練習が終わり、それぞれの戦車長は急遽生徒会室に集まるように言われた。理由は練習試合に向けて対策会議をすると言うものであった
「いいか、相手の聖グロリアーナ女学院は強固な装甲と連携力を活かした浸透強襲戦術を得意としている」
河島がボードに張られた聖グロリアーナの主力戦車のマチルダⅡ、そしてチャーチルMk.VII歩兵戦車のスペックや聖グロリアーナの戦法を説明していた。私も移動中のチャーチルを撃破した記憶がある。8.8cm砲の威力は絶大で側面なら一撃で葬った。この説明を聞いていたのは私とみほ、M3車長の澤、三突のカエサル。車長ではないがリーダー的な存在みたいだ。そして八九式の磯部は通称「キャプテン」らしい
「とにかく相手の戦車は堅い、主力のマチルダⅡに対して我々の方は100メートル以内でないと通用しないと思え」
確かにマチルダは硬い。Ⅲ号戦車や短砲身Ⅳ号、35t、38tの主砲や対戦車砲の徹甲弾に有効だったと聞く。しかし長砲身Ⅳ号になると流石に優位性は潰えたが。
北アフリカでも、結構な損害を出してると聞く。8.8cm高射砲の水平射撃で十数両が撃破されたと。それに載せている砲も貧弱だ。
本当に大丈夫なのだろうか?ティーガーⅡや三突ならなんとかなるが、他の戦車だと弾かれるだろうな。
「そこで一両が囮になってこちらの有利となるキルゾーンに敵を引きずり込み、高低差を利用して残りがこれを叩く!」
その言葉に頷いたり、勝利を確信した顔になる皆。確かに良い作戦ではあるが………みほも同じ考えみたいだ
「西住ちゃん、那須ちゃんどうかした~?」
角谷は気付いたように訊く。みほは遠慮してるが
「いいから言ってみ~」
みほは静かに言った
「………聖グロリアーナ当然こちらが囮を仕掛けてくることは想定すると思います。裏をかかれ逆包囲される可能性があるので……」
「あ~確かに!」
みんなが納得していたが
「うるさい!私の作戦に口を挟むな!そんなに言うならお前が隊長をやれ!」
「………すみません」
ありゃ駄目だ。隊長が駄目だったら皆も駄目になる
「謝る必要なんかないさ」
「なんだと!那須!きさま西住の方を持つ気か!」
「ちょっと黙って貰って良いですか?」
「ヒィッ」
チョロ………私が最初に思ったのはこの言葉一択であった
「まぁまぁかーしま落ち着きなよ。.で、那須ちゃんはどう思ってるの?この作戦じゃ不満?」
「いえ、作戦自体は悪くない。だが、一つだけでは足りない。予備作戦を2、3個用意するのも一つの手かと」
「なるほどね~でも隊長は経験豊富な西住ちゃんがやるといいよ。」
「え?」
みほが驚く
「西住ちゃんがうちのチームを引っ張ってね。それと那須ちゃん」
「はい?」
「副隊長はかーしまがやることになったんだけどね。那須ちゃんは補佐官を務めてくれないかな~?かーしまだけだと心配だからさ」
補佐か、まぁ別に良いか
「頑張ってよー、勝ったら素晴らしい商品をあげるから」
「え?何ですか?」
「最高級干し芋三日分!!」
………角谷らしいや。
「あ、あの、もし負けたら………?」
磯部が言うと
「う~ん。大納涼祭りでアンコウ踊りをやってもらおうかな~」
………アンコウ躍りって何!?
「じゃあ、河嶋の作戦が失敗した時のための作戦。西住ちゃんと那須ちゃんお願いね~」
ここで作戦会議はお開きとなった