色々と掴めない奴だけど・・・どこか憎めない部分も有るし、なんだかんだでビャクランの事を信頼はしているんだ。ビャクラン、頼む。再び力を貸してくれ!」
俺が思いをぶつけると二つのデルタカテーナは崩れて消えると、バジル君とビャクランが姿を現した。
「拙者は閉じ込められていたのですか・・・すみません、拙者とした事が・・・この借りはギルドのメンバーとして戦う事で返すとしましょう。」
「どうやら僕もデルタカテーナに閉じ込められていたみたいだね。それでツナ君達に迷惑を掛けた様だけど、この借りは僕なりのやり方でいつか返すとするよ。とりあえず、今はこう言っておくよ。助けれくれてありがとね。」
バジル君とビャクランの二人は俺にそう感謝の言葉を発する。これでデルタカテーナに閉じ込められたのは残り五人か・・・まだ先が長いが、確実に五人を助けないとな。その後にデルタ匣を隔離する事も考えとかないとな・・・
バジル君とビャクランがデルタカテーナから解放されて俺はギルドの皆と適当に話しているとヤマモトとユウキのデュエルの結果を聞くと、互いに一歩も引かず、互角な為か引き分けだったと聞いた。その後に俺はボンゴレのギルドホームの自室で休んで三時間が過ぎると、アルゴが部屋に入って来た。
「どうしたのアルゴ?一体、何の様?」
「よぉ、ツっ君。実は少し面白いというか、まあ、ツっ君からすると物騒な事かもしれないな・・・」
「アルゴ、どんな内容の話を持ってきたんだ?」
俺はアルゴがどんな話を持ってきたのか尋ねると、アルゴは話し出す。
「知ってるか?この頃最近、オレンジプレイヤーを狩るプレイヤーがいるみたいだ。」
「オレンジプレイヤーを狩るって・・・オレンジプレイヤーを退治してるプレイヤーがいるって事だよね?」
「ツっ君はそのプレイヤーがオレンジプレイヤーを倒して捕縛してると思っている様だが、違うんだ・・・そのプレイヤーはオレンジプレイヤーを見ると見境も無く、殺しに掛かるんだ。」
「オレンジプレイヤーを殺しに掛かるだって!?オレンジプレイヤーは犯罪者プレイヤーだけど・・・だからといって、見境も無く殺していい筈が無い・・・」
「ツっ君の気持ちは解るさ。でも、そのプレイヤーはどうもオレンジプレイヤーに自分の仲間を殺された事での怒りによって復讐に囚われているみたいなんだ。」
「仲間を殺された事での怒りで復讐に囚われたって・・・まるで最初に会った時のスワロの様な感じだ・・・」
「確かにそうだな・・・だが、そのプレイヤーは正規のSAOプレイヤーじゃない様だ。そのプレイヤーは現実で家光が作ったとされるBIFのプレイヤーらしいんだが、理由は定かではないがこのSAOに仲間達と一緒に引き込まれた様でな、その引き込まれたBIFのプレイヤー仲間全員がオレンジプレイヤーに殺されてしまった様だ。それで強烈な怒りを持つ様になって、オレンジプレイヤーを狩る様になったんだろうな・・・」
「そんな・・・本来なら関係無いゲームである筈のプレイヤーがこの世界に引き込まれた上に、仲間達が全員殺されてしまったなんて・・・」
「ああ・・・割り切れない話だな・・・話を続けるぞ。そのオレンジプレイヤーを狩るプレイヤーは赤いコートを着た黒髪の男の様でな、こんな通り名が付いた。復讐の紅き断罪者ってな。」
「復讐の紅き断罪者・・・それがオレンジプレイヤーを狩るプレイヤーの通り名か・・・」
『復讐の紅き断罪者』、そう呼ばれるプレイヤーは一体どの様な人物なんだろう・・・もし会えたら、何とかしてオレンジプレイヤーを見境も無く殺しに掛かる事を止める様に言わないとな・・・でも、その『復讐の紅き断罪者』に俺の言葉は届くのだろうか・・・弱気になっても仕方無いか。もし会えたら、何とか説得してみる事にしよう。
アルゴから『復讐の紅き断罪者』の話を聞いた後、俺は気分を変える為に外の景色を眺める。気付けば夜になっていたらしく、空には満月が綺麗に浮かんでいた。俺は満月を見上げていると、リーファが俺に声を掛けてきた。
「ツナ君、何をしてるの?」
「リーファか。ええと、気分転換したくなったから景色を見ようとしたら綺麗な満月が浮かんでいたから、満月を見上げていたんだ。」
「満月か。現実では二度と見れなくなってしまったけど、こうしてゲームの中とは言えど、久しぶりに満月が見れたのは嬉しいな。」
ん?リーファの口からどうも気になる言葉が有った様な・・・現実では二度と見れなくなってしまったって・・・
