「色変えたのか?」
「ああ。あんな感じになってる」
話していなかったが、新しいエンジンが調達された。それもあのポルシェ博士のSla.16ディーゼルエンジンをティーガーIIに乗せる事ができた。マイバッハ製エンジンは690馬力に対し、ポルシェ博士謹製Sla.16は750馬力を叩き出す性能だった。試験結果も良好であることからマウスのエンジンとしての計画案も存在する。友梨奈達の戦車はスターリングラード攻防戦(冬)のような迷彩となっている
あんこうチームのIV号はDからF2へと変わった。これにより射撃精度向上、ろくにHEATしか使えなかったのもPzGr 39(APCBC弾)が使えるようになった。Tー34相手にも立ち回れるようになった
「長砲身付けたついでに、外観も変えておきました」
「F2ぽく見えますね」
「そうでしょ、砲身やその他のコンポーネントがF2仕様になってて、バランスも良くなっています」
「ありがとうございました。自動車部の皆さん」
みほが自動車部のメンバーにお礼を言うとナカジマは、
「いえいえ、まぁ大変だったけどすごくやり甲斐がありました」
「新しいエンジンも載せる事ができたし!」
ホシノも言った。エンジンに関しては規定に沿わないと駄目みたいだが
改装されたⅣ号戦車を見て、小山と河嶋は
「砲身が変わって、新しい戦車が一両」
「そこそこ、戦力の補強が出来たな」
「あ、あの……ルノーに乗るチームは?」
「それなら、新たに補充要員が入りましたので紹介します」
「おーい、出ていいぞー」
おかっぱ頭の三人娘がやって来た。あれ風紀委員だ
「今日から参加する事になりました。風紀委員の園みどり子、金春希美、後藤モヨ子です。よろしくお願いします」
「略して、そど子と仲間達だ。いろいろ教えてやってね〜」
「会長!名前を略さないで下さい!!」
角谷は名前を略されあだ名で呼ばれたのが癪に触ったのか園は角谷にそう言う。
「ルノーを任せようと思うからさー、何チームにしよっか。隊長?」
園の言葉無視った角谷は、みほの方を向きそう聞くとみほは、B1戦車を見て
「B1ってカモっぽくないですか?」
とみほがそう言う。カモって……
「じょあカモにけってーい」
「カモですか!?」
角谷の言葉にみどり子は声を上げる。美代が苦笑いしていたが
「戦車の操縦は冷泉さん、指導してあげてね」
と小山が操縦の指導に冷泉を指名した。大洗の中でも操縦上手いの麻子だからな
「私が冷泉さんに!?」
「わかった」
麻子はスッと承諾した
「成績がいいからって、いい気にならないでよね!」
「じゃあ、自分で教本見て練習するんだな」
「ふざけないでよ!何無責任な事言ってるの!ちゃんとわかりやすく懇切丁寧に教えなさいよ!」
「はいはい」
「はいは一回でいいのよ!」
「は〜い」
といい争っていた。
「いいか!腰抜けども!次はいよいよ準決勝!しかも相手は去年の優勝校プラウダ高校だ。これからの練習は更に厳しくいく!絶対に勝つぞ、負けたら終わりなんだからな!」
負けたら終わりねえ……学園生活と思うが、まあ間違ってはいないだろう
「どうしてですか?」
「負けても次があるじゃないですか?」
「相手は去年の優勝校だし」
「そうそう胸を借りるつもりで」
と一年生メンバーがそう言う。まあ正しいな。だが河嶋は
「それではダメなんだ!!」
河嶋の一言で全体が静まり返る。なんなんだ?
「勝たなきゃダメなんだよね」
いつも陽気な角谷も今回は違い真剣な表情でそう言う。疑問だけが湧くばかりだ
「西住、指揮」
「あ…はい!では、練習開始します!」
『はい!』
みほの号令で本日の練習が始まる。すると
「西住ちゃん、那須ちゃん」
「はい?」
「この練習終わったら生徒会室に来て」
「……分かりました」
突然呼び出された。なんなのだろうか?
「さっさ、入って入って!」
炬燵があった。聞いたことあるぞ。日本の炬燵は人をダメにするって
「炬燵はどう?暑くない?」
「大丈夫です」
「いや〜寒くなって来たね。こういう寒い時はやっぱ鍋に限るよね〜」
角谷がそう言う。鍋ね…。
「北緯50度を超えましたからね」
「次の会場は北ですもんね」
「まったく、試合会場をルーレットで決めるのはやめてほしい」
河嶋がそう言う。雪原ステージはプラウダにとっては庭のような物だろう。ドイツ戦車にとっては最悪のステージだが
「あの……話って?」
みほは、生徒会室に呼ばれた理由を聞こうとしたが
「まあまあ、あんこう鍋でも食べて体を温めようよ」
「会長の作るあんこう鍋は絶品なのよ」
何故か逸らされる。なんなんだろうか?
「ま、今はあんこう鍋とやらを楽しもうみほ」
「友梨奈さん……はい」
あんこう鍋を頂く。味噌の味もして美味しい
「ところで那須ちゃん」
「はい?」
「このチームに不満とかってある?」
「…何でですか?私は不満など思っていませんよ。とても楽しいですし充実してます」
「そうか〜優しいね那須ちゃん」
すると、角谷会長がアルバムを持ってきた
「ほら、河嶋が笑ってる!」
「そんな物見せないで下さいよ!」
どこかの行事に参加したのだろう。とても楽しそうな一面であった。
「『楽しそうだ……』」
「ん?何か言った?那須ちゃん?」
「いえ、何も」
ふ〜んと言っていた。結局食事が続き、話すと言っていた事も何もわからなかった
「一体何を話そうとしたんだ?」
「うーん……」
と寮に着き、部屋に入った
「言えなかったじゃないですか……あの事」
二人が帰ってから、生徒会室でお茶を飲みながら河嶋がそう言った。
「これで良いんだよ、転校して来たばかりの西住ちゃんと真面目な那須ちゃんには肩が重いだろうし」
「ですが……」
「二人には事実を知って萎縮するより、伸び伸び試合してほしいからさ」
そう言う角谷に、河嶋と小山の二人は頷いた。