「そんな………………マウスが、やられた!?」
市街地へ踏み込もうとしている黒森峰本隊には、マウスの車長から、撃破されたとの報告を受けていた。
「嘘でしょ……どうやって……!?」
通信を受け、驚きのあまりに大声を上げるエリカの言葉を聞いた三郷。驚愕の一言以上だった
「くっ………………これはのんびりしていられないわね。全車、速度を上げて!市街地へ急ぐわよ!」
エリカが叫ぶと、黒森峰の戦車隊は加速して、市街地へと急行した。
「………やっぱり、もう来てる」
土手を上がった所から黒森峰の様子を見ていた梓は、双眼鏡から目を離して呟くと、他のチームへと通信を入れた。
「此方ウサギさんチーム。黒森峰の本隊を発見しました。恐らく、後3分程で市街地に到着します!」
『来たか。流石に時間を掛け過ぎたか』
梓からの通信を聞いた友梨奈は言う。
「でも、未だ一応時間はあります。全車、次の作戦に移ってください!」
『はい!』
『ほーい』
『了解』
と言い、八九式が車体から下り、ヘッツァーがゆっくりと後退してマウスから出てくる。そのままヘッツァーは進むかと思ったが
「『ヘッツァー停止しました!』」
ハートマンが言った。流石に厳しかったか……!とペーターは思った。エンジンから黒煙が出て、白旗も上がっていた
「ふぅ………よくここまで頑張ってくれたな………」
桃が上面装甲を撫でながら言う。
「うん。やれる事は、もう十分にやったね」
「私達の役目もこれで終わりだな」
柚子と杏がそう呟き、桃はⅣ号から降りたみほに声をかける
「ええ………西住隊長!」
「すみません………」
「謝る事なんて無いよ!」
「そうそう、良い作戦だったよ!」
申し訳なさそうにみほは言ったが、柚子と杏が励ます
「後はお前の頑張り次第だ、頼んだぞ!」
「………………はい!」
最後に言った桃に、みほはそう返してⅣ号に乗り込み、前進の指示を出す。
「『全員、敬礼』」
ペーターがキューポラから顔を出し、敬礼をした。王虎チーム全員が敬礼をした
カメさんチームも、王虎チームの想いが伝わったのか、敬礼で返してくれた。
みほは、その場に大洗チームの残りの戦車全てが居るのを確認すると、全車両に通信を入れた。
「此方は6輌で、相手の戦車は14輌。戦力の差が2倍もありますが、フラッグ車は両チームとも1輌しか居ません。敵の狙いは間違いなく、私達あんこうチームです」
メンバーは緊張していた。フラッグ車が撃破されれば、試合、学校生活も終わってしまうのだ
「相手は大軍で攻めてきますので、先ずは敵戦力の分散に努めてください」
『了解です!さぁ、敵を挑発しまくるよ!』
『『『おー!』』』
無線機から、アヒルさんチームのメンバーからの返事が聞こえる。
「それと敵を分散する際は、火力と防護力が高いヤークトティーガーやエレファントに十分注意してください」
『了解です!それと隊長、最後尾は任せてもらえますか?必ず撃破してみせます!』
「分かりました、お願いします!」
梓にそう返すと、今度はレオポンチームに向けて言った。
「あんこうは敵フラッグ車との1対1の状況を窺います。その際には、レオポンさんの協力が不可欠です!」
『了解』
『あいよ、任せといて隊長!』
『うひょー、燃えるねぇ~!』
そして最後は、王虎チームに
「王虎さんチームは、独立行動を許可します!しかし出来る限り、レオポンさんの援護をお願いします!」
『了解。任せろ』
友梨奈は返す。日本語で喋る時は友梨奈だった。
「それで、これより最後の作戦《ふらふら作戦》を開始します!」
『『『『『『はい!』』』』』』』
みほが言うと、他のチームのメンバー全員からの返事が返される。
決着に向けて、大洗チームは動き出した