アヤベさんの妹に転生したけどこれキャラ崩壊する奴じゃんってなる話   作:煎餅さん

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こんな直ぐ続き上げるなんて、どうしたの煎餅さん何か悪いもの食べた?

そんな訳で先輩達に焦点当てた話、レース描写もだけどコースの説明とか有利不利とかは適当に調べて出て来たのをそれっぽく解釈して継ぎ接ぎしてるので実際の物とは齟齬があるかもしれない。というか絶対にある。なのでその辺はご了承ください(今更

(24/1/26追記)加筆修正しました。あとコース説明やら何やらが色々混じって矛盾引き起こしてる風に見えた部分を個人的解釈の下修正しました。今後もコース特徴は調べて出て来たものと自分の解釈を悪魔合体して書いて行くので、この辺の修正は増えていくと思います
筆者は競馬にあんまり詳しくないのです(今更


先輩達のメイクデビュー(その①)

 夏休みを目前にした六月末の土曜日、私達姉妹は揃ってテレビの前に釘付けになっていた。

 付け加えると、隣には六年生のたきな先輩も一緒だ。喫茶リコリコは現在、看板娘のデビュー戦を理由に臨時休業中である。

 

 そう、メイクデビューだ。

 リコリコの看板娘であるリコリスフレーバーもだが、翌日の日曜日にはロータードラッヘもまたデビュー戦があると報せがあった。

 二人とも早々にトレーナーが付き、早いうちにデビューしてしまうのが良いと言う事で決まったらしい。

 

「たきな先輩、店長と一緒に現地行かなくて良かったんですか? 東京ならまだ行ける距離だと思いましたが」

 

「いえ、下手に行くと無駄にはしゃいでスタミナを使いそうでしたので。実際、過去にやらかしてますし」

 

 ふと疑問に思った事を投げかければ、そんな返答。確かに私達が二年生の時、六年生同士の競走でそんな事をしていたなと思い出す。

 私達が応援に向かったら、パドックの際にたきなに気付いたリコリスフレーバーは盛大にはしゃいだのだ。それはもう、身振り手振り小躍りの大盤振る舞いときた。

 

 結果は序盤こそ好位に付くも、そこから徐々にスタミナを磨り潰しズルズルと後退。案の定の惨敗を喫したのだ。

 

「あー……嫌な事件でしたね……。まぁ大舞台でそんな事されたら堪らないですからね、万全を期して行かない選択をするのも手段の一つですか」

 

「その代わり、勝ったら会いに行くとは伝えてあります。リコリスはそっちの方がよっぽど効果ありそうですし」

 

「それは、確かに。リコちゃん先輩ってそういう所ありますよね」

 

 姉さんもそう言って笑う。しかしその呼び方、すっかり定着してしまったな。

 最初にそう呼ばされて以来、別の呼び方をすると寂しそうに返事もせずジッと見つめてくる為、諦めたと聞いた時は天を仰いだ。あの類はマトモにとり合うと抜け出せなくなるのだが、姉さんは見事にハマってしまったらしい。

 

「らしいと言えばらしいので、別に良いんですけどね……」

 

 そんな雑談を交わしていれば、テレビの画面が切り替わる。時間が近づいたため、タイマーがチャンネルを切り替えたのだ。

 ちなみに私達の家は各種レースチャンネル系サービスの契約を結んでいる為、各レース場別にパドックから返しウマ、レース本番までの流れを生中継で見れる。私達が本格的に走る事を決めた日から、実際のレースを見るのも走りの研究に良いからと契約したのだ。

 ウマ娘のレースをみるのが好きなナナセもこれには大喜び。ちょっと複雑な姉心は仕舞っておこう。

 

 そして画面に映るのは、体操着にゼッケンを着けた何人かのウマ娘達。

 メイクデビュー東京のパドックの様子だった。

 

「リコリス先輩、何番って言ってましたっけ?」

 

「3番です、前目に付いたレース運びをする子なので悪くない位置だと思います」

 

 ステージ控えからパドックステージにカメラが変わり、1番の子がガチガチに緊張しながら出て来たのを見ながら聞けばそんな返答。

 確かに彼女は基本的に先行の位置に立つ事が多い、スタートが巧いのと相まって先頭に出がちなのが玉に瑕だが。

 

