ガールズ&パンツァー 最後の虎   作:東ドイツ空軍航空部隊

1 / 96
始まり

 

 

 

 

「―――敵戦車撃破!!」

 

 

ここは、ドイツ ライン=ルール地域。ティーガーⅠ237号車"ステファン"を駆るナチス・ドイツの軍人、ペーター・マチアス・ミューラーはそう叫ぶ

 

 

彼等が駆る"ステファン"はジャーマングレーの塗装に、砲身には戦車を撃破したキルマークが描かれていた。ドイツ戦車らしく、堅実な性格である。ただ、意外と撃たれ弱いみたいだが………

 

 

「シャイセ!!早く撤退した方が良いだろ!」

 

 

"ステファン"の操縦手、ケルツは叫んだ。ミューラーとは1941年のトブルクからの付き合いであり、軽口を叩けるほど仲が良い。ただし、ハンドルを叩いたりするなど扱いが雑ではあるが………

 

 

「駄目だ!撤退するな!戦え!」

 

 

"ステファン"の砲手、シュローダーは撤退するなと言う。彼はピカピカの新兵だ。ケルツ曰く『犬みたいに』とミューラーに付いて回っている。やる気に満ち溢れた良い新兵ではあるが、中身はコテコテのナチス崇拝者であり、たまに狂信的になってしまう。砲手としての腕は新兵の割に確かなもの、行進間射撃は出来ないことはないが、苦手みたいだ

 

だがしかし、司令部からの撤退命令で、本隊を目指す為に橋を渡ろうとした時

 

 

ドカーン!!

 

 

「橋が爆破されてる―――!?」

 

 

目の前で橋が爆破。それに巻き込まれ、"ステファン"は頓挫。履帯が切れてしまった

 

 

「………橋の爆破が早かったな」

 

 

「チッ………最初から見捨てるつもりだったのかよ………!」

 

 

ケルツはもう戦意を喪失していた。そして戦車を降りてとぼとぼ歩いていく

 

 

「戻れケルツ!」

 

 

「俺達は信じてきた!神が救ってくれると!だが周りを見てみろ。全てが無意味だ」

 

 

と絶望の言葉を投げかけ、逃げ出した………が

 

 

タタタン!!

 

 

近くからの発砲音………撃ったのはシュローダーだ

 

 

「団結こそが強さ!そう仰ったのは貴方です!」

 

 

「ケルツ!!」

 

 

ペーターはケルツに駆け寄るが、時既に遅かった。シュローダーはMP40を手に単独で連合軍兵士と戦闘を繰り広げた

 

 

ケルツの言葉と死、シュローダーの狂信が決め手となり、ペーターは襟首に付けられた鉄十字を捨て、連合軍兵士に降伏した

 

 

しかし、黙って見ていない者も居た

 

 

「Nein!」

 

 

シュローダーはやめろと叫び、半狂乱になりながら自分が持っているMP40をペーターに向け………

 

 

タタタン!

 

 

 

 

 

 

 

「………とは思ったが、まさか生きてるとは」

 

 

彼は生きていた。いや、別の人生として生きていた。

 

 

「………ケルツ」

 

 

この名前を出すのは久々だった。この子になってから数年………もう高校二年生だった

 

 

"彼女"は那須 友梨奈(なす ゆりな)。ペーターの二度目の人生である

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。