ティーガーⅡ車内
「『ペーター、本当にあれで良かったのか?』」
「『何がだ?』」
「『ゆっくり慎重なのは良いが一気に攻める話だ。本当にあれで良いと思うのか?』」
「『ふっ、なら大丈夫だ。一度経験してみるが良いだろう。勝ち続けるその慢心をね』」
「『………納得した。赤軍の包囲戦は恐ろしいと聞く』」
その頃、観客席近くの丘では
「この寒さ、プラウダより圧倒的に劣る車輌、これでどうやって勝つつもりでしょう?」
聖グロリアーナの一人、オレンジペコが映し出される大洗の様子を見て心配そうに言った。ダージリンは紅茶を飲みながら
「確かに、大洗は数も練度の質ではプラウダより劣っている………けどそんなハンデを覆して来るのが彼女等よ。それにあの人も居るから尚更ね」
ティーガーⅡのキューポラから身を乗り出す友梨奈を見て言う
(さて………友梨奈さんはどんな戦い方を見せてくれるんでしょうね?)
心の中で呟き、微笑んだ
別の観客席では、千代と愛里寿は大洗とプラウダの準決勝を見に来ていた
「友梨奈………お姉ちゃん………」
「愛里寿!また迷子になるでしょ!!」
千代が遅れてやってきた。
「もう、目を離した隙に直ぐ居なくなるんだから」
「うぅ………ごめんなさい」
呆れたように千代は言った。
「大洗、勝てるかしらね?」
「友梨奈お姉ちゃんが居る………!絶対勝つ!」
ボコのぬいぐるみを抱いて言った
『大洗女子学園対プラウダ高校準決勝、試合開始!』
両陣営の戦車は前進を開始した
雪原では、白色塗装のプラウダ高校の戦車が進撃していた。T-34-76、T-34-85、KV-2、IS-2は隊列を組んで進撃していた
「良い!?アイツ等にやられたら車輌は全員シベリア送り25ルーブルよ!」
「日の当たらない教室で、25日の補習って事ですね」
T-34-85に搭乗するカチューシャとノンナが言う。
「行くわよ!敢えてフラッグ車とティーガーだけ残して後は皆殲滅してやる………力の違いを見せつけてやるんだから!!」
『『『『урааааーーー!!』』』』
カチューシャの言葉にプラウダ戦車隊の乗員から万歳の声が上がった。そして、旧ソ連時代から今も歌い次がれるロシア民謡『カチューシャ』を歌い、士気が最高潮まで上がり詰める勢いで進撃を続けた
「『なぁ、なんか歌おう』」
「『………何を?』」
ティーガーⅡ車内では、何もないから暇という事でなんか歌おうと考えていた。
「『SS marschiert in Feindeslandは?』」
「『駄目だ。俺等武装親衛隊じゃないぞ』」
「『Schwarzbraun ist die Haselnussがある。私の父が歌っていた』」
この歌は、第一次大戦の時でも歌われた軍歌だ。