「リーファ、今・・・満月を現実では二度と見れなくなってしまったって言わなかった?」
「言いましたけど・・・ああ!?そうだった!?これ、伝えとかないとSAOから現実に戻った後、皆が混乱するよね!?私はとっくに慣れていたから気付かなかったよ。ああ、何で早く言っておかなかったんだ私は・・・」
「リーファ、落ち着いて!ええと、とりあえず詳しい説明をお願いするよ・・・」
「す、すみません・・・実はツナ君とお兄ちゃん、つまりキリト君がSAOに閉じ込められた後、学校で新学年として始まるぐらいの時に突然、月が7割蒸発してね、三日月しか見れなくなったんだ・・・」
月が7割も蒸発したって・・・どういう事?何故、そんな事が起きたの!?とにかく、リーファからもう少し話を聞くか。
「何で月がいきなり蒸発した訳?しかも、7割も・・・」
「知らないですよ!?だって、いきなり蒸発したから世界中でパニックになって暫く新聞が月の蒸発についての記事ばっかりだった程だったんだよ。すみませんけど、私が言えるのはこれ位ですね・・・」
「そう。とりあえず、この話は後日にSAO中に広める様にするよ。冗談かと思われそうだけどね・・・」
リーファは現実では月が7割蒸発して、三日月しか見れなくなった事を伝えた後に自分の部屋に戻っていた。まさか、現実では満月が二度と見れなくなったとはな・・・あれ?ユウキもバジル君も知ってた筈だよな・・・シノンは記憶喪失だから仕方無いけど、ユウキにバジル君も月が三日月しか見れなくなった事に慣れていたから話さなかったのかな?はあっ・・・SAOをクリアした後に、地球が滅びていないか不安にもなるな・・・とりあえず、今日は寝る事にしよう。
俺は自室に戻って眠り、次の日にアルゴを通してSAO中に現実で月が7割蒸発した事を広めた。まあ、最初は誰もが信じてはいなかったけどね・・・でも、リーファやバジル君の証言で大半の人が本当だと信じてくれた様だ。それにしても、月が7割蒸発したのは一体、何故なんだろう。まさか、変な実験とかの影響ではないよな・・・まあ、月の蒸発についての話はここまでにして、デルタカテーナに閉じ込められた五人を助ける事を考えておかないとな。
ツナがリーファから、月が7割蒸発した事を聞いていた夜、SAO内の別の場所では紅いコートを着た黒髪の男が満月を見上げていた。そう、かの『復讐の紅き断罪者』である。以外にも彼の顔は中性的で女性に近い顔で背丈も低めなので、パッと見ると強そうには見えない。そんな彼は満月を見上げていると、思わず一人言を呟いた。
「満月か・・・まさか、この世界で見る事になるとは・・・」
『復讐の紅き断罪者』と呼ばれる彼は、現実の中学時代は椚ヶ丘中学校に通っていた。椚ヶ丘中学校は進学校だが、三年生のクラスにはE組という進学校である椚ヶ丘中学校の授業についてこれず成績が低い者を山の上に有る隔離校舎に通わせ、本校の生徒や教師からはまるでゴミの様に扱われるクラスが有る。彼もそのE組にいた生徒であった。ある日、そんなE組に突然、防衛省から烏間という男がやって来ると、E組の教卓の前に黄色いタコの様な謎の謎の生物が姿を現したのだ。その黄色いタコの様な生物は人の言葉を話せる様で、E組の生徒に自分こそが月を蒸発させた犯人だと告げ、更に来年の三月に地球を破壊するとも宣言した。そして、自分がE組の担任をやると。烏間はその生物を彼を含めたE組の生徒に暗殺する様に依頼した。この生物は最速でマッハ20のスピードで動くので動きを捉えるのは難しいが、この生物を暗殺した場合、賞金として百億円が送られると聞くと、E組の生徒は少し戸惑いながらも月を蒸発させた生物の暗殺を引き受ける事になった。
最初はただ賞金の百億を求めてがむしゃらに人間には無害な対生物用のナイフやBB弾を撃ったりしていただけだが、この生物はちゃんと担任としてE組の生徒である自分達の事をきちんと見てると分かり、徐々にE組の生徒は殺せんせーと名付けられた生物と交流を深めていき、殺せんせーを通してE組の生徒は団結していき、落ちこぼれの集まりから一歩ずつ確実に上に進んでいった。殺せんせーとの出会いで彼を含めたE組の生徒は変わった。自信を持てずにいた者は自信がつき、自分のダメな部分に気付かずにいた者にはダメな部分を殺せんせーが指摘した事で気付かせてもらい、改善する様に頑張る様になった。彼もそんなE組の生徒だった訳だが、彼は特に殺せんせーの影響を受けた人物であると言える。
