ファイアーエムブレムif 闇に蠢くスレ民 作:ピンピンオウヨ
「お前達急げ! 今は一分一秒が惜しい!」
太陽の上らぬこの暗黒の大地にて、ある騎兵の部隊が全速力で大地を駆け抜ける。隊長と思わしき男はそう叫ぶも、既に部下達、及び軍馬は疲労困憊、途中で脱落者が僅かながらも続出する始末であった。
そんな状態になってまでも向かった先には、暗夜王国の軍の補給拠点――
だったものがそこにあった。
「こ、これは……まさか!」
建物は倒壊し、雨風を凌ぐ役割すら果たせていない。中の剣、槍、弓といったような武器も破壊の限りを尽くされ、真面なものは殆どない。最も最悪なのは、作物が育ちにくい暗夜では貴重な兵糧が、無残にも燃やされている事だろう。幸い全ては燃えていないようだが、今だ暗夜を苦しめる炎は消えていない。駐屯兵が消火活動にあたっているが、いつまでかかるやらと頭を抱える光景であった。
「アンタ等、増援の部隊か? 今になってやっと来たのか……」
そう恨み気に言うのは、この補給拠点の指揮を任されているランサーの隊長であった。
「おい、答えろ。奴らは、
問う本人にとっても分かり切っているのだろう。だが問わずにはいられなかった。この任に失敗した日には、この国の国王陛下直々に何をされるか皆目見当もつかない。
「一戦交えるには遅すぎたな。もう散り散りになって何処に行ったのやら……」
バカな……と口を零す騎兵隊長。現在国王陛下はこういった被害が相次いでいるせいか、相当に機嫌が悪い。
今から妻と娘だけは助けてくれと陛下に懇願するか、それとも己の信ずる騎士道を捨てて敵国たる白夜にでも亡命してしまおうか、もしくは賊にでもなってしまおうか。
これから消火活動を手伝う騎兵隊長の目元に滴る雫は、汗か涙かの見分けすらつかない。
「も、申し訳ございません!!」
そう悲鳴のように叫ぶこのジェネラルは、暗夜王国の戦略的防衛を任されていた指揮官であった。この男が震えながら頭を下げざるを得なくなった背景には、やはり暗夜の補給拠点が潰されたことにあるだろう。
「この仕事に就任してから早速この有様か……!」
対して圧をかけるこの男こそ、暗夜王国国王ガロン王その人であった。見ているだけで重苦しい鎧、どう見ても人間のサイズではない戦斧、何より本人の覇気がこの場に居る誰もを委縮させた。
「貴様はあの拠点の戦略的価値を理解していないのか? よりにもよって憎き白夜の国境付近の拠点を! あそこが破壊されたまま白夜との戦争になればどうなる! 前線の兵に補給が行き渡らず、短時間の戦闘の内に潰走するだろう。そうなれば前線に穴が生じ、国土に白夜兵共が雪崩れ込むだろう! 現在が平時である事が幸運と思え!」
「し、しかし恐れながら陛下……現在守るべき拠点や製造所が数多く点在しており、その駐屯を賄うだけの人員が足りていない状態。それに……相手はあのスレミン、奴らは一兵一兵が熟練の兵士。数的有利が取れていないとあっては……」
と弁明を図るジェネラル。この場にいる人間の大半は、どちらかと言えばこの男には同情的であった。もしも自分がこの男と同じ立場だとしたら、この難題に対してどう立ち向かうか頭を悩ませたことだろう。
(まあそりゃ俺が情報流してるんだから最初から全部なんて守り切れるわけないよな。可哀そうに)
そんなことを考えていたソーサラーが一人いた。暗夜王国にて軍師を務めているマクベスの部下であった。驚くべきことに、これほどの中枢にもスパイが紛れ込んでいたのである。
当のマクベス本人は、自分の部下にスパイがいる可能性について微塵も考えていなかったようだが……
