ガールズ&パンツァー 最後の虎   作:東ドイツ空軍航空部隊

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第七十三話 さようなら

 

 

 

 

「廃校は免れるって……」

 

 

武部が皆の気持ちを代弁して言った。

 

 

「あれは確約ではなかったそうだ。存続を検討してもいいという意味で、正式に取り決めたわけではないそうだ」

 

 

何だそれは。高校生舐めてるのか

 

 

「それにしても急すぎます!」

 

 

磯部が声を出した

 

 

「来年では無かったんですか?」

 

 

「検討した結果、3月末では遅いという結論に至ったそうだ」

 

 

「なんで、繰り上がるんですかー」

 

 

河嶋は膝から崩れ落ちて泣いてしまった。

 

 

相手の腹の中が見えてきた。要するに、大洗女子学園が勝って自分のポストが危うくなったから………シャイセ

 

 

「じゃあ、私たちの戦いはなんだったんですか? 学校が無くならないために頑張ったのに」

 

 

澤も怒りを露わにする

 

 

「納得できーん」

 

 

「何する気?」

 

 

「学校に立てこもるー!」

 

 

河嶋はガシガシと校門を叩いた。周りのみんなはざわ付いて騒がしくなってきた。

 

 

「残念だがっ! 本当に廃校なんだ! 我々が騒ぎを起こせば、艦内にいる一般の職員の再就職は斡旋しない、全員解雇にすると、そういわれた」

 

 

そこまで考え済みか。

 

 

「全く、大人達って汚ないよな舞野?」

 

 

「えぇ。全く………少なくとも根回しするのが早いと思ってる」

 

 

だが、この学園艦も、大洗女子学園も無くなってしまう。

 

 

「みんな静かに!今は落ち着いて指示に従ってくれ」

 

 

今……会長、何か考えがあるんですか?

 

 

「会長はそれで平気なんですか……」

 

 

河嶋がそう言った。

 

 

「みんな、聞こえたよね? 申し訳ないけど、寮の人は寮で、自宅の人は家族の人と引っ越しの準備をして下さい」

 

 

「あっあの、戦車はどうなるのですか?」

 

 

「全て……、文科省の預かりとなる……」

 

 

「戦車まで取り上げられるんですかー」

 

 

みほの質問に答えた角谷会長の言葉に秋山が泣きそうになる。

 

 

そこまでやるのか。

 

 

「すまない……」

 

 

だが、自分は角谷会長を信じていた。この大洗で1番権力が高い人?角谷杏会長だ。絶対に諦めない人だ

 

 

 

 

 

 

あれから自分の部屋の荷物を整理し、学校へと向かった。チームの殆どが集まっていた

 

 

「このティーガーⅡともお別れですかね」

 

 

「馬鹿言うな……と言いたいが、お別れなんだろうけど………」

 

 

袖奈と美代が先に居た。袖奈に至っては天板で寝転がっている

 

 

「『ペーター、どう思う?あのクソ役人』」

 

 

「『諦めるつもりはないと思うがな。角谷会長は特に』」

 

 

「『お前に戦車道復帰を促した人だからな……ま、もう全てを諦める事になるんだろうな………』」

 

 

…いや、まだ早いと思うぞ

 

 

空から爆音が聞こえた。あれは

 

 

「サンダース大付属のC5Mスーパーギャラクシーです!」

 

 

サンダースからの増援だった。

 

 

「サンダースでウチの戦車を預かってくれるそうだ」

 

 

元気を取り戻した河嶋が腰に手を当てながら微笑みながら答えた

 

 

「えっ、大丈夫なんですか?」

 

 

「紛失したという書類を作ったわ」

 

 

当然の心配をする五十鈴に対して小山が答える。

 

 

「すげぇ。自分も見習いてぇ………」

 

 

「何を偽装するつもりだ舞野」

 

 

とツッコんだ。こいつならやりかねん

 

 

「みんなお待たせー」

 

 

と、スーパーギャラクシーからケイが降りてくる。

 

 

「サンキュー、サンキュー!」

 

 

「こんなのお安いご用よ。さぁみんな! ハリーアップ!」

 

 

そして、戦車をスーパーギャラクシーに載せていく。ティーガーⅡに関しては砲塔を後ろにして入れることになった。

無駄に砲身が長かったのが原因だったが、問題はなかった

 

 

そして、スーパーギャラクシーは離陸していった。

 

 

「『あれは希望の光か』」

 

 

ケルツがそう言った

 

 

 

 

 

学園艦を降り、港に集まった

 

 

「出港してしまうんですね」

 

 

「これでお別れなんですか……」

 

 

「さらば……」

 

 

皆が別れを惜しんだ。自分たちも他人事ではない

 

 

「こんなの彼氏と別れるより辛いよー」

 

 

「別れたこともないのに?」

 

 

辛辣なツッコミをする五十鈴。珍しく舞野が笑っていないが

 

 

「行かないでー」

 

 

「笑って見送ろーよー」

 

 

「ありがとーう」

 

 

「元気でねー」

 

 

「「さようならー!」」

 

 

一年生達も出港を見送った

 

 

「『……総員、敬礼!!』」

 

 

ペーターはドイツ語で敬礼をした。王虎チーム全員が敬礼をした

 

 

「『さようなら……大洗女子学園………』」

 

 

ハートマンが静かに呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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