 しかし3番ともなると、パドックの紹介も直ぐに回ってくるな。一人当たり数分かけてバ体を披露し、自分は走るぞとアピールをしていく。

 ちなみに1番の子はバ体自体は悪くないが、いかんせん緊張が激しい。走り始めれば解消される子も居るが、スタートダッシュで差を付けられる可能性も否定できない。続く2番の子は、1番の様子を見て逆に緊張が解れた様子だった。少なくとも過度な緊張はしていない。

 

「あ、リコちゃん先輩が出て来た。……うん、落ち着いてるみたいだね」

 

 その声に居住まいを正し、先ほどまでより真剣にテレビに向き合う。確かに落ち着いているように見える、解像度が高いとは言え画面越しなので判断し難いが仕上がりも上々といった具合だろうか。

 

 そして気になる人気は、なんと6番人気。低く見られている気がしないでもないが、どうなのだろう。

 

「すまん、遅れた。……その子が例の、お前たちの先輩とやらか」

 

 その声に振り向けば、身長190㎝近くある巨体がそこに居た。霧峰霞がそこに立ち、テレビに視線を向けている。

 

「仕上がりは悪くないが、やや落ち着きに欠けるな。掛からなければ良いが」

 

 そして、私達の評価とは真逆の見解を出した。はて、そう見えるだろうか?

 そう思い、よく見ようと視線を戻す。が、丁度次の子に交代する所だった。これでは確認のしようがない。

 

「貴女がザーガさん達の監督さんですか、私は井ノ上たきなといいます。……私達には落ち着いてるように見えましたけど、貴女がどうしてそう評価したのか聞かせていただいても?」

 

「よろしく、霧峰霞だ。そうだな、少々視線が泳いでいたのと……僅かに足で床を叩いているように見えた。何かを探すというより、何か楽しみが控えている子どもが目先の事に集中しようと取っ掛かりを探している感じだったな」

 

「……なるほど、今回に限ってはあの連絡も不要だった可能性がありますね」

 

 そう、霧峰の言葉を聞いたたきなが疲れたように額を押さえる。

 確かに、その評価が間違いなければ少々芳しくない。たきなの行動が裏目に出たとも言えるからだ、それで負けたらたきなもきっと負い目を感じてしまいそうだ。真面目だし、余計に。

 

「何があったかは知らんが、予め聞いていた君と彼女の事を考えれば察する事が出来る。君が考えていたよりもずっと彼女が入れ込んでいただけの事だ、気に病む事は無い」

 

「……ありがとうございます」

 

 流石大人と言うべきか、確りフォローも加えていく。

 

 それにしても落ち着きのなさは兎も角として、ここまで他の出走者を見ていてパッとする子はあまり居ない。言ってはいけないだろうが、正直リコリスが一番人気を取っていても可笑しくはないだけの顔ぶれだ。

 そうなると原因は恐らく、リコリス本人が人気を下げる事をしでかしているぐらいか。

 

「たきな先輩、リコリス先輩って学園で何かやらかしたりしました?」

 

「え? いえ、そんな話は聞いていませんが……」

 

 ふむ、そうなると何が原因だろう?

 

「大方彼女の人気が低い事を気にしているんだろう? 考えているより単純だよ、彼女自身が孤児院出身を公言しているからだ」

 

「はぁ!? えっ、なんで」

 

「知らん、思惑は本人に聞かん限り憶測にしかならんからな」

 

 つまり霧峰は、憶測でアレコレ言うつもりは無いと。

 

 とはいえ、確かに孤児院出身を公言しているとなれば人気も落ちるだろう。あくまであの人気は、誰が勝つかという部分に主眼が置かれている。ましてメイクデビューともなれば猶更だ。

 孤児院での生活なんて一般的に知られたり考えられたりする事ではない、ある種偏見を基にして考えられる。ならば確かに、勝てそうかと言われれば悩むのが大半だろう。

 

「だが、それでも16人中で6番人気だ。それらの人気を落としうる不利を背負ってなおこの人気と考えれば、十分健闘出来ているよ」

 

