「戦車なんてあるんですかねぇ………?」
柚奈は愚痴るように呟く。確かに20年前に戦車道を廃止して戦車なんて今もあるのならラッキーだが
「………なぁ、あいつはどうしてると思うか?」
「………あぁ………あいつか」
あいつとはシュローダーと同じ新兵のハートマンの事だ
『自殺行為だ!全員死ぬ。助かる訳がない!!』
………その後のあいつは………『DESERTEUR』(敵前逃亡者)のプラカードを首に下げたまま本拠地のゲートに吊るされていた
いつもあいつの言葉が聞こえる。幻聴じゃない。本当に聞こえるんだ。
「あいつも俺等と同じ運命を辿っていると良いが………」
と舞野が言った。すると
「どうも………皆さん」
「「「!?」」」
この喋り方………まさか
「ハートマンか!?」
「………はい。ハートマンです」
ハートマン………谷川 美代(たにがわ みよ)が居た
「ハートマン………!」
「シュローダー………」
シュローダーは気まずかった。そりゃ散々『役立たず』のレッテルを貼られているからだ。(シュローダーに)
「気にしていませんよ。僕は、シュローダーの言うとおり『役立たず』なんです………皆さんは、こんな役立たずな僕を受け入れてくれますか………?」
「ハートマン………お前は役立たずなんかじゃない。お前が何であろうと受け入れてやる………全て」
「ミューラー………車長………」
「勿論俺もだ。なぁシュローダー?」
「………はい。ハートマン、あの時はすまなかった………」
「………構いません。皆ここに居るのなら………!」
この日、ステファン全搭乗員集合した
「あそこに倉庫があります!行ってみましょう!」
柚奈が指を指した先は少しボロい倉庫だった。しかもデカい
「デカっ………そしてボロッ」
「戦車一両入りそうな倉庫だな。………シャイセ、南京錠か」
「退いてください」
柚奈は合鍵を持っていた。何処で持ってきたんだよ
柚奈は南京錠を開け、扉を開けると
「うわぁ………暗い………」
美代が怯えるように言う。暗闇やわやったっけ?
「ちゃんと電気付くぞ。ほら」
舞野が倉庫の電気を付けると
「………おー」
「………こいつは!」
倉庫に眠っていたのは
「ティーガーツヴァイ………!しかもヘンシェル砲塔です!」
ティーガーⅡ。砲塔はヘンシェル砲塔型である。ポルシェ型よりも防御力が上がったドイツの重戦車だ
「まさかティーガーⅡとは………Ⅰよりも強そうだ」
「良い掘り出し物だな。会長に報告するか………」
「にしてもこのティーガーⅡ、塗装が………!?」
そう。このティーガーⅡはあの時のⅠの塗装であるジャーマングレー、そして237号車であった。それに砲身にキルマークが描いてあった
「………"ステファン"………」