「『文科省と交渉?会長とペーターが行くのか?』」
「『あぁ。明日、文科省に殴り込みに行く。しかも日本戦車道連盟理事長と日本戦車道プロリーグ強化委員である蝶野亜美さん、そして西住流師範、西住しほさんもだ』」
「『すごい面子ですね………』」
「『大丈夫なんですか?あの検討メガネがどう出るか分からないですよ?』」
検討メガネって何だよとペーターはツッコんだ
「『日本人のお偉いさんって検討に検討を重ねて検討しますっていうのが常套句なんですよね?』」
「『やめてくださいシュローダー』」
一体シュローダーはどこでそんな言葉を覚えたのか
そして文部科学省学園艦教育局長、検討メガネこと辻廉太との話し合いが始まった
しほさんは辻を睨みつけていた。上官より怖いと思ってしまうが
「若手の育成なくしてプロ選手の育成は成し得ません。これだけ考えに隔たりがあってはプロリーグ設置委員会の委員長を私が務めるのは難しいかと」
文科省の弱いところを攻撃するしほさん。
「いや、それは……今年度中にプロリーグを設立しないと戦車道大会の誘致ができなくなってしまうのは先生もご存知でしょう」
なんとか穏便に話を進めたい辻は、穏やかな口調で諭すように話していた。
家元ってスゲェー
「優勝した学校を廃校にするのは文科省が掲げるスポーツ振興の理念に反するのではないでしょうか?」
「しかし、まぐれで優勝した高校ですから」
「戦車道にまぐれなし! あるのは実力のみ!」
「ひっ……」
……まぐれねぇ………相手まで侮辱と取られてもおかしくはない発言だ
「どうしたら実力を認めていただけるのですか?」
「まぁ、大学強化選手に勝ちでもしたら…」
お?言ったな?言質とったぞ
「わかりました。勝ったら廃校を撤回してもらえますね?」
角谷会長はここぞとばかりに捲し立てる。
「ええっ……?」
辻は自分達の反応が意外だったらしく、困った表情をした。
「今ここで覚書を交わしてください!」
会長がせいやくしょと書かれた紙を片手にサインペンを渡そうとする。
「噂では口約束は約束ではないようですからねぇ?」
……本当に角谷会長って、すごい人だ
にしても大学強化選手………恐らく大学選抜チームの可能性が高いな。
楽な戦いはこの世には無いな
「みんな。試合が決まった!」
「試合?」
「大学強化チームとだ」
「ええっ……」
「大学強化チームとの試合に勝てば今度こそ廃校は撤回される」
角谷会長から先ほど決まったことが話される
「文科省局長から念書もとってきた。戦車道連盟、大学戦車道連盟、高校戦車道連盟の承認ももらった」
「さすが、会長ー」
念書を掲げる会長に飛びつく河嶋。
「もう隠していることはないですよね?」
カエサルが念を押した。もう無い筈だ
「ない!」
角谷会長は胸をはってはっきりと答えた。
「勝ったら本当に廃校撤回なんですね?」
磯部がさらに念を押す。
「そうだ!」
「無理な戦いということは分かっている……。だが必ず勝ってみんなで大洗に学園艦に帰ろう!」
「「おぉぉぉ!」」
「『大学選抜か。腕利き揃いが多いぞ』」
「『そうなんですか?』」
「『高校から選抜されたチームだからな。確か試合一回見た事がある。本当に強いぞ』」
「『ケルツさん、見たことあるんですか?』」
「『シャーマンでヤークトパンター屠るような連中だぞ?』」
これは……想像以上の強敵だと感じたステファン一行であった
検討メガネって何だよ