敵本隊が到着してから、状況は更に一変した
「これはもう、大洗がやられるのは時間の問題ですかね……我が校と同じティーガーⅡをも役に立たないとは………」
三郷はそう呟いた。確かに今の状況じゃティーガーⅡは役に立たないだろう。だが
(どうかしらね………あのティーガーⅡ、私が乗ってるのとは雰囲気が違いすぎるわ………)
エリカはそう感じ取っていた
そして現在は
「『………Scheiße。M3、八九式がやられた。』」
「『早く勝負を決めないと我々が負ける………!』」
黒煙が上がり、白旗も上がっている2両を見てペーターとシュローダーはそう呟く。ケルツ、ハートマンも同じ事を考えていた。実際、ケルツはハンドルを叩いている
「『何故こんな状況なのに隊長車は指示を出さない?このままだと単なる的だ!』」
ハートマンが悲痛な声で叫ぶ。
「『ハートマン!黙ってろ!西住隊長は考えている筈だ!この状況を覆す作戦を………!』」
シュローダーが黙るように言う。今叫んだ所で何も始まる訳じゃない
「……もう、此処までなの?………何も、出来ないの…………?」
もう大洗チームには諦めムードが舞っていた。他のチームでも同じ事が起きている。
「ホーラ見なさい!やっぱりアンタ等なんて蟻でしかなかったのよ!ちょっと強い戦車を仲間に引き込んだからって、良い気になってたのが仇になって、私達サンダースと言う名の象に踏み潰される事になったわね!ざまぁみなさい!」
すっかり調子を取り戻したアリサ。てか、調子に乗りすぎているが正しいが。
(どうしたら良いの………?もう打つ手は無いの………?)
無線からは諦めの声、桃の悲鳴が聞こえてくる。ただ、王虎チームだけは違った
『………みほ隊長、次の指示を』
「ゆ、友梨奈さん………」
ペーターはケルツに指示を出し、Ⅳ号と並走した
『次の指示を。何をぐうたらしている』
「で、でも!もう打つ手なんか………!』
無線から聞こえたのは
『…今更何を言ってる。まだ勝負は着いてないぞ?あの先頭のシャーマン、後方のシャーマンなんて、走ってるから当たらないんだ。そう簡単に当たりはしない』
「…………」
『みほ!皆は指示を待っている!ここで指示を出さなければ大洗は、皆もじゃない。大洗全体が、負けるのだ。………以上』
ペーターは通信を切った
「…そうだよね友梨奈さん………何時までもウジウジしてられない………!」
そして、みほは
「皆さん!落ち着いて聞いてください!」
『『『『『!?』』』』』
全員が驚いた事であろう。だが、全員がみほの話を聞いた
「落ち着いて攻撃を続けてください!此方も相手も走りながら撃ってるから当たる確率は低いです!今はフラッグ車を撃破する事だけに集中してください!チャンスは今なんです!当てさえすれば私達の勝ちなんです!諦めたらその場で負けなんです!」
「………当てれば………私達の勝ち………」
「諦めたら………私達の負け………」
エルヴィンと柚子がそう呟く。
そうして、作戦を伝えられる。
「『ふむ………丘でフラッグを狙い撃ち………シュローダー、此方はⅣ号の援護担当だ。Ⅳ号に取りつくシャーマン共を潰す』」
「『ヤヴォール………!やる気が湧いてきました!』」
「『丘に向かってくる車輌は2両と推測。その内はファイアフライと思え!我々はファイアフライを迎撃する』」
「『よし………やるぞ!!』」
大洗の逆転劇はこれからだ!