「ガロン王様、これほどの失態、国の威信にも関わるでしょう。この男を直ちに極刑に――」
「他人事のように言っておるがマクベス、貴様にも責があると知れ!」
「ひっ、ひえええええ!! が、ガロン王様……私の責とは一体……」
「実際に失態を犯しているとは言え、こやつの防衛計画自体はわしの目にも問題はなかったと見る。これは即ち情報戦において敗北があったという事だ。これが何を意味するか、解らぬ貴様ではあるまい」
「ま、まさか間者が……!?」
(おっと、そろそろ気付くと思っていたぞ。やっぱここら辺で暗夜での活動は縮小するか……)
「間者の調査は貴様の領分であろう。それを棚に上げて他人の断罪の推奨とは見上げた根性だなマクベス!」
「ひっ、ひいいいいいい!!!! も、申し訳ございません!! 直ちに我が軍に入り込んでいる鼠の洗い出しを直ちに行わせていただきます!!!」
その場を離れるように仕事に取り掛かるマクベス。普段こういった経験がなかったのか、冷汗は滝のように流れていた。
「フン……聞け、暗夜の兵よ。この大陸に、スレミンなる武装組織が活動を開始して以来、暗夜の重要施設が次々と破壊されている。わしはこのスレミンを、白夜以上の脅威と認識している。最早奴らの対策等と悠長なことは言っていられん! 奴らを草の根を分けてでも見つけ出せ!! 見せしめとして惨たらしく処刑するのだ!!!」
(おおこわ……俺に飛び火しないだろうな……まあ情報の流し方がアレだし、現場を押さえられる事もないから大丈夫だとは思うが……)
「へ、陛下! 大変です!!」
「ヌゥ……今度は何だ!」
「またスレミンです! 今度はノスフェラトゥの製造所が!!」
あちゃーと心の中で顔を手で覆うソーサラーの心象は、凍土の如く冷え切ったことだろう。
480:名無しのソーサラー
てな訳で今後は暗夜での活動は縮小してクレメンス
ちなジェネラルおじさん、やっぱり許されず頭ざっくんちょされちゃったわ。
正直生きた心地しないンゴ
481:名無しの巫女
乙ー。いやー白夜生まれでよかったわワイ
482:名無しのマーシナリー
いいよなーそっちは。安定した食料供給に安い税金、あったかいお日様。そりゃ暗夜も戦争するよねっていう。
483:名無しのロッドナイト
お日様ないとこんな寂しいんだな。日本人には想像つかんよなこんなん
484:名無しの侍
ゆーてお前ら悪代官姉貴から食料定期的に配給されとるやろ。不公平無くすためにワイら白夜人のスレ民は自分で食料手に入れてるんやぞ。
485:名無しのマーシナリー
それはそうだが
486:名無しのパラディン
お前らちょっとこっち来てみろ。治安最悪でしんどいぞ。外に出れば必ず死体見るし、伝染病流行ってるし、街道整備も予算削られてひでぇ仕事だし。
487:ネトウヨエンジョイ勢
ソーサラーくんお疲れー。
とりあえず活動縮小については全員に通達しとく。現状暗夜の中枢に近いのお前だけだからスパイだって絶対バレんなよー。位置的にお前の救助も難しいからな。
488:名無しのソーサラー
ん、おかのした。
489:名無しのアドベンチャラー
つか露出狂ゾンビの製造所潰したのワイなんだけど、もしかしてまずかった? センセンシャル!
490:名無しのソーサラー
いや、まーでも悪代官姉貴からはあんなんあったら行商上クッソ迷惑で商売上がったりだからやれそうなら潰しといてとは言われてるからなぁ……
491:名無しの忍
しかしまいったな……今後は暗夜で暗躍も難しいだろ。てことはあの露出狂ゾンビは直接駆除に行かなきゃならんって事だろ?
492:名無しの山伏
ふう……ここは寒いな……
493:名無しのマーシナリー
は?