それに彼を含めたE組を変えたのは殺せんせーだけでは無い。E組に特別講師として見た目は赤ん坊だが、最強の殺し屋とも言われているリボーンがやって来た。リボーンからの無茶な指導で死にかける事が多くなったE組の生徒達だったが、リボーンの指導も有ってかE組の生徒達は確実に成長していった。
殺せんせーとリボーンに会った事で彼は後に自分には暗殺の才能が有る事に気付いた。彼の暗殺の才能はまず、途中からE組の副担任として勤務する様になった防衛省の烏間が気付いた。殺せんせーの暗殺の為の訓練中に烏間は彼から得体の知れない気配を感じ取り思わず彼を突き飛ばしてしまった。その時はまだ烏間は気付かずにいたが、後に一時的とは言えどE組の体育教師になった烏間と同じく防衛省の者である鷹岡を相手にした時、彼は笑顔で鷹岡に近付き、一瞬とは言えど油断した鷹岡は自分が追い詰められた事に気付くと怯みだし、その隙を逃さず彼は鷹岡の背後に入り、ナイフを喉元に寸止めで近付けたのだ。この様な暗殺に恵まれた才能を彼は持っていたのだ。
その彼の暗殺の才能を見抜いたのは烏間以外にも元プロの殺し屋であるロヴロがおり、ロヴロは自分の現役時代に使っていた確実に相手を殺す為の必殺技を彼に伝授した。その必殺技で前に自分に負けた事で発狂に近い状態で彼に勝負を挑んできた鷹岡に再び勝利した。その後、彼の大きな暗殺の才能に気付いたのが同じE組の生徒である。彼の暗殺者の才能はそれだけに留まらず、リボーン同様に最強と言われる暗殺者である『死神』と呼ばれる男の技を一つ吸収して自分の技にした程だ。彼はそんな暗殺の才能に恵まれている事に戸惑っていたが、後に自分がなりたいものが殺せんせーの様な先生になる事だと気付き、暗殺の才能はE組にいる間だけしか意味は無いだろうと思っていた。
彼を含めたE組の生徒達は殺せんせーの過去を知った後に、殺せんせーを助ける方法を見付け、無事に椚ヶ丘中学校を卒業した。その後、彼の高校生としての生活が始まったのだが、そんな彼に悲劇が訪れてしまった。高校生としての生活が始まり、勉強を頑張りながら、自分の息抜きの手段としてアミュスフィアを購入してBIFをプレイしていた。彼はBIFでは『ノーロスト・ホープ』という名前のギルドを作っており、そのギルドのリーダーをやっていた。最初はたまたまE組の生徒であった者が彼にBIFで再開した事で結成された小さなギルドであったが、後に他のBIFのプレイヤー達も加入していき、気付けば百人以上のプレイヤーが加入していた。無くならない希望という意味を持つギルドの名前に他のプレイヤーは引かれたという。名前の通りにギルドのメンバーは誰もが最後まで諦めずにBIFで戦っていた。だが、ある日に突然出現した黒いブラックホールの様な穴に吸い込まれると、気付けば彼を含めた『ノーロスト・ホープ』のメンバー百人以上全員がSAOに引き込まれてしまったのだ。
突然の事態に混乱する『ノーロスト・ホープ』のメンバーを落ち着かせようと、彼と同じくE組の生徒であったプレイヤー達が彼と一緒に宥めようとした時だった。突然、黒い炎が彼を含めた『ノーロスト・ホープ』のメンバー全員を包み込んだ。彼は黒い炎の威力で吹き飛ばされしまい、茂みに飛ばされた事も有ってか、黒い炎を放った者に気付かれずに済んだ様だが、ダメージで動けずにいた。ゲームの中なのに現実と同じ痛みを感じたからだ。そんな彼の目の前で黒い炎を操る赤いボディスーツのセミロングの暗色の赤毛の男とその男が率いる者達によって、次々と『ノーロスト・ホープ』のメンバーが黒い炎を操る男によってポリゴン状の粒子となって散っていくのが見えた。まるで目の前の黒い炎を操る男は自分の仲間達を殺す事に躊躇いも無く、まるで男は自分の戦闘能力を試す為の実験台にしてるかの様に見えた。男は痛みを抑えるペイン・アブソーバを操作して痛みを感じる様にし、黒い炎の他、覇王剣というスキルを持っていた様で、その覇王剣で仲間達を次々と斬り潰していた。そして、『ノーロスト・ホープ』のメンバーで生き残ったのが、茂みに飛ばされ男の視界に移らない自分を含めた元E組の生徒であったプレイヤーだけだったが、その元E組の生徒であったプレイヤー達もその男によって剣で切られていき、黒い炎で燃やされ粒子となって散っていくのを黙って見る事しか出来なかった自分に怒りを感じていた。そして、最後に殺されたのは自分が最も心を通わせていた少女だった・・・