 そう言って微笑む彼女は、何処か嬉しそうに見えた。

 

 

 

——☆☆☆——

 

 

 

「メイクデビュー東京、芝の1800m左回り。ポケットからスタートし、斜めにコースへと突入する都合外枠は不利になりがちなコースだ」

 

「どうした急に?」

 

「今回リコリスフレーバーは6番人気ながら2枠3番、先行脚質で内枠を引き当てている。そしてその人気も偏見によるもので、実際の仕上がりは先のパドックの通りだ」

 

「ああ、やや落ち着きが無いように見えたがそれを除けば1番人気でも遜色ない仕上がりだった。つまり今回、彼女が1着を得られる可能性は高いか?」

 

「そうとも限らない、東京レース場の最終直線は500m越えと比較的長い。更にゴール手前300mまでは第4コーナーからの坂がある為に仕掛け処次第で先行勢がバテる可能性がある。ましてメイクデビュー、コース特徴に合わせたセオリー通り動けば最終直線で後続に捉えられる可能性は十分にある」

 

「となると、逃げの動き次第って事か」

 

「幸いにして良バ場である事と、トレーナー達もその事は重々承知している筈だ。それらを念頭に作戦を立てていると考えれば内枠、かつ先行勢有利の環境がハマるかもしれないな」

 

「だな」

 

 

 

 私は目が良い。そして同時に、ウマ娘である為に耳も良い。

 半年ぶりに見かける彼らが、相変わらずな様で安心する。そして話の内容からして私の事を応援する心算でいる事も、感謝しなければいけないだろう。

 

「ぃよっし! いっちょ、やったりますかぁ!」

 

 顔見知りが応援に駆けつけてくれている、その事実が嬉しくて顔が緩む。そんな自分の頬を叩き、気合を入れる。

 それにこのレースに勝てば、たきなとも会える。さっき先生と会った時も、確認でき次第一度迎えに行くと約束してくれた。

 

 なんて事を考えると、俗にいうフラグだなと思えてくる。こうやって別の事を考えているとあっさり足元を掬われる、何のために頬を叩いたのだと深呼吸を追加で挟んで気持ちを抑える。映画の様にあっけなく銃弾が飛んできて死ぬ、なんて事は無い筈だ。だけど脚が滑って出遅れとか、スパート時に転倒してそのままとかは全然あり得る。

 もちろんそんな凄惨な光景を、テレビで見ているであろうあの子達に見せる心算は毛頭ない。

 

 時間が迫り、ゲート入りが始まる。私は奇数番だから先に入る、あんまりゲートの中は好きじゃないけど我慢する。

 それにゲートを出るのも、巧いとトレーナーさんに褒められたし。

 ちょっと癪に障る言い方がカチんと来るけど、それを除けば結構マトモなトレーナーだ。ウマ娘顔負けの耳の良さがあるから、ちょっとした愚痴も全部聞かれるのが玉に瑕だけど。

 

(大丈夫、練習通りに。そして作戦通りに。私が勝つ、みんながそう思っていても、全部押しのけて勝つ!)

 

 他愛ないいつもの日常。やる気があるのか無いんだか、憎たらしい頼れる相棒の激励を思い出す。

 緊張も脱力も、飴と鞭も。どちらもバランスよく。肉体は仕上がってる、だから後は心がそれに見合う様に整えろ。

 

 身体と心、そのどちらもバランスよく仕上がった時こそ。

 

「私が、勝つ!」

 

 

 

——☆☆☆——

 

 

 

「始まった!」

 

 ゲートインが完了し、長く感じた僅か数秒の後ゲートが開く。

 

『メイクデビュー東京、スタートしました! 先ず好スタートを切ったのは3番リコリスフレーバー、続いて4番アンバーシュシュがこれに並んで前を狙う!』

 

「かなり好いスタートを切ったな、スタートが巧い」

 

「トレーナーからも褒められたと自慢してましたから、本番でも変わらず出来たのは大きいですね」

 

 霧峰のそんな評価と、それに対して当然だとばかりに頷くたきな。

 事実とても巧い。ほんの一瞬だったが、開き始めたその瞬間には身体を僅かに後退させてスタートダッシュの溜め動作に入っていた。確か目がとても良いと聞いているし、それに反応できるだけの反射神経も備えているのだろう。

