「廃校?」
「学園艦は維持費も運営費も掛かりますので、全体数を見直し、統廃合する事に決定しました。特に、成果の無い学校から廃止します」
文部科学省学園艦教育局。そこにいるのは、大洗女子学園生徒会メンバー三人が文科省に呼び出された事がきっかけだった。文科省の眼鏡をかけた役人はなんの感情も無く大洗廃校を言い渡す
「つまり……私達の学校が無くなると言う事ですか?」
「納得出来ない!!」
「今、納得出来なかったとしても本年度中に納得して頂ければこちらとしては結構です」
「じゃあ来年度には……」
「はい」
「急すぎる!!」
「大洗女子学園は近年、生徒数も減少してますし、目立った活動もありません。昔は戦車道が盛んだった様ですが」
「ん〜じゃあ……戦車道やろっか?」
文部科学省の役人から告げられた廃校宣言を前に、角谷杏は答える。
「「えぇ!?」」
「戦車道をですか!?」
戦車道をやるの言葉に驚く河嶋と小山は驚くが角谷は、
「まさか、優勝校を廃校にしないよね〜?」
角谷は、役人にそう言ったのだ。
そして時は戻り
「文科省から学園艦の維持運営コストの関係で、大洗女子学園を廃校だって言われちゃってね……」
「だけど、戦車道の全国大会で優勝したら考え直すって、会長が言質を取ったの……」
「それで戦車道を復活させたんですか・・・・」
理由を聞いたみほは、納得した様に呟く。
「戦車道をやれば、助成金も出るって聞いてたし、それに学園艦の運営費にも回せるしね」
「…まさかとは思いますけど、援助してもらってる生活費って……?」
「うん。助成金から出してる」
シャイセと友梨奈は思った。こう言うことを知った以上、益々負けていられなかった。維持費が掛かる学園艦の運営費まで削って援助してもらっていたと言うことか……?
「じゃあ、全校大会というのは嘘だったんですか!?」
「それは本当だ」
「でも、いきなり優勝だなんて無理ですよ」
梓が声を上げた。いきなり優勝だなんて奇跡でも起きない限り無理だろう……自分が中学生戦車道の時経験した。優勝は程遠いものだ
「いやー、昔は大洗でも戦車道が盛んだったんなら、もっと良い戦車があると思って………だけど、予算が無くて良いのはみんな売っちゃったらしいんだよねぇ〜」
一同は一瞬押し黙る。じゃあ何故ステファンは売られてなかったんだ?
「では、ここにあるのは!?」
「うん、みんな買い手がつかなくて売れ残ったやつ。那須ちゃん達のは運が良かったっていう感じだったんだけどね」
秋山が聞くと、角谷会長がいつもの調子で答える。
「そんな!それでは、優勝など到底不可能では?」
「だが、他に考え付かなかったんだ。古いってだけで、何も特徴もない学園が生き残るには……学校の廃校を防ぐどんな手があったと言うんだ!」
カエサルが言うと、河嶋が肩を落として言う。
「まあ、無謀だったかも知れないけどさぁ………後一年残った時間を泣いて学校生活を送るより希望持ちたかったんだよ……」
角谷会長も弱々しい笑みを浮かべてそう言った。
「みんな……黙っていてごめんなさい……」
そう言って、小山が頭を下げて謝る。
「そんな…じゃあ西住殿や那須殿を勧誘したのは」
「うん。少しでも優勝できる可能性を……廃校を回避できる可能性を少しでも大きくしたかったんだよ………西住ちゃん、那須ちゃんごめんね……」
今の自分の顔は複雑になってるだろうな
「高校生になってもう浪人するのか?人生不安だ……」
それは他も同じみたいだった。一度離れた友達とまた会うなんて確率だ。全員同じ高校に入れる訳じゃない。私は大洗が好きになった。元ドイツ国防軍人として、大洗女子学園が危機に晒されている状況を見過ごすわけにはいかない。
「白旗を上げるには、まだ早い……」
「友梨奈さん……」
「今までの気持ち、忘れてはいないだろ?聖グロリアーナも、サンダースも、アンツィオも!私たちは諦めなかった!だからここまで来れた!今の状況!やられた車両はいるかみほ!」
「ふぇ!?や、やられてません!」
「そうだ!全車両無傷とはいかなくとも稼働できる!3時間もリミットはある!それこそ反撃の策を練れるチャンスだ!我々は絶対に諦めない!力を信じ、大洗を信じろ!!」
『!!!!』
「それに、諦めないのが大洗の戦車道だ。違うか?みほ」
みほは辺りを見渡す。そして
「…友梨奈さんのいう通り、私達は負けてはいません」
「西住ちゃん……」
「隊長……」
「来年も皆と戦車道をやりたい…その気持ちは同じな筈です!」
みほがそう言うと
「そうです!私達はまだ負けてません!私も、西住殿と同じ気持ちです!」
「そうだよ……とことんやろうよ!諦めたら終わりじゃん、戦車も恋も!!」
「まだ、戦えます」
「うん」
「転んでも」
「「タダでは起きぬ大洗っ!」」
みほの言葉にあんこうチームの秋山、武部、五十鈴、冷泉、そしてカバさんチームのカエサル、エルヴィン、左衛門佐がそう答える。
一年生チームは
『力を信じ大洗を信じろ!!』
と友梨奈が言ったセリフをもう一度大声で言っていた。シュローダー化しない事を祈った友梨奈ではあったが
「会長さん、降伏はしません。最後まで戦い抜きます。ただし、みんなが怪我しないよう冷静に判断しながら最後まで戦い抜きます!」
「分かったよ、西住ちゃん……」
みほがそう言うと角谷はそう言って頷く。
「修理を続けて下さい、三突は足周り、M3は副砲、寒さでエンジンが掛かりにくくなっている車両は、エンジンルームを温めて下さい、時間はありませんが落ち着いて」
「「「「「はい!」」」」」
みほは、各チームに修理する様指示を出す。河嶋は目から溢れ出る涙を拭い
「……我々は、作戦会議だ!」
……取り敢えずは、なんとかなるはずだ