吹き付ける風を帆いっぱいに受け止め、その船は進んでいた。
砂面は大きくうねり、その上を征く者達を翻弄しようと試みていたが、それを押しのけるようにして船は力強く突き進む。
頭上は、目が痛くなるほどの蒼一色で染め上げられていた。
船上では忙しく動き回る船員達が活気に満ちた声を張り上げている。船員ばかりではなく、もうすぐ姿を見せる目的地を一刻も早く見るためだろうか、商人らしき男が目を輝かせて甲板に設けられた手すりから身をのりだしていた。
人々の活気が乗り移ったかのように、船はバルバレに向かって一直線に進み続けている。
……そんな中、
甲板で、このあたりでは少し珍しい緑と赤を基調とした、各所に飾られた浅黄色の羽が目を引く防具。マッカォシリーズを身に纏った少女がアイテムポーチを整理している姿があった。
「よう、ハンターさん! もう少しでバルバレに到着だな!」
ウェスタンな外見をした、陽気で豪快そうな男性に話し掛けられた。
「どうだ、こっちにきて、一緒に眺めないか?」
「うん、もうそろそろかぁ」
そう頷き船首に登った。
「楽しみだなァ。もしかして、ハンターさんも待ちきれなくなったのかい?」
男はそう言った。
「そう! やっと地面に足を付けることが出来ると思うとね」
「はっは! いや、実は俺もなんだ。船底からついつい、はい出てきちまった。人でもモノでも何でも集まるにぎやかで、鮮やかなあの市場が砂海に浮き上がるのを、みたくてな」
「なるほどね。ところであなたは、何故バルバレに?」
そう聞くと、男性はキャラバンの団長をしていて、世界中を旅している事。一緒に旅をしてくれる仲間を3人探している事を教えてくれた。
「そんな訳だ。ハンターさんは、何故バルバレに?」
「私は、とあるモンスターの情報と仕事が欲しくてね」
「……ほうほう、なるほどな。バルバレには、集会所があるものな。何かを探すには、これ以上にないほどもってこいな場所だな!」
そんな話をしていると、上空にガブラスの群れが飛んできていた。
「……それにしても、だ。ハンターさん、気にならないか? さっきから奴ら、妙にザワついてる」
「たしかに、ガブラスの飛来は古龍襲来の前兆となっている場合が多い。なにかあるかもね」
その時、砂面が大きく膨らんで船が激しく揺れ、ソイツは撃龍船を大きく跳び越えた。
「ガブラスは古龍のさきがけ・・・!
やはりダレン・モーランだったのか・・・!」
砂中から現れたのは艦船の如き巨体、そして赤茶けた岩殻を纏った風貌から「岩船」「古船艇」などと比喩され、
ハンターズギルドでは《豪山龍》と通称している超大型古龍である。