ガールズ&パンツァー 最後の虎   作:東ドイツ空軍航空部隊

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第十六話 華の新しい門出

 

 

 

 

「やぁ、災難だったか?」

 

 

「友梨奈さん!?今まで何処に行ってたんですか?」

 

 

「聖グロリアーナのお茶会に」

 

 

「じゃあ………見た?あんこう踊り………?見てない………よね?」

 

 

みほが珍しく黒い。でも、見てない

 

 

「見てないな。全く」

 

 

すると安心している一同。そんなになのか?あとで聞いてみるかケルツ達に。すると、麻子が何処かに行こうとする

 

 

「何処行くの?」

 

 

「おばぁに顔を見せないと殺される」

 

 

誇張表現じゃないのかそれは………?

 

 

「じゃあ、私達だけで行こうか。ゆりなんは?」

 

 

「ゆりなん………まぁ、この後は暇だな。何か買い物がしたいが」

 

 

「丁度良いじゃん!買い物しようよ!」

 

 

と言うことでみほ達とアウトレットを廻る事にした。

 

 

「かわいいお店いっぱいあるね」

 

 

「後で戦車ショップ行きましょうね!」

 

 

「その前に何か食べに行きません?」

 

 

アウトレットを歩いていると一台の人力車が止まる。そして、その人力車を牽引している男性がこっちを見て来た。

 

 

「あっ!目が合っちゃった!」

 

 

その男性は微笑みながらこっちに向かって歩いてくる。

 

 

「ちょ……ヤダ//!」

 

 

………男に餓えてるのか武部?

 

 

「新三郎!」

 

 

「知り合い!?」

 

 

五十鈴の知り合いって事で驚く武部。まぁ驚くか。

 

 

「お嬢、元気そうで」

 

 

「何!?聞いてないわよ!!」

 

 

「うちに奉公に来ている新三郎」

 

 

「お嬢がいつもお世話になっています」

 

 

奉公。使用人みたいな立ち位置か。五十鈴をお嬢って言うことは何処かのお嬢様って感じか。すると、ジンリキシャ?からキモノを来た女性がワガサをさして降りてきた

 

 

「華さん」

 

 

「お母様」

 

 

五十鈴の母親だった。確かに顔もそっくりで、気品もあった。

 

 

「よかったわ。元気そう、こちらの皆さんは?」

 

 

五十鈴の母が尋ねて来た。

 

 

「同じクラスの武部さんと西住さん」

 

 

「「こんにちは」」

 

 

そして、秋山が

 

 

「私はクラスは違いますが、戦車道の授業で………」

 

 

「………戦車道?」

 

 

(おい!秋山!)

 

 

(あ………)

 

 

注意したが時既に遅し。眉をひそめていた。

 

 

「華さん………どういうこと?」

 

 

「お母様………」

 

 

(………すみません那須殿)

 

 

(………言ってしまったもんは仕方ない。気を落とすな。謝るなら後で五十鈴に謝っておけ)

 

 

五十鈴の母は五十鈴の手を取って匂いを嗅ぐ

 

 

「鉄と油の臭い!あなた、もしや戦車道を!?」

 

 

「………はい」

 

 

気まずそうに答えた五十鈴。そう言うと五十鈴母の顔は更に険しくなり

 

 

「花を活ける繊細な手で戦車に触れるなんて………はうっ………」

 

 

五十鈴母は気絶してしまった

 

 

「お母様!」

 

 

「奥様!」

 

 

五十鈴母は急いで自宅へと運ばれた

 

 

 

 

 

 

五十鈴宅

 

 

自宅へと運んだ後、客間で待っていた。ヨーロッパで暮らしていたので初めて見る友梨奈。セイザ?とやらをするのがちょっとキツかった。

 

 

「すみません………私が口を滑らしたばっかりに………」

 

 

「そんな。わたくしが母にちゃんと話していなかったのがいけなかったんです」

 

 

戦車道になにか恨みがあるのだろうか………?

 

 

「お嬢、奥様が目を覚まされました。お話があるそうです」

 

 

「わたくし、もう戻らないと………」

 

 

と五十鈴は首を振ってそう言う。

 

 

「お嬢!」

 

 

「お母様には、申し訳ないけど………」

 

 

「差し出がましい様ですが、お嬢のお気持ちちゃんと奥様にお伝えした方がよろしいと思います」

 

 

新三郎は言うが、五十鈴は悩んでいた。このままでは、いけないだろう

 

 

「五十鈴さん、ちゃんと話した方が良いと思うぞ。生意気言いますが思いを伝えるべきだと思う。ここで伝えなかったら二度と後悔する。それでも良いか?」

 

 

「那須さん………」

 

 

「なに。自分を信じろ。わがまま言ってもバチは当たらない」

 

 

「………分かりました。お母様と話します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『良いのかな?』

 

 

『偵察よ!偵察!』

 

 

『盗み聞きが正しいだろ?』

 

 

『ぐっ………でも、聞かないと分からないじゃん!』

 

 

『はいはい………』

 

 

これでも私を含め皆心配してるんだ。余程の事がない限り、首は突っ込まない

 

 

『申し訳ありません………』

 

 

