―――私は、生きてた。
女の子として
「ハァ………ダルいな」
友梨奈はダルそうに呟く。中身はおっさんなのだ
「にしても、小学生の時に『戦車道』と言う競技があるのを知ったんだよな。ふざけてると思ってたが」
元軍人のペーターは、女が戦車に乗るのはどうかと思っていたが、この日本は戦後何十年も経っているのだ。戦中とは違う。ペーターはまさか日本人の女の子になるとは思いもよらなかった
「大洗女子学園に入ったのは正解かどうかは分からないが………今は平和な一日を楽しもうじゃないか」
友梨奈は木影が気に入っていた。といってももう一人お客さんはいるが
「よう。『ペーター』」
「………『ケルツ』」
『ケルツ』………もとい西川 舞野(にしかわ まいの)。ステファンの元操縦手だ。運命的な出会いだった。たまたま同じ高校だったのだ
「悪運が強いのか悪いのか………俺には分からん。ここは未来の日本………こうやって生きてるのも不思議なくらい楽しんでる………」
「ケルツ、分かってるとは思うが、もう二度と元には帰れない。お前はシュローダーに撃ち殺された時点で死んでいた」
「………あの犬が」
「酷いですね」
「!?」
友梨奈が勢い良く振り返る。そこには
「………久しぶりです。お二人とも」
「………『シュローダー』か」
ケルツをMP40で撃ち殺したナチス崇拝者、シュローダー………もとい岩本 柚奈(いわもと ゆな)が居た
「おう………犬」
「………自分の愛称は犬なんですか!?」
「それにしかないだろ………てかなんだ?ナチスでも広めてるのか?」
「違いますよ………もうナチスは無くなってますし。生徒会が呼んでます」
「………成る程。分かった」
と友梨奈は歩いて生徒会室へと行った
「一体何をするつもりなんだ?」
「分かりません。ただ、呼んでくれとしか………」
次は生徒会の犬かと舞野は思った
コンコン
「那須 友梨奈です」
『入って良いよ~』
「失礼します」
生徒会室の扉を開ける。
「あ、どうも友梨奈さん。ささ座ってください」
小山がお茶を用意してくれていた。配慮が凄い
「………それで、何の用ですか?提出物に不備などありましたか?」
「いんや?提出物に不備どころか完璧に出してくれているよ。問題はそれじゃなくて」
角谷は少しだけ間を置いて
「『戦車道』………とってくれないかな?」
「………何故?」
「いやー、那須ちゃんは経験あることは調べさせて貰ってるし、それに負けていた中学校を勝利に導いた事も知ってるよ~」
「………そんなに大層なものじゃない」
「いやいや、それでも凄いと思うけどねー。………それで、回答は?」
「………期限を下さい」
「分かったよ。一週間待っててあげるから」
「頼む………」
広報担当が小さく呟いた。
(………裏があるな)
友梨奈は心の中で言った