全国大会は勝てた。Ⅳ号が横滑りをし、フラッグ車のティーガーⅠの後ろをとり、エンジン部分に砲撃し、撃破した
「凄い………凄いよみぽりん!勝ったよ私達!」
沙織がみほに抱きつくが、当の本人は未だに唖然としていた
「か、勝ったの…………?」
「ええ!勝ったんですよ、西住殿!」
「そうですよ、みほさん!」
「ん…………勝った」
そんなみほに、優花里、華、麻子が順に声を掛け、段々と、みほの表情に喜びの色が浮かび上がった。
撃破された他のチームメンバーは、初めの待機場所に居た。全員、今回の優勝に、興奮の色を隠せない様子である。
素人集団の寄せ集めの自分達が全国大会に出場し、戦力が相手より遥かに少ないと言う大きなハンデを抱えながらも数々の強豪校を打ち破り、優勝の座にまで上り詰めたのだ。まさに奇跡とも言えるだろう
そんな彼女等の元へ、Ⅳ号を引っ張ってくる回収車が姿を現す。
「あ!帰ってきた!」
気づいた典子が走り出し、他のメンバーもその後に続き、回収車の停車と共に動きを止めるⅣ号の周りに集まってくる。
「この戦車でティーガーを………………」
「ええ」
「お疲れさまでした」
Ⅳ号戦車でティーガーを撃破した事をしみじみと思い出す優花里に華が言うと、沙織がⅣ号へと労いの言葉を投げ掛ける。
「西住!」
桃から声が掛けられる。
振り向くと、微笑みながら見ている杏と、泣き出す一歩手前状態な柚子、何とか感情を堪えている桃が立っていた。
「西住………この度のお前達の活躍においては、何て言えば良いのか分からん………でも、本当に………本当に………あ、ありが………………うわぁぁぁあああああっ!!!」
桃は火がついたように泣き出す。
「もぉ~、桃ちゃんってば、泣きすぎだよぉ…」
柚子は涙を浮かべながらも、大泣きする桃の目から溢れ出る涙をハンカチで拭った。
それまで何も言わなかった杏が、ゆっくりと歩み寄ってくる。
「西住ちゃん………これで学校、廃校にならずに済むよ………」
「はい」
そう言う杏に、みほは返事を返す。
「私達の学校、守れたよ!」
「………………はい!」
その言葉に、みほは、より一層大きな声での返事を返す。杏は小柄な体を力の限り跳び跳ねさせ、みほへと抱きついた。
「ありがとね……本当に……ッ!」
「いえ…………私の方こそ、ありがとうございました」
礼を言ってくる杏にそう言って、みほは抱き返す。
「そう言えば、王虎さん達は?」
友梨奈達がいない事をエルヴィンが言い、他のメンバーもそれを思い出す。
すると、エンジン音が聞こえた。そして彼女達の前で止まったのが、ティーガーⅡである。
『『『『『『『『『『………………』』』』』』』』』』
皆が静かになった。それもその筈、とてもボロボロになって帰ってきた。装甲スカートの殆どは外れ、弱点部分につけたパンターの装甲も剥がれていた。しかしそれでも自力で帰ってきたのだ。
そして、キューポラが開く……
「……なんだ?皆んなしてそんな顔で」
と、真っ黒けになった友梨奈が出てきた。
「ゆ、友梨奈さん……?真っ黒ですよ?」
「え?……まあ、黒煙吹いたしなぁ……ま、そんな事より」
友梨奈はひょいっと降りてくる
「…優勝おめでとう。全員で掴み取った勝利だ」
この言葉で、再度、皆が勝利を喜んだ。
「友梨奈さん」
「みほ。どうした?」
みほは友梨奈に声を掛けた。
「ようやく見つけたよ。私の戦車道!」
「…あぁ、みほの戦車道、見せて貰った」
と言うと、みほが抱きつく
「みほ?」
「……少しだけ、こうさせてください」
と、数秒みほが抱きつくこととなった
「これが、貴女達の優勝旗です」
舞台の上にて、みほは1人の女性から優勝旗を渡される。
意外にも重いのか、若干よろけながらも友梨奈に近づく
「掲げないのか?」
「友梨奈さんも、持つんだよ?」
「…何で?」
「なんでも何も………………ね?」
と、どうやら断る事も出来なさそうな為、半分のところを持つ
《優勝、大洗女子学園!!》
観客席からは大歓声が響いた。