『如何してなの?華道が嫌になったの?』

 

 

『そんな事は………』

 

 

『じゃあ、何か不満でも?』

 

 

『そうじゃないんです………

 

 

『だったら如何して!?』

 

 

『わたくし、活けても活けても、何が足りない様な気がするのです』

 

 

『そんな事ないわ、あなたの花は可憐で清楚、五十鈴流そのものよ』

 

 

『………でも、わたくしは、もっと力強い花を活けたいです!』

 

 

………信念のある子じゃないか。彼女の想いは伝わってくる。成長すれば、今のやることはつまらなくなる。もっと別の事もやってみたい気持ち。それが伝わってきた

 

 

『あぁ………』

 

 

『お母様!』

 

 

『素直で優しいあなたはどこへ行ってしまったの?これも、戦車道の所為なの?戦車なんて………野蛮で不恰好で五月蝿いだけじゃない!戦車なんて………みんな鉄クズになってしまえばいいんだわ!』

 

 

「鉄クズ!?」

 

 

「落ち着け秋山。カチンときたが今はその時じゃないぞ。冷静になれ」

 

 

華道は匂いも大切らしいな。確かに戦車は………汚いな。オイル、鉄、砲弾撃った後の煙、エンジンの煙………憎悪の対象にピッタリなんだな戦車は

 

 

「ごめんなさいお母様。でも、わたくしは………戦車道を辞めません!」

 

 

真剣な目で真っ直ぐと言う五十鈴。決意と、覚悟の目だ

 

 

『分かりました。だったらもううちの敷居は跨がないで頂戴』

 

 

な………そんな事で………!

 

 

「奥様!それは………!」

 

 

「新三郎はお黙り!」

 

 

駄目だ………!もう我慢できん!

 

 

友梨奈は襖を開けた

 

 

「友梨奈さん!?」

 

 

「ゆりなん!?」

 

 

「那須殿!?」

 

 

そうして部屋に入っていった。

 

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

 

新三郎は止めようとしたが―――それを止めた。今の友梨奈は鋭い目をしていた。それはあの時のペーターとは思えない目だった

 

 

「那須………さん………?」

 

 

突然の乱入者に驚いた五十鈴と五十母だが、気にも止めず五十鈴の隣に正座した

 

 

「突然申し訳ありません。無作法ですが、お許しください。ですが、貴女は娘を簡単に切る人なのですか?」

 

 

「そ、そんな事はありません!華さんは………私のたった一人の娘………掛け替えの無い家族なんです!」

 

 

「そう言うなら何故縁を切ると?貴女はたった一人の娘すら信用出来ないと?そうですか、もしそうなら―――貴女は母親失格だ!!」

 

 

パチィン!!

 

 

その音が響いた。友梨奈の頬を叩いた。五十鈴母も自分がやったことを分かっていないみたいだった。その手は震えていた

 

 

「そ、そんな………ご免なさい………ご免なさい………」

 

 

「………そう思ってるなら、たった一人の娘………五十鈴さんを分かってあげてください。貴女の母親としての想いは、五十鈴さんにも伝わってくれています」

 

 

そう言うと友梨奈は笑顔になり

 

 

「知ってるとは思いますが、五十鈴さんは嘘はつかない。貴女は素晴らしい娘を持った。………先程のお言葉、訂正させてください。申し訳ありませんでした」

 

 

友梨奈は頭を下げた。

 

 

「………華さん、私は先程言ったことを取り消すつもりはありません。ですが、それでもうちの敷居を跨ぐと言うなら証明しなさい。貴女の力強く可憐で清楚な花を活けることが出来たら帰ってきなさい。私はそれまでずっと、華さんの帰りを待っています」

 

 

「………はい、お母様!必ずお母様の納得する自分自身の華道をお母様に証明します!」

 

 

家族崩壊だけは免れた。それでも良いじゃないか。彼女の新しい道が拓けたのだ

 

 

「失礼します」

 

 

五十鈴が礼をして、友梨奈も立ち上がろうとすると

 

 

「貴女、お名前は?」

 

 

「那須友梨奈です」

 

 

名を名乗ると、五十鈴母は頭を下げた

 

 

「先程の事………大変申し訳ありません。貴女を叩いてしまって………」

 

 

「気にしていません。痛いのには慣れてます。それに、貴女の母親としての愛と言うのを感じました。良い母親です」

 

 

「………友梨奈さん、どうか、華さんを、娘を宜しくお願いします」

 

 

「分かりました」

 

 

そして、襖の前で待っていたみほ達の所へ行った

 

 

「帰りましょうか」

 

 

「お嬢!」

 

 

「笑いなさい新三郎………これは新しい門出なんだから、わたくし、頑張るわ」

 

 

「………はい!!」

 

 

新三郎は大泣きしていた。みほは五十鈴に声をかける

 

 

「五十鈴さん………」

 

 

「はい?」

 

 

「私も頑張る」

 

 

「………ふふっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつまでも待っています!お嬢様ぁ〜!!」

 

 

新三郎は涙を流しながら港に直行した。なんと言うか決まらない人だな

 

 

「顔は良いんだけどな………」

 

 

武部は小さい声で言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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