494:名無しの弓使い
エアグルーヴのやる気が下がった!
495:名無しの忍
何のことだと思ったがそう言う事か。別にダジャレ言ったつもりはねえよ。
496:名無しの薬商人
実際問題めんどくさいな……今スレ民の総数500ちょっとだっけ?街道全域をカバーなんてこ無ゾ
497:名無しのアクスファイター
そこは悪代官姉貴の使う街道をピンポイントで駆除していけばいいっしょ。
まさか露出狂ゾンビにビビってるスレ民いる? いねえよなぁ!?
498:名無しのダークマージ
転生特典的なアレで成長率がメッチャ高いんだっけ俺ら。
499:名無しのソシアルナイト
うわっ、何だこれ。掲示板? 何で突然頭の中に?
500:名無しの弓使い
おかげでスレ民内での死傷者はごく少数だよね。いやあ転生特典様様。
501:名無しのアドベンチャラー
お? その反応もしかして新規さん?
502:名無しの忍
あらいらっしゃい!
503:名無しのパラディン
ソシアルナイト君、かな? 早速だけど君今どういう状況か分かる?
504:名無しのソシアルナイト
レスってこれでいいのかな?
いや、全然。なんか首吊り自殺したら気付いたらなんか変な暗い谷にいて。隣に馬もおるし。しかもクッソなつかれてる。ペット飼ったことないのに。
505:名無しの天馬武者
おっとぉ? いきなり闇深い事言い出したぞコイツ
506:名無しのソーサラー
とりあえず簡単に状況を説明するね。レスは残るからじっくり考えるんだよ。
まず君は異世界に転移しました。しかもファイアーエムブレムifというゲームの世界にです。中世ヨーロッパ風のファンタジー世界で、貴方はソシアルナイトという兵種を与えられています。このソシアルナイトという兵種は馬に跨って剣と槍で戦う兵種です。ここまでおk?
507:名無しのソシアルナイト
急展開過ぎて頭混乱するけど……とりあえずおkっす。
508:名無しの侍
まあ当然の反応だよな。誰だってそーする。俺もそーする。
509:名無しのソーサラー
で、俺らの目的ね? この世界には白夜王国と暗夜王国っていう国があって、近々そいつ等が殴り合いするんだけど、それを裏で糸引いてる黒幕がいるのね。透魔竜ハイドラっていうんだけど。コイツぶっ殺すのが俺らの目的(まあ依頼者は管理人なんだがな)。これもおk?
510:名無しのソシアルナイト
おk……と言いたいところだけど、まって。てことは俺、そのハイドラっていうのを殺してこいって言われる流れ?
511:名無しの薬商人
いや、それは個人の自由。平民として平穏に暮らしてもよし。
512:名無しのマーシナリー
平穏に暮らす(暗夜の醜態を見ながら)
513:名無しの巫女
少なくとも今は決めなくていいよ。どっちにしろ悪代官姉貴かネトウヨ……暗夜職だからネトウヨか。そいつに身分証明してもらわな仕事も出来んやろ。
514:名無しのパラディン
そんな訳だから出番だぞ。起きろネトウヨ!
515:ネトウヨエンジョイ勢
だからネトウヨじゃねえって言ってんじゃねえかよ(棒)
仮にネトウヨだとしても、ネトウヨと言う名の紳士だよ
516:名無しの侍
大日本帝国……?
517:ネトウヨエンジョイ勢
ばんざああああああああああああああい!!!!!!!!!!
518:名無しのアドベンチャラー
恐れ多くも……?
519:ネトウヨエンジョイ勢
天皇陛下ばんざああああああああああああああい!!!!!!!!!!
