「『命令が来るのを待て』」
「『ヤヴォール……俺達は味方フラッグ車の援護って訳だな。…そして』」
「『敵本隊をやる。それだけだ。シュローダー、お前の腕に掛かってる』」
「『ヤヴォール……!』」
カメさんチームの38(t)を先頭に、Ⅳ号と三突。その次にアヒルさんチームの八九式が配置され、その背後を守る様にM3とB1が配置された。
「小山、行くぞ」
「はいっ!」
角谷がそう言うと、小山はゆっくりと38(t)を前進させ、他の戦車も後に続きゆっくり前進する。出口が目の前に迫った瞬間
「突撃」
掛け声と共に小山はギアを入れて速度を上げて、教会から勢い良く飛び出した
包囲していたプラウダの戦車隊からの集中攻撃、容赦ない攻撃に晒されながらも、大洗チームは“予定通り“防御の薄い地点へと向かった
「フフフ予想通りね、流石私」
自分の作戦が成功したと思っているカチューシャ……だが
「…………ん?」
防御が薄くなってる場所から一気に方向転換。カチューシャ達がいる分厚い場所へと向かってきた
「こっち!?馬鹿じゃないの!?敢えて分厚いトコ来るなんて!?」
カチューシャはヘルメットを被る。
そして今までの仕返しと言わんばかりに大洗から砲撃が始まる。
「返り討ちよ!」
そう叫ぶと、カチューシャはT–34に引っ込み、撃ち返す。
「かーしま、代われ」
「はっ!」
角谷が砲手として代わる。河嶋は砲弾の装填手に移った
「T–34–85に76にスターリン(JS–2)かぁ……皆硬そうで困っちゃうねえ……この37mm砲じゃまともに抜けないよね〜……小山、少し危ないけどギリギリまで近づいて!かーしまも装填急いで!」
「「はいっ!」」
小山の巧みな操縦、河嶋の装填速度の速さで、プラウダ戦車隊を翻弄し、T–34を2両撃破する戦果を挙げた
「よーし、こんぐらいでいいだろ、撤収ぅ〜」
「お見事です!」
このまま味方本隊と合流できる……その時、38(t)の右履帯と転輪が吹き飛び横転した。何が起きたか、T–34–85に搭乗していたノンナからの狙撃だった。
「車輌は速やかに、合流しなさい」
『はい!』
ノンナの指示に、生き残ったプラウダの戦車の車長は返事を返し、本隊に合流しようと動き出した
『いやーごめんねー。2両しかやれなかった上にやられちゃったよ』
「角谷会長、2両やれただけでも大戦果です」
『ありがとう那須ちゃん……後はよろしくね』
『頼んだぞ!』
『お願いね!』
そう言って無線を切った。
「みほ、38(t)がT–34を2両撃破。だがやられてしまった」
『怪我は!?』
「全員の声が聞こえたから無事だ。どうするこの後は?」
『取り敢えずは、この窮地から脱出します!全車あんこうチームについてきてください!王虎さんチームは可能な限りフラッグ車の援護を!』
「「「「「はい!」」」」」
「『よし……ケルツ!味方フラッグ車の先回りをするぞ。“最大脅威“を叩き潰す』」
「『ヤヴォール!!』」
ポルシェ博士ご自慢のエンジンがいい音を鳴らす。750馬力にも上がったこのエンジン、不整地でも安定して走破できるのが強みだ
「『神よ……大洗を救いたまえ……』」
ミューラーは小声でぼそりと呟いた