ガールズ&パンツァー 最後の虎   作:東ドイツ空軍航空部隊

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第二十三話 逆手

 

 

 

 

 

「友梨奈さん?いきなりどうしたの?茂みに戦車を止めろなんて………」

 

 

茂みに戦車を隠した王虎チームは友梨奈がティーガーⅡから降り、Ⅳ号に近づいてみほに話しかけられていた

 

 

「シャーマン達の動きだ。おかしいと思わないか?あたかも待ち構えてたみたいに敵が襲い掛かってくるなんてな」

 

 

「え………?ま、まさか?」

 

 

友梨奈は人差し指を上に挙げる

 

 

「そのまさか。あれを見ろ」

 

 

「あ、あれは………!?」

 

 

気球のような物体が浮いていた

 

 

「あれは恐らく通信傍受機………こちらの通信は全て筒抜けだ」

 

 

「成る程、だからあの時………」

 

 

「そう言うことだ。取り敢えずは対策をしなければならない。これからどうするか?」

 

 

 

 

 

 

「………確かに、ルールブックには通信傍受機を打ち上げちゃいけない、なんて事は書いていませんね」

 

 

戦車道公式戦のガイドブックを持った優香里がそう結論付けた

 

 

「そんなの酷い!いくらお金持ちだからって!」

 

 

「抗議しましょう!」

 

 

沙織と五十鈴は声を上げた。が、友梨奈が制す

 

 

「まぁまぁ………相手は通信傍受を使ってくる。こっちの通信は筒抜け………みほも思い付いたか?」

 

 

みほは頷き、沙織達の方を向く

 

 

「友梨奈さん、私の方から話しても良い?」

 

 

「勿論。それと、メールで伝えてくれ。今後一切やり取りで無線を使用を禁ずると」

 

 

「分かった。皆に伝えておく」

 

 

無線封鎖、と言うことになるだろうが完全封鎖って訳じゃない。我々が伝えるのは、偽の情報だ

 

 

 

 

 

 

サンダースチームのフラッグ車M4A1の車長、アリサは通信傍受のチャンネルを回していた。その時、大洗の通信を拾う

 

 

『全車、0985の道路を南進、ジャンクションまで移動して!敵はジャンクションを北上してくる筈なので、通り過ぎたところを左右から包囲!』

 

 

この流した作戦、全て嘘だ。しかしアリサはまんまと引っ掛かる事となる

 

 

「敵はジャンクション、左右に伏せてるわね……なら、囮を北上させて!本隊はその左右から包囲!」

 

 

『オーケー!でもなんでそんな事まで分かっちゃうの?』

 

 

「………女の勘です」

 

 

『アハハハッ!それは頼もしいわね!』

 

 

それが後に自分と味方のチームの首を絞める事になるとは思いも寄らなかった

 

 

 

 

 

 

「『北から3両、南から4両接近………餌だぞ?分かってるのか?』」

 

 

「『引っ掛かるサンダースもサンダースです。普通疑問に思う筈ですよ』」

 

 

シュローダーが地味に痛いところを突く。ペーターはみほにメールで伝える

 

 

『隊長、作戦決行の時が来た』

 

 

「良し………囲まれた!全車後退!」

 

 

同時に八九式が、後ろにくくりつけた丸太を引き摺にがら全速力で走り出す。そう、まるで大洗は逃げているかのように

 

 

シャーマン2両はそらに気付いたのか追いかけた。餌が釣れた―――!

 

 

『見つかった!皆バラバラになって待避!38tは、C1024R地点に隠れてください!』

 

 

「38t、敵のフラッグ車ね……貰ったわ!」

 

 

アリサは追いかけているシャーマン2両に通信を入れた

 

 

「チャーリー、ロック、C1024R地点に急行!見つけ次第攻撃!」

 

 

『『はい!』』

 

 

返事が飛び、指示にあった地点に付いた2両のシャーマン。しかし、その姿は無く、茂みに何かがあるのを見つけた

 

 

「ん?あれって………」

 

 

シャーマンの砲手が見たのは38tではなく、三突の砲身であった

 

 

「Jesus!?」

 

 

「撃てぇぇぇい!!」

 

 

気付いたが時既に遅し、三突が砲撃、それに続きⅣ号、M3がシャーマン1両を滅多撃ちにした

 

 

「た、退却退却!急げ!」

 

 

「あ、逃げられる!」

 

 

M3が発砲するが、僅かに右に逸れた………が、密かに狙ってる戦車が居た

 

 

「『シュローダー………やれ』」

 

 

「『ヤヴォール!!』」

 

 

ズドン!!

 

 

撃った弾はシャーマンの側面をぶち抜き、停車、白旗が上がった

 

 

「な………ど、何処から………」

 

 

「あれが………大洗のキングタイガー………!」

 

 

撃破されたシャーマン乗員は、ティーガーⅡを見ていた。黒森峰が持ってるティーガーⅡとは違う何かを感じ取っていた

 

 

 

 

『ロックチーム撃破されました!』

 

 

『チャーリーチーム、キングタイガーに撃たれ戦闘不能!』

 

 

「ええっ!?」

 

 

「何だって!?」

 

 

「ホワーイ!?」

 

 

アリサ、ナオミ、ケイの3人の驚愕の声を上げた。勘弁に通信傍受を逆手にとった作戦は成功した

 

 

 

「大洗女子が、合計2両も………!?」

 

 

「そのようね」

 

 

黒森峰では、三郷は結果に唖然としまほが淡々と答えた。まほはあのティーガーⅡの砲手の腕は素晴らしいものだと思っていた。エリカは何も言わなかった。しかし、少し嬉しそうであった

 

 

 

 

 

 

 

「やりましたね」

 

 

「ええ、相手の作戦を利用した作戦………みほさん達らしいですわね」

 

 

聖グロリアーナでは、ダージリンとペコが感嘆の溜め息をついた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『上手くいったな』」

 

 

撃破されたシャーマンを見ながら言う。

 

 

『やりましたね友梨奈さん!』

 

 

「見事な指揮だ。これで相手の出鼻を挫いただろう」

 

 

「『ですが、2両撃破したのは大戦果でもありますがフラッグ車を叩き潰さないと意味はありません。どうしますか?』」

 

 

「みほ、次はどうする?」

 

 

『うん、次は―――』

 

 

次はフラッグ車を炙り出す為の作戦を決行する

 

 

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