『大洗女子学園、三式中戦車、行動不能!』
とアナウンスが聞こえた。
「『おいおい、三式中戦車がやられたぞ』」
「『シャイセ……完全初心者だと忘れてた……ハートマン、アリクイさんチームに無線を』」
「『了解』」
ハートマンは、アリクイさんチームに無線を繋ぐ
「アリクイさんチーム、応答を」
『ごめんね那須さん、西住さん。もうゲームオーバーになっちゃった』
『怪我は!?』
『大丈夫』
『大丈夫だっちゃ』
『大丈夫なり』
『良かった、大丈夫みたいね』
「よくやった。バックしていなかったらIV号がやられていた。お見事」
『えへへ、偶然だけど良かったナリ』
そして、ペーターは通信を切る。
「『どうだって?』」
「『全員無事だと。急にバックしたと言う事はギアが固かったのか?』
「『操縦士の意見としては、そうだろうな。油圧か、温っていなかったのどちらかだな』」
と言い、ケルツは操縦に集中する。そして、あんこうチームから通信が
『全車両、作戦を開始します!もくもく作戦です!』
『もくもく用意!』
みほが指示を出し、沙織が全体にその旨を伝える。
『もくもく用意!』
『もくもく用意』
『もくもく用意!』
『もくもく準備完了!』
『レオポンチームも完了しました』
「用意良し!」
『もくもく作戦』の準備が出来たと各車の車長から知らせが入る。
『みんな準備オーケーだって』
『もくもく、始め……!』
『『『『『もくもく、始め!』』』』』
全操縦士はボタンを押す。そして、煙幕が発動し辺りを煙で覆う。風もあって、絶好のタイミングだった
「皆さん、この煙に乗じてこの先の丘に向かいます!続いて下さい!」
『『『『『了解っ!』』』』』
「沙織さん、煙幕が晴れる前にカメさんチームに次の指示を!」
「了解」
「優花里さん、B地点に到着次第華さんとワイヤーを持ってウサギさんチーム、カバさんチームに向かって下さい!」
「「了解っ!」」
みほは、煙幕で敵を撹乱している間に次の行動をする様に指示する。その煙に紛れ、目的地へと目指す
「ん?煙幕……無駄弾を撃たせるつもり…?」
三郷はすぐに気がついていた。
「これは隊長の指示がない限り『全車発砲やめ』…っと」
丁度良いタイミングでまほからの命令だった。まほ隊長も分かってるみたいだった
ただ、副隊長のエリカのティーガーIIが砲撃できないなら車載機銃を撃って確認していた
「三郷さん、副隊長のティーガーII、機銃を撃ってます」
「無駄弾を撃てないから機銃で?…まあ、機銃の方が弾は多いけど」
そして、煙が晴れてくる
「敵、11時方向に確認!」
「あの先は坂道だ。向こうにはポルシェティーガーとケーニヒスティーガーがいる。足が遅いから簡単には登れない。十分に時間はあるはずだ」
エリカが言った方向には高地がある。そこに陣地を形成して黒森峰と戦うつもりなのだと、まほは睨んでいた
「煙幕を張るなんて……」
「All is fair in love ane war.」
ここでダージリンが流暢に格言を言う
「恋と戦いは、あらゆる事が正当化されるのよ」
『イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない』の格言と類似した格言を言うダージリン
「あ、煙幕晴れて来ました」
オレンジペコがそう言うと、ダージリンは飲もうとしていたティーカップを置いてモニターに目を移した。
「煙が晴れます!」
そして、目の前を見ると、IV号、三突、M3が前方でポルシェティーガーを引っ張り、後続はティーガーⅡ(10.5cm)が長い砲身を相手側に向けて後ろから押していた。Sla.16エンジンを更に自動車部が特別改良して750馬力からもう200馬力強も馬力が上がっていた。だから、ポルシェティーガーを後ろから押して行くなど簡単であった。黒森峰のティーガーⅡ(ヘンシェル)と比べても、全体的な性能は(10.5cm)に軍配が上がる
「な、ティーガーⅡであんなに登れるの!?」
三郷は驚いていた。せいぜいこちらのティーガーⅡでは690馬力が限界なのだが、相手の方は関係なく登っている。それも重い筈のポルシェティーガーを押して
『さすがに重い……』
『レオポン、ダイエットするぜよ』
『どっしりしている所がレオポンの良いとこだ!』
『重い……ダイエット……』
ポルシェティーガーを牽引する麻子とおりょうは重いと愚痴り、ポルシェティーガーのどっしりしている所を賞賛する左衛門左、重いとダイエットの言葉に反応した沙織などの声が聞こえた。
「『ポルシェティーガーも重量がある戦車だからな。……そう言えば、ケルツはポルシェに乗ったことがあると?』」
「『ああ。試験走行に参加したさ……結果は察しろ』」
いつエンジンがおかしくなってしまうか分からないポルシェティーガー。ケルツは試験走行の際、笑いそうになりながらエンジンを直していたとか
「王虎チームが居て良かったな。グイグイ速度が上がる」
麻子がそう言う。950馬力を生かして斜面をぐいぐい登る
「それもそうですけど、那須殿が馬力を上げてくれてることには感謝ですね」
と優花里が言うと、あんこうチーム皆が賛同した
「そっかー、みんなで引っ張ってたのね。ポルシェティーガーを、んんっ…、や、やるわね」
カチューシャは、まるで子供のように目をキラキラさせて見ていた。