520:名無しの槍術士
うーんこれはネトウヨ
521:ネトウヨエンジョイ勢
ン”ン”ん! 話を戻すゾ。とりあえず迎え寄越しに行きたいけど、ソシアルナイト君は今どこにいる? 暗い谷って言ってたけど、もうちょっと情報欲しい。
522:名無しの槍術士
確か暗夜の兵種は暗夜王国内に転移だっけ? だから暗夜王国内なのは確かだと思うんだけど……
523:名無しのソシアルナイト
その谷が滅茶苦茶デカいんだよ。ちょっと覗いてみると底が見えないし、ボロいけどデカい橋も乱立してる。あと雷も降ってるな。迎えに来てくれるんなら出来るだけ早く頼む。雷が俺んとこに振ってこないか気が気じゃない……
524:名無しの巫女
デカくて底が見えない谷……?
525:名無しのロッドナイト
もしかしなくても→無限峡谷
526:ネトウヨエンジョイ勢
お前絶対そこから動くなよ!? あと橋にも近づくなよ!? お前の格好で橋に近づいたら白夜と暗夜の国境問題になるからな!?
527:名無しのソシアルナイト
恰好……? 何だこの鎧!? ってか女になってるやんけ!?
528:名無しのバトラー
君もファ美肉かぁ、壊れるなぁ(男女比)
529:名無しの侍
転生、転移願望があるようなチー牛くんにはTS願望が十中八九あるからね。しょうがないね。少しでも願望があると元の世界とは姿を変えて転移しちゃうの。
530:名無しのバーサーカー
にしたって男女比1:9は笑うのよ
531:名無しのシーフ
まあ、ファ美肉は置いといてだ、迎えは俺行くわ。丁度俺も無限峡谷にいるし。とりあえずソシアルナイトの格好した奴探せばいいな?
532:ネトウヨエンジョイ勢
んじゃシーフ君頼むわ。ソシアルナイト君、なんか目印ない?
533:名無しのソシアルナイト
目印……あーじゃあ地面に槍でスレ民ですって書いとくか。
534:名無しのパラディン
や め ろ 今俺らスレ民の名前で白夜と暗夜から指名手配されてるから
535:名無しのソシアルナイト
ファッ!? おまいら何やらかしたんや……
536:名無しの忍
世界を救うために暗躍する過程でまぁ色々とな……
537:名無しの巫女
仕方ないんやって
538:名無しのソシアルナイト
うーん……でも目印って言ってもな……同じような景色がずっと続くし、これといって目印になりそうなのが……ひとまず橋の近くの林で座ってるな。
539:名無しのシーフ
多分暗夜の国境側だよな……? 分かった。ちょっと拾いに行くからそこにいろよ? んじゃネトウヨは諸々の準備を頼むわ。
540:ネトウヨエンジョイ勢
あいよー
541:名無しのソシアルナイト
すまんな。恩に着る。名前はシーフ君でいいのかな?
542:名無しのシーフ
あーじゃ後で個人的に名前教えとくな。スレ民内にはシーフは複数人いるから……
543:名無しのソシアルナイト
お、おう。分かった。……んーでもおかしくない? ネトウヨエンジョイ勢って人のネーム多分兵種……ってやつじゃないよな? これが出来るならみんな好きに名前つければいいんじゃ……
544:ネトウヨエンジョイ勢
それが出来ればよかったんだけどな……(遠い目)
545:名無しの山伏
結論から言えばネーム変えるのは無理なの。コテハン勢はまぁ……少し特別だからな……
546:名無しのマーシナリー
ま、その辺はシーフ君がねっとり教えてくれるでしょ。
547:名無しの槍術士
そういや最近新規は転移ばっかりで転生勢全然見ないな。14年前に転生してきた奴が最後だっけ?
548:名無しのロッドナイト
そりゃそうよ。今更転生されても戦力にならんしこっちも困るわ
549:ネトウヨエンジョイ勢
今になって管理人がそんなガイジムーブしてきたら認知症疑うわ
550:名無しのソーサラー
もう誰かが転生してくるってことはないだろうな……なんせ……
今から原作スタートまでタイムリミット一年を切ったし
気が向いたり好評だったりしたら続き書こうと思ってます。