抽選会が終わり、喫茶店ルクレールとやらに来ていた。来て最初に思ったことは
(戦車好きには堪らんな)
である。舞野と柚奈、美代は帰った。それぞれやることがあるみたいだ
私か………断れんかった。どうもみほのあの顔に弱い………何処に行った私の軍人としての尊厳は………
「美味しいですね」
五十鈴さん………よく食べるな………何処に行ってるんだその栄養は
そしてケーキが運ばれてくる。凄いな未来の技術は
「ごめんね………一回戦から強いところに当たっちゃって」
「くじなんて運ゲーだ。良い時も悪い時もある………秋山、サンダースについて何か知ってるか?」
「勿論であります!凄いリッチな学校で、戦車の保有台数も全国一なんです!チームも一軍から三軍まであって………」
成る程………予備隊も居るって訳か。流石USAに満ちた高校
『そりゃ戦争に負ける訳………か』
「何か言いました那須殿?」
「何でもない。気にしないでくれ」
あの物量で勝てるわけも無い。1時間起きに爆撃機作って出荷してる国だ。相手は約5万両に対しティーガーはせいぜい1300両位だ。まず戦争するのが間違っていたのかもな………
「公式戦の一回戦は戦車の数は10両までって限定されているから、砲弾の総数も決まってるし」
「でも10両ってうちの倍じゃん!それは勝ってないんじゃ?」
「そうでもないぞ。確かに保有数は多いが一回戦は文字通り10両。つまり、まだ手はある」
「…単位は?」
「負けたら貰えないんじゃない?」
麻子が聞くと武部が負けたら単位は貰えないんじゃないと言うとフォークを手に持ってケーキを突き刺して食べた。みほ達はビックリして見る
「それより全国大会って、テレビ中継されるんでしょ!ファンレターとか来ちゃったらどうしよ〜」
「生中継は決勝だけですよ」
(テレビで放映か……でも変な注目だけは受けたくないな。面倒)
と思いながらケーキを食べようとすると
「―――副隊長?」
と声のした方を見ると、ジャーマングレーを着た三人の少女が居た。
(何となくだが副隊長はみほか)
「あぁ、"元"でしたね」
皮肉を交えて言った。………こう言う奴ドイツ軍に居たな。
「お姉ちゃん………」
「まだ戦車道をやってるとは思わなかった」
まほは無表情で言う。秋山は立ち上がって
「お言葉ですがあの試合のみほさんの判断は間違ってませんでした!」
だがそれはもう一人の少女、蜂谷 三郷(はちや みさと)に
「部外者は黙って貰いたいね」
「………すみません」
引き下がってしまった。
「………秋山」
「はい?」
「西住まほさんの隣の人は………?」
「あの人は、逸見エリカ殿です。西住殿が大洗に転校した後黒森峰の副隊長に就任した。もう一人は………分かりませんが」
「成る程………」
と言っても、私にはわからない。何があったんだろうか
「一回戦目はサンダースと当たるのよね………?」
「え?は、はい………」
するとエリカはみほにしか聞こえない声で小さく言う
『一回戦目だからファイアフライが出ると思うけど、気を付けなさい』
「え?」
と言った。が
「ま、公式戦で無様な所を見せないで欲しいね」
「ちょ!三郷!」
それに怒ったのは武部と五十鈴
「何よ!その言い方!!」
「あまりにも失礼じゃ!」
「貴女達の方こそ戦車道に対して失礼だと思うけどね。無名校のくせして大会にノコノコと………この大会はね、戦車道のイメージダウンになるような学校は参加しないのが暗黙のルールよ。それすら分からないなんてね」
と小馬鹿にするように言う
「はっ、その暗黙のルールに負けたら恥ずかしいな。にしても黒森峰とやらは礼儀は知らない人ばかりみたいだな。もう一回小学生からやり直したらどうだ?今貴女は自分自身の高校のイメージダウンをさせてるがな。それすら分からないなんてね!」
「………何ですって………?」
「やめろ三郷。今ここでやるなら、我々のイメージダウンになる。そうなれば………分かってる筈だ」
「………はい」
「しっかり部下の手綱は握っておいて下さいね?」
「………あぁ。善処しよう。………所で君は?」
「那須 友梨奈です。ま、宜しくお願いします」
「………覚えた。私達は失礼する」
「………覚えてなさいよ」
あ?こっちの台詞だ
「べー!」
「嫌な感じですわ………」
三郷に対しての不快感を表した
「あの、今の黒森峰は去年の準優勝校ですよ。それまでは、九連覇してて………」
「え!?そうなの!?」
「はぁ………ま、気を取り直そう。ケーキを頼もうか」
ただ、麻子が二つも食ったお陰で財布の中身が飛んでいったがな