 開き始めたその瞬間、視認と同時に動作を完了させる事が出来る反射速度。とんでもないウマ娘だ。これで逃げじゃないのだから恐ろしい様な、惜しいような。

 

『先ずは400mを通過、ここで並んでいた4番アンバーシュシュが先頭に変わった! リコリスフレーバーは顔色を変えることなく二番手、三番手と順位を落とすがこれはどうか?』

 

「これでいい、ほぼ勝ったも同然だ。中々厄介な奴だよ、4番はまんまと乗せられた」

 

 しかしなるほど、いざ見てみれば確かに厄介だ。アレをどうにかしようと思ったら彼女よりも更に速くゲートを飛び出し、競り合う事無く先頭に立つでもなければ防ぎ様が無い。

 もしくはガン無視。自分のペースを維持し続ければ自然と先頭に立てる。リコリスは逃げの適正はそんなに高くないから、先頭に立ち続けるメリットも無いから簡単に譲る。

 

 まぁメイクデビューでやられると、相当野良レースなんかで経験詰んでるでもなきゃ即対応は厳しいんだけど。

 

「どういう事ですか?」

 

「4番はわざと先頭を取らされた、あの子はわざわざ先頭を取りに行ったあたり元から逃げの作戦だったんだ。初速で優位に立っていたリコリスフレーバーはその速度を維持するだけでいい、逆に4番はそれを追い抜いて先頭に立つ為に速度を上げ続けなければならなかった。シニア級や勘のいいクラシック級ウマ娘ならば対応出来ただろうが、ジュニア級ウマ娘でアレに対処しろと言うのは酷だな」

 

 困惑するたきなに霧峰はそう言って説明した気になっていたが、たきなは残念ながらレースの定石を知っている様な子ではない。ましてコースの特徴も頭に入っているわけでは無いので、納得する私や姉さんと逆に困惑の色を深めた。

 

 これに関しては予め知識の差を伝えていなかった私達が悪いのでこちらで後で補足するとしよう。

 

『さあ今1000mを通過、タイムは1分ジャスト! デビューしたてのジュニア級ウマ娘にはやや速いペースか!? この状況を生み出したのは間違いなく3番リコリスフレーバー! 全く恐ろしいウマ娘だ!』

 

 流石は実況、ジュニア級のこの程度の策ならば見抜くか。

 後はもう最終直線まで殆ど動きは無いだろう、今の内に軽く説明しておこう。

 

「えっと、レース中に速度の加減速をするってそれだけでスタミナを使うの。リコリス先輩はそれを誘発させて、逃げの子に先頭を譲った。逃げと、その後を追って行った前目に付く子は先輩を追い越す為にペースを上げたけど先輩はスタート時からほぼ一定のペース。先ずここでスタミナを温存しつつ、ライバルのスタミナを削ったんです」

 

「ああ、なるほど。それで、勝ったも同然ってどういう事ですか?」

 

「そういう事か、悪いな。今彼女達が走っている東京レース場1800m芝コースは、先ず内枠が有利なんだ。スタートがコーナー途中にあるポケットと呼ばれるエリアで、その関係でコーナーに対して斜めに進出する事を余儀なくされる。必然的に元々内側に居るウマ娘が有利になる。後方脚質だとあまり恩恵は無いし、不利も実質的な走行距離が数m増えるぐらいだが」

 

「ちなみに東京レース場の最終直線は、手前に坂があるんです。しかも距離も長いから、これのせいで一般的にはスローペースでレースが進んで、最後の坂の前後でスパートしてってのが主流ですね。それより前からペースを上げてると、坂で失速してしまい後方勢が瞬発力で抜かすのが決まりやすくもあります。で、今みたいにペースが速くなると後方勢が有利に普通なるんですけど……リコちゃん先輩はあくまで自分のペースのままなんですよね」

 

 私の説明に納得したたきなに気付いた霧峰がコース特徴を話し、姉さんもそれに乗じて色々と説明を並べる。

 