その断末魔を見た彼は発狂しそうだった。今すぐに目の前にいる男を殺してやりたい。だが、自分はダメージで動けずにいた事が悔しく、自分の不甲斐なさを心底後悔し、仲間達を殺したベラドンナ・リリーと呼ばれる殺人ギルドのリーダーであるブリガンテスという男への怒りよりも、自分に対しての怒りが上だった。ブリガンテスという男が去った後、彼は今までの自分を否定するかの様に髪を黒く染め、髪型もボサボサにした。装備を自分の仲間達を殺した男の事を忘れない様に赤いコートにし、一人称も『僕』から『俺』に変え、このSAOで戦っていく為の力を探しに出た。
彼は先ず短剣と片手剣に曲刀のソードスキルを執念で完全にマスターし、大空と嵐属性のAランクリングそれぞれ一つ手に入れた。彼は大空と嵐属性の炎が同じ高さで流れており、まるで彼の怒りを表すかの様であった。彼は大空属性の匣である天空麒麟(ギラッファ・デイ・チエーリ)と嵐属性の匣、嵐隼(ファルコ・テンペスタ)を手に入れた。この二つの匣は攻略組が避けた程の高難易度であるクエストの報酬で手に入れた。そのクエスト内容はどれも過酷な環境で戦う事を余儀無くされ、それで攻略組のプレイヤーも避けたのだが・・・彼は執念と持ち前の暗殺の才能とE組で鍛えられた身体能力で見事にクリアしたのだ。そして、彼は茅場が作り出したユニークスキルの中でも最も身体能力に優れた上に、執念深くいる上に、最も戦闘に動じないプレイヤーに与えられるのが習得条件である蛇腹剣の使い手に選ばれたのだ。蛇腹剣はその習得条件の難しさに納得がいく程の性能を持ったスキルだ。リーチが優れる上に、威力も高い上にクリティカル率も高い。それに攻撃が予測不能な動きで放たれる為に茅場本人が最も習得されてほしくないスキルでも有る。この蛇腹剣は使用者の意志で攻撃の軌道を自由に操作出来るので、開発者である茅場にも攻撃の予測が難しいので、開発者である茅場までもが一番警戒するスキルなのだ。
『復讐の紅き断罪者』と呼ばれる彼はこの様な経緯で現在に至る訳だが、彼は満月を見て少し思いふけていた様だが、満月を見るのを止めると殺気迫る顔になる。
「俺は許さない。俺の仲間を・・・E組の時からの友人を・・・彼女を殺したブリガンテスを・・・いや、ブリガンテスだけではない!ヤツの作ったベラドンナ・リリーも許せない!!ベラドンナだけでは足りない。全てのオレンジプレイヤーは俺の敵だ!」
憎しみと怒りに満ちた表情で彼はその場から移動した。『復讐の紅き断罪者』、そのプレイヤーネームはナギサ。現実での本名は潮田渚。彼が椚ヶ丘中学校のE組で見せていた顔とは違うモノになりつつ有った。彼が再びその時に見せていた顔を見せるのかは誰も解らない。彼、ナギサはブリガンテスへの憎悪と怒り、そして自分への怒りによって変わりつつ有る。彼を戻せる者はこのSAOにいるのだろうか・・・
ツナとナギサ・・・互いに裏の世界の住人と会った事で人生が変わった二人。そして、リボーンの指導を受けた生徒である。だが、進む道は互いに違っていた。この二人が会う時、運命が動き出す。
今回は思念体として炎真とγが登場し、この二人を相手にしました。この時の戦いでツナとゴクデラはボンゴレギアになった時の形態変化を使用しました。ツナはこの時に大地の炎を扱えるので、これからの戦闘でも多く出る事でしょう。
復讐の紅き断罪者、彼の正体は『暗殺教室』に登場する潮田渚です。彼は怒りで性格が豹変してしまった訳ですが、果たして彼を元の性格に戻せるのでしょうか・・・それと、渚の仲間達はSAO内で倒され粒子となり散っていきましたが、ナーブギアでは無くアミュスフィアである事が関係しているのか現実では死んではいません。ただし、目覚めずに植物状態に近い状態だと言っておきます。それを知る術が無いのでナギサは仲間達が死んだと思い込んでるので、死んではいない事さえ解れば・・・
ツナとナギサ。互いに似た境遇の持ち主な訳ですが、進む道は互いに違ってしまいました。果たして、この二人が会う時は一体どうなるのだろうか・・・
後、この設定に基づいた小説を投稿するつもりです。原作を『暗殺教室』にしたこの小説と接点が出る様に書くつもりです。リボーンがE組の特別講師としてやって来るという設定です。ツナはSAOにいるので植物状態です。
次回はデルタカテーナに閉じ込められた者の解放も有りますが・・・まあ、お楽しみという事でお待ちください。