ガールズ&パンツァー 最後の虎   作:東ドイツ空軍航空部隊

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第四十七話 士気回復

 

 

 

 

その頃、廃教会は静まり返っていた。まるで戦意喪失したかの様に、いつもの元気な雰囲気などまるで感じられ無かった。降伏勧告から既に二時間が経った。寒さと飢えは、戦意をどんどんすり減らしていく

 

 

「降伏時間まで、後何時間だ?」

 

 

「一時間」

 

 

「一時間、この状態で待つのか………」

 

 

河嶋が聞くと、小山は沈んだ様な声で答えた

 

 

「いつまで続くのかな?この吹雪………」

 

 

「寒いね………」

 

 

「うん」

 

 

「お腹すいた………」

 

 

ウサギさんチームは六人で一枚の毛布をこたつの様にして入りながら呟く。

 

 

「やはり………これは八甲田」

 

 

「天は………我々を見放した」

 

 

「隊長、あの木に見覚えがあります」

 

 

カバさんチームの歴女四人は、日本陸軍で起きた『八甲田山雪中行軍遭難事件』と重ね合わせていた。

 

 

「良い事考えた、ビーチバレーじゃなくてスノーバレーってどうですかね?」

 

 

「良いんじゃない………知らないけど」

 

 

アヒルさんチームもバレーさえするやる気すら無かった。

 

 

「…う、Zz」

 

 

「寝ちゃ駄目よ、パゾ美」

 

 

カモさんチームも三人で毛布に包まってじっと待っていた

 

 

「食料は?」

 

 

「こういう事態を予測して無かったので、先配ったスープの他には乾パンしか………」

 

 

「何も食べる物無くなったね」

 

 

沈んでいるメンバーを見ながら、河嶋と小山はそんな会話を交わしている。

 

 

「何かみるみる寒くなってない?」

 

 

「そ、そうですね………」

 

 

「もう、食べられるモノも無くなっちゃいましたね………」

 

 

武部と秋山、五十鈴が教会の窓越しに立って外を眺めながらそう呟く。これがスターリングラードで起きた事とほぼ似ていた

 

 

「先、偵察中プラウダ校は、ボルシチとかロールキャベツ食べてました……」

 

 

「いいなソレ………」

 

 

「美味しそうだな………」

 

 

「それに、暖かそうです」

 

 

「やっぱり、あれだけの戦車を揃えてる学校ですからね・・・」

 

 

外では火を囲んでボルシチを食べたり、コサックダンスを踊ったりしているプラウダの生徒達が居た。

 

 

 

「何でわたし達、こんな所でこんな目に遭ってるんでしょうね………他の皆は、何も知らないのに………わたし達だけ学校の未来とか背負わされて………学校、無くなっちゃうのかな…………」

 

 

「そんなの嫌です…………私はずっとこの学校に居たいです!みんなと一緒に居たいです!」

 

 

秋山が声を張り上げて言った。

 

 

「そんなのわかってるよ。わたしだって………」

 

 

「どうして廃校に、成ってしまうんでしょうね………此処でしか、咲かない花もあるのに………」

 

 

「………」

 

 

「皆さん、体調とか大丈夫ですか………」

 

 

 

「「「「………………」」」」

 

 

「皆、どうしたの?さあ、元気出していきましょう!」

 

 

「うん………」

 

 

そんな中、みほはチームを励まそうと声を上げたが、帰って来たのは武部からの力無き返事だけだった。

 

 

「先、みんなで決めたじゃないですか!降伏しないで最後まで戦うって!」

 

 

『『『『『『は〜い………………』』』』』』

 

 

「分かってま〜す………」

 

 

何とか元気付けようとしたみほだが、帰って来た返事はこれだった

 

 

「おい、もっと士気を高めないと!このままじゃ、戦えんだろ?………なんとかしろ」

 

 

「ええっ!?いきなりそんな事を言われても困ります!」

 

 

「この状況を何とか出来るのはお前しか居ないんだ!隊長だろ!」

 

 

「桃ちゃん、落ち着いて」

 

 

「これが落ち着いていられるか!」

 

 

河嶋の無茶振りである。なんとか出来ないか………すると、歩いてくる音がした

 

 

「足音………?」

 

 

「まだ一時間あるのに………?」

 

 

足音のした方を向くと

 

 

「全員、生きてるみたいで」

 

 

「スターリングラードみたいに凍って死ぬよりかはまだ良いんじゃないか?」

 

 

「!ゆ、友梨奈………さん?」

 

 

王虎さんチーム一行であった。

 

 

「ほら!食糧………と言ってもカップ麺ぐらいだけどな。それでも良いか?」

 

 

『『『『『おー!!』』』』』

 

 

柚奈と三代がカップ麺にお湯を入れていた。人数分の

 

 

「さて………全員まだやれるか!」

 

 

『『『『『『おーー!!!!』』』』』』

 

 

「いっせーのれ!」

 

 

『『『『『『頂きま~す!!』』』』』』

 

 

これで士気が戻るならありがたいと思った友梨奈。みほは小声で

 

 

「………ありがとうね。友梨奈さん」

 

 

と呟いた

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