203高地(カチューシャ命名)から撤退するひまわり中隊
「『後方のT-34、撃たれまくってます。恐らくカチューシャさん搭乗の戦車でしょう』」
「『…………』」
ペーターはここでカチューシャを失うのはまずいと考えていた。
「『ケルツ、遅れている撤退車両を援護するぞ』」
「『正気か?弾くとは言え油断はできんぞ?』」
「『そこはケルツの操縦の腕とハートマンの射撃の腕に掛かってる』」
路肩に止め、砲をパーシングに向ける
「相手の進路を妨害するように…………フォイヤー!!」
この狭い道だ。戦車一両がギリギリ通れるぐらいの幅しかないからな。撃った砲弾がパーシングの左履帯に命中し進路を塞ぐように止まった
『ユリーシャ!?何してるの!?』
「何って、撤退の援護だ。カチューシャ。今のうちに早く!」
『友梨奈さん、援護感謝します』
ノンナからの無線だった。
プラウダ戦車隊は全車両無事だった。
「『よくやった。履帯に命中させたのはお見事だ』」
「『雨の中履帯修理ってどうなんですかねぇ………』」
その後は鮮烈の最後尾にて敵攻撃を何とか耐える事ができた。
あの謎の砲撃、まさか
「『カール自走臼砲だとはな』」
「『何ですかそれは?』」
そういえばハートマンとシュローダーは知らないな
「『本来ならオープントップで戦車道じゃ使えないはずなんだが』」
「『密閉式の戦闘室にでもしたんじゃ無いですか?それに砲弾に関しては自動装填装置とやらが付いてたらしいですし』」
にしてもあれを戦車と認めて良いのだろうか?いや、シュトゥーラ・エミールでも同じ事が言えるのかって言う話やけど
角谷会長はヘッツァーでどうやって撃破したのだろうか?後、継続高校は護衛のパーシングを2両撃破して自車も撃破されたらしい。BT-42でどうやったらパーシングを倒せるんだ?
「BT-42、パンター1両、チハ旧が1両、それぞれ3両やられましたね」
「でもでも、こっちはカールにパーシング5両撃破したよ」
「これで27対25ですね」
数の優位ではこちらが上だ………が、油断は出来ない
「相手は腐ってもパーシングですから」
「あぁ。油断は出来ない」
一層気を引き締めないとな……と友梨奈は心の中で呟いた
「西住さん、我が校は1両とは言え戦列を離れてしまい誠に申し訳ございません」
「いえいえ」
知波単の隊長であり、あさがお中隊の副隊長でもある西がみほに謝罪をした。
「うちは全員健在よ! 当然だけど」
カチューシャはドヤ顔でニコリと笑った。
「危うく、全滅しかかったと聞いているわ。友梨奈さんに感謝することね。カチューシャ」
「分かってるわよ!」
ダージリンがカチューシャの痛いところをついた。数ではこちらが勝ってるとは言え、少しでも油断すれば負けてしまうのだ
「すみません、私の責任です。最悪の結果は免れましたが、みなさんを危険に晒しました。もう少し上手くことが運ぶと思ったのですが……」
みほは少々気落ちしていた
「定石通りやりすぎたな。らしくもない。みほの戦いをすればいいんだ」
まほがみほの方を見て頷く。
「それで、ここからの作戦は? 大隊長」
「局地戦に持ち込んで個々の特徴を生かしてチームワークで戦いましょう」
「急造チームでチームワークぅ?」
「急造でもチームはチームだ。互いに足りないところを補いあって戦うしかない」
「『プフッ』」
友梨奈が珍しく笑った。無線越しに
「ちょっと!?友梨奈笑ったわね!?」
「すまない。ま、エリカ。急造チームワークで頑張っていきましょ?」
「ぐっ……なんか貴女に言われると腹たつわね」
エリカは固くなりすぎなんだよと思っていた友梨奈であった。
「チームを再編成してあそこを目指します。あの中だと遭遇戦がやりやすくなります」
成る程。遊園地か
「『遊園地で戦闘経験は?』」
「『無い』」
「『無いですね』」
「『無いです』」
全員無いらしい。愛里寿が動く前に何両かこの遊園地で片付ければ良いのだが
「パンツァー・フォー」
みほの号令で全車は遊園地へと向かった。