「『相手はどう出た?』」
ペーターは砲手のシュローダーに聞く。
返ってきたのはとても普通なものだった
「『BCの戦車は撤退していきます。恐らく先程の長距離射撃で撤退を選んだのかと』」
「『ふむ……なんとかなりそうだ。ケルツ、前進しろ。シュローダー、砲塔を回し砲身を折らないようにしろ。全員何かに掴まれ』」
橋が完全に破壊されてる以上、迂回すれば時間がかかる。ならばそのまま行くしかない。ティーガーⅡならあの河川も簡単に行ける筈だ
あの衝撃で履帯が外れてないだけでも奇跡か。
水飛沫も半端なく起きていた。ロシア戦車はジャンプが得意だと言うが、これがその感じか。
そのまま横断していき、そのまま対岸へと行きアヒルチームとレオポンチームと合流した
『おー凄い操縦だねぇ。履帯壊れてないー?大丈夫ー?』
レオポンチームのナカジマからの無線だった。
「問題ない。履帯がよく耐えてくれる。いい子だ」
「マリー様………何故あそこで撤退を?あのまま押し切れていたと思いますが………?」
「……ごめんなさい。確かにあのまま行けば勝利は取れてたと思ったわ」
「マリー様………?」
撤退し、草原を走っている中、隊長お抱えの立場にいるエスカレーター組のリーダー格の『押田』に頭を下げるマリー。いつもならケーキを頬張っている彼女らしくない様子に受験組の『安藤』も困惑気味であった。
「まさか大洗にあんな隠し玉があるなんて………」
「あのティーガーⅡ重戦車の事ですか?」
「確かにあの包囲の中、冷静に我々の戦車を一両持って行ったのは流石優勝校だとは思いますが………」
マリーは一人、思考を巡らせていた。あのティーガーⅡはなんなのか。
そして分かった事があるなら一つあった。あの射程から自分の横の戦車を撃破できる腕を持っていると。プラウダ高校のノンナ、サンダース高校のナオミ、この両名手と同等の腕かはたまた………それ以上か
「(随分ナメた事してくれるじゃない………!)」
「すみません友梨奈さん。助かりました」
「とんでもない。全車両無事みたいで良かった」
みほ達の救出に当たった。どうするかと思っていたが、マークIVを足場がわりにするという発想はすごかった。やはりみほの指揮は素晴らしい
臨機応変に対応できるのも全く変わっていなかった。
「一応反撃し、一両は袖奈が持って行った。……この後どうする?BC自由学園はある程度の連携は採れると言う事はわかってしまった以上、油断ならないぞ」
「試合はほぼ振り出しに戻っただけです。もう一度偵察を出して、向こうの出方を見ましょう」
みほに今後の動向を尋ねてみるとそんな返答が返ってくる。
ま、大洗らしい戦法だな。手当たり次第偵察し、敵を発見する。