「目標地点まで一分だ。ここはシュローダーの出番だ」
「了解しました」
ケルツ操縦で目標地点に向かっている最中だ。射撃はシュローダーがやってくれる。行進間射撃は苦手だが、狙撃は出来る筈だ。そして目の前に吊り橋が見えた。
「ケルツそこで停車、森に紛れるように」
「ヤヴォール」
ケルツは茂みに隠れるように移動する。でもデカくて隠れれてるかどうか分からんが……
そうしていると、砲撃音が多々聞こえてくる。戦場と思ってしまうが、これは練習試合だ。
「砲撃音が凄いな……一体誰と誰がやり合っているのやら」
ま、積極的に狙われるとするならみほ一択だな。
「シュローダー、お前ならどの戦車を狙う?」
「そうですね。三突でしょうか。あの火力はとても厄介かと思います」
「……本当に来るのでしょうか……?」
ハートマン、まあ待ってろ。後少しすれば……
「来た……だがまだ発砲は禁ずる。みほが身を乗り出している。破片が飛び散るかもしれない」
「分かりました!」
その頃みほたちは、八九式と三突に追い回されていた。しかも車内には逃げる最中に出会った冷泉麻子を乗せていた
「も~やだぁーどうすればいいのよー!!」
武部が取り乱しそう言う。みほはハッチをあけて前方を見るとそこにはつり橋があった。
「停車してください」
みほがそう言うと操縦手をしている五十鈴が止める。するとみほは戦車から降りる
「今出たら危ないですよ!?」
「大丈夫。二発目まではたぶん時間があるから大丈夫!」
そう言い、みほは戦車が橋を渡っても大丈夫か確かめる。そして安全を確かめると
「ゆっくり前へ!」
みほがそう言うとⅣ号はゆっくりと前に進む。砲撃の影響で橋が大きく揺れる
「落ちるぅ〜!嫌だぁぁぁ!」
武部がそう叫ぶ。その時
「撃てぇー!!!」
三突の75ミリ砲が火を噴く。そして砲弾がⅣ号にあたる。撃破判定は出なかった。だが……
「あっ……!」
「五十鈴殿!?」
五十鈴は砲撃の衝撃で気絶した。
「華! 大丈夫ッ!?」
「操縦手失神! 行動不能!」
と、秋山がみほにそう言う。一方発砲した三突では……
「いた、見た、撃った!」
「よしっ!行けるぞ。このままBチームと協力して撃破するぞ」
装填手のカエサルがそう言い、車長のエルヴィンがそう言う。どうやらみほを警戒してBチームと手を組んだみたいだった。
「2対1!?卑怯ですよ!車長!攻撃を許可しないのは!?」
「落ち着けシュローダー………ペーター、Ⅳ号操縦手は気絶して走りは困難だ。このまま高みの見物でもするか?」
ケルツが見る。ペーターはシュローダーを見る
「ナイン、見物するつもりはない。シュローダー、三突砲身を狙え」
「砲身………腕が衰えてなければ、出来ます!」
「………おっと」
「どうしたケルツ?」
「Ⅳ号の動きが変わった。まるでベテラン操縦士が乗ってるみたいに」
ケルツはハッチを開いて見る。Ⅳ号とは思えなかったその動きは。どうやったらⅣ号であんな動きが出来るんだ?
「シュローダー、まだか?」
「今合わせてます………!照準良し!」
「………フォイアー!!」
シュローダーは引き金を引いた
Ⅳ号では、操縦手が気絶しているため誰かが操縦を代わらなければならなかった
「………操縦は苦手だけどやるしか」
その時、Ⅳ号が動きだし、橋の真ん中へ。操縦席には操縦マニュアルを片手に操縦している麻子が居た
「麻子!操縦出来たんだ!」
「今覚えた」
「い、今っ!?」
「さっすが学年主席!!」
冷泉の言葉に秋山はびっくりし、武部が感心して言う。
「とにかく撃てぇ!」
「連続アタックっ!!」
「「「それ!それ!それぇ!!」」」
八九式の副武装である機関銃を撃つ。三突の装填手であるカエサルが弾を持ち上げようとしたが、重くて持ち上がらなかった。Ⅳ号はバックした
「ちょっと!バックし始めたよ!?」
「分かってる」
そう言い麻子は操縦桿を一気に前に倒す。そして三突、八九式の砲撃を難なくかわす。その衝撃で五十鈴が復活した
「は!?わたしは………」
「大丈夫?」
「あ、はい・・・すみません」
「ううん。少し休んでて」
「いいえ、大丈夫です」
みほは安心したような顔をし
「………秋山さん!砲塔を回転させてください!」
「は………了解!!」
秋山は戦車の砲塔を三突に向けたが
「西住殿!敵が砲撃しそうであります!」
「間に合いそうですか!?」
「まだ照準が合ってないので難しいです!」
三突!砲撃開始………かと思ったが、Ⅳ号に衝撃は来なかった。何故なら
「え!?何が起きたの!?」
「三突の砲身が割れています!今がチャンスです!秋山さんお願いします!」
「わ、分かりました!」
その後は、三突を撃破、八九式も撃破した。みほは車内で考えていた
(どうして急に三突の砲身が………?それと他の砲撃音も………まさか………?)
その時
ズドン!!
砲撃と共に森から出てきたのは
「ティーガーⅡ………!那須殿の!」
ペーター達が乗っているティーガーⅡが森から現れた
「ど、どうしましょう………ここで砲撃されたら」
と言っていたら、キューポラから人影が
「あれは友梨奈さん………?」
その時、ペーターはこう言った
『早く渡ってこい。スポーツマンシップにのっとってやるのが戦車道だ!』
と言った。
「心が広いとはまさにあう言うことなんですね」
「取り敢えず渡ってください」
Ⅳ号は橋を渡る。ティーガーⅡは砲を上げたまま待機していた
「やぁ………みほ」
「………友梨奈さん」
「まだやれるか?」
「………はい!」
「良いだろう………掛かってこい。中学以来のリベンジマッチと行こう!」
「望むところです!」
正面からの砲撃戦だ。シュローダーはⅣ号の動きを追ってはいるが中々当たらない。
「あぁシャイセ!なんだよその動き!?」
ケルツが少々イライラしているがな………これでも優秀だ
「シュローダー………力を信じろ………」
「………ヤヴォール!!」
ある意味格言みたいなものだが、Ⅳ号はドリフトするかのようにティーガーⅡに回り込むが、ケルツはティーガーⅡを無理やり急旋回させた
「「砲塔旋回良し!」」
「「撃て!!」」
Ⅳ号の砲弾とティーガーⅡの砲弾はすれ違うかのように目標に飛んでいき………
『AチームⅣ号D型行動不能!』
勝った………ギリギリ
そして、格納庫へと向かった
「みんな初めてでこれだけガンガン動かせれば上出来よ!!」
と蝶野教官は評価する。
「特にA、Fチームは上出来だったわ!皆あとは各々戦車訓練に励むように、何かあったら連絡ちょうだいね」
「それでは、本日の戦車訓練を終了します、一同、礼!!」
『ありがとうございました!!』
一同礼をし今日の戦車道の授業は終わったのであった。