ガールズ&パンツァー 最後の虎   作:東ドイツ空軍航空部隊

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第二十八話 一回戦通過!

 

 

 

 

観客席は大盛り上がりであった。無名校が有名校であるサンダースを倒したと。

 

 

「……何というか、凄い戦いでしたね」

 

 

三郷は言う。彼女もまさか大洗が勝つとは予想はしてはいなかった

 

 

(あのティーガーⅡの動き本当に初心者なのか……?砲手、操縦手の腕もプロ並みだ)

 

 

まほは、友梨奈のティーガーⅡを見てそう思う。戦車道は初心者だが、元の世界での戦場では彼女等はハートマンを除いてシャーマン軍団の攻撃を全て弾き、逆に撃破するといった戦果を上げた熟練の戦車兵だ

 

 

「みほは、あまりこういうのは見せて無かったけど、こんな強さも持ってるなんてね。……次も頑張りなさいよ」

 

 

エリカは静かにつぶやいた

 

 

 

 

 

 

IV号が撃破された丘に向かい、そこにはみほ達が戦車から出てきて喜んでいた

 

 

「やりましたね西住殿!」

 

 

「勝ったよみぽりん!」

 

 

「みほさん、やりました!」

 

 

「う、うん……ありがとう華さん」

 

 

「みほさんが励ましてくれたお陰です」

 

 

「そんな、私は……」

 

 

そして、友梨奈が戦車から降りてみほ達に声をかける

 

 

「おめでとう。一回戦目は私たちの勝利だ」

 

 

「友梨奈さん、やったね!」

 

 

みほが嬉しそうに言うと

 

 

『西住隊長ーー!那須さーーん!』

 

 

ウサギさんチームの声が聞こえる。Sb kfz6でM3と八九式を牽引していたのが見えた

 

 

『おーーーーい!!』

 

 

カバさんチーム達三突と、カメさんチーム達38(t)だった。サンダースの攻撃から生き残れたみたいだ。角谷は満面の笑みでVサインをした

 

 

 

 

 

「一同、礼!」

 

 

『『『『ありがとうございました!』』』』

 

 

大洗、サンダース両チームが礼をし、観客席からは拍手が

 

 

「凄い拍手……」

 

 

「勝った〜」

 

 

それ程白熱した試合だったと言うことだ

 

 

「『ミューラー、何とか勝てたな』」

 

 

「『次も油断はできんな。我々の電撃戦は今ここから始まる』」

 

 

「『その通りです』」

 

 

ケルツはふっと笑った。まだシュローダーの犬化は抜けてないみたいだった

 

 

シュローダーが戦車に戻ると

 

 

「『犬みたいに付いてくるな』」

 

 

「『子供だからな』」

 

 

という久々な会話をした。今と思えば懐かしい思い出だ

 

 

そして、戻ると

 

 

「ハイ!ナス!」

 

 

「どうも、ケイさん」

 

 

ケイがやってきた

 

 

「貴女が大洗のキャプテン?」

 

 

「ふぇ!?あ、はいそうです!」

 

 

そしてケイは

 

 

「エキサイティング!こんなに楽しい試合が出来るとは思わなかったわ!」

 

 

「ふぇええ!?」

 

 

「へ?」

 

 

いきなり抱きつかれた。余程楽しかったのか、どんどん抱き付く力が強くなっていた

 

 

「あ、あの……」

 

 

「何?」

 

 

みほが話しかけるとケイは、抱き締めていた腕を離す。

 

 

「あの、5両しか来なかったのは?」

 

 

「貴女達と同じ車両数だけ使ったの」

 

 

「どうして?」

 

 

みほが理由を聞くと、ケイは微笑み腕を広げて高らかに言った。

 

 

「戦車道、これは戦争じゃない!道を外れたら戦車が泣くでしょ?」

 

 

そうケイが言いみほは、嬉しそうな顔をする。すると、ケイの顔がばつが悪そうになった

 

 

「無線傍受で盗み聴きなんて、つまんない事して悪かったわね」

 

 

とそう言ってケイは、後頭部を掻きながら無線傍受の件について謝罪する。

 

 

「いえ、もし全車両で来られたら間違いなく私達が負けてました」

 

 

そう言ってみほが謙遜するとケイが手を差し出して来た。

 

 

「でも、勝ったのは貴女達」

 

 

「ありがとうございます!!」

 

 

ケイが差し出した右手をみほは、両手で取って握手をする。そして手を離すとケイは、友梨奈にも握手を求めて来た為、それに応えた

 

 

「それにしても、ナスには驚かされてばかりね!サンダースでも指折りの砲手のナオミ、そして私まで倒しちゃうなんて!」

 

 

「砲手の腕が良い。それだけです。ナオミさんは何か言ってたんですか?」

 

 

「Yes!『次は絶対に勝つ。私以外には絶対に倒されないでねコンビニ店員さん?』って言ってたわよ!勿論、私も、ね」

 

 

「ははは!傑作ですね!良いでしょう!また次があれば、また同じ事をするだけです」

 

 

そういうとケイはニヤニヤと笑い

 

 

「えいっ!」

 

 

「は?」

 

 

『あーー!!』

 

 

ケイは友梨奈のほっぺにキスをした。あんこうチーム全員は顔を赤くする

 

 

「それじゃあね!大洗のキャプテン!ナス!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「泳いで行く!」

 

 

「無茶言わないでよ!」

 

 

何があったか?麻子のお婆ちゃんが入院したと言う連絡で今こうなっていた

 

 

「サメに食われるぞ」

 

 

「サメよりおばぁだ!」

 

 

……心配しているのか。すると

 

 

「私たちのへりを使って!」

 

 

振り返ると、西住まほ、逸見エリカ、蜂谷三郷がいた

 

 

「副隊長!?この子等にヘリを貸すなんて」

 

 

「これも戦車道よ三郷」

 

 

ピシャリと言われ三郷は黙った。あいつも、シュローダーと同じ匂いがする。

 

 

「早く乗って!」

 

 

「私も行く!」

 

 

Fa233は飛び立ち、大洗の病院へと向かっていった

 

 

「お姉ちゃん……ありがとう……」

 

 

聞こえない声でみほは礼を言った。まほは少し後ろに居た友梨奈に近づく

 

 

「麻子の件、感謝を申し上げたい」

 

 

「いや、あれも戦車道だ。それに一つ聞きたいことがある」

 

 

「何ですか?」

 

 

「……貴女達のチームは初心者なのか?指揮する能力、砲手の腕、操縦手の出際の良さ、初心者が出せるとは思えないのだが」

 

 

「ああー……確かに初心者です。これに関しては中学の時の賜物とだけ言っておきます。では、そろそろ失礼します。西住まほさん」

 

 

と言って立ち去ろうとしたら

 

 

「待ってくれ。連絡先を交換してくれないか?」

 

 

「……構いませんよ」

 

 

西住まほとの連絡先を交換した。登録し終えると、友梨奈はみほ達の方へ、まほは立ち去って行った

 

 

 

 

「明日はプラウダ高校、明後日は黒森峰女学園がそれぞれ一回戦です」

 

 

「ま、順当に行くんじゃない?」

 

 

一回戦目は黒森峰女学園と知波単学園、プラウダ高校と、ポンプル学園という予選表になっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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