「皆無事か?」
「友梨奈さん……怪我は無いよ」
友梨奈は教会に到着した。
「被害は?」
「三突の履帯、M3の副砲、IV号の砲塔旋回装置が壊れたぐらい……なんとかなると思うけど…」
「…で、どうするんだ?」
と言った時
「西住殿、あれを!」
そう言って秋山が指差した方角には、プラウダの生徒と思わしき2人の少女が、白旗を持って教会に入って来た。入り口のところで止まると
「カチューシャ隊長の伝令を持って参りました」
「伝令…」
プラウダ生徒の言葉にみほと河嶋が前に出る。
「降伏しなさい、全員土下座すれば許してやる。だそうです」
「なんだと!?……ナッツ!!」
「それともう一つ。那須友梨奈をプラウダ高校に引き渡せ。そうすれば許してやるとの事です」
「え!?友梨奈さんを!?」
「隊長は心が広いので3時間猶予をやると仰っています。もし降伏しなければ容赦はしないと……では、失礼します」
二人は一礼して、元来た道を歩いて行った。
各々のメンバーは怒りが頂点に達したのか、徹底抗戦を唱える者もいた。
「でも、こんなに囲まれていてては……一斉に攻撃されたら怪我人が出るかも知れない……みんなが危険になるくらいなら……でも私は皆んなと戦車道を続けたい。友梨奈さんとも」
降伏を拒否して徹底抗戦するか、降伏して土下座して友梨奈を引き渡すか、この二つの選択に絞られた。その時河嶋は
「降伏なんてあり得ない!絶対に負ける訳にはいかんっ!徹底抗戦だ!」
「で、でも……」
「勝つんだ!!絶対に勝つんだ!!勝たないとダメなんだ!!我々にはもう……勝つ以外選択は残されていないだ!」
「どうしてそんなに……さっきの戦闘でも分かるじゃないですか?初めて出場してここまで来ただけでも凄いと思います!?戦車道は戦争じゃありません、これ以上は怪我人が出るかも知れません。怪我人を出してまで戦ったりして……そこに価値なんて無いと思います。勝ち負けより大事な物がある筈です」
「勝つ以外の何が大事なんだ!」
みほの言葉に耳を貸す事なく、河嶋は更に叫んだ
「私……この学校に来て、みんなと出会って……初めて戦車道の楽しさを知りました。この学校も戦車道も大好きに成りました!!だから……」
言い掛け、言葉を続ける。
「その気持ちを大事にしたまま、この大会を終わりたいんです」
「何を言っている……負けたら……我が校は……ッ!」
「ッ!?止めて桃ちゃん!」
「止めろ河嶋!!それ以上言うな!!」
小山と角谷が、声を荒げて言った……
「『我が校は廃校になる』…そう言いたいんですか?河嶋さん」
「「!?」」
友梨奈はぼそりと言った。二人もなんで分かっているのか分からない顔をしていた
「え……?学校がなくなる……?」
「ど、どういう事ですか?」
「那須ちゃーん…どうして知ってるの?」
「あの時から考えてただけです。話をはぐらかすと考えれば絶対裏があるって。調べたらビンゴ。…で、どうなのですか?」
角谷会長はゆっくり前に出て言う
「那須ちゃんの言う通り、負ければ我が校は
廃校になる」