 コースの特性上、内枠かつ先行は特に有利。しかし同時にハイペースになると後方有利の目も出てくる厄介なコース。

 しかしそれも地力の差が無い事を前提にした理屈だ。1番人気でもあった4番の子が、リコリスの次にバ体の様子が良かった。けれど最初の400mでそれを潰した以上、後はもうペースを崩さなければ勝てるレースである。それ程までに隔絶した実力を持っているのだ。

 

『さあ最終コーナーを回って最後の直線! 先頭を進んでいた4番アンバーシュシュ厳しいか! 後続が一気にスパートをかけて猛然と襲い掛かるが、ここで3番リコリスフレーバーが上がってきた!』

 

 テレビに視線を戻せば、一人だけぐんぐんと坂を上って行っているのが見えた。厳密にはペースはまだ変わっていない、坂で失速していないだけ。他が落ちてきているからそう見えるだけだ。

 

 後方から迫るウマ娘達も必死で後を追うが、元々前目に付けていたリコリスの背中を窺うだけでまだ届かない。

 そして坂を抜けた直後、その圧倒的なスペック差を見せつけるように、枷が外れたかのようにその速度が目に見えて上がった。

 

『リコリスフレーバー更に加速! 坂を抜けて残り200m、これはもう追いつくのは厳しい! そして今一着でゴールイン!! ジュニア級初戦メイクデビューを、圧倒的な身体性能を見せつけて勝ちました!! 前評判もなんのその! 堂々と勝利を飾りました!!』

 

「……すごい、リコリスってあんなに速かったんですね」

 

「そりゃ、私達が勝てたのって最初の一回だけでしたし。他にも先着こそしましたけど、それも全部自滅した結果でしたからね……」

 

「うん、リコちゃん先輩はとっても強いよ。……たきな先輩、準備しないと」

 

 テレビの中で両手を振って声援に応えるリコリスを見ながら、姉さんがたきなに向けて声を掛ける。そういえば勝ったら行ってあげるんだっけ、文句のつけようが無い勝ち方したし行くしか無いだろう。

 

 後方でスタンバイしてた父さんが動いて、車を出してくると一言残して先に出て行った。私達もたきなの準備を手伝って、それを見送る。

 スタンバイしてたと言うか、さっきまでの話の流れを汲んで自主的に動いてくれたとも言う。カフェの店主さんが迎えに来るとか言ってたが、まぁどこかの駅までだろうからそこまで送るのだろう。流石に東京はちょっと距離があるし。

 

 

 

「それじゃ、リコリス先輩によろしくねたきな先輩」

 

「カッコよかったって、伝えてください」

 

 とりあえず外に出て、たきなにそう言って見送る。伝言を頼みはしたが、それはそれとしてLANEに祝福の言葉を投げておくんだけどさ。じゃないと拗ねるし。

 

 また後日に改めて祝福したい所だが、夏休み中は合宿に行ってしまうからなぁ。その辺りは追々考えよう、明日もロータードラッヘが走る事だし。

 

「アヤベ、ザーガ。すまんが弟達が私が恐いと泣きそうだ、戻って来てくれないか」

 

 なんて考えていれば、部屋で待って貰ってた霧峰にナナセとナツヒコがビビッて泣きそうになっているとヘルプが飛んできた。

 個人的には豪い別嬪さんだし恐くないと思うのだが、そう言うのが分かるのはもう少し大人になってからか。仕方がない。

 

「はーい、今行きますよー。……いこっか、姉さん」

 

「うん、今後も偶に来ることになるだろうし慣れて貰わないとね」

 

 確かにそうだ。小学校卒業後はどうか分からないが、それでも当分は関りが多くなる。

 さっさと行ってあやして、霧峰とも仲良くなって貰おうじゃないか。

 

 

 

 ちなみにその後、父さんよりも滅茶苦茶デカい上にとんでもない力持ちなのも相まって弟達の人気者になった。子どもって腕にぶら下がるアレ大好きだよね、特に男の子。高さがあれば余計に。ウマ娘並の力があるから安心して頼めるし。

 

 当然ながら、帰ってきてそれを見た父さんはしょげた。




ザーガ:リコリス先輩

アヤベ:リコちゃん先輩

たきな:リコリス
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