「丘を登ってください」
「舌を噛むなよ」
作戦は、IV号が丘の上からシャーマンフラッグ車を狙い打ちするというものである。
「『IV号に付いていけケルツ』」
「『ヤヴォー(ズドーン!!)!?どっからだ!?』」
「『撃ってきました!ファイアフライです!』」
遠距離ではあるが、ファイアフライが威嚇射撃をした。どうやらIV号は行かせても私達は行かしてくれなさそうだ
「みほ!シャーマンが二両くる!こっちでなんとかしておくからフラッグ車撃破を!」
『わかりました!くれぐれも気をつけてください!』
みほに通信を入れた。
サンダース側では
「上から来るよアリサ!」
アリサは驚いていた
「二両はフラッグ車を追って!IV号は私が相手をするからナオミはナスの方を食い止めて頂戴!」
『Yes ma’am』
M4A1(76W)とシャーマンVC・ファイアフライが丘を登ってこっちに来る。ハートマンは気づき
「『M4とファイアフライこっちに来ます!』」
「『来たか……車体回転!正面に合わせ!』」
「『ヤヴォール!』」
ケルツはハンドルを回し、車体を回転させる。
「隊長はこのままIV号を」
『OK!ナオミも気をつけてね!』
二両の横を通り過ぎたケイのシャーマン。お互い砲身を向け合い睨み合っていたが、ペーターとナオミはキューポラから顔を出す
「(行かせたか……だがまずは長鼻のブリカス戦車をどうにかしなければな)潜入の時は世話になった!改めて、私は大洗女子学園戦車道、ティーガーⅡ戦車長、那須友梨奈だ」
「……サンダース大学附属高校ファイアフライ砲手、ナオミだ。あの時は本当に腹を抱えて笑えたよ。でも、こんな所で道草を食ってて良いのかい?ウチのフラッグ車を狙うIV号を隊長が狙い撃ちする」
「我々はどんな状況下であろうと戦う用意ができている。無論この場でも」
砲がファイアフライに向く。ナオミも察したのか
「成程、決闘と言う訳か……面白い!」
そして互いに車内に戻り
「『ケルツ!前進!シュローダー!一撃で仕留めろ!』」
「「『『ヤヴォール!!』』」」
ファイアフライも前進した
「『フォイヤー!!』」
ペーターの指示でシュローダーは引き金を引いた
ファイアフライ砲手のナオミは
(タイガーならどうにかなるが……相手はキングタイガーだ。あの傾斜装甲ではAPDS弾も弾かれる確率が高い……だが砲塔と砲身の付け根部分は行ける!キングタイガー正面での唯一の弱点だ!)
ナオミはティーガーⅡの砲塔と砲身の付け根部分の横幅がある場所に発砲、同時にティーガーⅡからも8.8cm砲が火を吹いた。狙いは良かったが、シュローダーが砲塔をフリフリさせていたため、APDS弾は貫通することなく非貫通で終わり、こっちが撃った砲弾はファイアフライの正面を見事にぶち抜いた。そして黒煙が上がり白旗が上がる。
「『決まったな……』」
「『後は敵隊長車両です!』」
「『ケルツ、回転!敵隊長車両を落とす!砲弾装填!』」
「停車!!」
とみほの指示でⅣ号は急停車した。すると、後ろから砲弾が地面に着弾する
「シャーマンが次の弾を撃ってくるまでが勝負!」
「分かりました」
とみほの指示に五十鈴はそう言い、Ⅳ号が丘の頂上に辿り着くとⅣ号は、フラッグ車を狙う態勢になる。後ろからはケイのシャーマンが狙っていた
「花を生ける時の様に集中して……」
と五十鈴は、そう呟きながらスコープを覗いて照準をフラグ車のM4M1に狙いを定める。
「装填完了しました」
「OK」
シャーマンが砲弾の装填を完了してⅣ号にトドメを刺しにかかる。
「華さんお願い……」
とみほは小声で念じるように言う。
「発射」
「ファイヤー!」
同時に二両とも発砲した。IV号が狙った砲弾はフラッグ車のエンジン部分に命中、IVも後ろからシャーマンに撃たれエンジン部分に命中、そしてケイのシャーマンにも振動が走った。狙ったのはペーターのティーガーⅡであった。間に合ったと思ったが一歩惜しかったため、IV号は被弾した。そのまま沈黙が流れ
『大洗女子学園の勝利!!』
と大洗女子学園の勝利を伝えるアナウンスが会場に響き渡り、観客席からも歓声の声が響き渡る